私は数年前から購入を検討していた中古本があった。もはや今は絶版でその本を手に入れられるのは数少ないだろう。その本には数学的な理論上、ネクタイの結び方は85通り存在するということを記されていた。
果たしてどのようにして85通りと求められたのか、ネクタイの結び方を考案した人物や結び方の名の由来は何処からかを知りたいと思い、その本を購入して開いてみた。
すばらしい。文庫本でありながらなんという知性あふれ、私をここまで好奇心に追いやるものかと自分でさえも驚いた。しかして85通り存在するということを知っている人はインターネットでのブログを探している限りでは多いように見えるが、結び方そのものを紹介しているところを私は探し出すことができなかった。こんなにもわくわくする内容の本がなぜ絶版になってしまったのだろうかと理解に苦しむ。そこで私は、ネクタイの結び方をこのウィキを使って紹介しようと思った。本来は本そのものを丸ごとスキャンして公開してやりたいほどだが、もちろんそんなことはできない。だが、結び方そのものを紹介することは問題ないはずだ。なぜなら、ネクタイの結び方に特許や意匠権は存在しないのだから。それに、本来もっと詳しい数学的な内容や歴史的経緯を知りたければその本を買う人はいるはずだからだ。『とりあえずネクタイの結び方を知ることができればこまけぇこたぁいいんだよ!』と言う人だっているはずだ。だから私はその本に書かれた通りに実際に結んでみてそれを紹介してみようと思った。
ネクタイを不格好に結ぶことで人から冷笑を買い、たかが布一つの結び方ぐらいでしか若者をいびることのできないという、社会の先輩だと世俗的に言われているおっさん世代の人たちからとやかくネチネチと煩わしい罵詈雑言を言われることはいけないと思ったからだ。布一つ結べたところで何も偉くはないから、そんなことで怒られてもつまらなく感じるだけだ。
さて、その本の筆者でもない私がここまで言うことには若干抵抗があるが、その本の主な内容を抜粋して紹介したいのとあと一つだけ言いたいことがあるだけだ。
私はYMOやおニャン子クラブ、後ろ指さされ組さえをも好む古い物好きのマニアだ。しかし私は微々たるものの、めでたく日本レコード大賞を受賞したというダンスユニットが増殖しながらそれに比例して人気の高まりつつあるEXILE、無限大な夢から覚めてしまえば現実とはああこうも空しい何もないものなのかと教えてくれる曲、さらには「光る風を追い越したのならば、あなた(主)に会えるだろう」という聖歌までをも理解している。だからおっさんもそうであってほしい。温故知新が許されるのならば、新しいものを受け入れようとする姿勢でいていただきたいのです。これはネクタイを使用する全年齢層に対する私からの中立的な皮肉です。これは実に、実につまらないものですがお受け取りください。
そして、このネタはおよそ大してあまり多くの人がみるものではないだろうという、Izzythe620特有の自己満足感から得られる考えにより文体は常体をデフォとすることにした。だから詩人気取りだとか、似非オスカーワイルドなどとからかわないでほしい。とりあえず最初は時系列からたどってみていくといいんじゃないかな。
パクリ参考文献:
ネクタイの数学―ケンブリッジのダンディな物理学者たち 男性の首に一枚の布を結ぶ85の方法 (新潮OH!文庫)
英語屋向き原書:
The 85 Ways to Tie a Tie: The Science and Aesthetics of Tie Knots