検証依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。

  • for PC版の記述における評価点の記述
    • ただし、対応によってはCSリマスター版の評価点が皆無になってしまう(現状ではゲームブースター関連しか挙がっていないため)
  • for PC版のゲームブースター5倍速使用時のカウントダウンの確認
  • Nintendo Switch版における変更点の検証
  • スマートフォン版の詳細記述

本項では、オリジナル版である『ファイナルファンタジーVII』とそのインターナショナル版、後期PC版*1およびそのPS4/One/Switch移植版について解説する。
判定は全バージョン通して「良作」である。



ファイナルファンタジーVII

【ふぁいなるふぁんたじーせぶん】

ジャンル RPG
裏を見る  帯を見る
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 3枚組
発売・開発元 スクウェア
発売日 1997年1月31日
定価 6,800円(税抜)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1ブロック使用(最大15ファイル保存可)
判定 良作
ポイント シリーズ初のプレイステーションタイトル
従来と異なるSF的な世界観と3Dポリゴン
ゲーム史における歴史的転換点となった傑作
ファイナルファンタジーシリーズ


それは星の運命を賭けた戦い。



概要

『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング第7作。
エンタテインメント新次元。」のキャッチコピーのもと、プラットフォームをプレイステーションに替え3DCGを駆使し制作された初めての『FF』である。
これまでとはテイストの異なる近未来SFの要素を前面に押し出した世界観と、各所に挿入されるムービーがプレイヤーを驚かせた。
キャラクターデザインにはこれまで一貫して手がけてきた天野喜孝に代わり野村哲也を起用する等、前作以上に大胆な革新が行われている。

本作のプラットフォームにこれまでのナンバリング全6作品が発売されていた任天堂ハードではなくSCEのプレイステーションが採用されたことで、ゲーム業界に大きな変革をもたらした。
この作品の登場が、SCE製据置ハードが10年近くトップシェアを獲るきっかけをつくった」とも言われている。


ストーリー

兵器製造企業「神羅カンパニー」が発見した「魔晄(まこう)」と呼ばれるエネルギー。
それは人々の生活に不可欠な新時代の資源。魔晄を管理し莫大な富を得た神羅カンパニーは、またたく間に巨大企業となり、いまや世界の覇権を握っていた。
神羅はその拠点である魔晄都市「ミッドガル」の周囲に設置された8つの魔晄炉で地中から魔晄を吸い上げ、全世界に供給している。

しかし、魔晄は星の命そのものであった。このまま吸い上げ続ければ、いつかは星が滅んでしまう…
星の命を顧みぬ神羅カンパニーのやり口に反感を抱く過激派の反神羅組織「アバランチ」は、
各地で魔晄炉停止を目的としたテロ活動を続けていたが、全世界にエネルギーを供給する巨大企業としての影響力と情報操作力、
更には神羅が保有する無数の機械兵器や、私設軍隊のエリ-ト兵「ソルジャー」といった強大な武力を前に苦しい戦いを強いられていた。

そんな中、アバランチの一員であるティファはある日、神羅を抜けた元ソルジャーで、今は何でも屋を営む旧友クラウドと再会し、彼をアバランチの傭兵として雇うことを提案する。
幼馴染のたっての願いで、決死の魔晄炉爆破作戦に参加することを決めたクラウド。
それは彼自身の過去をも巻き込む、星の命運を賭けた壮大な旅の始まりであった。


特徴

システム

マップ

  • ワールドマップ画面はフル3Dとなった。
    • 大地、山、海などがリアルな起伏で描かれ、飛空艇の操作も前作までの疑似3Dを発展させ、徒歩移動とシームレスな真の3D操作画面となった。
  • ダンジョンや街のマップは、プリレンダ2Dの1枚画をポリゴンのキャラが動き回るハイブリッド仕様となった。
    • この仕様は『IX』まで3作続くこととなる。

ユーザーインタフェース

  • UIも全体的に洗練された。
    • 「整頓」は種類・五十音順・数量順等でソートでき、武具装備画面とマテリア装備画面をボタンで行き来できるようになった。
    • 各魔法やコマンド、武器等にはヘルプメッセージが用意され、性能や効果の確認が容易にできるようになった。

バトル

  • システムとしては、もはやシリーズファンにはお馴染となった「ATB」を引き続き採用。
  • 一方、バトルの画面は完全に3D化された。
    • ポリゴンでデザインされた敵とキャラを一画面で見渡し、また設定によっては様々なカメラアングルに切り替わる、ダイナミックな戦闘画面となった。
  • 戦闘のUIも様々に調整された。
    • 物理防御・魔法防御を付与する補助魔法の効果持続の残り時間がゲージとして可視化されている(が、本作限りの仕様)。
    • 敵の名前はデフォルトでは非表示で、カーソルを合わせた際に初めて「ヘルプウィンドウ」内に表示される形になり、画面に文字欄が占める比率が大幅に低減された。
      • 「ヘルプウィンドウ」の常時表示も可能。
  • バトルメンバーはSFCまでの時代から削減され、シリーズで初めて最大3人となった。
  • 今作から、ダメージや回復によるHPの増減が一瞬ではなく、『MOTHER2 ギーグの逆襲』のような漸増減式となった。また、数値の下にゲージバーが追加され視覚的にもわかりやすくなった。
    • この方式は本作以降のシリーズにも受け継がれている。

装備

  • 装備のシステムが大幅に単純化され、装備可能部位が3箇所になった。
    • 武器はキャラクターごとにカテゴリが固定され、全武器が各キャラクターの専用品となった。
      • 装備した武器によって戦闘時のグラフィックが大きく変化するようになった。
    • 防具は逆に、「腕」の1箇所のみと簡素になり、厳密には男性専用/女性専用が1つずつ存在するが全員共有となった。
      アクセサリも装備可能箇所は1つのみとなった。
      • 防具やアクセサリによる外観の変化はない。
    • 装備品の性能については、防具やアクセサリは属性や状態異常の耐性、武器は後列への威力不変の物については説明で表示されるが、それ以外の数値的なものは実際に装備させようとした際の変化として確認するのみとなっている。*2
      • ただし、ショップでは攻撃力や防御力が現在装備中のものとの比較込みで表示される。

