リッジレーサーV

【りっじれーさーふぁいぶ】

ジャンル レースゲーム
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 ナムコ
発売日 2000年3月4日
定価 7,140円(税込)
廉価版 MEGA HITS!
2002年7月18日/3,990円(税込)
判定 良作
ポイント ローンチタイトルのお手本
ACに匹敵するグラフィックを実現
最後のニトロ無しリッジ
最高難易度はシリーズ屈指の難関
リッジレーサーシリーズ


概要

『リッジレーサー』シリーズの第5作にして、PS2のローンチタイトルとなった作品。
当時の次世代機であるPS2へ移行したことで、グラフィックがアーケード作品に匹敵するまでに向上。更に、家庭用向けのシリーズ作としては初の60fps*1で描写されている。
本作は初代リッジレーサーの「その後」が舞台であり、初代の舞台である「リッジシティ」という都市を、丸ごとサーキットに仕立て上げられたコースを転戦していく。
初代以来のローンチタイトルで、マシンデザインやコースなど、随所に初代をオマージュ・アレンジした原点回帰と言える要素が多々見られるのが大きな特長である。
しばしば、リッジレーサー『5』という表記がみられるが、正確には(ナンバリングタイトルで唯一)ローマ数字で『V』である。

車両

  • 本作では、基本となる車両が6台登場。この6台をレースで獲得、更にレース仕様にチューンアップして戦っていく。
    本作でも引き続き、大まかにドリフトタイプとグリップタイプ各3台ずつに分けられるが、6車両全てで速度、挙動、メーターまで異なる
    • 基本的にドリフトタイプの方が平時から旋回性能は高いが、衝突した・された際に挙動を乱しやすく、リアが出る関係でコーナリング中のオーバーテイクも難しい。
      一方のグリップタイプはやや旋回性能に劣り、トルクが細いのでコーナリング中の減速も大きいが、挙動は安定していて、ライン取りにアドリブ性を出しやすい。
+ 通常車両

フィアロ

  • リッジレーサーシリーズの象徴たる「F/A RACING」のリファイン版で、初心者向けの一台。 名前のFIARO(フィアロ)も「F/A RACING」をもじったもの*2となっている。
    • 加速・最高速の速度性能は控えめだが、旋回性能が極めて高く、ドリフトの制御も容易と、扱いやすさはピカイチ。ただし、エンジンにトルクがないので、コーナリングスピード自体は速くない。
      パッと見の姿形だけでなく、メーターも『初代』や『レボリューション』に非常によく似たデザインとなっている。

フォーチュン

  • シリーズでも珍しい、駆動方式がFFの車両。車好きなら既視感を覚えるであろうデザインのホットハッチで、初心者向けの一台。
    • 最高速度は全車中最低で、特にスタンダードクラスではぶっちぎりで低い。決して良いとはいえない加速力にもかかわらず、ホームストレートではあっさりと頭打ちになってしまう。
      一方、旋回性能は極めて優秀で、軽い減速だけでコーナーを機敏に駆け抜けていく。また、非常に高いグリップ力のおかげで敵車の衝突にも強く、挙動を乱す事はほとんどない。
    • 直線に特化したオーバルエンジン仕様でも操作性の高さは引き継がれ、高次元でバランスの取れたマシンへと大化けする。

トレアドール

  • いかにもアメリカのGTカーといった趣の中級者向け車両。フォーチュン同様、元ネタと思しき実車も非常にわかりやすい。
    • 中身はコテコテのアメ車で、6車種中最も重い車体を大排気量エンジンで弾き飛ばす。シャーシ剛性が低いのか足回りがソフトなのか、6車種の中で最もロール*3が大きい。
      この為、動きはずんぐりむっくりだが、トルクのおかげかコーナリング中の減速が少なく、ドリフトタイプの中では衝突にも強い等、潜在的なポテンシャルは高い。
    • オーバルエンジン仕様では足回りにも手が入るのか、鈍かった挙動が整い、パワーとコーナリングを兼ねた上級者向け車両顔負けの高性能車へと羽化する。

メルクーリオ

  • これまたリッジでは珍しい、4WDの中級者向け車両。本作の看板車両となるマシンで、キービジュアルでのカラーリングはフィアロよりもこちらの方がF/A RACINGに近い。
    • 駆動方式のおかげで安定性に優れ、グリップタイプなので衝突にも強い。慣れれば決してプレイヤーの操作を裏切らない。
      ただし、全体的にアンダーステアが強めで、旋回中の減速も大きい方に分類される為、ロスの少ない小回りな走りも求められる。
    • オーバルエンジン仕様の曲がらなさはスペシャルカー含めて尋常ではなく、さながらリアル系ドライブシミュレーターのようなそれは最早語り草。

ソラーレ

  • F/A RACINGと並んでシリーズを象徴する一台である「RT BLUE SOLVALOU」のリファイン版。
    • ドリフトタイプの上級者向けという事で挙動は非常に荒々しい。頑固なアンダーステアに加え、グリップの限界が低いためちょっとしたことで急激にテールが滑り出す。
      ドリフト時の挙動も過敏で、ハーフスピンから立ち直る為のカウンターステアでハーフスピンしてしまう程。
      少しでもコントロールを誤ると制御不能の暴れ馬と化す上、衝突に対してもかなりシビア。エンジン特性がピーキーで加速力も低いため、失速時のリカバリーは困難を極める。
      最高速はE.O.と並び最高クラスであり、乗りこなした時の速さと爽快感は屈指と評されている*4のだが、ある程度乗りこなすのはともかく最速を目指すと上級者向けという言葉すら生ぬるいシビアなハンドル操作と向き合うことになる。

E.O.(イーオー)

