爆ボンバーマン2

【ばくぼんばーまんつー】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 128bitROMカートリッジ
発売・開発元 ハドソン
発売日 1999年12月3日
定価 7,140円
判定 良作
ボンバーマンシリーズリンク


概要

  • 3Dマップを自由に歩き回れるシステムで異色なシリーズである。なお今回は初代と同じく自発的ジャンプが出来なくなってしまった。

ストーリー

遥か昔、この世界は一人の天使によって創られた。しかし、天使は女神と魔神という2つの存在に分かれてしまう。
魔神は宇宙を暗黒で染め上げようとするが、女神は「セブンエレメンタルナイツ」を従え、8つの聖石「エレメンタル」を用いて魔神を封印。
宇宙に平和が訪れた。

時は流れて、ルキフェルスと名乗る男が8つのエレメンタルの内の1つである「聖邪のエレメンタル」を入手する。
それを機に彼は『秘密結社B.H.B団』(B.H.Bは[Black Hole Bang]の略)を結成、
さらにかつては女神の部下であった「セブンエレメンタルナイツ」を洗脳。自分の部下として「時空の七騎士」と名乗らせた。
そしてルキフェルスは残り7つのエレメンタルを手に入れるべく巨大なブラックホールを作り、数多の星を飲み込んだ。

その頃、ボンバーマンは故郷での戦い(初代爆ボンバーマン)の疲れを癒すために温泉惑星を訪れていた。
しかし、その帰り道、ルキフェルスの作ったブラックホールに宇宙船もろとも飲み込まれてしまう。

目覚めたボンバーマンは牢屋の中にいた。さらに爆弾を生み出す源である「炎のエレメンタル」が盗まれていたため、牢を破壊することもできない。
しかし、温泉で見つけた卵から生まれた謎の生命体「ポミュ」に助けられ、炎のエレメンタルを奪還。
ボンバーマンはブラックホールから脱出するべく、秘密結社B.H.B団と闘う。


特徴

  • ストーリーモードは全8ワールド、バトルモードはサバイバルを含め5ルール、22ステージが用意されている。
  • バトルモード用ドレスアップアイテムと「カスタムボンバー」モードが続投。
    • ただし、コントローラーパックが必須
  • カラフルなボムが登場
    • 爆弾を生み出す源として「エレメンタル」の概念が存在し、最終的には7種類のボムが使えるようになる。
      • オーソドックスなファイヤーボム、爆風に推進力のつくハリケーンボム、ギミックを停止させるミュートボムなど攻略に役立つボムも。
  • ポミュの育成システム
    • ボンバーマンに拾われてブラックホールで目を覚ます事となったシリーズ初登場キャラ。
    • 2P/CPU操作のアシストキャラとして使用可能。協力プレイが可能となった。
      • 得る餌により進化分岐し、総勢17種類が存在する。
  • 装備品の登場
    • ボムキック、ボム投げ、ボム溜めなどのスキルが該当アイテム無しに使えるようになる。

システム

  • ボンバーマンとしてお馴染みの行動を用いたアクションゲーム。
    • ボムで爆破しアイテムを手に入れエリアを進んでいく。
  • カラフルな爆弾システム
    • 物語の進行に応じて使えるボムの種類が増加する。7種類それぞれに個性があり攻略に応じて使い分ける必要が出てくる。
      • 種類によって置ける最大ボム数が異なる。多い物で同時に4個、少ないもので1個。
+ 属性ボム一覧
  • ファイアーボム
    • 炎の爆弾。一般的な十字形の爆風を描く。
      • 爆風が壁に対し垂直に当たらなかった場合、壁に沿って曲がる。空中爆破の場合ややドーム状になる。
  • アイスボム
    • 氷の爆弾。円形の爆風になるため接近しすぎに注意。
    • 範囲、高さともに広く高所の敵にも当てやすい。
      • 水や溶岩に落とすと氷の足場が一定時間登場する。他、噴水や機械の停止にも使える。
  • ハリケーンボム
    • 風の爆弾。爆風は十字形で竜巻が当たり判定。
    • 爆風が当たってもダメージにならず、爆風の角度で何かにぶつかるまで一直線に飛んでいく。
  • ライトニングボム
    • 雷の爆弾。爆風は十字型。
    • 機械のスイッチを入れるのが主な任務。他はボンバーマンシリーズお馴染みの爆弾に一番近い。
  • ナパームボム
    • 土の爆弾。十字上に穴が並び、そこからマグマが吹き出す。
    • 普通のボムでは破壊できない金属製の柱や扉を破壊したり、一部の足場を持ち上げることができるが空中を飛ぶ敵に当たらない。
  • ミュートボム
    • 光の爆弾。爆風は球状に広がる。
    • 長い爆風を持ち連続ヒットの可能性がある他、不死の属性を持つ敵を即死させられる。また機械のギミックを一時停止できる。
  • グラビティボム
    • 闇の爆弾。爆風が球状に広がる。
    • ボンバーマン、敵キャラ、アイテムなどオブジェクトの殆どを吸い込み殲滅する。ボンバーマンが吸い込まれれば勿論ゲームオーバー。なおボスとポミュには無効。
  • 体力ゲージが爆風の長さ依存。
    • 爆風を長く当てるほど体力ゲージが削れる仕組みであり、溜めボムも爆発の長さに寄与するようになった。
  • 敵の弱点、耐性
    • ボムに対する相性が設定されており、与ダメのアップや無効、吸収などが存在するため、ただの雑魚と甘く見ることが出来ない。
  • ストーリー分岐
    • 7ステージ中5ステージまたは6ステージクリアした状態で最終ステージをクリア。もしくは全ステージをクリアしたうえで最終ステージで特定の条件を満たすとノーマルエンド。
    • 全ステージをクリアし最終ステージで特定条件を満たすとグッドエンド。
      • なおほぼノーヒント(分かりづらいが、ノーマルエンドのラスボスを倒すと一応条件をしゃべっていることが分かる。ノーマルエンドクリア時でもみれるEDにて戦ってないボスの映像が流れるため、
        ノーマルエンド・グッドエンドそれぞれしかクリアしてなくてももう片方のルートの存在に気付けるようになってはいる)。

