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術伝流操体no.38 - (2010/08/07 (土) 17:13:42) の編集履歴(バックアップ)


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術伝流操体 【3】操体で一通り治療 [2]ラクになれない人への対処 
(6) 対処法6.頭などの皮膚操体、耳などの動きの操体

頭などの皮膚操体、耳などの動きの操体

(1)はじめに


 体の大きな歪みに着目した「ラクな寝方を強調する」操体とは、別の系統の体の一部分に注目する操体の3回目は、体の一部分にする動きや皮膚の操体です。
 例えば、頭、顔、首、胸部の鎖骨や胸骨肋骨のまわりなどの細かいツボへ、指で皮膚操体したり、耳や鼻、唇のまわり、髪の毛など動きやすい部分へ動きの操体をしたりします(写真1)。
写真1:DSCF0714.JPG
 髪の毛の動きの操体は寝た姿勢よりも座位ですることが多く、座位の操体を取り上げるときに紹介します。

(2)姿勢は仰向けが多い
 受け手の姿勢は仰向けのことが多く、操者は受け手の頭のほうに座ります。この状態から操者の手の届く範囲ですることが多い(写真2)ので、大人が受け手の場合には、胸の上部までの範囲がおもな施術個所になります。
写真2:DSCF0528.JPG

 後頭部のツボにするときは寝方を変えてもらいますが、後頚部は指を差し入れて仰向けの姿勢からすることが多いです。肩甲骨中央の天宗穴にするときも仰向けの姿勢で肩のほうから指を差し入れて操体する先生もいます。

2.顔や頭などの細かいツボへの皮膚操体
 頭、顔、首、胸部の鎖骨や胸骨・肋骨まわりのこまかいツボを探し、指先で皮膚操体をします。

1.ツボの出やすいところ
 頭のツボは、正中線、正中線と平行で両目を通る線、耳を通り正中線と直交する線、これら4本の線上にあることが多いので、その線上に指をすべらして凹んだところを探します。すぐ下に頭蓋骨があるので、体のほかの部分よりも凹み具合は少ないですが、表面の皮膚がブヨブヨしているところをみつけるのがコツです。

 顔のツボは、やはり正中線、正中線と平行で両目を通る線の線上に多いですが、顔の横側の目尻と耳のあいだの線上にも出ます。やはり、指をすべらせて凹んだところを探しますが、顔はあまり沢山さわられるのはイヤなことも多いところです。ですから、まずは自分の顔をよくさわって凹んだところを探し、ツボの出やすいところを覚えましょう。そうすると、サッとツボをみつけられるようになります。正中線上では、眉間、鼻頭、唇の上下など、目を通る線上では、額の横(写真3)、上顎・下顎の凹み、顔の横側では、目尻の横(写真4)、顎の付け根などがよく使われます。そういうあたりで、凹んでいたり、まわりとは違う感じのところをみつけるのがコツです。
写真3:DSCF0532.JPG
写真4:DSCF0540.JPG

 首のツボは、のどの両脇、耳たぶの後ろ側から首の真横の線上、後頚部の背骨の両脇、後頭骨下縁、つまり、首のいちばん後頭骨より、鎖骨の首側などです。やはり凹んだところを探します。顔や頭のツボとくらべて大きめのツボが多いです。鎖骨首側のくぼみ、横頚部中央(写真5)、アゴと首の境目(写真6)、後頭骨下縁がよく使われます。
写真5:DSCF0542.JPG
写真6:DSCF0543.JPG

 鎖骨では、首のところで書いた首よりのほかに、鎖骨の胸側のくぼみにも出やすいです。ここは咳が長引いたときなどにスジバリ状のシコリが、鎖骨の胸側に張りついたような感じで出ます。

 胸骨・肋骨まわりでは、胸骨中央の膻中や胸骨脇の肋間、それ以外の肋間などによく出ています。肋間のくぼみだけではなく、鎖骨の場合と同じように骨に張りついたような感じで出ることもあります。スジバリ状だけでなく、ゴマ粒が張りついたような感じで、シコリになっていることもあります。

