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術伝流操体no.1 - (2010/08/21 (土) 11:21:38) のソース

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[1]応急処置から学ぶ操体の基本  (1)操体を知っていますか?
#contents
*1.はじめに
 操体というのは、仙台の開業医、故橋本敬三先生がまとめられた手技
運動療法です。

『万病を治せる妙療法 操体法』(農山漁村文化協会)

『生体の歪みを正す』(創元社)

上記2冊の本に、操体をまとめ上げていく過程がくわしく書かれていま
す。

 一言で言うと、操体というのは「気持ちよく動いて治す」方法だと言
われていますが、そう言われて何のことかわかりますか?

*2.操体を知らない人に臨床で使いこなせるか
 治療院でいきなり

「体が感じる気持ち良さを聞き分けて動いてください」

と言われても、面食らって動けない人がほとんどではないでしょうか。

 そのあたりが使いこなせれば、たいへん役に立つ技術にもかかわらず
普及していない原因のように思います。

 講習会もたくさん開かれていますが、講習会で操体を習い、講習生同
士ではできるようになっても、実際の臨床の場では操体を使いこなせな
い理由の大部分も、

「気持ちよく動くってどういうことか初めての人に伝えられない」

ことにあるような気がしますが、いかがでしょう。

 私自身、講習会に出て講習生同士では操体をして結果を出せるように
なっていましたが、実際に操体を知らない一般の人を相手に操体をする
ときに

「体が感じる気持ち良さを聞き分けて動いてください」

と言っても動いてもらえないことが多く、操体を使いこなせないでいま
した。

*3.言葉の通じない赤ちゃんや仰向けになれない人には操体ができないの?! 

 私の次男は、23週626gで生まれた超未熟児で、脳性麻痺でした。生
まれてすぐ保育器に入れられ、6カ月入院して帰ってきたときには酸素
ボンベからのチューブを鼻に付けていました。

 なんとか元気に育ってほしかったですが、そういう赤ちゃんに

「体が感じる気持ち良さを聞き分けて動いてください」

と言っても当然動いてはもらえないわけです。

 言葉の通じる大人ですら動いてもらえないことが多いのですから、言
葉の通じない赤ちゃんにはよけい難しいのは当たり前だなと思いました。

 なんとか言葉の通じない人にも効果の出せる操体ができないものか、
試行錯誤がはじまりました。

 もう一つ、臨床の現場で操体していくうえで困ったことがありました。

 病気や障碍があったりすると、定番の操体でまずはじめに取る姿勢を
取れない人、つまり、仰向けやうつ伏せになれない人が多いわけです。
そうすると、いわゆる定番の操体は、そのまま使えません。

 私は、次男以外にも障碍の重い人に操体を使う機会が多く、そういう
人にもたくさん出会いました。

*4.言葉が通じなくても定番の姿勢になれなくても操体はできる
 この2つ、

(1)言葉の通じない人にも気持ちよい動きをしてもらう

(2)定番の姿勢になれない人にも操体を使えるようにする

を課題としていろいろ試行錯誤してきました。

 脳性麻痺の次男に操体をしつづけて、酸素ボンベは退院後半年ほどで
はずれ、なかなか歩けなかったのが歩けるようになり、塗り絵をすると
3cmはみ出してしまう状態だったのが、字が書けるようになりました。

 操体のおかげだなと思っています。

 今では、言葉の通じない赤ちゃん、認知障害のお年より、病気が重く
て仰向けやうつ伏せになれない人には、ほかの方法よりも操体がいちば
ん向いているように思い、そういう人相手には、まず操体を試してみる
ようにすすめています。

 たとえば、ぎっくり腰の人は横向きで丸まった姿勢でしか寝られない
人がほとんどです。そういうときに操体をすると、1回の治療で、寝返
りを打つのもつらかった人に自分でトイレに行くくらいにはなってもら
えることが多いです。

 実際にどうするかというと、その横向きで丸まった姿勢をすこし強調
する操体をしています。

 ぎっくり腰の人に限らず、目の前の人がそのときとっているラクな姿
勢をすこし強調してあげると気持ちよいことが多く、そうすると操体で
効果が出しやすいことがわかりました。

 これがわかったときには、なんとなくコロンブスの卵みたいな感じが
しました。

*5.術伝流操体は定番の操体よりも臨床で使える!
 もうすこしくわしく書くと、私は、いま臨床の場では、

「ラクな姿勢で寝てもらい、イイ感じを探して味わってもらう」

という形で操体をしています。

 そして、

「ラクな姿勢をすこし強調するとイイ感じになりやすい」

ので、ラクな姿勢をすこし強調する手順もいろいろ見つけてきました。

 その方法を知ってもらえれば、もっと多くの人が臨床の場で操体を使
いこなせるようになるだろうと思って、講座を開いてきました。

 この技術がわかれば、かるい腰痛や肩こりなどの人に対しても、定番
の操体よりも効果があがりやすいようで、講座で練習したことをクイッ
ク・マッサージなどの現場に取り入れたり、鍼治療に組み合わせたりし
て、たくさんの患者さんに喜ばれている人が増えています。

 運動器系だけでなく逆子の治療なども多くの人が成功しています。

 そこで今回、「あはきワールド」から「操体での応急処置」をテーマ
に連載を依頼されたのを機会に、これから実際に臨床の場でよく出会う
症状の人たちを想定して、その人たちに対する応急処置を操体でしてい
くためにどういう操体がよいか練習しながら、操体の基本を解説してい
きます。

 1回目は腰痛です。

 なお、定番の操体と区別するため、これから紹介する操体を「術伝流
操体」と命名することにします。

*6.おわりに
 今まで講座でしてきたことを文章でどこまで表現できるか、一抹の不
安もありますが、できるだけわかりやすく、ガッテンして納得していた
だけるようにしたいと思っています。

 よろしくおねがいします。


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いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。

 よろしくお願いします。

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 感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。

 また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、
養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。


 よろしくお願いします。

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 よろしくお願いします。

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 よろしくお願いします。

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