評価点

ストーリーモード

  • ワールドは8つの惑星で丸々一つが舞台となるためステージ制では無くなった一方、謎解きやボスステージなどが詰まっており一つ一つのボリュームが大きい。
    • シリーズ初登場のカラフルなボムにより、謎解きもより一層歯ごたえのあるものとなった。
  • お助けアイテム、ガーディアンスーツ
    • 入手順が固定されており、ブーツ、アーム、メイル、ヘルムの順番に入手する事ができる。
      • それぞれボムキック、ボム投げと溜めボム、気絶回復速度アップ、リモコンボムが初期から使用可能に。
  • 入手後にセーブを行えば、ゲームオーバーになってもスーツの取得状況は保存される。
  • お助けキャラ、ポミュ
    • 餌として野菜、肉、お菓子の3パターン17種類があり、それぞれ何を摂取したかの割合で進化先が決まる。
      • 進化先では気絶攻撃が打てたり、飛行したり、遠距離攻撃が出来たりとバリエーションも多彩。
  • ストーリーが秀逸
    • 特にキーパーソンであるルキフェウスとの関わり方が必見。
      • また「レグルス」が敵側の刺客として前作から続投することとなった。
  • B.H.B団など多彩なキャラクターが登場する。
    • ステージクリアの会話も惑星のクリア順で変化するため、ドラマ性の向上や周回プレイの楽しみが多い。
  • ボイスがある。
    • ボンバーマンの声はアニメ『Bビーダマン爆外伝』の主人公、しろボンも務めた桑島法子。他、冬馬由美、郷里大輔、林延年(現:神奈延年)といった面々が並ぶ。
      これにより今までナレーションベースだったボンバーマンにも台詞が用意された。
  • 秀逸なBGM。
    • 作曲に光田康典他、マユツバ(現ACE)、大槻”KALTA”英宣、弘田佳孝が参加している。

バトルモード

  • バトルモードの大幅な拡張
    • 5つのモードと22のマップで遊ぶ事が出来る。
      • モードは最初に解放されているサバイバルから順番に最大難易度のチャレンジをクリアしなければ解放できない。
      • ステージはストーリーモードのショップでマップを買う必要がある。
+ ルール一覧
  • サバイバル
    • スタンダードなスタイル。最後の一人が勝ち残り。
  • バトルロイヤル
    • タイム制で一番ポイントを稼いだ人が勝ち。
    • 100ポイントを持ってスタートし、一人倒すと+10ポイント、倒されると-5ポイント、自爆すると-15ポイント
  • キング&ナイツ
    • チームで体力を共有し、体力を0にするか、時間切れで体力が多かったチームが勝ち。
      • NPCの「キング」が存在し、敵のキングを攻撃、味方のキングを防衛という陣取りに近いルール。
  • プレイヤーが倒されると体力が-1、キングが攻撃を食らうと体力が-3。
  • キングは敵味方問わず持ち運びが可能。爆風や篝火の中に投げ込む事でダメージを与えることも出来る。
  • キートライアル
    • 隠された黄金の鍵を最初に2本取った人の勝ち。
      • 鍵を持っているときにやられると鍵を落とす。
    • 鍵の所持情報は非公開だが、入手したタイミングはあまりに目立つため的になりやすい。
  • プレイヤー毎にややアップになった分割4画面で勝負する。画面外からの爆風を浴びやすい。
  • スコアアタック
    • 障害物や動物を倒してコインを集める。一番稼いだ人の勝ち。
      • やられると2割をドロップするため相手を狙いに行く作戦もある。
    • プレイヤー同士が区切られバトルすることがないマップも存在する。
  • 「ドクロ」がギャンブルアイテムに
    • 一方的にマイナスのイメージがあるドクロだが、移動スピード2倍、強制溜めボム化、無敵状態などギャンブルパネルとなった。
    • 最悪の効果が「死神」。一定時間が経過すると即死。なすりつけにより効果は変更しないため、死神のなすり合いが発生する。
  • デビルパネルの続投
    • ドクロの効果が全員に及ぶバージョン。こちらも位置入れ替えや透明化、全員にドクロ付与などプラス効果もマイナス効果も存在する。

