マリオカート7

【まりおかーとせぶん】

ジャンル レース

対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 任天堂
開発元 任天堂
Retro Studios
発売日 パッケージ:2011年12月1日
ダウンロード:2012年11月1日
New2DSLL同梱:2018年7月19日
価格 パッケージ/ダウンロード:4,800円
New2DSLL同梱:15,980円(各税別)
プレイ人数 1~8人
判定 良作
ポイント 空を飛び、水中も走るマリオカート
自由度が大幅に増したマシン選び
セクション制のコースが初登場
新機能導入も、痒い所に手が届かないタイムアタック
マリオシリーズ・関連作品リンク

概要

マリオカートシリーズ7作目。
シリーズで初めてタイトルにナンバリングが冠され、タイトルにハード名が含まれないのは『マリオカート ダブルダッシュ!!(以下DD)』以来。
DS』や『Wii』と同様、新コース16コースと旧作からクラシックコースとして16コースの計32コースを収録。


特徴

  • 空中の滑空や水中の走行
    今作最大の特徴。前作まではジャンプする程度だったり、入るとジュゲムのお世話になった場所が走行(飛行)可能に。
    • 空中
      • コース中にある青いボード「 グライドボード 」の上を走るとグライダーを展開して空中を滑空する。キノコキャニオンでは、水色のキノコがあり、そこに乗ればグライダーを開くことが可能。 車体を上げるとスピードは落ちるが高度が上がり、車体を下げるとスピードが上がるが急降下する。
        グライダーなので次第に高度は落ちていくが、コース中の仕掛けやキノコで高度を上げることも可能。
        コースによってはうまく利用すればショートカットを狙える。
        なお、飛行中に攻撃を受けると落下してしまう(グライダー解除)ので相手のアイテムに注意が必要である。
    • 水中
      • マップ中で薄い青で示された水路部分に入るとスクリュープロペラで水中を走れる。
        ややスピードが落ち、ジャンプに慣性がかかるなどの挙動の変化がある。
        陸上と異なり、軽量級の方が重量級よりも最高速が高い傾向がある(パーツにもよるが)。
  • パーツの組み合わせ
    • 今作もう一つの目玉。キャラクターと3つのパーツを組み合わせて自分に適した性能のマシンを作れる。
    • パーツはコイン(後述)を集めたり特定の条件*1やすれちがい通信で入手することが出来る。
    • フレーム
      • マシンの基本となる部分。これとキャラクターの性能でスピード・加速・重さの大まかな性能が決まる。特定のキャラクターが乗るとボディカラーが変化するものもある。
    • タイヤ
      • 最高速やハンドリングなどの性能を左右するパーツ。その他オフロードや水中での操作性も決まるほか、ミニターボの持続時間などにも影響している。特にハンドリングとオフロードの性能はこのパーツで決まると言っても過言ではない。
    • グライダー
      • 空中での飛行性能を左右するパーツ。個性的なデザインが多いが、他と違い性能はスピード重視・ハンドリング重視・バランス重視の3パターンのみ。意外にも基本となる「スーパーカイト」はスピード重視である。
  • キャラクター
    • 新規参戦したキャラ/既存キャラの変更点
      • 新規プレイアブルとしてハナチャン、ハニークイーン*2、メタルマリオ、ジュゲム*3が追加。また、『DS』でダウンロードプレイのみで使用できたヘイホーが正式に使えるようになった*4
      • その一方で、『DD』以降常連だったワルイージがまさかのリストラ
      • 最初から使用可能なのは8人だが条件をクリアすると増えていき、Miiも加えて計17名が使用可能。ちなみに初期キャラは(ドンキーコングが代替わりした以外は)初代と同じになり、ワリオが初めて隠しキャラになった
      • ほか細かいところではロゼッタ*5とMiiの声が変更、ロゼッタに『Wii』で付き添いだったチコがいない、今作のMiiは性別や体格に関わらず中量級扱いになっているなど。