新要素「マテリア」
旧作におけるアビリティ/クリスタルの概念を継承・発展させた、新たな成長システム。

  • 随所で手に入る球状の魔晄結晶「マテリア」を、武器・防具に開いた「マテリア穴」に装着することで特定のアビリティやコマンドが使用可能になる他、同時にステータスに補正がかかったりする。
  • マテリアはその色によって「魔法」「コマンド」「召喚」「支援」「独立」の計5系統に大別される。
+ マテリアの種類の詳細
  • 魔法マテリア
    • 従来の白魔法・黒魔法・時空魔法に相当。「かいふく」「ほのお」「じかん」等、属性や効果を示すマテリア名となっている。
      装備しているキャラのコマンドウインドウに「まほう」コマンドが追加され、マテリアに内包された魔法を使えるようになる。 初期はファイアやケアルといった初歩魔法しか使えないが、マテリアを成長させる事で上位のファイガやケアルガ等も使えるようになっていく。
    • 魔法/召喚系のマテリアは、装備したキャラのMPや魔力・魔法防御力が上がり、逆にHPや力・体力(物理攻撃力・防御力)が下がる。
  • 召喚マテリア
    • 従来の召喚魔法に相当。「イフリート」「シヴァ」「ラムウ」等、召喚獣と同名のマテリア名となっている。
      装備したキャラのコマンドウィンドウに「しょうかん」コマンドが追加され、発動すると手の込んだ召喚ムービー付きの魔法攻撃を放つ。
      前作『VI』同様に本作の召喚獣も1度の戦闘で召喚できる回数に制限があるが、マテリアを成長させる事で最大5回まで呼び出せるようになる。
  • コマンドマテリア
    • 従来のコマンドアビリティに相当。「ぬすむ」「みやぶる」「なげる」「ひっさつ」等が存在し、装備する事で使用可能になる。
      • 一部のマテリアは成長させる事で、ぬすむ→ぶんどる、なげる→ぜになげといった、より上位のコマンドを使用できるようになる。
        なお「なげる」は「ぜになげ」を習得すると両コマンドが一定時間ごとに入れ替わる形となりどちらも使用可能だが、「ぬすむ」など他のコマンドマテリアはレベルアップで新たなコマンドを習得すると元のコマンドに戻せない。
    • 従来の青魔法に相当するマテリア「てきのわざ」も存在。装備した状態で敵の特定の技を受けることで、 マテリアがそれを「ラーニング」 し、以後の戦闘で使用可能になる。
      • 「てきのわざ」を1人に複数個つけている場合、習得したい技をいずれかのマテリアが先に習得済みの場合、その技を受けても未習得のマテリアにラーニングさせることはできない。
  • 支援マテリア
    • 単独では機能しないが、特定マテリアと組み合わせる事で効果を発揮するマテリア。
    • 装備品によっては、マテリア穴が2つ連結したものがある。片方に支援マテリア、もう片方に魔法マテリアなどを組み合わせることで、対にした魔法の対象を全体化したり、属性やステータス異常の付与/防御などを行えるようになる。
      • 「ぜんたいか」を魔法マテリアと併用する事で魔法の全体がけに使用可能になり、成長で全体化できる回数が増えていく*3
      • 本作に登場する武器は全て素の状態では無属性攻撃だが、
        武器の連結マテリア穴に「ぞくせい」と攻撃魔法・召喚マテリアと対にして装着する事で、武器攻撃にその魔法・召喚マテリアの持つ属性を付与が可能。
        また、防具に装着した場合はその属性ダメージに対する耐性を得られる(耐性の強度は「ぞくせい」のレベルによって決まる)。
        上記と同様に「ついかこうか」を状態異常をもたらす魔法・一部召喚マテリアと対にして装着すると、武器攻撃にその状態異常の追加効果を付与、もしくは防御が可能。
      • 「HPきゅうしゅう」など、対にしたマテリアに特殊な効果を追加するものもある。中には一定条件で対にしたマテリアを自動的に使用するものも。
  • 独立マテリア
    • 装備中ほぼ無条件に補助効果を発揮し続けるマテリア。「○○アップ」などのステータスアップ系と、「カウンター」等のパッシブスキル系に分かれる。
      • 「HPアップ」「スピード」等、装備する事でパラメーターが底上げされるマテリアは、成長するほどパラメーター上昇量が増す。
      • 敵からの攻撃に反応し反撃をする「カウンター」や一定確率で仲間への物理攻撃を肩代わりする「かばう」は、成長させる事で発動確率が上昇する。
      • 「えんきょりこうげき」のように、いくらAPを溜めても効果が全く変わらないマテリアもある。
  • マテリアそれぞれにも経験値の概念があり、戦闘によってアビリティポイント(AP)を稼ぐ事でマテリアは成長していく。
    • APが最大まで貯まったマテリアは「MASTER」となり、成長が完了すると同時に「分裂」してAP0の同じマテリアがもう1個手に入る。
      • 例外的に「てきのわざ」と「マスター○○」はAPを溜めても成長せず、分裂する事もない。
    • 魔法・コマンド・召喚系統のマテリアは、全対象マテリアをMASTERにし所持したうえで特定の条件と手順を満たすと、系統の該当マテリア全てと引き換えに、手放したマテリアの内容を全て使用可能な「マスターマテリア」に変換できる。

リミット技

  • 各キャラには「リミットゲージ」があり、戦闘中にダメージを受ける事で蓄積されていく。回復してもゲージは減らず、戦闘が終わっても保持される。
    最大になると「LIMIT BREAK」となり、ウェイトゲージがすぐに満タンになったうえで「たたかう」コマンドが「リミット」に変化し、強力な個人毎の「リミット技」が使用可能になる。前作の「瀕死技」を発展させた要素。
    • 攻撃と回復を繰り返すだけだった従来のコマンド式戦闘にメリハリを付けるシステムであり、キャラの個性付けや、ボス戦の駆け引きの向上にも一役買っている。
    • キャラ毎に倒した敵の数に応じてリミットレベルが上がり、技も増えていく(レベル4の「究極リミット技」習得には奥義書が必要)。どの技を使うかは事前にリミットレベルを設定して決めておく形になる。
    • 全体的に派手な演出も多く、特にクラウドの「超究武神覇斬」は威力・演出・爽快感そしてストーリー上の位置づけ…あらゆる点でプレイヤーに強烈なインパクトを与えた。

シナリオ・演出面

世界観・シナリオ

  • 前作『VI』の近代的な雰囲気を更に突き詰めた作風となっており、無数の発電所で機能する巨大都市などの現実的な文明観がより押し出され、西洋ファンタジー風の世界観から大きく脱却した近未来SF風の世界観となった。
    • 高度に発展した市街地と、その下に佇むスラム街、旧作のようにのどかな村や町、機械文明と対照的に自然と共に生きる人々の暮らす村落、電飾溢れる遊園地など、ロケーションも非常に多彩であり、質の高い映像表現も相まってリアリティに溢れている。
  • シナリオは、前作までに比べてキャラクターの内面描写にも重点が置かれており、無数のキャラクターの思惑や心情がこれまで以上に深く絡み合う重厚なストーリー展開となっている。

キャラクター

  • キャラクターデザインは、過去全作品を担当していた天野喜孝が降板し、代わって前作まで主にモンスターグラフィック(デザイン、ドット絵)を担当していた野村哲也がメインで起用された。
  • パーティメンバーには全て何かしらの明確な個性が与えられ、目立たないキャラが存在せず、各人への思い入れを抱きやすくなっている。
    • パーティ加入が任意であるキャラクターも2人いるが、どちらにも重要な設定が与えられており、加入していればイベントでは大いに活躍する。

演出

  • 大容量のCD-ROMメディアを活かし、背景やイベントにプリレンダリングCGのいわゆる「ムービー」を初導入した。

BGM

  • BGMは前作まで同様、植松伸夫が担当。
    • ハードを次世代機に移したことにより、音源の性能はSFCまでの時代より飛躍的に向上した。
    • 本作の音楽はPS内蔵シンセを主体とした音色で奏でられており、オーケストラの生音を志向した質感が重視されていく次作以降に比べてかなり独特なテイスト。
    • 従来シリーズにあった「メインテーマ」(基本的にフィールド曲)は本作でも用意された(「ファイナルファンタジーVII メインテーマ」)。
      • このメインテーマは作品内・作品外問わず多数のアレンジが生み出されており、その名の通り本作を象徴する曲となった。
      • 一方、エンディングのスタッフロールBGMの一部としてシリーズおなじみの「メインテーマ」が登場しており、『FF7 AC』のEDでは2つのメインテーマを融合させたアレンジがある。

ミニゲーム

  • ゲーム中ではスノーボードでの山下りや潜水艦の操作など、様々な場面でミニゲームが挿入される。
    • ストーリーが進むと、作中でアミューズメント施設「ゴールドソーサー」が開放される。
      腕試しバトル、独自のミニゲームなどに加え、本編に挿入されたミニゲームの大半をプレイ可能。
      • ハマるプレイヤーが続出し、「こっちが本編」と言うファンすらいるほど。

ゴールドソーサー

  • 施設内では専用ポイントの「GP」が通貨となっている。GPは景品と交換したり、一部のミニゲームを遊んだりするのに必要。
    • 通常の通貨「ギル」で遊べる簡単なミニゲームも幾つか用意されており、それらで稼いだGPを元手に他の(GP専用の)ミニゲーム等を利用するという流れになる。
    • 入口近くにある セーブポイントがGPを要求してくる など、商魂たくましさを示す演出も多数。
+ ゴールドソーサーのアトラクション色々

闘技場

  • 1人で連戦バトルに挑む腕試しスポット。
    • 勝ち進む毎に、スロットで指定されたハンデのもとでゲーム中に出てくるモンスターたちと戦える。
      • スロットの内容には「HP回復」などといったボーナスから「HP&MPの上限半分」「マテリアが全部壊れる」「アイテムコマンド封印」といった致命的な弱体化まで含まれる。もちろん厳しい制約下で勝利した場合は、相応に見返りが大きくなる。
    • 闘技場に出現するモンスター(ストーリー進行で変動)はHPが2倍に強化された状態であり、スロットの結果やステータス異常によって、高レベルでも安心はできないものとなっている。
      • さらに特定条件で解禁される「裏バトル」も存在する。出現モンスターは固定されているがHP2倍は健在、最終的にHPが10万を超える強敵も出現する。