  • ソラーレと対になる、グリップタイプの上級者向けの一台。駆動方式も含め、かなり元ネタがわかりやすい。
    • 元ネタと思しき車両と同じく、RRという珍しい駆動方式を取っており、グリップともドリフトともつかない独特な挙動を示す。
      回頭性は鈍重で、そのトルクと駆動方式の影響もありアクセルオンで酷いアンダーステアが顔を出す。
      その操縦性は『リッジ』のマシンとしてはかなり異質*5であり、人により扱いやすさの評価が真っ二つに分かれるマシン。またそれ以前の問題として、オーバルエンジン仕様では曲がることを放棄したような劣悪な操作性になり果てる。
      しかし、これを補って余りある……というか、最高クラスの最高速に加え他を突き放す強烈な加速性能をも併せ誇っており、使いこなせば通常マシンではほぼ一強状態*6になる。
+ 隠し車両

スペクトラ

  • 「デュエルカー」に分類される車種の一台。60年代前後のアメリカンカスタムカーを思わせる、ド派手なボディにド派手なカラーリングの見た目が印象的。
    • ここまでのシリーズでも特別際立った見た目に目を引かれがちだが、その走りも見た目に違わぬド派手なもの。
      異常なまでのエンジントルクを誇り、停止状態から最高速度400km/hまであっという間に加速し、ドリフト中もほとんど減速せず、豪快に駆け抜けていく。
      CPUが使用した際のカメのようなスタートから一瞬でトップスピードまで加速する姿は圧巻。デュエル(デビル)カーとは何ぞやというものをまざまざと見せつけられる。
    • 完璧に乗りこなした時の速さはそれこそ別次元で、デュエルカーのT.Aの全国一はほぼこの車が独占している。
      一方で、加速性能に特化した反動からハンドリング性能はCPUも手を焼く*7壊滅的な低さであり、プレイヤーにも突き詰めた操縦が求められる。

リュムール

  • ハワイアンなデザインがキュートな小型車両。レトロな軽自動車を思わせるボディはかわいらしさ満点だが、リアはRRのエンジンが剥き出しにマウントされた攻撃的な見た目となっている。
    • 速度性能自体はエクストラクラスと比べても然程変わらないレベルに留まっているが、一番の武器は590Kgという驚異的な軽さが生み出す凶悪な旋回性能。
      使いこなせばほぼ全てのコーナーをアクセル全開か、わずかなペダルワークだけで駆け抜けられる。CPU使用時は、ベイサイドラインの後半にあたる連続コーナー地帯でその強烈な旋回性能により一気にプレイヤーを追い詰めてくる。
    • イン側の壁に激突しながら乗り方を覚えていくような剃刀のような旋回性能だが、グリップの限界を迎えてスピンすると更にクイックな回転が待っている。一部のレイアウトに対してこの点を考慮したライン取りが必要でピーキーな特性は常に付きまとう。

クリナーレ

  • 歴代デビルカーの象徴、「13th RACING」のリファイン版。イエローのマシンナンバーとステッカーが不気味に発光している。
    • 『初代』や『レボリューション』のデザインそのまんまというファン感涙もののマシンだが、本作では従来のようなグリップ特化ではなく、ドリフトタイプとして設定されている。
      性能面でも13th RACING同様にあらゆる面で意外にもバランスの良さを持つ優秀なマシンだが、ドライバーに求められる技量も相応に高い。
      なお、メーターは目玉の様な形をしており、回転数はデジタル表示されるが、レッドゾーンは非常に判別し辛い。

アンジェラス

  • 『レボリューション』で登場した「WHITE ANGEL」のリファイン版。こちらも『レボリューション』や『ハイスペックVer.』と同じデザイン。
    • グリップ・ドリフト両方に対応していたWHITE ANGELと異なり、本作ではグリップタイプに分類され、ドリフトタイプのクリナーレと対になっている。
      デュエルカーの中でも突き抜けたスペックを誇り、最高速度は実に591km/h。コーナリングも凄まじく、アクセルオフで強烈にインへ切り込んでいく。
      ただし、エンジン特性が極端に高回転寄りなので、一度失速してしまうと厳しい。また、グリップ限界が高すぎるあまりタックインですらグリップ車特有の失速も多さがネックになる。総合性能に反して実はデュエルカー最難関といえる。


グランプリ
スタンダードクラス

  • 市販車に最低限のチューンを施した車両で走る。
    レースは4戦で組まれた1グランプリのみで、優勝すると、使用した車をタイムアタックなどでも使用できるようになる。 次戦に進む条件は最初は4位以内で、1レース進む毎に1位分ずつ条件が厳しくなっていく。最終戦を1位でゴールすれば優勝。

エクストラクラス

  • スタンダードクラス優勝で獲得した車両をレース用にチューンして挑む。 グランプリは4つ存在し、いくつかちょっとした条件が付与されている。またオーバルルール以外のいずれかをクリアすれば、使用したエクストラクラス車をタイムアタックなどのモードで使用可能になる。
    つまり、エクストラクラス車を獲得するにはまずスタンダードクラスをクリアする必要がある。
    また、一度エンディングを見ると、次回以降から時間帯とコースがランダムで変化するようになる。
  • レギュラー
    • 使用車を除きスタンダードと同じルール。順走のコースで競い合う。
      最終戦には初代リッジの初級・中級コースである「SUNNY BEACH」が登場する。
  • サバイバル
    • アーケード版シリーズのレース形式を再現したルール。各セクター毎にタイムリミットが設けられており、時間以内にセクションを通過できないと失格となる。
      また、レースは全て1位通過が条件となっている為、相対的な難易度は高い。最終戦はこちらも初代リッジの上級コースである「GREEN FIELD」が登場。
  • リバース
    • 各コースの逆走を走る事になる。順位ノルマはレギュラーへと戻り1位通過でなくても進めるようになるものの、本作はテクニカルなコーナーが多い事から、
      単なる逆走に留まらない、難しいレースを強いられることになる。優勝すれば各コースの逆走を他モードで選択できる。
  • オーバル
    • オーバルコースを10周する1戦のみ。これまで共に戦ってきた愛車にオーバル用の専用エンジンを換装。350km/hオーバーの超ハイスピードレースに挑む。
      優勝する事でグランプリ制覇。使用車のオーバルエンジンが手に入り、エンディングとなる。
+ そして、難易度HARDで全グランプリを優勝すると……?