    • 重さは軽量級が1段階なのに対し、中量級と重量級は2段階に分けられているため、全5段階。なお、重さが同じなら異なるキャラクターでも性能差はない(前述のパーツの組み合わせで差別化可能だが)。
      • 軽いと加速やハンドリングが、重いと当たり強さや最高速が高いのは今作でも同様。
    • ゲーム開始時のライバル2人が、使用キャラごとに固定されるようになった。
      • マリオならメタルマリオとクッパ、ルイージならデイジーとマリオといった、使用キャラのイメージに合わせたものが多い。
  • コース
    • 1周が非常に長い代わりに1周のみでゴールというコースが初登場。
      • これらのコースでは3つの「セクション」で区切られ、3セクション目ではファイナルラップ同様にBGMが変更される。同じ場所を通ることがないため、それに応じてアイテムを設置するなどの戦略が必要。
    • 一部のクラシックコースに仕掛けの追加や変更が加えられている。
      • 具体的には「Wii メイプルツリーハウス」などのコースのハーフパイプの撤去や、「SFC マリオサーキット2」の立体交差ジャンプ台にグライドボードが追加など。
    • Wii Sports Resort』等で登場した「ウーフーアイランド」がコースとして登場。
      • 昼間を走る「1」と、夕方に別ルートを走る「2」が存在し、2はシリーズ初の「スタートとゴールが異なる」コースとなっている。
    • シリーズの名物コース、『レインボーロード』が初めてリメイクされた。
      • リメイクされたのは、初代『スーパーマリオカート』のもので、床に赤い部分がないことなど多少違いはあるが、『アドバンス』のものと異なり背景やスーパードッスン*6などは概ね忠実に再現されている。
  • レースで1位独走している間、BGMにパーカッションが追加される(通称イケイケトラック)。1位維持のモチベーションに繋がるため好評だったのか、続編の『8』にも搭載された。
  • ドライバー視点操作
    • レース中に十字ボタンの上を押すことでドライバー視点に切替可能*7
    • さらにこの状態で本体を動かすことで自分でハンドルを動かすような操作も可能。(ちなみに本体の傾きに同期して画面が動いて視野の水平を保つような機能はない)
    • この操作に関連して、ゲーム周辺機器メーカーのHORIからハンドル型アタッチメント「マリオカート7 ハンドル for ニンテンドー3DS」が販売されている。
      グリップ感の向上に一役買っているので、ジャイロ操作を使わずとも愛用するユーザーも多い。
    • 傾き操作とセットの機能のように捉えられがちだが、ゲーム内設定のジャイロセンサーをOFFにすることでスライドパッド操作でドライバー視点マリオカートを楽しむこともできる。
    • 3D立体視が通常の視点より弱くなるのがタマにキズだが、空中や水中を進みアイテムをぶつけ合うという今作のレースをドライバー視点で楽しめるのはまた一興である。
  • インターネット対戦
    ニンテンドーネットワークにより、今作もインターネット対戦が可能。
    最大8人のレースだが、選べるコースに制限はなく、バトルゲームもちゃんと遊べる。
    参加時にレース中だった場合は、観戦して待つことが可能。
    • せかいのだれとでも
      • その時にニンテンドーネットワークに接続している人と対戦可能なおなじみの方法。対戦相手は自分とVR(=レーティング)の近い人が選ばれやすい。
    • フレンドやライバルと
      • 対戦経験のある相手や、3DSフレンド登録やすれちがい通信した相手がオンライン対戦をしている場合に合流してレースを行える。
    • コミュニティ
      • 今回追加された仕様。1人につき8つまでコミュニティを作成可能で、コミュニティに登録した人と対戦できる。作成時にアイテムの出現の有無や排気量などのルール設定が可能。
      • 公式のコミュニティも存在する。