スノーゲーム(スノーボード)

  • 風船を取って得点を稼ぐ方式で、一定数以上の得点を取ることで更なる難易度に挑戦できる。全コース制覇するとタイムアタックモードが開放され、風船と障害物が全くない本格的なタイムアタックに挑めるようになる。計測は1/10秒まで。
  • ジャンプによるショートカットや宙返りも出来たりと爽快感も上々。ゴール到達の評価も細分化されており、評価が高いと「前人未到」や「」という評価がつけられることも。

チョコボレース

  • 現実の競馬をチョコボで行うようなもの。
    • 着順予想は連勝複式(先着2頭の組み合わせ、着順は不問)。
  • 序盤にメインシナリオ内で1度だけプレイヤーが騎乗する形での参加があるが、終盤には自分で飼っているチョコボ(後述)に乗って出走することも可能となる。そこからが本番という意見も。
    • ある程度勝つとランクが上がり、より相手が強くなる。
  • 他にも「シューティングコースター」や、ちょっとしたゲームセンター、ホラーなホテルなど、内容は極めて充実している。

チョコボ育成

  • FFにおける騎乗動物としておなじみのチョコボだが、本作では自分で野生のチョコボを捕まえて育成できるようになった。
    • ステータスの高いチョコボを育てればチョコボレースで有利になる。育成に関しても食べさせる餌やカップリング、チョコボそのものの素質といった要素があり中々本格的なため、長時間を費やすプレイヤーもいた。
    • 育成したチョコボはレースだけではなく、実際にワールドマップ上で騎乗し駆け回ることもできる。カップリングによっては海や山を渡れるチョコボも生まれるため、普段では行けない場所にまで足を伸ばせるようになる。
      • それらに乗らないと手に入らないマテリアも存在するが、その殆どがバランスブレイカー級のものばかり。入手は必須ではない点は良心的*4

評価点

練りこまれた壮大な世界観とシナリオの完成度の高さ

  • 見事な伏線の張り方、演出、台詞が絡み合い、巧みな心理描写が展開されながらも矛盾が殆ど存在しないシナリオは、シリーズトップクラスの練りこみ具合と極めて高い評価を得ている。
    • 一時離脱していたクラウドが後半で復帰する際のイベントは難解且つやや長いが、これまで断片的に描写されつつ謎だった点が一気に解決される屈指の名イベントと評価されている。
  • 「危機を招く敵を倒して世界を救う」というストーリー展開自体は従来作品と同じだが、本作はとにかくスケールが馬鹿デカい
    • 飛空艇の登場シーンも、味方の脱出と逃亡、超巨大モンスターの襲来、それへの抵抗と、複雑に絡み合った上で繰り広げられる凄まじいスケールの名イベントとなっている。

魅力的なキャラクター達

  • 本作のパーティメンバーや主要サブキャラ、敵キャラはデザイン、内面ともいずれも非常に個性的で印象深い人物ばかリ。
    • パーティメンバーは従来作以上に「抱える弱さとそれを乗り越える過程」に焦点があてられており、各自の物語はどれも映画の如くドラマチック。
    • 脇を固めるサブキャラにも魅力的な人物が多く、壮大な世界観を形作る大きな要因となっている。
      • 特にセフィロス、宝条、タークスなどといった敵役もキャラクターが非常に立っており、ファンの感情移入を促し物語を大いに盛り上げている。
  • それを最も象徴するのが、主人公であるクラウド。「表向きはクールながら実は心の弱さと迷いを抱えており、時にどん底に落ちながらも次第に真実に向き合い成長していく」という、それまでの日本のRPGにおける王道的な主人公像とは大きく異なる人物として描かれている。
    • その濃密で繊細なキャラ描写は多くのプレイヤーから新機軸として好意的に受け入れられ、印象的なキャラクター造形も相まって熱狂的なファンを生んだ。

当時最先端の3Dを存分に活かした画面表現

  • 本作では3Dグラフィックが導入されたが、それ自体当時の家庭用ゲームでは類を見ないものであった。
    • 前例があまりなかった中で驚くべき高品質で仕上げてきたその技術力にプレイヤーの誰もが度肝を抜かれ、黎明期にして3DのRPGの「基準」を作ってしまったその完成度は、ゲーム業界に大きな衝撃を与えた。
    • ワールドマップ以外の背景グラフィックのプリレンダCGも極めて美麗で、壮大な世界を緻密に描いている。
    • フィールド上の低頭身にデフォルメされた人形風のポリゴンキャラクターと、戦闘画面やムービーにおける頭身の高いキャラクターグラフィックとの差は目立つものの、いずれも当時の3D RPG作品としては非常に高いレベルでまとまっている。
    • 戦闘時のキャラグラフィックは、公式イラストに忠実なリアル頭身で描かれるようになった。グラフィックの出来も当時としては非常に良く、キャラクターの魅力や個性をモーションやその他の演出面においてもしっかり表現している。
      • カメラアングルが頻繁に変わる。これは顔など上手く表現しきれない部分をカバーする意図もあったとされるが、結果的に戦闘の臨場感が大いに増している。
    • 3D映像を活かした演出も作りこまれており、映画的な臨場感に溢れている。

当時最先端のプリレンダムービーを効果的に用いた演出

  • プリレンダムービーの効果的な活用により、シーンごとのインパクトがきわめて強いものとなった。
    • イベントで用いられるムービーの質は当時のゲームとしては非常に高水準で、CMでも使用されたオープニングムービーは多くのプレイヤーを感動させ、これまた当時のゲーム業界に衝撃を与えた。
    • ムービーは多数挿入されているがのべつ幕なしというわけではなく、シナリオの重要なシーンに絞って効果的に用いられている。
      • 中にはムービー中でもプレイヤーを操作できるシーンも。

植松伸夫の高品質なBGM

  • 様々なジャンルの要素を幅広く取り入れた、シリーズの顔のひとつでもある植松のBGMは、プラットフォームが次世代機になったことで表現力が更に高まった。物語を彩る印象的なBGMの数々は今でも国内外から高く評価されている。
    • 特に、イントロのギターリフが印象的なボス戦BGM「更に闘う者達」や、重厚な生コーラスをサンプリングするという、内部音源を採用していた家庭用ゲームとして異例の作りに誰もが驚愕したラスボス戦BGM「片翼の天使」の2曲は本作を代表する楽曲として今なお極めて高い人気を誇る。
      • 「片翼の天使」のコーラスは、不自然さをなくすよう曲構成を練りつつ、非常に高度なサウンドプログラミング技術を用いることで実現したことが植松へのインタビューで述べられている。
        今でこそゲームに生音・生歌が流れることなど当たり前であり、当時でもCD-DAを利用してそういったBGMを起用したゲームは存在はしていたものの、RPGの戦闘曲で歌が流れるなど当時の家庭機水準では予想もできなかった革新的な演出であり、ゲーム機から、それも最高に盛り上がるラストバトル中に、荘厳なコーラスが流れたという事実に多くのプレイヤーが息を呑んだ。
    • それら以外にも数多くの名曲が存在しており、「オープニング~爆破ミッション」や「J-E-N-O-V-A」なども人気が高く、派生作品にアレンジ曲が多数登場している。

ミニゲームの充実

  • ゴールドソーサーで遊べるミニゲームはチョコボレース、闘技場、スノーボードのような非常に作り込まれたやり込み甲斐のあるものからちょっとしたミニゲームまで非常に充実している。
    • 報酬も豊富で世界の危機そっちのけでミニゲームに没頭したプレイヤーは数知れない。

