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29歳の独身サラリーマン・片山輝彦は、ある日、スケートリンクで転んで頭を打って気を失う。気がつくとそれまでの数時間の記憶をすっかりなくしていた。プロポーズするつもりで給料三ヶ月分の婚約指輪を買ったこと、そして自分が3人の女性を相手に三股をかけていたことは覚えていたが、その3人の誰に婚約指輪を渡すはずだったのか思い出せない。プロポーズ相手を思い出そうと、彼は改めて彼女たちそれぞれとデートをしてみるが、結局3人それぞれの魅力を確認しただけだった。
実は輝彦には30歳までに結婚したい理由があった。2年ほど前、学生時代からの付き合いで同棲までしていた恋人・絵美里に「子供過ぎる」という理由である日突然捨てられ、その傷を癒すために30歳までに彼女よりいい女と結婚して幸せになってやろうと決心していたのだ。
混乱する輝彦は記憶を失ったスケートリンクにふらふらと足を運ぶ。そこで彼はどこかで会ったことがあるような気がする少女エミと出会う。
最終更新:2021年05月31日 21:57