  • 新アイテム
    • 今作で追加されたアイテムは全部で3つ。新登場ではないがコインもここで記述する。
      逆に『64』から3D系マリオカートの定番だった「にせアイテムボックス」や、『Wii』で初登場した「きょだいキノコ」、「POWブロック」、「カミナリぐも」が削除された。
      • 『DS』と同様、LボタンかXボタンのどちらかでアイテムを使用できる。
        どちらのボタンを使うかで一応分かれるが、ほとんどの場合Lボタンを使う人が多い。
    • ファイアフラワー
      • 今まで登場しなかったのが不思議なアイテム。効果は異なるが、ファイアボールは『DD』以来の登場。
      • ファイアボールを投げてライバルをスピンさせたり障害物を破壊することが出来る。前後に撃ち分け可能。
      • 10発撃つか使用してから約8秒経過するまでは効果は持続するが、一度に4発以上出すと古いものから消え、効果中は他のアイテムを入手できない。射程は短く、喰らっても1回転しかスピンしないと威力は控えめ。
    • スーパーこのは
      • 使うと、約8秒間カートに尻尾が生える。
      • 尻尾はXボタンで振り回すことでライバルをスピンさせたりアイテムや障害物を破壊したり出来る。アイテムボックスやコインにも効果があり、入手したとき同様に一定時間消失させられる。発動中は他のアイテムを入手できないほか、スピンしたり、真後ろから攻撃を受けるとスピンしないが消滅する。
    • ラッキー7
      • 使うと7つのアイテムが自分の周囲を回る。回っているアイテムは正面に来たときにXボタンで使用可能。何もない場合は正面に近い物が使われる。回っている状態でも攻撃や防御が可能だが、スターやキノコにライバルが接触すると利用されてしまう。
      • 回るのはアカこうら、ミドリこうら、バナナ、ボムへい、ゲッソー、ダッシュキノコ、スーパースターの7種類。
      • 対戦でルールを設定していても出現し、その場合は設定したアイテムだけが周囲を回る。
      • 例えば、キノコのみの設定の場合、キノコが7個出現する。
    • コイン
      • アイテムボックスからの入手ではなく、路上に置かれているものを拾うことで入手する。拾ってもアイテムボックスのように時間経過で復活する。拾うと最高速が上がる他、拾った瞬間に一瞬だけ加速が可能。
      • 初登場ではないが、通常のレースに登場するのは『アドバンス』以来。3Dマリオカートとしては初。「コインがないと敵カートに衝突しただけでスピンする」ことは無くなり、COMキャラも拾うようになった。
      • 最大所持数は10枚。スピンした際に落としてしまうのは過去作と同様だが、今作では消える前なら拾える。また、壁や相手に衝突した場合に落とすことはなくなり、落とす枚数は所持枚数によって変化する。
      • タイムアタックとコインバトル以外では、ゴールした時に持っている枚数が積み立てられ、一定枚数で前述のパーツがもらえる。
  • 既存アイテムの変更点
    • バナナやボムへい・トゲゾーこうらのカス当たりで2回転スピンするようになった。
    • ミドリこうらの跳ね返る回数が減少。
    • アカこうらの追尾能力が上昇し、滑空するようになった。
    • トゲゾーこうらから羽根が消滅し、プレイヤーのやや上空を飛ぶ動きから、コースの中央を走り*8、接触したカートを吹っ飛ばすという『64』に近い動きをするようになった。強力なためか、5位以下でないと出現しない。
    • ゲッソーの墨が『DS』並に大きくなり、1・2位の場合は上画面のほとんどを覆われる。マップの弱体化もあり、コース上の障害物に衝突する危険性が高まった。
    • キラーが時間経過によって加速していくようになった。
    • 『DD』から『Wii』までは、攻撃されると装備アイテムを落としたり、クラッシュでストックアイテムが消失するなど無防備になりがちだったが、本作からはサンダーやコースアウト時にアイテムを消失、クラッシュ時に装備アイテムを落とすという控えめな仕様に抑えられている。