賛否両論点

  • 本作はシナリオが非常に高く評価される一方で、以下の様々な要因により、ゲームの難易度は時間を掛けたやりこみ次第でかなり抑えられる部類に入る。
    RPGとしてのやり応えが低い一方とも、FFやRPGの初心者でも世界観とシナリオに没頭し快適に遊べるとも言え、やや好みが分かれる。
  • 本作は敵から獲得できる経験値が全体的に高く、敵とのエンカウント率もそこそこ高めに設定されている*5
    • このため、レベル上げを意識せずともこちらの育成が進み、リミット技の強さ等も相まって、一部ボス以外ではあまり苦戦しない。
      シナリオ重視かつ大ボリュームの本作では妥当な調整とも言えるが、やはりゲーム的な意味でのやり応えは物足りないと言えよう。
  • 終盤のサブイベントで獲得できる武器・マテリアが非常に強力であり、これを集めるか否かでゲームバランスが一変しやすい。
    • 最強武器はダメージ計算式が特殊であり、掛かる手間は各キャラで異なるが、最終的には平時の通常攻撃のダメージがカンストするまでになる。
      一応各最強武器は「マテリアが成長しない」という欠点を持つが、その前にラストダンジョンで高効率のAP稼ぎができるため、大きな影響はない。
    • マテリアも優れた性能を発揮し、特に「れんぞくぎり」等は早期に入手できてしまうため、バランスを崩す要因の1つになっている。
      最強武器との併用は勿論、入手時点でも目に見えて高い効果を得られるため、多種多様な他マテリアの存在価値を食ってしまっている。
    • このため、最終決戦前にサブイベントをしっかりこなすか否かで、ラストダンジョンや最終ボスの難易度が大きく変わってしまう。
      最終ボスは寄り道無しに進めて戦う分には十分な強敵だが、サブイベントの消化後はこちらが強くなりすぎてしまい肩透かしを食らう。
    • 最終ボスが弱いというより、「各サブイベント消化後のこちらの強さに見合うボスが用意されていない」と言った方が近いかもしれない。
      一応、最終ボスに「こちらのレベルに応じて各能力値が強化される」という仕様があるが、申し訳程度であり実感できるほど強化されない。
      これを踏まえてか、後のインターナショナル版ではレベル99でも無策では手も足も出ないほどに強力な隠しボスが複数用意されるに至った。
  • 全体を通して本作の難易度を引き下げている要因の1つに、「てきのわざ」マテリアの優れた性能・万能性が挙げられる。
    • 最初に習得できる「マトラマジック」からして低コスト無属性かつそれなりの威力がある全体攻撃であり、これひとつで下位攻撃魔法+全体化の価値が一気に低下する。
      「ホワイトウインド」はHP回復に加えて状態異常回復も可能であり、やはりレイズ以外の回復魔法やアイテムの存在価値を下げている。
      炎属性の全体攻撃「ベータ」は全体化したファイガをも上回る性能を誇り、雷属性の全体攻撃「トライン」も高性能でありながら普通に攻略していても容易に習得できる。
      本作では希少な水属性攻撃でありながらガ系魔法並みの威力を持つ「アクアブレス」や、FF6以上の効果・以下の消費MPである「マイティガード」等、挙げればキリがない。
    • 勿論、初見プレイや事前知識無しでの習得が難しいものもあるが、それを差し引いてもなお凄まじい実用性である。
      従来作と違って付け替えるだけで誰でも使えるという手軽さを持ち、またAPを稼がせて成長させる手間がないという点も大きい。
      このマテリアは分裂こそしないが最大で4つ手に入るため、パーティが分割される局面でも非常に効果的なマテリアとなる。
  • 前作をも上回る強力な攻撃手段の存在、及びキャラクター間のリミット技性能の格差
    いくつかの「猛烈な連続攻撃」の存在が、良くも悪くも本作の難易度の低さを象徴する要素となっている。
    演出・効果共に派手で爽快感があるとして好評を得た一方で、他の技の価値が激減するほど強力なため否定的に捉える意見も少なくない。
    • 最も有名なのは召喚獣「ナイツオブラウンド」。無傷のラスボスをこれ1手で仕留め得るほどの超威力を誇る。
      • ただし入手には相当な時間と労力を要求される上、これを入手する頃には殆どの敵が相手にならないほどにこちらが成長している事が多い。
        更に消費MPが莫大で演出時間も非常に長く、実戦での使い勝手は正直かなり悪い。きっちりやり込んだ末のご褒美的な要素に近いと言える。
    • 一部キャラクターの究極リミット技も、極めて強力な性能に仕上がっている。
      クラウドの「超究武神覇斬」は上記に次ぐ強力な連続攻撃で、その演出・性能から人気が高く、これも本作を象徴する技の1つである。
      一方、当時はまだ「ダメージ限界突破」がなかったため、「超高威力・単発型」のリミット技だと終盤でダメージがカンストしてしまう。
      このため最終的なキャラの強弱が「リミット技が連続攻撃系か否か」に左右され、一般的にクラウド・バレット・シドが3強とされている。
  • 頻繁に挿入されるミニゲーム
    • ストーリー進行上必ずプレイさせられるものが多く、中には手に入るアイテムの質に関わるものも存在するため煩わしさも伴っている。
      ストーリー、もしくはゲームそのものをダレさせないスパイスとして良いとする意見もある一方で、煩わしいと感じるプレイヤーもいた。
  • 天野喜孝の降板によるキャラデザ担当者の変更・作風の変化・通常戦闘曲イントロの廃止等、第1作から続いた多くの「お約束」が見直された。
    こういった大きな変化・路線変更は、類例に漏れず古参ファンからの一定の拒否的反応があり、一部ファンが離れていった事も否めない。
    • しかし、それは方針転換により心機一転を図るシリーズ作品の宿命であり、本作と同じ制作陣による次作を比較して、売上が右肩上がりになった事から、受け入れたファンの方が多かった事は明らかである。販売戦略として大成功を収めた事にもはや疑いの余地はないだろう。
    • ちなみに通常戦闘曲ではないが例のイントロは最終連戦の2戦目の曲である「神の誕生」のイントロ部分にこっそりと入っている。