2.皮膚のズラ仕方
 今回説明しているところに出ているツボは、細かいことが多いので、ツボの上の皮膚に指を当てて皮膚操体することが多いです。操者と受け手の位置関係から、中指が使いやすいと思いますが、場所によっては他の指も使います。
 まずツボの上にしっかり指の腹を乗せ、すこし沈め指が滑らないようにぴったりツボの上の皮膚に貼りつけます。
 それから、皮膚に平行に左右にずらしてみてイイ感じのほうをさがします。そのあと、上下、つまり頭のほうと足のほうにずらしてみてイイ感じのほうをみつけます。そして、左右上下のイイ感じを組み合わせた方向にずらし、ツボの上の皮膚がかるくピンと張った状態にします。
 言葉が通じないでイイ感じのほうを受け手に聞けない場合には、ずれやすいほうにずらします。
 時計回り反時計回りに捻転するように皮膚をずらすのがよいこともあります。

 頭、顔などのツボは細かいので、皮膚に平行にずらすよりも指を沈める方向に動かしてツボ上の皮膚を張ったほうがイイ感じのこともあります。「沈」の皮膚操体とよんでいます。
 この場合にツボの穴が空いている方向に張るのがコツです。言い換えれば、よく沈む方向に張るとイイ感じが深くなることが多いです。
 ただし、筋肉に圧がはっきり届くようでは押しすぎになります。ツボの上の皮膚が沈む方向にすこしピンと張った状態になっているが、筋肉には圧があまりかかっていない状態がちょうど良いです。
 方向もふくめ、受け手と相談してちょうど良くなるよう工夫してください。

3.皮膚の張りをたもつ
 皮膚に平行に張った場合でも沈める方向に張った場合でも、皮膚操体をしているあいだ、その張りを一定にたもつのがコツです。
 ツボの上の皮膚の張りがゆるんでしまうと、そのとたんにイイ感じが消えてしまいます。張ったり緩んだりするのもイイ感じが消えやすいというか、緩んだ瞬間にイイ感じが消えるので、イイ感じが持続しません。
 中指で皮膚に平行に張りをつくった場合には、人指し指か薬指で反対方向にほんのすこし張りをつくる感じで支える(写真7)と皮膚の張りが緩みにくいです。
写真7:DSCF0710.JPG

 中指で沈める方向に張りをつくった場合には人指し指か薬指をかるく支えるように中指のそばに置くと皮膚の張りが緩みにくいです。
 親指で皮膚の張りをつくったときには人指し指で反対側に張ったり支えたりします。

4.いろいろ付け足す
1)手足をモジモジさせたら動かしてもらう
 皮膚操体をしている途中で、手足をモジモジさせている感じがしたら、「手足を動かしてもイイですよ」と声をかけると、手足を動かしてよりラクな姿勢になってもらえることが多いです。
 姿勢が大きく変わったら皮膚操体のイイ感じが消えることも多く、そしたら皮膚操体を終えて、ラクになった姿勢から寝方別の操体に移ります。

2)沈と指そらしの組み合わせ
 顔や首などのツボに沈などの皮膚操体をしているときに、経絡的に関連する指を反らすのを付け加えるとイイ感じが増えることが多いです(写真8、9)。
写真8:DSCF0538.JPG
写真9:DSCF0547.JPG

 このときに、腕が指まで届かない位置にあるなら、操者は受け手の上腕くらいに位置に移動したほうがよいでしょう(写真10、11)。
写真10:DSCF0711.JPG
写真11:DSCF0571.JPG

 経絡は前・横・後ろが基本なので、首など皮膚操体をしている場所が前か横か後ろかで指を選びます。前なら親指か人差し指、横なら中指か薬指、後ろなら薬指か小指を選ぶと、イイ感じが増えることが多いです。