マキシマムグランプリ

  • 「アンタが本物のリッジレーサーかどうか、試してやるよ」
    HARDを制覇した猛者だけに参加が許される隠しレース。上記台詞は本レース解禁時の通知によるものだが、その挑発的な言葉に違わず、本作、ひいてはシリーズでも屈指の難易度を誇る。
    • 収録コースの内、4コースを舞台にエクストラクラスで5周/1戦を戦う。
      こちらは制覇後もコースと時間帯は固定。敵車が軒並み速く、トップのマシンはほぼプレイヤー仕様準拠の性能を持つ
      後述するが、コースと車の組み合わせによっては勝利する事すら難しいという程の難易度を誇る。しかも5周と言った長期戦であり、一度途中失格になるとまたリトライも辛い。

タイムアタック

  • いわゆる普通のタイムアタック。スタンダードとエクストラ、更にデュエルカーで記録は分けられている。
    デフォルトの記録の中には「R」と刻まれたライバルのタイムが存在しており、これを抜いていくと……?

フリーラン

  • 文字通りのフリーラン。メーター以外の情報は表示されず、ラップタイムやセクションタイムも表示されない。
    • タイムギャップを出して急かされたりもしなければ、逆走しても警告すら出ない、そのまんまの仕様。
    • ラップタイムやトータルタイムすら表示されていない為、ライン取りなどの練習には使いにくい。どちらかというと、PS2へ移行し美しくなった街並みをゆったりと眺めるためのモード。
+ 隠しモード

デュエル

  • タイムアタックにて、Rマークのついたライバルの記録をスタンダード、エクストラの両方で塗り替えると出現。
    これまでのシリーズにおける「デビルカー」に相当する、専用の超高性能車「デュエルカー」に乗ったライバルと一騎打ちの勝負となる。
    • 勝負するクラスはスタンダードとエクストラで選択でき、どちらかで勝利すれば、相手のデュエルカーを獲得できる。
      また、4人のライバルを全て倒した後は、デュエルカーによる5つ巴の超ハイスピードバトル「バトルロイヤル」に挑める。

99トライアル

  • 総走行距離が999kmを超えると出現する耐久レース。初代の初級・中級コースである「SUNNY BEACH」を舞台に、その名の通り99周する耐久レースを行う。サバイバルルールのグランプリ同様に制限時間付き。
    • 順当に走っても1時間半前後の長丁場となる。高難易度では周囲の車両もグランプリモードより格段に速くなり、生半可な腕では一位は取れない。その代わりに完走すれば順位にかかわらずクリアとなり、制限時間もかなり余裕がある。

PAC-MAN

  • 走行距離3,000kmで解放される隠しレース。 見た目がパックマンそのものだった前作の隠し車両とは異なり、愛車を駆るパックマンを操りスクーターに乗ったゴースト達とレースする事になる。
    このレースに勝利すると、パックマンと4匹のゴースト達を使えるようになる。
    • 隠しモードながら、登場するマシンは、ギアが1速のみで急加速・急減速が可能な「マチブセ」ピンキー、自車として操ると毎回性能が変わる「キマグレ」アオスケ、敵車としてはレース中は黒煙をもくもく上げながらエンストして妨害し、自車として操るとドリフト中に急激な逆ドリフトを引き起こす「オトボケ」グズタ、
      (スクーターとしては)真っ当な性能を持ち、先陣を切って走る「オイカケ」アカベイなど、5台ともそれぞれのキャラクター性をマシン性能としてうまく落とし込んでおり、他のマシンたちに負けない強烈な個性を持ったマシンばかり。
    • 一方のパックマンカー……というか、パックマンのカーもまたくせ者。マシンのロール・ピッチング共に非常に大きく、ドライバー視点でプレイしていると2000年代の自動車とは思えないほど前後左右に激しく揺さぶられる。
      また、メーターは「パックマンの形に色がついてゆく」というものなのだが、なんとエンジン回転数が表示されない。
      トルクがスタンダードクラスレベルしかない上、ギアも3速しかない為、一度回転数が落ちると大きなロス。旋回性能は良好なので、有名無実なメーターと激しい画面揺れさえ克服すれば十分戦える性能に仕上がっている。
    • ちなみにカテゴリー上は5台ともデュエルカーにあたるため、入手後は前述のデュエルのバトルロイヤルモードで選択可能。いずれも本家デュエルカーにも劣らぬ曲者マシンとなっており、腕に自信のあるプレイヤーは挑戦してみるのも一興。