評価点

  • 安定したフレームレートと個性的なコース
    • 3D立体視機能のONやキャラが入り乱れるなどの状況下に影響されることなく、60fpsで滑らかに動く。
      • リプレイで再生してみると分かるが、相手キャラ・カートのモデルの質を下げてデータ処理を抑えているのが一因だろう。
    • プクプクの泳ぐ水中を走る「プクプクラグーン」や近未来都市を走る「ネオクッパシティ」など個性的なコースは今回も健在。
  • 充実した対戦モード
    • オンライン対戦は基本的に『Wii』に準じた仕様で、最大8人でのレースが可能。
    • 前述のコミュニティなどもあるため、ルールを決めて対戦しやすくなった。
    • 今作もダウンロードプレイ機能に対応しており、本ソフトを持っていない人とでも全コースを遊ぶことが出来る。
      • ただしソフトがない人は、ヘイホー固定、カート固定、その本体からはBGMが流れない*9といった制約が発生する。SEや操作するヘイホー、その周辺にいるキャラのボイスは通常通り流れる。
  • タイムアタック要素も充実
    • すれちがいやいつの間に通信で毎日新しいゴーストが送られてくる。
    • ゴースト7体+自分の計8人で同時に走ることも可能なため、自分+1体のゴーストと寂しくタイムアタックということもなくなった。
    • 自分のタイムがプレイヤー全体の中でどの位置にあるのか一目でわかるのも嬉しい。
  • 評価制の仕様変更
    • アルファベット(A~E)が廃止され、星無し~3つ星の4段階に。今作の評価は合計点数が重視されており、40点満点を取れば基本的に場合3つ星(=最高評価)を取れるようになった*10
      • この星の数によって出現する隠しパーツが1つ存在するが、最低でも全クラスの全カップで1つ星を取れれば入手可能。