3)沈に動きの操体を加える
 沈の操体をしている場所によっては、その部分の筋肉が緩むような腕の動きをくわえると、イイ感じが増えることがあります。
 たとえば、鎖骨の首側あたりをしている場合には、腕をあげるような格好にするとイイ感じが増えます(写真12)。
写真12:DSCF0558.JPG

5.イイ感じが消えたらつぎの操体へ
 皮膚操体で姿勢が変わらなくてもイイ感じが消えたら、止めて、次の操体に移ります。まだ、顔や頭などにツボが出ていそうなら皮膚操体を続けてもいいし、ちがう操体に移ってもよいです。
 そんな感じで操体を続け、終了5~10分前になったら仕上げに移ります。ゆっくり座位になってもらい、頭の後ろで手を組んで左右捻転と前後屈のイイ感じの組み合わせと重さの操体の組み合わせをしてから、手の指揉みをします。

(4)耳などの動きの操体
 耳、鼻の頭、上唇と鼻のあいだ、下唇とアゴのあいだなどは、動きやすいので、動きの操体をすることもできます。
 両方の耳たぶや耳殻を親指と人指し指でつまんでイイ感じのところを探します。みつかったら、つまんだ耳をあちこちに引っ張ってみてイイ感じの方向を探し、そちらの方向に耳を引っ張った(写真13)ままにします。
写真13:DSCF0563.JPG

 左右の耳の引っ張り方が正反対になるようにすると、頭の中にイイ感じが生まれるような気がしてとても気持ちよく感じることも多いです。

 鼻の頭(写真14)や上唇と鼻のあいだ(写真15)などは、同じように、イイ感じのほうに動かすことをきっかけにします。皮膚もすこしずれるので、皮膚の操体と細かい部分の動きの操体と両方している感じになります。
写真14:DSCF0549.JPG
写真15:DSCF0550.JPG

 あとは、皮膚操体とほぼ同じです。耳を引っ張った感じがゆるんだりしないように、鼻の頭などを動かしたときのイイ感じがきえたりしないように、工夫します。
 手足をモジモジさせたら、声をかけてよりラクな姿勢を探して動いてもらいます。そして、大きく姿勢が変わったらラクな姿勢からの寝方別の操体をします。
 耳を引っ張っているうちにイイ感じが消えたら違う方向に引っ張ってイイ感じがないか確かめ、イイ感じの方向が見つかったら、そっちにしばらく引っ張ったままにしてもよいです。
 鼻なども同じですが、細かいので、方向の変化を判断するのがむずかしいかもしれません。
 時間終了5~10分前になったら座位で重さの操体などをしてから、手の指揉みをして仕上げます。

(5)微妙なのでイイ感じがないときはできない
 頭や顔への皮膚操体も、耳などの動きの操体も、感覚的にとても微妙なので、イヤな感じがあるときにはできません。
 イイ感じがわからないときには、張りやすい方向や引っ張りやすい方向をしているとしばらくしてイイ感じが出てくる人もいます。その場合は、そのまま続けてイイ感じを味わってもらいます。
 しばらく続けてもイイ感じが出てこない場合には、止めて別の操体をためしたほうがいいでしょう。
 しかし、ラクな寝方からの皮膚や動きの操体がわからない人のなかには、こういう微妙な操体でイイ感じがわかりやすいという人も案外多いようです。そういう人には、こういう操体のほうが気持ちよいからこっちをしてくださいと言われる人もいます。
 そういうわけで、ヤジウマしてイイ感じならやってみてください。

(6)おわりに

 今回は、体の大きな歪みをみていくラクな寝方を強調する方法とは
ちがって、体のごくごく小さな一部分に注目した方法を紹介しました。
これで、ラクな寝方にならない人への対処法はおわりです。

 次回からは、逆に、操体しているあいだにどんどんうごいていって
しまう人への対処法です。



   つぎへ>>>術伝流操体no.39



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