ポケモンクエスト
【ぽけもんくえすと】
ジャンル
|
わちゃわちゃ探検RPG
|
|
対応機種
|
Nintendo Switch
|
販売元
|
任天堂
|
開発元
|
ゲームフリーク
|
発売日
|
2018年5月30日
|
定価
|
基本プレイ無料
|
プレイ人数
|
1人
|
レーティング
|
CERO:A(全年齢対象)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
ゆるーいグラフィック ゲーフリ初の外伝タイトル
|
ポケットモンスターシリーズ
|
概要
本家『ポケットモンスター』シリーズを製作しているゲームフリークが初めて製作したポケモン番外編。
全部が“しかくい”世界のカクコロ島で、四角いポケモン達と一緒におたから探しの探検をする。
-
当ページでは「ポケモン」と表記しているが、四角いポケモンの公式名称は「ポクセル」。
-
Nintendo Switch版とスマートデバイス向けアプリ版が配信されているが互換性はない。当wikiの規定上、以下の内容は全てSwitch版に基づく内容である。
特徴
-
『とうぞくと1000びきのポケモン』のように、用意されたステージをクリアしていく面選択型。
-
スタミナの概念が存在し、ステージ探索はスタミナを消費して行う。スタミナは時間経過で回復。
-
ゲーム内では、探索を行うポケモン達のサポート用ドローンのバッテリーを消費・充電しているという設定、プレイヤーはベースキャンプよりドローンを通じてポケモンへ指示を送っている。
-
各ステージの最後には通常より一回り大きいボス・ポケモンが登場し、倒せばクリアとなる。
-
全滅した場合には獲得したアイテムは失い経験値のみを得られる。後述のゲーム内通貨を消費することでアイテムを持ち帰ることも可能。
+
|
システム色々。長いので格納
|
-
登場するポケモンは第一世代に登場した151匹。
-
メガシンカ及びリージョンフォームは無し。ただしピッピ系がノーマルでなくフェアリータイプになっている等、各ポケモンのタイプに関しては本家六世代以降に準拠している。
-
初期ポケモンはお馴染みの初代御三家・ピカチュウ・イーブイのいずれかから選ぶ。選ばなかったポケモンも後で入手できる。
-
レベルの概念があり、ポケモンたちは本家同様のレベルで進化する。通信交換・進化の石で進化するポケモンはいずれもレベル36で進化するようになっている。
-
進化はそのレベルに達すれば自動で行われるが、ポケモンのステータス画面で「かわらずのいし」を持たせることで進化を防ぐことができる。
-
戦闘は本家とは異なり、ステージ選択前にあらかじめ選んだ3匹のポケモンを同時に展開させてバトルする。
-
単純なコマンド選択式RPGというよりは位置取りや技の使うタイミングなどの戦略性がある。しいて例えるならば『ゼノブレイド』を簡素化したような戦闘システムとなっている。
-
各ポケモンは2個まで技を覚えることができる。ただし、技の数はポケモンが出てきた時に持っていた数で固定される。
-
オートアタックの概念があり、技を使わない時は自動でポケモンが攻撃する。技は一度使うとリキャストタイムが存在し、一定時間がすぎないと再使用することはできない。
-
当然ではあるがHPの概念があり、敵にやられるとひんし状態になるが、誰か一匹がひんし状態になっても他の仲間のHPが残っている限りはしばらく経てば復活する。3匹ともひんしになった場合はミスとなり、ステージ選択画面からやり直しとなる。
-
本家同様タイプの概念があり一致技・相手の弱点タイプは威力が増加するが、本家のそれに比べて倍率は控えめになっている。
-
また、雷→地等原作だとダメージ無効になる組み合わせに関しても(軽減されるが)ダメージが通るようになっている。早い話『Pokémon GO』や各種番外作品に近い仕様。
-
ポケモンは料理することによってベースキャンプに現れ、入手することができる。
-
料理の原料は、本家の道具である「おおきなねっこ」「かおるキノコ」等である。
-
料理メニューは複数あり、メニューごとにどのポケモンが出やすいかは決まっている。同じメニューでも出来栄えによっては、やってくるポケモンや出現確率は異なる。
-
鍋の種類でやってくるポケモンのレベルや個体値が異なり、豪華な鍋になるほど素材を多く使うがレベルと個体値が高いポケモンがやってくるようになる。
-
また、無条件で22時間ごとに拠点にポケモンがやってくる。一度でも倒したポケモンが出てくるが、どのポケモンが来るかはランダム。
-
本家同様、稀に色違いのポケモンがやってくる場合がある。
-
強化要素
-
本作にはパッシブストーンというものが用意されており、ポケモンにつけることで能力を伸ばすことができる。攻撃力が上がるタフネス、HPを上げるライフの二種類。