賛否両論点

  • キャラクターやマシンパーツの性能配分に偏りがある
    • キャラクターによる影響が大きいのは加速と重さ程度で、他の性能は概ねマシンパーツで決まる。軽量級でもスピードをさほど落とさず、加速性能を大きく上げられるのは魅力的。
      • ただし、重量級のうち「メタルマリオ」はクッパなどと同じ性能でありながら、中量級サイズで視野が広く当たり判定も小さいため、そういった意味では若干有利ともいえる。
    • ハンドリングやオフロードは特に偏りが大きく、ほぼタイヤによって決まる
      • オフロードの性能が最も高い「ワイルドタイヤ」と「ワイルドレッド」は、ダートの中でもドリフトができる上に、最高速度が「ゴールドタイヤ」「スリックタイヤ」に次いで速い。これにより、ダートを突っ切るショートカットの多くをキノコ無しで使えてしまう。
        これらはハンドリングの性能が最悪という欠点があるため、インターネット対戦では最高速度が最も速くハンドリングも補える「Bダッシュ」と組み合わせて使用されることが多い(通称:メリオBダレ)。
    • グライダーは空中でのスピードとハンドリングに大きな影響を及ぼす。基本的に曲がる必要がないので、どちらかといえばスピード重視型が有利か。
    • いずれも極端に強いマシンパーツ・キャラクターではなく、決して「これを使わないとまともに勝てない」というわけではない。
      また、スピードが速い組み合わせは決まって水中でのスピードが遅いという欠点があるため、「プクプクラグーン」では狭い道から空中ルートに進まなければならず、半分以上が水中の「ワリオシップ」では逆に不利になる。
      キャラやマシンのバランスが破綻していた『DS』や『Wii』、『8』、および『8 デラックス』のVer.2.2.1までと比べれば、ある程度のカスタマイズの自由は確保されていると言える。
  • アイテムの仕様
    • 攻撃アイテムが全体的に強い。
      • 攻撃を喰らった後の無敵時間が全体的に非常に短く、連続被弾で一気に順位を落としやすい。
      • 前述の通りバナナや爆風のカス当たりのスピンが2回転になった。加速性能の低いマシンにとっては結構嫌らしい。
      • こうらなどに当たった時の停止時間も、『Wii』と同様に長め。
      • また、こうらを進行方向後ろ向きに投げた時のこうらのスピードが前作までに比べて非常に速くなったため、後ろに投げられた時に避けるのが難しくなった。
      • ボムへい・トゲゾーこうらの爆風部分に当たった際の吹っ飛び方が、真上からほぼ真横に変更された。コースによっては悪路に吹き飛ばされたり場外に落ちてしまうことがある。
      • グライダーで飛行するようになったことで、空中飛行中のダメージによる転落も加わっており、タイミングによってはタイムロスもかなりのものになる。
    • 逆にキノコやキラーといった追い上げアイテムは弱体化。
      • 特にスターはスピードの上がり具合が大幅に下がっている。跳ね飛ばした際の転倒時間は長くなったため完全に劣化した訳ではないが、連轢き*11が非常に簡単になってしまった。
      • キラーも大幅に速度が下がっており、前方で混戦でも起こっていない限りほとんど抜かせない。
    • また、新アイテムの「スーパーこのは」は使うタイミングによってはアイテムを取り逃すことがよくある上にスターと同じく連轢きが容易なこと、「ラッキー7」はアイテムを奪われる可能性があるなど使いづらいことから、評判はあまり芳しくない。
    • これらの仕様により、アイテムを使用して下位から打開していく戦法はほとんど不可能になり、ひたすら前で逃げ続けるのが最適解となっている。
  • COMの仕様がチグハグ
    • アイテムの使い方を工夫する、キノコの加速でダートを突っ切るショートカットを狙う*12など、以前の作品と比べAIが大幅に強化された。
      • トリプル系アイテムを使用する間隔を開ける、単発のアイテムを防御に使用する、アイテムを装備しながらスピードを落として接触によるダメージを狙う、コースアウトから復帰した瞬間にサンダーを撃つ、他プレイヤーの移動先を予測してボム兵を投げるなど、高度なテクニックも行ってくるようになった。