評価点

随所にみられる「原点回帰」の要素

  • 本作は前述の通り、『初代』の「その後」として開発されている為、随所に原点回帰を感じる事ができる。
  • 車両にF/A RACINGがはっきりと「それ」として復活した*8のはもちろん、T.Tの相棒としてお馴染みの「RT BLUE SOLVALOU」、裏ボス的存在のデビルカーこと「13th RACING」、
    『レボリューション』でデビルカーを超える最強のマシンとして登場した「WHITE ANGEL」も、当時のデザインをPS2レベルにリファインしたスタイリッシュかつ迫力の姿で登場。
    • 新登場のマシンに関しても、トンデモ化が進んでいた『R4』の一部デザインに対し、復活した車種に合わせてある程度雰囲気が統一されている。そのためどれもレーシングカーとして真っ当なカッコ良さ。
    • 挙動に関しても同様で、デビルカー=クリナーレは、圧倒的な性能差でプレイヤーを追い抜いたかと思えば、マシンをラインから外しあからさまにペースを落として再び先行させ、スリップストリームに入ると急ブレーキで妨害を行う。
      逆にエンジェルカー=アンジェラスも初っ端にとんでもない速さでカッ飛んでしまうが、その後は真っ当に、速いペースを維持しながら淡々とコーナーを抜けていく。
      露骨なブロックラインを取る訳ではないが、うまくマシンをコースの真ん中に置いてくる為、非常に抜きにくい。
  • また、初代の頃にあったマシンの広告ステッカーも然り。『レイジ』『R4』と目立たなくなっていた*9が、過去のナムコ作品やキャラクター達の名前を実に「それっぽく」マシンに配置している。
    • PS2になった事でより詳細に確認できるようになり、これは次回作以降でも、メーカー同士の「縦の繋がり」として、メーカー毎にある程度決まったスポンサーステッカーが貼られていくようになる。
  • コースに関しても同様。本作では久方ぶりに初代の初級コース、上級コースが復活。風景は当時の物をそのままPS2のグラフィックに変えているようなイメージ。見比べてみると、その「変わらなさ」に良い意味で感銘を受ける事間違いなし。

シリーズでも特に作りこまれた挙動

  • 本作はリッジシリーズの中でもリアル寄りな挙動をしており、ハンドリングや接触時など全体的にマシンの「重み」を感じられる挙動になっている。ライン取りはその分シビア。
    • その中でもリッジ特有のドリフト挙動などゲーム的な爽快感ある挙動は健在。それぞれが上手くミックスされており、メリハリのある走りが味わえる。
  • さらにマシン毎の差別化が徹底されていることが大きなポイント。これまでのシリーズでは、車両が大きく変わってもハンドリングの質感の変化までは体感しにくかった。特に前作は台数こそ多かったものの、実際はグリップorドリフト×4段階のグレード+デビルカーという程度の違いしかなかった。
    • しかし、本作では車の駆動方式や車両スペックに応じた変化がダイレクトに伝わるようになっている。
      • メルクーリオの4WDらしいガッチリとしたグリップ、RRであるE.O.のリアヘビーなテール感覚もしかり、トレアドールは足回りの性能によるロールの大きさまで表現できている。
        メーターのようなみてくれだけでなく、ここまではっきりと挙動の変化を感じる事ができたのは大きい。
      • 上位互換的位置付けのノーマル・エクストラクラスの同名車を除き、操作感が類似したマシンはない。6つあるエンジン違いすら、単純な速度アップに留まらずコーナリングの感覚が全く違う別物と化している。
    • 特にマシンのロール量まで感じる事ができるというのは、実は本作以降の作品でも実装されておらず、挙動に関しては本作が一番差別化を図れている。*10
  • 更に、おまけ的にはなるが、本作ではマシンのカラーリングも自分で変更可能。当初はライン*11だけだが、
    レースを勝ち進んでいく事でツートンカラー、トリコロールカラーへの変更、ホイールカラーも3種類の中から選べるようになる。
    • 自由な色変更は『レイジ(マシン毎に2色選択可能)』で実現していたが、本作はカラーリングのパターンまで選択する事ができる。前作の様にレース用ラッピングが変えられる訳ではないが、従来よりもマシンへの愛着は沸きやすい。

操作性の改善

  • PS作品でいくつかあった操作性の問題に関しては軒並み改善されている。
    • ドリフトが『R4』から従来の車体を平行に修正して終了できる方式に戻り、コントロールしやすくなった。車種によってはドリフト操作が難しいものもあるが、腕次第で終了のタイミングを決められるのは大きい。
    • 今までは「ロケットスタートできない」「シフトチェンジのタイミングがおかしい」「最高速が下がる」「そもそも選べない」といった極端なハンデを課せられてきたATが、本作では実用レベルにまで上方修正された。当然最終的にはMTの方が優れたタイムを記録でき、また極一部ATが適さない車種もあるが、初心者が普通に走る分にはほとんど問題ない。
      • ロケットスタートは本作にも存在するが、ATでも可能、かつ従来策と比べるとかなり弱体化しておりアクセル押しっぱなしでスタートしてもほぼ差は出ない。
    • 標準コントローラにスティックがついたことにより、ようやくネジコンなしでハンドルの切れ角を調整可能になった。ネジコンは本作でも使用可能だが、使用コントローラによる極端な有利不利はなく好みの範囲である。

進化した実況

  • 本作でもシリーズお馴染みの英語による実況がつくが、これも前作までとは一味違う。
    • 引き続き実況は全編英語だが、担当は日本人の鮎貝健氏。鮎貝氏は幼少期をニューヨークで過ごしていた経歴があり、素人ではネイティブと区別がつかないほど英語堪能。本作でもいかんなく発揮されている。
    • R4がレース実況、それ以前がプレイヤーに語り掛ける形にだったが、本作ではラジオ中継がモチーフとなっているようで、その様子はOP*12やレース中のセリフからもわかる。
  • レースの時間帯に合わせたアドリブ台詞やライバルをオーバーテイクした際の台詞等、ボイスが大量に追加され、より実況中継らしい雰囲気が出るようになった。本作以降もレース中のセリフ数はほとんど変わっていない。