-
各種ソケットにつけることでポケモンを強化できる。ソケットはレベルが上がると順々に開放されていく。
-
パッシブストーンにはランクがあり、金銀銅のものは特殊効果がつく。レアなものほど、多くの特殊効果が備わっている。
-
一応、攻撃力とHPはレベルを上げることでも微量だが増加する。進化させると大幅に上がる場合もある。
-
技につける、わざストーンも存在する。技の待ち時間を減らす、効果範囲を広くしたりするなどの効果を得られる。
-
技ごとに1~3つのソケットが存在し、それにはめることで効果を発揮する。技を2つもっていると、その分ストーンをはめる箇所が少なくなる。
-
各ポケモンにはビンゴボーナスが存在し、パッシブストーンを縦・横いずれかに一直線に並べるとビンゴボーナスがつく。
-
ビンゴボーナスは何種類が用意されており仲間になった時点で固定されるが、ポケモンによっては進化すると内容が変化することがある。
-
特訓
-
育てたいポケモン1体を選び、特訓相手のポケモンを1~4体まで選ぶ。
-
特訓後に特訓相手のポケモンは吹き飛ばされていなくなる。ソーシャルゲームによくある仕様である。
-
特訓ではレベル上げと技変更を行える。
-
レベル上げは特訓したいポケモンと特訓相手のタイプや種族が一致していると経験値が多く貰える。
-
技変更も同じような仕様。ただし、こちらは確率で失敗する。さらに成功するたびに次の成功確率が下がる。ポケモンによっては、進化すると覚えられない技も存在する。
-
ロード時間にはTIPSが表示され、テクニックや小ネタの情報を得られる。
|
-
課金要素について
-
本作でも課金要素は存在するが、各アイテムは一度しか購入できない設定になっており、課金上限が存在する。
-
22時間ごとにFSギフト券というゲーム内通貨を受け取ることができる。アイテムやボックス購入や、探索失敗時のアイテムを回収するなどで使用できる。
-
セットアイテムを購入することで一度に受け取れる数が増える。無課金でも、模様替えグッズをある程度購入することで少しだけ増やすことはできる。
-
本作は基本的にオートセーブであり、探索時でも各ウェーブ終了時にオートセーブがかかるため、途中で終了してもウェーブの頭から再開することができる。
-
TVモード及び各種コントローラーでもカーソルを動かしてボタンを押す形で操作ができ、携帯モードではカーソル操作に加えて画面へのタッチ操作による快適な操作を行える。
評価点
-
独特な世界観
-
本作に登場するポケモンや技のエフェクト、フィールド等は全て『動物番長』のようなカクカクしたデザインとなっており、いずれも元のポケモンのデザインをほどよくデフォルメしている。
-
特にビリリダマ・マルマインなど丸っこいポケモンが真四角になっているのは強烈なシュール感が漂う。一方複雑な曲線のデザインのポケモンも複数の箱を組み合わせることでうまいこと再現している。
-
キャンプ場でこれらのポケモンがぴょこぴょこしたり組体操のように積みあがっている姿はなかなかかわいい。
-
BGMはゲームフリーク製作の『GIGA WRECKER』に参加したスーパースィープが担当しており、あちらでは退廃的な世界観に合わせたサウンドだったのに対し、こちらはポップなビジュアルにマッチしたポケモンらしい曲に仕上がっている。
-
本家では活躍しづらいポケモンが活躍しやすい
-
特に話題にあげられるのはイワーク。今作では進化しないためか能力が高く、「いわおとし」や「かたくなる」など優秀な技を覚えるため、終盤辺りまで使える優秀なポケモンとなっている。
-
他にも「ビルドアップ」を覚えるワンリキー系、「ハイドロポンプ」が使えるコダック系・ヒトデマン系があげられる。
-
ファンサービス
-
「ふぶき」と「はかいこうせん」を繰り出してくるボスのケンタロスなど、初代を知っているとニヤリとできる要素も存在する。
-
各ポケモンの鳴き声は本家五世代まで使われていた電子音めいたものが久しぶりに採用されており、オールドファンからは懐かしいと好評。
-
近年は一匹だけボイス入りのピカチュウも今回は旧シリーズの物になっている。
-
一部の技のSEもそのままでないにしろ旧作のアニメーションを意識したものになっている。
-
課金要素が博打的なものでなく、実質的に課金によってゲーム内容が快適になりより楽しめる。最後まで遊べる体験版を課金する事で本来の仕様で遊べる「ゲーム買取」とも言える。「課金=ガチャ」の良識的なアンチテーゼとも。
賛否両論点
-
登場ポケモンは初代のみ
-
単純に七世代時点でポケモンは全807体いるため、大部分のポケモンが使用不可能ということになる。
-
ただし過去の番外作でも全ポケモンが登場しなかった作品は少なからず存在するため、これを本作のみの大きな問題とは言えないだろう。