    • その一方でCOMのキノコなしでの追い上げも激しい。150ccやミラーになるとその補正がかなり強くなり*13、今まで以上にCOMを引き離すのが難しくなっている。
    • 一度アイテムの攻撃を喰らうと、どれだけ差をつけていても、一気に順位が転落してしまうことがある。最終局面でトゲゾーこうらなどが飛んできてスピードの速いCOMに一気に抜かれ、追い上げることも出来ずに大きく順位を落とすということも。
      このような状況になると、たとえ上級者であっても1位を逃すことがある。3つ星にこだわるプレイヤーにとっては大きな壁になりがち。
      • 誰かがトゲゾーこうらを持っているのが見えたらすぐに後ろに下がるという手もあるが、そうすると今度は攻撃アイテムを持ったCOMに集団リンチされる恐れがある。
      • 幸いなことにグランプリモードでは1位でもキノコが出現するため、回避は難しくない。その後無防備な状態になるため、アカこうらを投げられる可能性もあるが...
    • COMの速度補正はプレイヤーに一定距離まで近づくと解除されるため、どうやっても追いつけないような独走状態に陥ることは少ないのが救いだろうか。
    • 本作では序列に応じたスピードの格差が控えめになっており、上位だったキャラが下位に落ちることも珍しくない。逆に言えば中位・下位スタートのCOM(特に軽量級)相手でも油断できないということである。
  • コインが貯まりにくい
    • 前述の通りパーツは基本的にコインを貯めて入手するのだが、そのコインが少々貯まりにくい。
    • その理由は基本的に1コースで入手できる枚数は最大でも10枚と少なく、パーツを手に入れるにつれ、必要枚数が1000枚近くとかなり多くなる為。
    • コースに存在するコインが多くなかったり、アイテム攻撃やコースのギミックは最大3枚のコインが飛び散り、コースアウトでは最大3枚のコインをジュゲムに払うため、最大の10枚をクリア時に集められてない事も多い。
    • 特定の条件を満たしたらたくさんプレゼント、ということもない。
    • ただ、グランプリはもちろん対戦でも貯まるため楽しみながら貯める事は可能なのだが…。
    • コインを貯める以外にも、すれちがい通信で受信した相手のMiiを含んだグランプリを優勝することで、相手が選択しているパーツの中から1つを入手できる。ただし、ビーストカイト*14とゴールド系パーツはこの方法では入手できない。
  • ゴールドフレームの入手条件が非常に厳しい
    • コインを大量に集めるか、特定の条件を満たすとゴールドシリーズのパーツを入手できるのだが、このうちフレームは廃人レベルでやりこまないと手に入らないほど厳しい*15
    • ただ、現在までにどこまでもやり込める要素が少なめだった本シリーズのため、自分の限界を試すにはちょうどいいと前向きにとらえる人もいるにはいる。
    • 性能面でも、他のパーツと同程度のものでしかない*16。持っていなくても対戦で不利になるということはまず無いので安心してほしい。
  • インターネット対戦のレートシステムの変更
    • インターネット対戦の「せかいのだれとでも」では「VR」と表記されるレート*17があり、実力の近い人とマッチングしやすくなる…のだが、減少量よりも増加量の方が明らかに多く、よほど下手でなければ段々と上昇していくようになっている。
      逆に、どれだけ実力のあるプレイヤーでも、かなりの回数をプレイしないとレートが上昇していかない。
      • RPGなどの経験値に似た仕様のため、プレイヤーの間では「経験値レート」と呼ばれている。
    • レートが高くても回数をこなしただけの中級者かもしれないし、レートが低くてもあまりプレイしていないだけの上級者であるかもしれない。要するに、レートは実力の指標として機能していない。
    • 逆に、実力の指標ではなく単なる経験値であると割り切ってしまえば、決して悪い仕様でもない。賛否が分かれるところである。