レースとマッチしたBGM

  • リッジの象徴たる優れたBGMは本作も健在。SOLIDSTATEこと高橋コウタ氏(現フリー)がサウンドプロデューサーを務めメイン作曲を担当し、『レイブレーサー』以来の登場となるsanodgこと佐野電磁氏と、後の常連となる三宅優氏の二人がサブとして参加。
    • 好評を得ながらも、プロデューサーごとに大きく方向性を変えているが、本作は『レイジ』や『R4』を折衷したような、幅が広めの選曲。激しいデットヒートやハイスピードバトルを表現した、時に激しく、時に静かに熱いBGMがレースを盛り上げてくれる。
    • なかでも、『源平討魔伝』のBGMをリッジサウンドとして大胆にアレンジした異彩の一曲「SAMURAI ROCKET」は、一見結びつかないタイトルからの楽曲でありながら本作の雰囲気との絶妙な融合を実現させており、評価も高い。
    • 更に、シリーズで初めて、ゲームサウンド担当ではない本物のミュージシャンを採用。無論、その出来栄えは折り紙付き。
      レース用のBGMにはドイツのテクノミュージシャン/DJであるMijk Van Dijk(マイク・ヴァン・ダイク)氏や、THE MAD CAPSULE MARKETSのメンバーである上田剛士氏が参加しており、
      本作のテーマソングとして扱われている「Fogbound」は、2017年に活動終了したBOOM BOOM SATELLITESが担当している
      • なお、後述のAC版および後発作品では、これら外部アーティストの曲は未収録*13となっている。サントラにも上田氏とBBSの提供曲は収録されていない。*14
    • 細かいネタだが、本作のBGM鑑賞モードは「76.5Mhz サウンドプレイヤー」というラジオ番組を視聴するという設定になっている。MCは実況の鮎貝氏と、「パックマン」のSEだけで会話(?)する相棒の「パック」。
      サウンドプレイヤーを選択すると、まずレースデモの時間帯に合わせたサウンドプレイヤーのテーマソング+オープニング挨拶から始まり、続いて一曲を終盤まで流してMCがごく短くトーク。
      そのままコールして次の曲が始まり……と、本物のラジオ番組さながら。全編英語で字幕も付いていないが、それ故に海外のラジオを流し聞きしているような、どこかお洒落な雰囲気が漂う。

賛否両論点

シリーズ屈指の高難易度設定

  • そもそも『リッジ』シリーズ自体がレースゲームとしては難しい部類に入るのだが、本作は特に難易度が高いことで有名。コースそのものも難しくなっている上、自分も周りも挙動の乱暴な車両がある事、出走台数が『R4』の8台から14台に増えた事もこれに拍車をかけている。
    特に難易度HARDは相当なもので、後述の問題点にも繋がってしまっている。
    • HARDだけがきついというわけではなく、低難易度でもシリーズでは比較的敵車が速い。マシンの挙動も従来とは異なる為、シリーズ初体験どころか、ほとんどのプレイヤーは難易度EASYで始めても良いくらい。
      • 前作『R4』と違い、同じ難易度・グランプリではどのマシンを使っても敵車の速度は変わらない。NORMAL以上で初心者向け(=加速力&最高速が低い)マシンを使うと、却ってクリアが難しくなる。
    • 本作は、マシンの大きさや出走台数と比較して窮屈な箇所が多く、そこにドリフトタイプのマシンは自他共に派手にテールを振りながら駆け抜けていくため、「スペースさえあれば抜かせるのに……」というジレンマに陥りやすい。
      ここで無理すると、CPUのオカマを掘ったり、壁に飛び込んで大きくロスする事になる。
    • 衝突は基本的にCPU有利なのも厳しい所。AIではなく、あくまで決められたラインをなぞるだけのCPUは強引な突っ込みや動きもする為、こちらが理不尽な目に合う事もままある。
  • 難易度限定の要素はHARDの「MAXIMUM GRANDPRIX」のみで、マシンやコースの解禁は難易度EASYでも全て可能。他シリーズで言うデビルカー・スペシャルマシンの解禁に必要なデュエルカーとの直接対決も、EASYならこれまでの作品と比べはるかに簡単になる。*15「MAXIMUM GRANDPRIX」自体も優勝の特典はコレクション要素の優勝トロフィーのみであり、隠し要素に関してはかなり良心的。決して初心者への配慮がなされていないわけではない。