問題点

  • 戦闘の演出が強化された反面、その演出によって戦闘時間が長くなったため、演出中にATBゲージが満タンになる事が多くなった。
    特にゲームの後半では、行動速度を変化させるヘイストやスロウを使っても行動回数を増やす事は難しいほどになり、慣れてくるとATBシステムが形骸化しやすい。
  • ヴィンセントのリミット技は「モンスターに変身する」というものであるが、これが非常に使い勝手が悪い。
    • 変身後はオート操作になりマテリアも使用不可、変身後の攻撃方法も属性を持っていたりと、他キャラと比べてとにかく融通が利かない。
      • よりによって、ヴィンセントを仲間にした直後に訪れるダンジョンのボスが、変身後の技に対する吸収属性を持っている。このような状況では、ヴィンセントをパーティーアタックなどで戦闘不能にしないと延々と敵を回復してしまう結果になる。
    • リミット技を使わなければ通常攻撃ができないので、嫌でも使わざるを得ない。
      • この関係上、ヴィンセントは「れんぞくぎり」など通常攻撃を置き換えるマテリアも使いづらい。
      • 対策としては「ぬすむ」を成長させた「ぶんどる」などがある。これでも単体・単発攻撃しかできないが。
  • いくつかのアイテムや、とある「てきのわざ」等、特定のタイミングでしか入手できない取り返しのつかない要素が多め。
    • 中でもバレットの最強武器「ミッシングスコア」は、後戻り不可能なダンジョンでバレットをパーティーに入れた状態でないと出現しない宝箱から入手する必要があるため、見逃すプレイヤーが続出した。
    • 習得を逃しやすい「てきのわざ」は、「なんとか???」と「トライン」の2つ。
      • 前者には、そのプレイデータで初めて撃破したドラゴンゾンビだけが死に際に1回だけ使う、という特殊な条件が設定されている。
        流石にメンバー3人とも該当マテリア未装備という状況になる事は少ないが、機会を逃すとそのデータでは二度と習得できなくなる。
      • 後者は習得こそ容易だが時期・機会が限られており、全ての「てきのわざ」に習得させるならひと手間掛ける程度の知識がいる。
    • ストーリー後半に行われる「ヒュージマテリア争奪戦」も、「1つでも失敗すると重大な損失が出るイベント」とされる。
      ミニゲームや時間制限等、初見ではやや難しいイベントであり失敗する可能性があるが、失敗してもゲームオーバーになったりはしない。
      そのままストーリーが進んでしまうため、後になって取り返せない事を知り、その悪影響に気付いたというプレイヤーも少なくなかった。
      実際には、1敗だけならまだ何とかなるレベルではあるが、その負け方によっては別方面で致命的な影響が出るケースがある。
    • また、パーティメンバーの離脱に関しても(こだわり派にとっての)取り返しのつかない要素が存在する。
+ ネタバレ注意
  • パーティメンバーの1人であるエアリスがDisc1終盤で永久離脱するが、手元に戻ってくるのは装着していたマテリアのみで、武具は消滅してしまう。
    失いたくなければ離脱前に外しておく必要がある他、能力値上昇系アイテムを集中的に使用していた場合も無駄になってしまう。
  • 後述の『インターナショナル for PC』以降では同メンバーの究極リミット技習得も実績対象なので、これの達成期間も限られてくる。
    その上、そのためのアイテムの入手については(実質的に)それよりももう少し早い段階*6までの時限要素となっている。
  • 3Dゲームの黎明期故にやむを得ない事ではあるが、操作性に不自由な点が散見される。
    • 背景は美麗な一枚絵だが、歩ける場所が分かり辛かったり、視点が引きすぎてキャラが非常に小さくなってしまうマップも少なくない。
      また風景画のような広いマップでは、行けそうで行けない所があるかと思えばその逆もあったりと、通れるか否か判断し辛いも事ある。
      ハシゴを登る等のアクション操作も妙に判定がシビアで、操作可能なものなのか単なる背景なのか、プレイヤーが誤認しやすい場所が多い。
    • 操作性やゲームデザインも、3D空間向けの最適化が完全とは言い難い。
      キャラクターの移動方向と十字キーの向きとが一致しない(縦横のボタンで斜めに移動する)、もしくは分かり辛い場所が少なくない。
      複雑な地形や画面切り替えの度に向きが変わるマップでは、登ろうとして降りてしまう等の、プレイヤーが意図しない動きが起きる事も。
    • バトル時のターゲット指定のカーソル操作が統一されておらず、カメラアングルに合わせて変わるため、対象をスムーズに指定できない。
    • 3D化によりキャラの歩幅が曖昧になったのに「北に○歩、西に○歩」といった2Dゲーム的な謎解きがある。
      ただ、問題のシーンは表示が平面的な場所で行われるため、方向については特に難しく考える必要はない。
  • エンディングのムービーに、任意加入のパーティメンバーであるユフィとヴィンセントが一切登場しない。
    • これはエンディングがプリレンダムービーであり、2人の加入状況に沿った複数のパターンを作るだけの容量の余裕がなかったため。
      仮に作れたとしても、ディスクアクセスによりムービーが途中で止まってしまうため、仕方ない点ではある。
  • 裏バトルの参加条件が闘技場ロビーにいるNPCのセリフから類推できるものと実際の条件で若干相違があり、その影響で『チョコボの不思議なダンジョン』に付属する「不思議なデータディスク」収録の全アイテム所持データでは裏バトルができない。
    • もっとも、そこでしか入手できないアイテムも所持しているデータなのだが。
  • 魔法防御の設定に不具合があり、防具の魔法防御力が全く機能していない。
    ただし元々あまり高い魔法防御力値が設定された装備が無く、「魔法防御が高い装備を前提にしたであろう強力な魔法を使う敵」というのも居ないため、ゲームを進行する上での影響は殆どない。

総評

グラフィック、サウンド、シナリオに従来作にない革新的な要素をこれでもかと盛り込んだスクウェア渾身の超大作。
その革新性はプレイヤーに大きな熱狂をもたらし、ゲーム業界全体を変革させるほどの大きなインパクトを与えた。

シリーズ内で見ても、初代から連綿と受け継がれてきた「中世ファンタジー風の世界観で繰り広げられる勧善懲悪」というお約束的なシナリオの構図や世界観の枠組みから完全に脱却し、全く異なるイメージを打ち出すことで、システム自体はオーソドックスながらも「新たなFF」の流れを生み出し、シリーズの大きな転換点となった。
それまでの『FF』とあまりに異なるテイストに拒否反応を示す旧作ファンが多かったことは事実だが、多大な革新性を含んだ要素を破綻することなく高い品質でまとめ上げたスタッフの手腕によって、新旧ユーザー含め多くのファンを獲得したこともまた事実である。

「エンタテインメント新次元。」のキャッチコピーに偽りのない、まさにゲームの歴史に新時代を築いたゲーム史に名を残す傑作である。


余談(PS版)

海外でのタイトルについて

  • 北米版の『FF』シリーズは、それまでNESで『I』、SNESで『IV』が『II』、『VI』が『III』のタイトルで発売されていたが、本作は日本版と同じ『VII』として発売となった。以降はリメイク版を含めナンバリングが日本版と統一されている。
    • それまで国内版と異なっていたナンバリングが統一されたことで、北米では『III』→『VII』といきなりナンバリングが飛んだため当時混乱を招いた。
  • 欧州ではシリーズ展開していなかったため、本作が初の『FF』となった。
    • そのうち、スペイン語版はまともにプレイする事が困難なレベルに誤訳が酷いとされている。

パーティメンバーの離脱について

+ ネタバレ含む
  • ストーリー中盤で永久離脱してしまうあるキャラについて、当初は離脱しないもしくは復帰する展開が構想されていた模様。
    離脱以後の一部場面において本人のセリフが存在する場面があり、改造ツールを使わなくても特定のディスクを使った裏技で離脱する場面を飛ばすことで確認できる。
    • 以後のイベントの中には本人がバトルメンバーにいると進まなくなる箇所が存在している。
      バトルメンバーから外していれば問題なく進行でき、ラスボス2戦目に至っては非常にシュールな光景を展開することもできてしまう。
    • ただし飛ばされるイベントの関係で『チョコボの不思議なダンジョン』に付属する「不思議なデータディスク」収録の全アイテム所持データでないと致命的な影響が出る(ただし、このデータには(本来そこで入手するアイテムも元々所持しているものの)上述したように「闘技場の裏バトルができない」という問題がある)。

風属性について

  • 本作の風属性はほぼ「死に属性」である。風属性攻撃/防御ができなくても難易度的には何ら問題ないが、パーティ側には風属性の攻撃手段も防御手段もほとんど存在せずほぼ無意味な設定となってしまっている。
    • こちら側の風属性の攻撃手段は攻撃魔法「トルネド」のみ。終盤にサブイベントで入手するマテリアを成長させるまで使えず、また単体対象限定と使い勝手は今ひとつ。
      • シリーズ他作品に登場する風属性魔法「エアロ」は今作では敵専用。
    • こちら側の風属性の防御手段は、全属性半減効果のある防具「ザイドリッツ」のみ。ただし終盤にボスから盗むことでしか手に入らないレアアイテムで初見者は気づきにくい。
    • 風属性のマテリアは1つもなく、マテリア「ぞくせい」で風属性の攻撃効果・防御効果を得ることもできない。インターナショナル版以降では特定のマテリアに風属性が追加された。