問題点

  • 一人用VSモードの削除
    • 『アドバンス』及び『DS』以降の作品にあったCOMの強弱やアイテムの有無を自由に設定して楽しめる一人VSモードが削除された(複数人VSモードは存在している)。練習等に使えるありがたいモードであったため、惜しむ声も多い。
      • VSモードに限らず、『DS』で好評を博していた充実した「ミッションラン」などのローカルプレイ要素がほとんど引き継がれなかったのも残念なところ。
  • キャラ選について
    • 前述の通り、パーティゲームの常連だったワルイージが未参戦。
      • 元から人気があるとは言いがたかったキャラクターではあるものの、登場しないのには悔やまれる声が多かった。
      • インタビューによると、新キャラクターを登場させたかったためとのことで、「何故登場しないの」という声が非常に多かったことも受け止めているらしい。
      • 一応救済措置(?)として『DS』から「ワルイージピンボール」が本作に収録されている(ちなみにタイムアタックのスタッフゴーストはワリオが担当)。
    • 他にも、本家シリーズの常連や、登場作品と関連したコースがあるキャラではなく、本作限定の一発屋である「ハニークイーン」が登場したことを素直に喜べなかった人も多い。
  • 一言コメントでの暴言
    • マリオカートチャンネル内では、勝敗数などといった戦歴が表示され、また一言コメントを添えることができるが、それを使って暴言を吐くプレイヤーも存在する。
    • 一応、コメントを作る際には漢字を使用することができないが、それによってNGワードを設定できないからか、相手を罵倒する悪質なプレイヤーも生み出してしまっている。
      • タイトル画面から「インターネットで」→「フレンドやライバルと」を選択し、リストを下方向へスクロールしていくと「すれちがった人」の項目がある。この項目内において、暴言を吐いてきたプレイヤーの情報をXボタンで削除してやればマリオカートチャンネルからも消す事ができる。
        わざわざニンテンドーネットワークに接続する手間はあるが、どうしても暴言が目に付くという方はこまめに確認・削除しておくといいだろう。
  • ロード時間が長い
    • 例えばタイムアタックモードで「スタートをやりなおす(リトライ)」を選択してからスタート位置に戻るまでは約4・5秒かかる。極端に長いという訳ではないが、気になる人は気になる時間。
    • タイムアタックに追加された「ゴースト7」モードではゴースト7人と同時に戦うことができるのだが、ロード時間が非常に長く、開始までに1分近くかかる。
    • タイトル画面を約30秒程放置しているとデモ画面が流れるが、デモをキャンセルしてからタイトル画面に復帰するまでには約4~5秒かかり、そもそもデモに移行するまでの時間も約4~5秒かかる為、進めようとしている最中にデモに突入されると10秒無駄になってしまう。
      • 3DS本体のメニュー画面からゲームを起動して3DS本体を閉じておくとスリープモードに入り、ゲームが始まってタイトル画面に突入するためのロードをしてくれなくなるのが原因。どうしても開きっぱなしにして待たざるを得なくなる為、気付いた時にはデモやそれらのロードの暗転にかち当たってしまう。
  • タイムアタックの機能の劣化
    • 前述の通り、リトライ時のロード時間が5秒ほどあり、何度もやり直しているとさすがに気になってくる。
    • 大きな問題点として、Wiiにはあったオンラインでのランキングが無くなっている。
      • このため、自分より速い人は何人いるのか、どれだけタイムを縮められるのか全く分からない。
    • ゴーストに関しても使いづらさが目立つ。
      • 上記のランキング廃止に伴い、上手い人のゴーストをダウンロードして参考にすることができなくなった。いつの間に通信やすれちがい通信を使用して自動でゴーストを交換するシステムもあるが、それが自分にとって参考になるかどうかは運次第。
      • ゴーストのみを見ることができない。必ず自分と並走する形になるため、肝心なところが見えないなんてことも多い。
      • 走り終えた直後であればリプレイ映像を見ることもできるため、これを録画してSNS等にアップするという方法もあるが、上空視点か主観視点のみ。なぜかカート後ろからの視点にではできない。
      • 新モードの「ゴースト7」も、選ばれるゴーストは完全にランダムであり、自分に実力の近いものが選ばれるなどの仕様はない。結局役に立たないことがほとんど。
+ アップデートで改善された問題点
  • 「ウーフーアイランド2」の致命的なバグショートカットが、インターネット対戦で問題視されていた。
    • 成功すればセクション2をほぼまるまるカット可能。今までの作品でもバグショートカットは存在していたものの、難易度が高いものが多くそこまで問題にはならなかった。
      しかし、問題となったバグショートカットは 方法が非常に容易で、場合によっては通常プレイでも起こりうる程である
      • インターネット対戦においてこのコースばかり選ぶプレイヤーは高確率でこのバグを使用するため、ウフカスと蔑まされていた。
    • 2012年5月15日のパッチ配布により、インターネット対戦に限り、このショートカットが使えなくなるように修正が行われた。
      • ローカル対戦などではこれまで通り使用可能。すでにこのバグを利用したタイムアタックの記録が氾濫しているためか。
    • ショートカットバグ自体は他にも多数確認されているが、いずれのコースもショートカットの難易度が高く状況が限定されているため、そこまで致命的なものではない。*18
      • このうち「ウーフーアイランド1」「GBA クッパキャッスル1」は、「ウーフーアイランド2」と同様の修正が施されている。

総評

レースゲームとしての完成度はシリーズ中でも高く、一人でも多人数でも十分楽しめるゲームに仕上がっている。
カートのカスタマイズにより、好きなキャラでレースを有利に運べるという点も好評。

直線ドリフトやウィリーなどの上級者向けテクニックは軒並み消えたが、決して歯ごたえがなくなったわけではない。 初心者から上級者まで、心行くまでやり込める傑作と言えよう。