アクの強いマシン達

  • それぞれ個性的な挙動のマシン達だが、逆に言うと過去作以上に一癖も二癖もある。その分やりごたえや使いこなした時の爽快感はあるのだが、初心者が気軽に手を出せるものではない車種が大半となってしまった。
    • 癖が少ないと言えるマシンは、基本6車種では初心者向けのフィアロ、フォーチュンぐらい。中級者向けを謳っているトレアドールやメルクーリオですら、上級者向けのソラーレやE.O.より扱いづらい部分も存在するようになってしまっている。特にトレアドールはソラーレより難しい*16と言うプレイヤーもいる有様。
    • オーバルエンジン仕様では、本来想定しているはずのオーバルコースの攻略ですら苦労させられる車種がいくつもある。余程やりこまない限り、通常コースでまともに走れるのはフォーチュンだけと言ってもいい。
  • デュエルカーはずば抜けた性能を持つ分、やはりというか癖の強さもずば抜けている。
    • スペクトラはわずかなペダル操作ですぐテールが滑り出すうえ、アクセル全開では全く曲がらない。そのため「ほぼすべてのコーナーをドリフトで切り抜ける」という難題を、あらゆるコースで強要される事になる。
      ただし、加速性能のおかげで接触時のリカバリーはしやすく、振り回し過ぎても失速するような事はまず無い。加えて、ドリフトの制御自体はそれほど難しくないため、走法の理解がキモ。
    • 元祖デビルカー「13th RACING」のリファインにあたるクリナーレだが、やはりというか、高性能すぎて逆に走りづらい。
      デュエルカーとしてはバランスの良い性能に仕上がっており、トレアドールやソラーレのような気難しさもない。
      が、エクストラクラス以下とは速度域が全く違うため、単純にあらゆる操作のタイミングがシビア。慣れない内は、ドリフトを上手く決めるだけでも一苦労。
    • リュムールは極めて優れたコーナリング性能を持ち、ほとんどのコーナーをアクセル全開でクリアできる。
      が、それだけの旋回力を持つせいで微調整が効かずかえって曲がるのが難しい上、エクストラクラスと大差ない最高速のせいで絶対的なコーナリングスピードは他のデュエルカーと大して変わらない
      他のデュエルカーや前作の「エキュルイユ*17」と比べるとあからさまに冷遇されている。
    • アンジェラスは最高速度591km/hを謳っているものの、真っ当なレースで500km/h台に到達する事はまず有り得ない*18というがっかり仕様。それでも最高速度は全マシン中トップで、オーバルコースのタイムアタックでは最速。
      トータルの性能は優秀だがコーナリングの癖が酷く、アクセルオン/オフで急激に旋回性能が変化するため、乗りこなすにはかなりの熟練が必要。上級者でもコースによってはノーミスで走りきる事すら困難。

前作『R4』の簡易ストーリーのオミット

  • 前作で見られたようなガレージトークは本作には登場しない。本作以降も、レースクイーンを除いてプレイヤー以外の「キャラクター」が登場するものはない*19為、『R4』が特異な存在だったともいえる。
    • しかし、ボリュームこそ多くないものの、ストーリーは良い出来で、これまでは単なる結果に過ぎなかった「グランプリの優勝」に感動を与えてくれていたため、この部分を惜しむ声も少なくない。
    • なお、このストーリー路線は同じ製作チームの手による『R:RACING EVOLUTION』に継承されているが、こちらは挙動等で賛否両論な部分が多く、イマイチ評価が安定していない。

問題点

コースのバリエーション

  • コース数は逆走を除いても7つあるのだが、前作『R4』と比べ複数コースで共有しているセクションの比率が高い。
    • 共通部分から徐々に複数の道に分岐する、というコースの作りはシリーズ伝統なのだが、複数のロケーションで各2つのコースだった前作に対し1つの都市でレースを行う本作ではそれが目立つ。
    • オーバルコースを除いた6つのコースのうち、「SUNNY BEACH」(初代初級コース)の中盤以降である海岸~トンネル区間を通るコースが4つもあり、同じグランプリ中に何度も通ることになる。
    • 残る「PARK TOWN」「ABOVE THE CITY」もスタート地点から最初のトンネルの途中までは初代初級コースと同じ道を通る。そもそも「ABOVE THE CITY」は「PARK TOWN」からの分岐コース。
    • 「1つの都市から多くのコースが生まれている」「背景に別のコースの道を見ることができる」という点は設定としては面白いのだが、ゲームとしてはレース展開を単調にしてしまっている感は否めない。
      • 「分岐を自由に選択してドライブ」といったようなゲームプレイの一つに昇華したモードがあればまた違ったかもしれない。
    • コース数自体も、前作より1つ少ない。

グランプリで勝たないと車を自由に使えない

  • 挙動の造り込みの高さがウリの一つである本作だが、T.Aやフリーラン等、グランプリ以外のモードで使用するためには、使いたい車で1回はシリーズを優勝しなければならない。
    これはスタンダード、エクストラの両方に該当しており、それぞれのグランプリで一度は優勝しなければらならない。全車種を揃えるには6回優勝しなければいけないグランプリまでも複数ある。
    --当該車両でCPUに勝てなければT.Aでいい成績を残せるわけはないのだが、逆に言えば、初めて乗る車両でぶっつけ本番のレースをすることになる*20為、練習の手段でもあるフリーランまでできないのは、必要とは言い難い仕様。
    • そして一度決定した難易度は変更できないため、EASYかNORMALで全車出してもMAXIMUM GRANDPRIXをやろうと思ったらHARDでデータの作り直しと、車の集め直しが要求される。

最高難易度の過酷さ

  • 難易度HARDはこれまでのシリーズでも屈指の難しさ。特にコーナーの少ない高速コースが厳しい。
    • 絶対的なアベレージスピードが速く、甘ったれたコーナリングをしていると、衝突せずともコーナーで詰めて、脱出後の加速勝負で安全に追い抜くという上級者ばりの華麗なレース運びを見せつけられる。手抜きは禁物。
  • MAXIMUM GRANDPRIXはトップ車両の性能がプレイヤーが使用する場合とほぼ同等になっており、最下位スタートであるプレイヤーが、妨害の無いポールポジションのマシンに追い付くのは並大抵の事ではない。
    • ライン取りが正確な事や前述のCPU有利の状況も相まって、コースと自車の組み合わせ次第では、壁に一度も接触してないのに、最後の直線でギリギリ抜けるか抜けないかというレベルの死闘となる。
      初心者向け車両で優勝する事が、それだけで本作最高難度のやり込み要素に挙げられるほど
  • HARD限定だが、タイムアタックにおけるスタンダードクラスの「エアポートオーバル」の1位記録が異様に速く、普通に走るだけでは更新できない記録になっている。
    更新するにはソラーレかE.O.を使用し、「SD*21」と呼ばれる走法が必須。
    • SD自体は『初代』にも存在していたテクニックなのだが、テクニックの皮を被ったバグだったあちらとは違い、こちらは単にドリフト初期の最も回頭性が良い状態を維持する事で、減速を最小限に留めながら曲がる手法。
    • しかし、挙動が不安定なソラーレやドリフトタイプですらないE.O.で、SDを維持したままバンクのついた緩く長いコーナーを抜けるのは至難の業。デュエルに関わるライバルの記録ではない為、個人的な満足以外に影響を与えないのが唯一の救い。
  • ただし、前述の通り難易度設定はマシンとコースの解禁条件に関わるものではない。HARDもあくまで「高難易度のレースが楽しめる」以上のものではないため「難しいのでやらない」という選択は気兼ねなくできる。

