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術伝流操体no.39 - (2017/02/25 (土) 14:05:11) のソース

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術伝流操体 【3】操体で一通り治療 [3]自動運動への対処 
(1) 座位での手のひら感覚みがき

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#contents
*(1)はじめに
 先回までの数回で「ラクな寝方になれない人」にどう対処するか書い
てきました。 

 操体をしていると、ラクな姿勢がわからない人と反対に、どんどんラ
クな姿勢を求めて動いていってしまう人もいます。そして、それが本人
には意識的に制御するが難しい自動運動になってしまう人もいます。

 今回からは、そういうどんどん動いていってしまう人の動きを追いな
がら、適度なタワメの間(ま)やイイ感じを保ち続けるために役立つ術
を解説していきます。

*(2)手のひらの感覚をみがく
 どんどん動いていってしまう人を追っていくためには、手のひらの感
覚をみがく必要があります。手のひらで受け手がどちらに動こうとして
いるか感じとり、受け手についていくことが必要です。

 つまり、受け手にふれている手のひらの皮膚のズレで、受け手の体が
動いていく方向を感じとり、その方向に自分の体を動かしていくわけで
す。

 とくに、患者さん本人にも意識的に制御しにくい移動運動の場合には、
相手の先回りをして動いていく必要も出てきます。

 受け手にふれている手のひらの皮膚がどちらにもずれていない感覚を
つかむ、「平」というか「中」というか、そういう感じを、体を動かし
ながらでも保てるように稽古し、その感覚を身につけていきます。

 こういう感じで、手のひらの感覚をみがくことは、ふだんの操体のタ
ワメの間でのイイ感じを保つためにも役に立つし、按摩指圧などでの補
の手技で、受け手の体に合った圧を保っていくのにも役立ちます。

 また、どちらにもずれていない感覚が身につくと、皮膚操体で、その
ときの状態に合った張り具合に皮膚をずらしたまま保つことも、より適
切にできるようになります。

 そして、手のひらの皮膚がどちらにもずれていない感覚がつかめれば、
受け手が大きく動きたそうにしていれば分かりますので、操体のタワメ
の間を終りにしてよいときも分かりやすくなります。

 今回は、まずは、座位で、手のひらの感覚をみがく練習法を説明して
いきます。

*(3)座位での手のひら感覚練習
 座位で向かい合い、互いに手を合わせ、動きを追い合います。

 自分の右手を相手の左手に、左手を相手の右手に合わせますが、手の
合わせ方は、いろいろあります。

**1.合掌から
 手のひら同士を合掌させるように合わせ(写真1)、手のひらに感じ
る動きに合わせて、ゆっくり追い合っていきます(写真2)。

&ref(DSCF0748.jpg)写真1

&ref(DSCF0749.jpg)写真2

**2.手を組んでから
 右手を相手の左手に組み、もう片方も組み合わせ(写真3)、手のひ
らに感じる動きに合わせて、ゆっくり追い合っていきます(写真4)。

&ref(DSCF0750.jpg)写真3

&ref(DSCF0751.jpg)写真4

**3.手のひらを重ねてから
 相手に手のひらを上に向けてもらい、自分の手のひらを重ね(写真5)
手のひらに感じる動きに合わせて、ゆっくり追い合っていきます(写真
6)。

&ref(DSCF0752.jpg)写真5

&ref(DSCF0753.jpg)写真6

 手のひらを上に向けて、相手の手のひらを上に重ねてもらう形からも
できます(写真7)。

&ref(DSCF0754.jpg)写真7

 また、片方を上向き、片方を下向きにして、相手にそれに合わせても
らってもよいですし(写真8)、その逆でもよいです。

&ref(DSCF0755.jpg)写真8

 いろいろヤジウマしてみましょう。

 初めはわかりりにくいですが、だんだんどっちが先に動いているかわ
からないような感じになっていくことが多いです。逆に言うと、そうい
う感じになるまで稽古する必要があります。

*(4)座位の足さばき
 相手が大きく動いていくときには、手だけでなく体も動かして追って
いく必要があります。

 そのためには、足さばきが重要です。座位での足さばきは、いわゆる
袴歩きが効果的です。むかし袴をはいていたころ、畳の上を立ち上がら
ずに進んだときの足さばきです。

**1.袴歩き
 正座からつま先立ちになり、膝とつま先で歩きます。

 座位から膝はそのままにつま先立ち(写真9)になり、膝を右に大き
く開きます(写真10)。

&ref(DSCF0756.jpg)写真9

&ref(DSCF0757.jpg)写真10

 左膝を右膝の10cmほど前方に合わせるように右によせてから(写真
11)、右つま先を支点にして左膝を左におおきく開いていきます(写真
12)。

&ref(DSCF0758.jpg)写真11

&ref(DSCF0759.jpg)写真12

 つぎは、左右逆に、右膝を左膝の10cmほど前方に合わせるよう左に
よせてから(写真13)、左つま先を支点にして右膝を右におおきく開い
ていきます(写真14)。

&ref(DSCF0760.jpg)写真13

&ref(DSCF0761.jpg)写真14

 そして、また、右膝のすこし前方に左膝をよせて(写真15)、右つま
先を支点にして左膝をおおきく左に開いていくという感じで、一連の動
作を繰り返していくと、どんどん前へ進めます。

&ref(DSCF0762.jpg)写真15

 袴歩きは、床の上をつま先や膝がすべるような感じになるとうまくで
きます。

 また、動かす膝と同じ側の肩を、膝と同じように動かすのも、コツで
す。つまり、ナンバ歩きをご存じでしたら、おわかりのように、袴歩き
は、ナンバ歩きの座位版です。

*(5)はかま歩きで手のひら感覚練習
 はかま歩きの姿勢で、互いに手を合わせ、動きを追い合っていきます
(写真16)。

&ref(DSCF0763.jpg)写真16

*(6)おわりに
 本当は、週1で毎回30分を1年くらい続けて練習すると、動きが身
につき、初めての患者さんの自動運動も追えるようになっていきます。

 ひまを見つけ、いろいろなタイプの方を相手に練習してみてください。
 

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