怒首領蜂大往生

【どどんぱちだいおうじょう】

対応機種 アーケード
ジャンル シューティング
販売元 エイエムアイ
開発元 ケイブ
稼動開始日 2002年4月5日
判定 ゲームバランスが不安定
賛否両論
ポイント 高難度弾幕STGのターニングポイント
演出面のクオリティは非常に高い
高難易度に加えやや理不尽な仕様
超難易度の怒涛の2周目
難易度の高さが一種のカリスマ性に
「ブラックレーベル」は遊び易い良調整
ケイブSTGシリーズ

概要

ケイブの看板タイトル『首領蜂』シリーズの4作目(ナンバリングになっていないのは『II』の存在が原因であると思われる)。
シリーズの方向性を決定させた『怒首領蜂』の内容を踏襲しつつ、敵の攻撃が激化する代わりに自機の攻撃力アップ&スコアを稼ぎやすくなる「ハイパー」等の新要素が追加された。

この前後においても難度の高さに定評のあるケイブが世に放ってしまった、ある意味到達点。その開発姿勢はPS2版での「死ぬがよい」の後付*1キャッチコピーによって端的に表明されることとなった。
本作の後比較的近い時期にリリースされた『ケツイ~絆地獄たち~』と共に、一時期はケイブ製弾幕系シューティングの最高難度作品と評されていた*2タイトルで、今なお「最高難度の弾幕系STGと言えば?」という話題ではよく名が挙がる作品の一つである。*3
難度の高さばかりが喧伝されるが、緻密な解法を要求するゲーム性・グラフィック・サウンドなど非常に高度に作りこまれた作品であるのも事実で、シューティング史に残る名作として評価されることも多い。


ストーリー

1000年前、無人の機械兵器同士による世界大戦があった。人類の代理戦争であったはずの戦いは、やがて人の手でコントロール出来なくなるまでに拡大。
全てを失った人類は、過ちを二度と繰り返さぬよう、その兵器のことごとくを月に封印した。

その後、ロボット技術が再び大きく発展し、人々は平和を謳歌していた時代。
月において封印されていた機械兵団が復活し、地球侵攻の動きを見せていることが確認され、国連軍は月の首都に向けて先制攻撃を仕掛けていった。

月へ飛び立つ者達の傍らには、知性や感情を持つ兵器強化用人型ロボット「エレメントドール」たちの姿があった。
かくして、機械対機械の戦いという過ちはここに繰り返されようとしている…。