マシン間の格差の大きさ

  • 挙動と性能差が出た事によって、車同士の差別化がグンと進んだのだが、一方で、本作は調整不足といっていいほど性能差が生まれてしまった。
    • 一応、挙動の違いが顕著であり操作難易度の高さと速さを比例させているので同クラス内で単純な上位・下位互換などは存在しなくなったのは評価できる。
    • しかし前述の通りHARDでは上級者向け車両に慣れる方が初心者向けマシンを使い続けるよりよっぽど楽。あえて初心者向けマシンを使うのは縛りプレイの域になる。
    • 使用機会の多いスタンダード&エクストラクラス(ノーマルエンジン)で総合的に見れば、E.O.がほぼ一強。最高速はソラーレとツートップなうえ加速性がダントツなため、レース中に別格の速度が出せる。
      • タイムは多少加速してからの計測開始となるため、TAなら同じ最高速重視のソラーレだけは極めればE.O.を上回ることも可能。しかしグランプリでは全車同時にスタートするため、加速の差が露骨に出て完全に一強と化す。
        コースにある程度慣れれば速度によるゴリ押しで勝ちやすく、敵車との接触やミスからのリカバリーに対してはソラーレより数段優秀、とここまで来ると完全に調整ミスといえる。
      • TAでもソラーレがE.O.に勝てた記録が出たのはスタンダードで発売から数年、エクストラ×ノーマルエンジンに至っては 発売からほぼ20年後 という有様。理論値が出せる操作が前提になるため、相当やりこんだプレイヤーでも大抵はE.O.の方が良い記録が出る。
    • そんなソラーレですら、多少使い込めば他の4車種には大差をつけられてしまう。よっぽど腕に差がない限り、他のマシンでは乗りこなされたこの2台には太刀打ちできない。
      一見、レースゲームにはありがちな問題に思えるが、本作はそれを踏まえても、この2台が抜きんでている。どちらもスタンダードクラスの時点で、エクストラクラスのフィアロ、フォーチュンより速い
    • タイムアタックで性能差が問題になる原因の一つに「マシン別に記録が保存されない」という仕様が続投していることがあげられる。一応、本作ではスタンダード、エクストラ、デュエルカーのクラスで記録が別になった。
      …が、エクストラのノーマルエンジンとオーバルエンジンで記録が分かれていないなど、分け方にも問題がある。言うまでもなく、極限までやりこめばオーバルエンジンの方が良いタイムが出るため、ノーマルエンジンを使う意義がなくなってしまう。しかも記録されるのはクラスとタイムのみで、使用車種が何か、エンジンがどちらかなのかが判別できない。
      • 従って、スタンダードこそE.O.とソラーレなものの、エクストラクラスはオーバルエンジンを使用したトレアドールの一強状態でノーマルエンジンより酷い有様に。

総評

PS2のローンチタイトルとして、安定感抜群の出来を見せた良作。 グラフィックとFPSの両輪で流石の爽快感を演出しつつ、上を見れば現在でもシリーズ屈指と言われる難易度を併せ持つ一面もあり、やり込むには最適。
次回作以降、「ニトロシステム」の導入や大幅な車両デザインの変更などで、良くも悪くも大きな変化が起こる為、そうした意味でも、本作は初代リッジレーサーからの一つの到達点と言っていいだろう。

一部で調整不足な点が残るものの、これといって目立った欠点はなく、
PS2ソフトをプレイできるのであれば、ワンコインでも十分手に入る今からプレイしてみるのも一興かもしれない。