その他

  • とある場面でクラウドが『ゼノギアス』について言及する場面が存在している。
  • とあるダンジョンで低確率で「テスト0」という謎のモンスターが出現する。
    • 攻撃はしてこないがダメージを与えると「いたいでするー」「ごめんってば、もうやめてぇ」などのセリフを喋る。異常なまでにHPが高いものの倒すと膨大な経験値・AP・ギルが入手できる。
    • 本来はテストプレイ用のモンスターだったものがバグで普通に出てきてしまったものと思われる。インターナショナル版では削除されている。
  • 「片翼の天使」のコーラスには、後にFFシリーズにコンポーザーとして携わる浜渦正志がバスパートで参加している。
    • 他のメンバーも浜渦の知人であるとの事。
  • プレイステーションは同時期に発売された32bit機セガサターン*7に対して販売台数ではわずかに後塵を拝していたが、本作の登場により爆発的に普及し、あっさり逆転したのみならずトップシェアを固めたことになる。
    • その影響でSCEは本体を過剰に大量生産するという後にバンダイが「たまごっち」でやらかした失敗と似たようなことをしでかしたものの、同時期アメリカでも人気が出始め、日本での過剰生産分がそちらに回されて消化された形になり「ムダに増産した結果、不良在庫の山となり処分で特損計上」という事態は回避された。*8
  • 本作とは直接関係ないが、シリーズ初の300万本突破を記録した一方で、本作によるシリーズ作品のプラットフォーム移籍に伴い、任天堂の新ハード「ニンテンドウ64」への中傷発言や、更に子会社「デジキューブ」設立による新しい販売ルート構築に伴い任天堂式の流通システムを時代遅れと批評したことから、任天堂と関係が悪くなったこともあった。
  • 実際、任天堂の一強独裁状態の中、ソフトのロイヤリティの高さとソフトの値段高騰は問題視されており、デジキューブ設立より前からSSやPSがソフトの値段を格段に下げたことで任天堂の独占的な流通システムはすでに崩壊しつつはあったし、任天堂のほうもCD-ROM機を批判するような発言を当時の社長がインタビューなどで公言していた。そもそもプレイステーションは任天堂と共同開発していた歴史もあり、どちらか一方が悪いとは言い切れない。 数年後にはドラクエを抱えるエニックスもPSをメインプラットフォームとして選択している。
  • この当時はソフト売上こそ順調だったものの開発費も高騰。後々、映像クオリティ路線は更に激化してゲーム業界全体の開発費も年々高騰、同時に新規ユーザーについていけないシステムの複雑化と、旧来ファンのゲーム離れ*9もあって、業界全体のソフト売上はこのあたりがピークだった。本作は発売当時歴代一位の売上本数。次作Ⅷがさらに売れたがそこをピークに下降線を辿ることになる。Ⅸの売り上げが大きく落ちたのはⅧの複雑さも要因といわれるが、本作とはまた別の話なので割愛する。

ファイナルファンタジーVII インターナショナル

【ふぁいなるふぁんたじーせぶん いんたーなしょなる】
※オリジナルと違う部分のみ記載。

メディア CD-ROM 4枚組
裏を見る
発売日 1997年10月2日
レーティング CERO:B(12才以上対象)*10
廉価版・配信 PS one Books:2001年12月20日/3,675円
アルティメットヒッツ:2006年7月20日/2,625円
ゲームアーカイブス:2009年4月10日/1,500円
備考 PSクラシックに収録
判定 良作
ポイント UIを改善・本編ストーリーを補完

概要(インターナショナル)

国内販売300万本突破を記念し、北米版『VII』をベースに様々な新要素を追加の上、オリジナル版のデータベースDiscを同梱して発売された。


主な追加要素と変更点

  • UI関連
    • 全員の装備マテリアを直接操作できる「クイック」コマンドが追加され、マテリアの管理が楽になった。
    • ワールドマップ以外の場所で、移動キャラの現在地を表す指マークと、出入り口や捉まるなどのアクションのあるポイントを示す▽マークのアイコンが追加された。
    • 戦闘中にR2を押すと攻撃対象にターゲットマークが表示されるようになった。
  • ストーリー関連
    • ザックスにまつわるストーリー・ムービーの追加。
    • 各ウェポンが大空洞で覚醒するムービーを追加。
    • ティファとクラウドの再会にまつわるイベントを追加。
    • ストーリー中に行われる潜水艦ゲームの難易度低下。
  • バトル関連
    • ストーリー中に「ダイヤウェポン」と戦闘するイベントの追加*11
    • アルテマウェポンのレベルが60→61に変更され、てきのわざ「レベル4自爆」が効かなくなった。
    • 新たなボス「エメラルドウェポン」「ルビーウェポン」を追加。
    • エンカウント率の低下。
    • リミットゲージ上昇率が増加し、またリミット技の習得条件が緩和。
    • 「チョコボ&モーグリ」および「テュポーン」を「ぞくせい」と組にして付けた時の属性が風属性に変更された*12
      • 「テュポーン」を召喚したときの属性は変化していない。
    • ラスボスの特殊攻撃「スーパーノヴァ」の演出の大幅強化と効果の変更。
    • マジックポットがエリクサーをあげないとダメージを与えられなくなった。
    • てきのわざ「チョコボックル」の弱体化*13
    • ユフィ以外の最強武器に「へんか」のダメージ補正が適用されるようになった*14
  • その他の修正・変更点
    • オリジナル版のセーブデータをインターナショナル版に移行可能(逆は不可)。
    • 「バハムート零式」のレベル飛ばしバグやエンカウントエラー等、大半のバグが修正された。
      • このため、大半のバグを利用した裏技は使えなくなっている。なお上述の本来永久離脱するキャラを強引に連れていく技は想定外の形でディスクを入れ替えるという手順の関係上こちらでも可能である。
      • また、上記のセーブデータ移行機能を利用して「オリジナル版でバグ技を使った上で、そのセーブデータをインターナショナル版に持ち込む」といった抜け道はある。
    • 「ギルアップ」のLv1での効果が上方修正され(Lv2以上と同様の2倍に)、実質的に成長要素がなくなった。
    • 裏ボスとなる追加ウェポン2体関連などでアイテム追加。
      • 入手手段がなかった「ライジングサン」も入手可能になっている。*15

評価点(インターナショナル)

  • マテリア管理の容易さ
    • クイックという機能が追加。メンバー変更後外したキャラからのマテリアの移動が楽になった。
  • フィールドでの一部要素のわかりやすさ
    • 隣のマップへ移動する地点や、掴まって移動する場所などに目印がつきわかりやすくなった。

問題点(インターナショナル)

  • AP稼ぎの難化(新規バグで対策可能だが)
    • マジックポットがエリクサーをあげないとダメージを与えられなくなったため、AP稼ぎにはエリクサーを集める必要が追加された。
    • もっとも、「Wアイテム」の使い方でアイテムが消失するバグは修正されず、逆に増殖するバグが追加で発生するようになったため、このバグを知っていればエリクサー増殖で対策可能ではある。
  • ラスボスの特殊攻撃「スーパーノヴァ」の演出による負荷
    • 演出が凄すぎてPS本体が古かったりするとそこだけ処理落ちを起こす程であり、悪い時にはフリーズする事も。

総評(インターナショナル)

UI要素などを改善しプレイしやすくなった作品。以後の移植版も本作が基準となっている。


ファイナルファンタジーVII インターナショナル for PC

【ふぁいなるふぁんたじーせぶん いんたーなしょなる ふぉー ぴーしー】
※オリジナルと違う部分のみ記載。

対応機種 Windows XP~8
メディア ダウンロード専売ソフト
(スクウェア・エニックスe-STORE)
開発元 スクウェア・エニックス
アイドス
DotEmu
発売日 2013年5月13日
定価 1,500円(税別)
判定 良作

特徴(インターナショナル for PC)

  • PC版をベースとしたパソコン移植版。以下の追加要素がある以外に変更点は無い。
    • 日本語の他に英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語に対応。元々海外のスクエニeストアで販売されていたものが元になっているので、どちらかというと日本語を追加収録したと言った方が正しい。
    • WindowsXP以降対応。(過去に発売された英語のPC版はWindows9x対応。)
    • アチーブメント(実績)機能の追加。
    • グラフィックを高解像度に対応(実質的なHD化)。ただし画面比率はそのままなので、16:9表示にしてもサイドカットの黒枠になる。
    • 機能していなかった防具の「魔法防御力」が機能するようになった。
    • 「ストーリーだけ楽しみたい」など、楽にプレイしたいという人向けのゲームブースター機能が追加。
      • 5倍速やエンカウントなし、戦闘中の強化やパラメータMAXなど。
      • なおゲームブースターに対応しているのは日本語のみであり、他言語に切り替えた場合は使用できない。
  • 後に、2013年7月4日より海外ではSteam版も配信されている。
    • こちらは日本の公式ストアからは残念ながら購入できない(海外プレイヤーからのギフト等で貰うことは可能)ので、当然ながら日本語表示にも対応していない。
  • 後に配信された各スマートフォン/PS4/Xbox One/Switch移植版もこのPC版をベースとしている。
  • PC版をまとめると
    • 初代PC版『FF7(Now for the PC.)』(1998年5月):海外PS版(インターナショナル相当)のPC移植版。CD4枚組。日本語非対応(英語のみ)。ゲームブースターなし。移植はEidos。
    • 海外スクエニeストア版『FF7』(2012年8月):日本語非対応(英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語)の『インターナショナルforPC』。
    • スクエニeストア版『FF7インターナショナルforPC』(2013年5月):本作。
    • Steam版『FF7』(2013年7月):日本語非対応の『インターナショナルforPC』。
    • MSストア『FF7 WINDOWS EDITION』(2020年):PS4/One/Switch版のPC移植版。