-
この影響でドラゴン・はがね・ゴースト関連の実績が若干取りにくい(それぞれミニリュウ系・コイル系・ゴース系のみ)が、別に取らなくてもゲームの進行上は特に問題ない。出現ポイントは定められているので同じ面を遊び続ければいずれ達成はできる。
-
また、初代で登場したポケモンにあくタイプのポケモンがいないため、あくタイプに関する実績は用意されていない。
-
中国大陸配信版では2世代以降のポケモンも実装されている。
-
一部の強すぎるボスポケモン
-
特に話題にあがるのは、きぐうの島で出現するコイキング。最初は「はねる」しか使わないのだが、HPが減ると非常に強力な「はかいこうせん」を出してくる。
-
その攻撃は当たればほとんどのポケモンが一撃でやられてしまうほど強力なため、コイキングだと思って突撃すると痛い目に合う。
-
他にも、HPが高く「ねむる」で回復してくるカビゴン、「みがわり」や「このゆびとまれ」で攻撃対象を変えてくるイーブイやバリヤードもあげられる。
-
評価点要素の「課金=実質、完全版買取」だが、「アイテムパック」と見ると気づきにくいが課金する事で本来の仕様と考えると買取であり、他のゲームと比べると高額。
-
重要なのが技と、もうひとつの「ビンゴボーナス」が盲点かつ重要。
-
どちらもランダム要素の個体のスペックの個性とみる事が出来るが、技は付け替えがある程度出来るのに対し、ビンゴボーナスは同じポケモンでもあるモノないモノがある。
-
特にヒトデマンの「みずのわざATKアップ」はハイドロポンプでミュウ&ミュウツーと対等に渡り合えるかどうかのキモなのに付いているものとないものがいて、気づかないと苦戦する。
問題点
-
進化キャンセルができない
-
ポケモンが一定のレベルに達すると進化するのは本家と同様だが、一度進化画面に移ってしまうとキャンセルができず進化してしまう。
-
進化するとビンゴの内容が変化するため、進化しないままの方が良い場合もある。
-
そのため進化を防ぐには、事前にステータス画面から「かわらずのいし」を持たせる必要がある。しかし、本家同様Bボタンを押せば止められるようにすればよかったのでは。
-
拠点にやってくるポケモンについて
-
22時間毎にやってくるポケモンは、鍋でやってきたポケモンより弱いことがあり、使えないことも多い。
-
金の鍋を使ってやってくるポケモンはレベル100でやってくることがあるが、進化するポケモンでもレベル100の状態で出てくることがあり、進化できないことがある。
-
使えないポケモンは特訓に利用できるので、無駄になることはないのが救いか。
-
ポケモンのお気に入り機能がない。
-
このため、メインで使用しているポケモンや珍しい色違いのポケモンを間違って特訓に使用してしまっていなくなってしまう問題がある。
-
本作では基本的にオートセーブのため、一度実行してしまうと原則的にポケモンは戻ってこない。
-
幸い、Nintendo Switch Onlineの機能であるセーブデータのバックアップ機能に対応しているソフトなので、サーバーに保存しているセーブデータをダウンロードすれば戻すことは可能である。
-
初期に発生したポケモンのフリーズ。
-
特定のワザの発動で固まってしまう。
-
ゲームそのものが進行不能になるわけではなく、後にバージョンアップで改善されたがこの不具合が理由で辞めてしまったという声もある。
総評
全体的にゲームフリークがSwitchとスマートデバイス向けアプリケーションの開発ノウハウ蓄積のために作った試作品といった感じでゲームとしての魅力は薄い。
とはいえあくまで無料ということを考えれば相応のクオリティと言え、近年のポケモン関連コンテンツ全般で問題視されがちな公式による悪ノリ的な要素は特に存在しない。
児童でも遊べる簡単なゲームや他の対戦・ブラウザゲーム等の待ち時間に「ながらゲー」できるゲームを探しているのであればちょうどよいかもしれない。
余談
-
ポケモンセンター(現実のグッズ販売店の方)にて本作発売に合わせてゲーム内のグラフィックをモチーフとした関連グッズがいくつか販売されている。
-
本作はSwitchでも配信されている影響からか、ゲーム配信後すぐにグッズ展開が行われた。
-
アニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』93話にて主人公たちが劇をするシーンで各々の手持ちポケモンたちが本作を意識したような被り物をしている場面がある。
-
中国大陸で配信されているVerでは、2世代以降のポケモンや技などが数多く収録されている。
-
2023年4月9日に公式ショートアニメ「マルジャナイ島のシカクなポケモン!?」がYouTubeで公開された。
最終更新:2023年08月24日 18:21