余談

  • 3DSの定番人気ソフトとなったことで稀に見る超ロングセラー商品になっている。毎年ホリデーシーズンには売上ランキング上位に登場し、2018年でもTOP30位内にマリオカート7の名前を確認できたほど(特に2017年までは毎年10万本以上の売上を叩き出している)。
    • 2018年5月で国内販売数が300万本を突破した。世界的な不況といわれている中でここまでのヒットを確立できたのは、さすがはマリオカートといったところだろう。
    • 任天堂の公式発表によると2017年末に全世界での累計出荷本数は1676万本(リンク先はInternet Archive)を記録し、長年全世界での3DSソフト売上トップだった『ポケットモンスター X・Y』の1626万本を抜いて、全世界での3DSソフト売上トップとなった。
      • なお2021年3月末時点での全世界累計出荷本数は1894万本であり、売上トップを維持している。
  • 2018年7月19日に「Newニンテンドー2DS LL マリオカート7パック」が発売された。
  • 2022年12月14日、なんと10年ぶりのアップデート(Ver,1.2)が配布された。3DSの販売はとっくに終了しており8DXが現役な中、とんでもないファンサービス…という訳ではなく、セキュリティの脆弱性の修正のためだと言われている。(過去にSwitchのソフトで行われたもの)
    • 言い換えれば、7のオンラインプレイがまだ遊ばれており、それを任天堂も理解しているということである。
    • 残念なことにチーター自体は減っていないが、チートを通じて任意のコードを実行できてしまう脆弱性は修正されたので、安心して遊んでほしい。

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最終更新:2024年03月22日 08:26

*1 一応コインでも入手は可能。凄まじく時間がかかるが…

*2 『スーパーマリオギャラクシー』に登場した、巨大な女王蜂。もちろんカートに乗れるサイズになっている。また、マリオカートシリーズへの登場は本作のみ。

*3 レースの運営をしているものとは別の個体。甲羅の色が違う

*4 『DS』と同じくダウンロードプレイでの使用キャラでもある

*5 『マリオカートWii』までのメルセーディス・ローズ氏からケリー・ケイン氏に変更された。

*6 場所は同じだが大型化され、道幅が狭い部分で回避しにくくなった反面、個数自体が半減した為に逆に回避しやすくなった場所もある。本作は地響きでコースが波打ち、タイミング良くミニジャンプすると加速するギミックが追加されている。

*7 一人称視点(プレイヤーキャラの視界)で画面を表示する。

*8 使用した時点でまだゴールしていないプレイヤーのうち先頭のプレイヤーが通った場所をなぞるようにも動く。

*9 1位時のパーカッションもなし。代わりにコースを問わず固定のパーカッションが流れる。

*10 レース内容が一切考慮されていないわけではなく、何度も落下したりすると40点満点であっても2つ星に評価が下がるのを筆者が確認。

*11 『DS』や『Wii』でも問題視されていた、ブレーキとアクセルを駆使して、同じ相手に何度もスターで体当たりする嫌がらせ行為。

*12 キノコが無いタイミングでダートなどに突っ込み、明らかに遅くなるケースも多々見られるが。

*13 例を挙げると、後述のウーフーアイランド2のバグショートカットで2セクション目をほぼスキップしても、3セクション目の途中では普通に追いついてくる。

*14 ゴールド系以外では必ず最後に入手することになるパーツ。この方法で他のパーツを入手すれば、通常の5000枚よりも少ないコインで入手することは可能。

*15 VR10000もしくはコイン20000枚

*16 前述の「メリオBダレ」が苦手な水中スピードをある程度補うことはできる。

*17 本作ではレース・バトル共通。

*18 とはいえ「ネオクッパシティ」と「GC デイジークルーザー」は比較的再現性が高く恩恵も大きいため、この2コースに関してはショートカットバグを用いることのできる腕が無ければ上位に上がることはほぼ不可能である。