問題点(インターナショナル for PC)

  • ゲームブースター機能に関する細かな仕様上の問題
    • 強化は常時MAXといってもリミット技を使えばゲージを消費→即座にチャージという流れだし、ダメージを受けたり魔法でMPを消費した際にも即座に回復という流れなので「最大HP以上のダメージを受けた場合は即死」「最大MPが消費量より少ない魔法は使えない」という点に注意。
      また、リミットゲージも即チャージということは上述のヴィンセントの問題点が顕著になっているということである。一方、ティファは攻撃力がリミットゲージに依存する最強武器でも非常に戦いやすくなっている。
    • 公式チートであるパラメータMAXは一度でもやると元に戻せなくなるので、やるなら別データを作ってからが推奨される。
      • 公式サイトでも「元に戻す事ができません」とはっきり警告しているが、レベルやHP/MP元値、パラメータ6種までは想定できるだろうが、それ以外の要素にも影響する。
      • 使用すると闘技場の裏バトルができなくなる問題については、その原因となる事象を事前に達成しておくことで回避可能。
  • 配信当初はBGMの音色がPS版とは別物という不具合があった。
    • このためサントラをゲームで使用できる形式にする方法やユーザー製作の音色修正ツールなどが出回っていたが、後のアップデートでPS版に近い音色に修正された。
  • スタート、セレクト、R1、L1、R2、L2同時押しのソフトリセットが不可能。 これにより、チョコボ厳選が非常に根気がいる仕様になっている

総評(インターナショナル for PC)

基本的にはインターナショナル版に実績やゲームブースター機能を加えた移植作品といったところ。特に大きな追加点は無い。


FINAL FANTASY VII

【ふぁいなるふぁんたじーせぶん】
※オリジナルと違う部分のみ記載。

対応機種 プレイステーション4
Xbox One
Nintendo Switch
Windows
メディア ダウンロード専売ソフト
開発元 DotEmu
発売日 【PS4】2015年12月6日
【One/Switch】2019年3月26日
【Windows】2020年8月13日
定価 【PS4/One/Switch】1,834円(税10%込)
判定 良作

特徴(PS4/One/Switch)

  • 上記PC版をベースとした、家庭用ゲーム機版におけるリマスター版。PS4/One/Switch版でまた若干の相違がある模様。

全機種共通

  • ゲームブースターは3倍速、エンカウントなし、強化(HPMPリミットゲージ常時MAX、バトル開始時に戦闘不能者自動復活)の3つのみ。
    • アナログスティックの押し込み(PS4を例に挙げればL3/R3)で使用する。
    • パラメータMAXは廃止された。その効果の影響で裏バトルができなくなる問題も結果的に解消されている。
  • アイテム欄および召喚魔法選択のリストが1列表示に。
    • これによりアクティブモードでのバトルの難度が上昇。
  • ソフトリセットなし。代わりにメニュー画面にタイトルに戻る「しゅうりょう」が追加。
  • スタートメニューにリメイク版のスタッフクレジットとなる「ADDITONNAL CREDITS」が追加された。
  • トロフィー/実績機能に対応(Switch除く)。
    • 上述のPC版におけるアチーブメントの一部が選ばれている。

PS4版限定(とみられるもの)

  • スタートメニューに「SPECIAL MOVIE」が追加。リメイクされたムービーを鑑賞できる。
+ 現在、Ver.1.01により改善済み。
  • BGMが各戦闘の終了後にループになる所を修正。
  • 起動時に開発のDotEmuのロゴ追加。
  • オリジナル同様プリレンダリングムービーの終了時の黒画面のぶつ切りの削除。

評価点(PS4/One/Switch)

  • ゲームブースター搭載によるプレイの快適性の向上。
    • PC版と同じくゲームブースターが搭載されたことによりゲームプレイの快適さが向上した。
    • 特に倍速は召喚獣などの演出を短縮するのに役立っている。

問題点(PS4/One/Switch)

  • マニュアルなし。ニューゲーム時に簡単な操作説明のみ。
    • 電子マニュアルはおろか、ウェブサイトでの掲載もなし。
  • キーカスタマイズもない。
  • コントローラーの関係上、アナログスティックで移動するときに3倍速が暴発する可能性がある。
  • PS4版ではクラウドのリミット技「超究武神覇斬」にて一部効果音が無くなっている。
    • 具体的には最初に剣を構え刀身の先に光が集まった際の効果音と、最後の一撃を放つ際の効果音が無くなっている。
    • またPS4版はBGM関連にも不具合が見られる。ダイヤウェポン迎撃時など一部イベントの際に、本来流れるはずのBGMが流れないことがある。
  • Switch版はフリーズが比較的発生しやすい。アップデートを重ねたことで頻度は下がってきているようだが、完全には無くなっていない。
    • バトル直後にボタンを連打していたりするとリザルト画面から戻ったタイミングでフリーズが頻発する。戦闘後に画面が切り替わるまではボタンに触れない方がいい。
    • イベントシーンでもフリーズが起こりやすい。イベント中にBGMが切り替わるタイミングは要注意。
  • One版のみ、初心者の館での基本操作の表示においてAとBの配置がコントローラーのレイアウトと逆に表示される。
    • A/B(PS4では○/×)の位置関係がOneのみ他2機種と逆である一方、メッセージはそのまま使いまわされている模様。
      そのため、Aが右・Bが下・Yが上というOneのユーザーから見れば違和感を感じるものとなっている。
  • 『forPC』とは異なり時間制限付きイベントにおけるカウントダウンも3倍速に加速される。

総評(PS4/One/Switch)

良くも悪くもDotEmu-PC版と遜色の無い作り。
それでも現行機種で『VII』が遊べるようになったことは、非常に大きなメリットと言えよう。
ゲームブースターの搭載により、現在の観点では不便に感じる部分も多少なり和らいでいるため、今から『VII』を遊ぶなら、このバージョンが一番手に取りやすいだろう。

余談(PS4/One/Switch)

  • ヨーロッパでは『FFVIII』のリマスター版とセットにしたパッケージが販売されている。
    日本国内でもAmazonで気軽に買うことが出来る。
  • Microsoft Storeで販売されている『Windows Edition』はこちらの移植。
    • 『Windows Edition』は暗号化されているため、ゲームブースター以上の快適化を行なうMODを導入したい場合などは『for PC』のほうが適している。

COMPILATION of FINAL FANTASY VII

『X』の続編である『X-2』の流れを受ける形で発表された『VII』の続編、あるいは外伝的関連作品集。
作品タイトルには規則性があり、AC(ADVENT CHILDREN)、BC(BEFORE CRISIS)、CC(CRISIS CORE)、DC(DIRGE of CERBERUS)、EC(EVER CRISIS)と、全てアルファベットとCOMPILATIONの頭文字である「C」との組み合わせで統一されている。
当Wikiの方針上、『AC/ACC』『EC』については概要のみにとどめる(『BC』も方針とは別の事情で概要のみ)。『DC』及び『CC』については詳細は個別記事を参照。