余談

  • 本作で初登場した5つの新コースは『V』以前のタイトルも含めた過去作のコースを再現した『リッジレーサーズ』にも収録されておらず、現在でもプレイできるのはこのタイトルのみである。
  • セーブデータの読み込みはオートロードではなく手動で行う必要があるが、ロード時間は皆無と思うほど異様に早い。「読み込むデータを選択したと思っていたらもう終わっていた」レベル。
    • PS2の比較的初期の作品では意外と、こうした異様に速いロード時間を持つ作品が存在する。もっとも、そうした作品は大概なにがしかのバグも抱えているのだが、本作は基本的に仕様の穴以外の部分でそうしたバグは見られない。
      この辺りは、金字塔と言えるシリーズの為せる業なのかもしれない。*22
  • 本作のレースクイーンである「深水 藍」は、ナムコというゲーム企業の枠を超えて、他企業のプロモーションを行う、「バーチャルアイドル」として生み出された。
    一応、トヨタのカーナビのプロモーションに採用されるなど、活動した経歴はあるが、この試み自体はあまり長続きはしなかったようだ。
    • ただナムコ社内では好評であったようで、これでゲームを作ったら面白そうということになり、後にポリゴンの女の子がリアルタイムで動くゲームとして『ゆめりあ』が製作されている*23
      このゆめりあ自体も、後にあのアイドルマスターシリーズへと派生していく事になる為、そうした意味では、本作は遠い遠いご先祖様と言えなくもない…かもしれない。
    • が、他企業に関わったせいなのか、シリーズへの登場は本作限りとなり、『レーサーズ』以降のレースクイーン役は『レイジ』『R4』の「永瀬 麗子」が再び担当する事となった。
  • 本作は、家庭版の後追いでアーケード版が発売された珍しいゲームでもある。AC版のタイトルは『リッジレーサーV アーケードバトル』。
    • 基本的なシステムは同じだが、ルールは4ラウンド+1ボーナスラウンド。エクストラクラスのサドンデスルール固定でのバトルとなっており、優勝すると、次戦のコンティニューが無料になった。登場コースはPARK TOWN、OUTER PASS、ABOVE THE CITY、BAYSIDE LINEであり、4つのコースを制覇するとSUNNY BEACHでレースが出来る。
      なお、1位になれなかった場合でもコイン投入でコンティニューは可能。筐体は左ハンドル形式
    • スタンダードクラスはゲーム内には存在しておらず、インストのOP映像はマシンがエクストラクラスの物に変えられている。
    • ちなみに、本作のアーケード筐体は後に湾岸ミッドナイトの初代AC作品に流用された*24為、老朽化以前に現存している筐体が極めて少ない
      内容的には家庭版の焼き直しに過ぎないが、とにかくレアである事は確かなので、触ってみるのも一興。
  • 2001年に稼働した本物のカメラを改造したコントローラーで写真を撮影するアーケードゲーム「フォトバトール」。
    被写体として当時の有名人や各ナムコのキャラが登場、その内のCAR RACEステージで『V』のCGが使用されていた。
  • 2005年発売のドライビングアクションゲーム「クリティカルベロシティ」。
    本作のクリナーレがほぼそのまま*25の仕様で隠し車種として存在する(名前も本作の物であるとわかりやすいように「V」が付いている)。
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最終更新:2023年10月28日 14:36

*1 厳密に言えば、初めて60fpsを達成したのは前作『R4』に同梱されたボーナスディスク『リッジレーサー ハイスペックVer.』である。

*2 F/Aの「/」を「I」に見立て、RACINGを「RO」とする

*3 旋回時にボディーが外側へ傾く現象。

*4 一応、"理論上は"E.O.よりも、最小限の減速でコーナーをクリアできるこちらに分があるらしく、スタンダードクラスの最速記録は2016年に半数以上このマシンに塗り替えられ、エクストラクラスも2021年からようやく多くのコースでE.O.の最速記録を更新している。

*5 グリップタイプにもかかわらず、ドリフトをドリフトタイプ以上に多用する。しかもドリフトはインに巻き込むような挙動ではなく、どんどんアウトに流れていく。

*6 オンラインタイムアタックを集計していた頃から、スタンダード/エクストラクラスのトップは長らくE.O.が独占していた。

*7 ストレートではマシン特有の加速性能を遺憾なく見せつけるが、複合コーナーになると、マシンが停止しているかのように錯覚するほど急減速しながらコーナリングを行う。果てはCPUですら壁に接触しているほど

*8 『R4』でもテラジの基礎マシン「アンビシャス」としてほぼそのまま登場はしていた。しかし、本作はボンネットに「F/A RACING」のエンブレムをデカデカと背負っての完全復活となっている。

*9 『R4』では逆にそっくりそのままチーム名として登場している。

*10 次回作からはゲーム性が大幅に変化し、ドリフトの頭の入り方とニトロの性能が主なポイントになる。

*11 基本単色に、もう一色だけマシンに応じたラインを入れる。

*12 いつもの撮影用ヘリが飛ぶ中、視聴中のラジオが「FM 76.5Mhz リッジシティFM」である事を喋っている。

*13 「Fogbound」はOPで使用されているのみ。

*14 一方、マイク・ヴァン・ダイク氏が本作で提供した曲はサントラとは別に12インチシングルの「GameTrax Vol.1 E.P.」がドイツのSuperstition Recordsから2001年2月にリリースされた。

*15 他作品の場合は基本的にスペシャルマシンとの対決が作中屈指の難関であり、『R4』では通常マシンの解禁にも高難易度のグランプリを何度もクリアする必要がある。

*16 絶対的な旋回性能に関してはそこそこ良く扱いやすいが、ドリフト中の挙動がかなり鈍重。ソラーレの過敏な挙動は操作次第で強みにも転換できるが、トレアドールの場合は突き詰めるとただのタイムロス要素になりやすい。

*17 同じ高ハンドリングマシンだが、ミッションは1速のみでシフトチェンジのロスがなく、最高速はオーバル仕様車並みで、そのうえ加速性能も非常に高い。

*18 有志の調査によると、ブーストオンの対戦で、オーバル2周以上の差ができた状態でないとそこまで出ない。

*19 後の『7』ではテキストで『R4』に登場したキャラのその後が窺える事はある。

*20 前作『R4』でも同様の状態ではあったが、あちらはT.Aでプリセットのマシンを使って各コースを走る事ができた。

*21 サイレントドリフトの略称。ドリフト時の旋回力を発揮しつつも、スキール音が発生する程ではなく、減速幅が小さい状態。

*22 本作が速いのはセーブデータのロードだけなので、一概には言えないところでもある。

*23 『ゆめりあ コンプリートガイド+ビジュアルファンブック』のスタッフインタビューから。『ゆめりあ』「深水 藍」ともに松尾行恵氏がキャラクターモデリングを手がけている。

*24 この為、日本車がメインの作品にもかかわらず、筐体は全て左ハンドル仕様になっている。

*25 牽引フック等が追加されている等の細かい仕様違いがあり、またそれによって全長などの寸法が微妙に違う