問題点

ストーリーモード

  • ボム連打が出来ない
    • 多すぎても自爆するとはいえ、最大でも4個、少ないものでは同時に1個までしか置けないのは攻撃の苛烈さに比べると少なめ。
  • ボス戦でポミュが使えない
    • シナリオでは威勢のいい事を言い放つが、ボスでは行動出来ず、また2Pによるアシストも不可。
      • また重力制御室でも使用は不可能。
    • 進化したポミュがバランスを崩すためだが、協力プレイという折角のシステムを殺してしまっている。
  • ストーリーモードが相当に難しい。
  • ボス前の謎解きが難解
    • 所持している爆弾を用いて謎解きを行う事になるのだが、当然ボムの種類が増えるにつれて難易度が上がる。
      ボスより余程苦手という人もいるだろう。
  • ボスの強さが段違い。
    • 最初の惑星のボスですら、落ちると即死の狭いステージなのに範囲攻撃と即死攻撃を放ってくるという、ハドソンということを考慮しても優しさの欠片もないキャラとなっている。
  • 最初のボスを筆頭にこちらの攻撃バリエーションが豊富になった代償か、全体的に攻撃が苛烈を極めている。
  • 攻撃パターンがわかるアイテムも販売されているが、わかったところで対応できなければ意味がない。
  • ラスボスも強さが破格。
    • アイテム全部喪失、回避困難、攻撃のチャンス少なめ、リモコン使用不可、第三形態まで存在と悪意の詰め合わせ。当たり前だが負けたら第一形態から。おまけにムービーもカット不可。
  • セーブポイントの少なさ
    • 今までの作品の「エリア」という概念がなくなった弊害で中間セーブが消え、ワールドクリア時にセーブという仕組み。
    • ワールド攻略中にやめた場合、そのワールド最初からやり直しとなる。
      よって全ワールドをノーセーブで突破することになるため時間がかかる。
  • 買い物によりセーブもできるが、難易度の緩和には繋がっていない。
  • パーツ収集による周回もクリア必須
    • 一度クリアしたワールドでアイテムを取りに行っても中断離脱は出来ない。
      • 尤もギミックはクリアしてあれば復活しないため、ゴール地点に直行は可能。
  • ノーマルエンドの後味が悪い。
    • ギャグ要素もなく、苦労に見合わぬバッドエンド寄りの内容。
      • その分グッドエンディングは大団円。苦労してでも見る価値がある。

バトルモード

  • COMの行動に癖がある
    • ボムの大きさを認識しておらず、溜めボムがあっても近くをウロウロすることがある。
  • 高低差を認識しておらず、高台から一方的に攻撃可能。
  • 優先的にプレイヤーを狙う。
    • 特にサバイバルでゴーストになると速攻プレイヤーに向かって来る。
    • チャレンジモードのレベル3がこの癖により難易度が上昇している。
  • スコアアタックが運ゲーに近い。
    • そうでなくても敵の移動スピードの早い高レベル帯は、出現アイテムのランダムと合わさってスコアが稼ぎづらい。
    • それでいて5回勝利が必要とハード。

総評

ゲームとしての完成度は素晴らしく、やりごたえもあり、ストーリーも頑張った甲斐に見合う物である。
一方難易度は安心と信頼のハドソン製。ボスや謎解きがアクションゲームだからぎりぎり許容出来るような高難易度で、ブラックホールに吸い込まれたままのボンバーマンを放ったらかしてしまったプレイヤーも多いだろう。
せめて中断セーブやリトライシステムがあれば、ゲームとしてさらなる評価が見込めたのが惜しい点である。

しかして尚人気のある作品であることは疑いようもなく、続編やVCでの配信を望む声は大きい。


余談

  • 2018年稼働の『ボンバーガール』に登場する堕天使キャラクター「パプル」の相棒キャラが「セイジャ」。間違いなく今作真ボスから取られている。
  • 本作のストーリーモードディレクターは、のちにファイナルファンタジーシリーズを手掛けた吉田直樹氏が担当している。
    • だからか、と思った人もいるのではないだろうか。
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最終更新:2024年03月19日 21:51