  • ビフォア クライシス -ファイナルファンタジーVII-】(BC)
    • 2004年配信。本編のライバルキャラクターであるタークスに焦点を当てた携帯電話用ゲーム。舞台は本編の6年前~本編直前まで。
    • 2018年のスクエニモバイルサービス終了まで配信しており、ガラケーアプリとしてはかなりの長寿タイトルとなった。
  • ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン】(AC)
    • 2005年発売。本編の2年後を舞台とし、謎の病「星痕症候群」とそれにまつわる一連の事件をフルCGで描いたOVA作品*16
    • 製作には坂口博信を除く主要スタッフの殆どが参加しており、ヴェネツィア国際映画祭に2年連続ノミネートされ、最終出荷数がミリオンを超える等、極めて高い評価と完成度を誇った。
    • 既存キャラクターの再登場や各新キャラクター、アレンジされた本編BGM、そしてそれらを違和感なく融合し構築したストーリー等、原作ファンを唸らせる内容。後の『CC FFVII』を意識したシーンも多数存在する。
    • 限定版「ADVENT PIECES: LIMITED」には原作(インターナショナル版)とOVA【ラストオーダー ファイナルファンタジーVII】が付属。後者はニブルヘイム事件とザックスの最期を描いた内容であり、『BC』とも少なからずリンクしている。
      • 原作にCEROレーティングが付いたのはこの限定版に同梱されたものが最初。
  • ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII-】(DC)
    • 2006年発売。ヴィンセントを主人公とし、謎の集団「ディープグラウンドソルジャー」との戦いを描いたゲーム。舞台は本編の3年後。
    • オンラインモードを搭載し、ジャンルをFPSとする等、当時としては実験的な試みが多かったが、肝心の完成度は低い。
    • ストーリーも無理な後付けや矛盾が生じている等、やはり疑問の残る完成度であった。
    • 後の廉価版でストーリー以外は概ね改善された。詳しくは該当記事を参照されたし。
  • クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-】(CC)
    • 2007年発売。ザックスを主人公とし、『BC FFVII』の前後から本編直前まで、つまり「ザックスの最期」を描いたゲーム。
    • 『BC』との矛盾が僅かに見られるが、携帯機ならではの手軽なアクションと、その悲劇的な結末から高い売上と評価を得た。『AC』『DC』に繋がる描写も存在する。
      • 2022年にリマスター版『クライシス コア ファイナルファンタジーVII リユニオン』が発売。
  • ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン コンプリート】(ACC)
    • 2009年発売。ブルーレイ化に伴い、容量の都合でカットされたシーンや細かな描写を追加し、台詞や音楽を再編集した『AC』の完全版。
    • 1080p・ドルビーTrueHD5.1chに対応し、追加シーンに『CC』の印象的なイベントを盛り込む等、完全版ならではの再編集がされている。
    • AC本編の登場人物であるデンゼルの過去及び後日談がOVAとして収録されており、また『XIII』の体験版が特典として付属した。
    • ちなみに『AC』当時のマリン・デンゼルの声優には子役が抜擢されていたため、声変わりの都合により本作では交代している。
  • ファイナルファンタジーVII エバークライシス】(EC)
    • 2023年配信。『VII』本編と『AC』『BC』『CC』『DC』『FS』の5編のストーリーを収録したスマホ向けのリメイク作品。
      • ストーリーは基本的に原作を踏襲しているが、一部のテキストが『REMAKE』に準じているなどのアレンジがされている。

余談(『VII』全般)

  • まだスクウェアの引き抜き問題に噛み付く前の飯野賢治が『VII』のグラフィックについて助言じみた指摘を『ゲーム批評』で行なっている*17
    • 3DOで経験がある故の反省点も自身の込めた様な愛あるものだが、この直後に引き抜き問題が発生して途端に牙を剥いた様な状態になってしまった。
  • レベルファイブのアプリゲーム『妖怪ウォッチぷにぷに』にもコラボでクラウドとセフィロスが登場している*18。ログインすればSランクのクラウドを貰えるが低確率のガチャで貰えるエアリスのリボンと合成すればZランクのLB(リミットブレイク)クラウドに進化する。ちなみにコラボキャラの中では最初のZランクである。
  • 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』及び『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にクラウドが参戦している。
    • なお、版権が複雑だったのか、前者はBGMなどキャラクター以外の要素は最小限で済まされている。
    • 2020年12月、後者のDLC追加キャラとしてセフィロスの参戦が発表。これに伴い、ステージやBGM・スピリッツといったFFシリーズの要素が大幅に拡充された。
      12月18日より配信開始となったが、このうちファイターとステージ・BGMは23日10時までは期間限定イベント「セフィロスチャレンジ」クリア報酬による先行配信的な実装が行われていた。
      • ただし、追加スピリッツや特典スピリッツボードは23日10時のアップデートで実装されている。
  • PS版FF7のソースコードを保管していなかったため、リマスター版を出すにあたってPC版(1998年)のリバースエンジニアリングが行われた。
    • リバースエンジニアリングはかつてPC版(1998年)の移植もやったイギリスのアイドス社(1998年当時はアイドス・インタラクティブ社)が担当。(リマスター当時のアイドスはスクエニの子会社でもある)
  • 2020年4月10日にPS4でフルリメイク作品『ファイナルファンタジーVII リメイク』が発売された。
    • 単品作品では完結せず分作となる事が早い段階から発表されており、第1弾となるこの作品は「BD-ROM 2枚組*19でミッドガル脱出まで」とされる。
  • ヒロインの1人であるエアリスの英語表記については諸説あったが、スクエニ公式側においては発売当初は"Aeris"で、2002年以降は"Aerith"と変遷している。
+ タグ編集
  • タグ:
  • RPG
  • スクウェア
  • ファイナルファンタジー
  • スクウェア・エニックス

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月07日 09:58

*1 海外では1998年にもPC版が発売されている。

*2 『VI』では防具の吸収属性などの確認は装備を外して「アイテム」のコマンドで選択して確認しなければならなかったが、数値的なものも一部表示されていた。

*3 このため本作には「ヘイスガ」「スロウガ」が存在しない。

*4 但し、コマンドおよび召喚のマスターマテリアを入手するためには基本的に避けて通れない。

*5 ただし本作が高いわけではなく、当時のRPGとしては一般的なエンカウント率ではある。

*6 アイテム自体の入手は永久離脱以降でも可能だが、クリア後永久離脱となるダンジョンがクリアするまで脱出不能。

*7 ただし同じ32bitでもセガサターンはそれを2つ搭載しているので最大の処理能力では上回っている(そのため当初「64bit級」と宣伝していたが本物の64bitには遠く及ばない)。

*8 「たまごっち」は1996年11月に発売し当初の予想外の大ブームから長期に亘って品薄となり大増産を行った矢先の1998年にブームが終焉。そのまま行き場を失い1999年3月に250万個の大量廃棄処分するまでに追い込まれ最終的には45億円という莫大な赤字を叩き出す惨憺たる結果に終わった。

*9 この時点で初作から9年、RPGのトップブランドシリーズとしての立場を固めた『Ⅲ』から数えても既に7年近くが経過している。数年後にはそれまでのシリーズファンの大多数は成人し就職、結婚などにより私生活が多忙化。それを抜きにしても酒・タバコ・ギャンブル・恋愛・車(バイク)といった大人のカルチャーに転化していく年代でもあり、ゲーム第一ではなくなってくる年頃でもあった。落ち着いた頃に復帰しようにも、1作2作飛ばした時点で複雑化したシステムを理解できずに脱落する者も少なくはなかった。

*10 2005年発売の『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』の限定版『ADVENT PIECES: LIMITED』及び2006年発売のアルティメットヒッツ以降。

*11 オリジナル版から引き継いだ際はタイミング次第で戦えない可能性がある。

*12 「チョコボ&モーグリ」を属性防御として付けるとバグレベルの耐性効果が出ていた件も結果的に修正された。

*13 オリジナル版で強すぎたための調整だと思われるが、弱体化させすぎて死に技と化している。

*14 『FFVII解体真書改訂版』ではヴィンセントの最強武器も適用されないと記述されているが誤りである。

*15 データ自体はオリジナル版で既に存在しており、「不思議なデータディスク」収録の全アイテム所持データでも所持している。

*16 公式は映像作品としている

*17 発売前ではなく発売後。

*18 出典は『DISSIDIA』となっている。

*19 うち1枚はデータインストール用となっている。