特徴

  • ショット、(移動速度が低下する)レーザー、ボム/レーザーボムという武装を含め、基本スタイルは前作『怒首領蜂』(=ケイブの定型)を踏襲した弾幕系縦STG。
  • 新システムとして「ハイパー」が追加。発動時の敵弾消去+無敵に加えて、一定時間ショット&レーザー強化+コンボ数大幅上昇の効果を得られる切り札的存在だが、ハイパー発動中は敵弾の弾速も上がるというデメリットが有る。
    • 敵を倒してコンボゲージを最大にする・レーザーを硬い敵に当て続ける・一定コンボ以上で隠された蜂アイテムをとる等で「ハイパーゲージ」が増加。満タンになることで、ハイパーアイテムが画面外から落下してくる。それを取った後にボムボタンで発動。
      ハイパーアイテムは最大5個までストックできるが、1回発動すると全て消費され、発動時間はストック数に関係なく一定。ハイパーアイテムのストック数が多いほど、ショット&レーザーの火力とハイパー中のヒットカウントボーナスが増加し、発動時の弾消しに星アイテムへ変換+自動回収の効果が追加される。
      • 道中でハイパー発動中にハイパーゲージが満タンになった場合はハイパーアイテムが降ってこない代わりに画面内の敵弾が全て星アイテムへ変換+自動回収の効果が発動する。そしてハイパー終了と同時に溜まったゲージ本数分のハイパーアイテムが一度に降ってくる。
        ボス戦でも基本的には弾消し効果のみ発動されるが*4、ボムが空だとボス戦でもハイパーアイテムが降ってくるようになる。
        なお、画面内にハイパーアイテムが存在している状態でハイパーを発動した場合、回収していないハイパーアイテムは星アイテム(大)に変換されるため、連続でハイパーを発動させることはできない。
      • ハイパー中にボムも使用できるが、その場合ハイパーは強制終了となる。
  • 自機選択はAタイプ(ショットが前方集中で狭く移動速度が速い)とBタイプ(ショットが広範囲だが移動速度が遅い)から選択し、次にパートナーとなる女性型マシン・エレメントドールを選択。
    • エレメントドール選択は前作のショット強化・レーザー強化と同様のシステムとなっているが、前作のそれと異なりボムの所持個数、オプションの配置も変化する。
      • ショーティア:「ショット強化」。ショットが強化される。ボムは初期3→最大6。オプションは自機の真横に配置。
      • レイニャン:「レーザー強化」。レーザーが強化される。ボムは初期2→最大4。オプションは自機前方へ回転しながら配置される(前作のTYPE-Aのオプションと同じ挙動)。
      • エクスイ:「エキスパート強化」。ショット・レーザー双方が強化されるが、ボムは初期1→最大2。オプションは自機の斜め後ろに配置。
    • なお、2P側でプレイした場合は自機のカラーリング以外にハイパー発動時の無敵時間が異なる*5といった仕様の違いがある。
  • エクステンドは一定スコアに達した時2回(工場出荷設定時)と4面で条件を満たすと出現する隠し1upアイテムで行われる。
    • スコア設定は全体通してきっちりしたスコア稼ぎを意識しなくとも、コンボを容易に繋げやすい場面でハイパーを使い、ノーコンティニューで後半面へ到達できる腕があれば、2回目のエクステンドを自然と達成できる範疇に収まっている。
      • 難易度調整版「ブラックレーベル」ではエクステンド点自体は上昇してしまっているが、白版より得点が大きい(もしくは入りやすい)様に変えられているため、実質的には白版よりも簡単にエクステンドする。

評価点

  • 弾幕系STGの特色である「派手さによる爽快感」と「歯ごたえのある難易度」の二点をとことん追求した高い完成度。
    多くのプレイヤーにとって辛く吐き出すほどの激烈な難易度を誇るゲームであるが、単なる難易度調整を間違えた難しいだけのゲームとは明らかに一線を画した作り込みである。
    • 本作からの新システム・ハイパーは攻撃力もさることながら、凄い勢いで増えていくヒット数が稼ぎ面でも爽快感を与えている。ただし敵の攻撃も激しくなる関係で何も考えずに使っていると逆に不利にも追い込まれる諸刃の剣でもある。
    • ひたすら無茶なバラマキに見えるその弾幕は、その実自機狙いを軸に周到に仕組まれており、反射神経に頼って避けるだけでは確実に追い詰められてしまう。
      逆に言えば、正しい対策手順を発見することで、誰でもある程度はゲームを進められる可能性がある
      人間離れした弾避け能力が必要にも思われるゲームだが、道中は敵の出現パターンとそれを倒す順序の把握が何よりも重要であり、(1周目に関して言えば)見た目より容易に進めるための解法はきちんと存在する。
    • 操作やゲーム性も非常にシンプルにまとまっており、煩雑さは全く無い。それ故に「高難易度とのガチンコ勝負」という側面が強く演出されており、やりこみは間違いなく前進に繋がるゲーム性になっている。
  • キメ細やかに書き込まれたグラフィック
    • 解像度の問題*6で粗く見えるが、グラフィックは細かく書き込まれておりクオリティも非常に高い。
      • メカのグラフィックは3Dで作ったモデルを2D画像に落とし込み、ドットで修正する方式になったため、見た目の質感が変わった。
    • 敵のギミック等もインパクトの強いものが多い。「SF遠未来の戦争」らしく、トンデモギミックなメカも多数存在。
  • 「さんたるる」こと並木学氏によるクオリティの高いBGM
    • 「中ボスが登場すると同時にBGMが転調する」等のステージ展開とシンクロが考えられたBGMは非常に評価が高く、以後氏が担当した作品群はこうしたシンクロが特色となっていく。
    • セレクト画面から流れるように突入する1面のBGMには『首領蜂』の1面BGMのフレーズが使われている。このフレーズは以後のシリーズの1面BGMでも繰り返し使われ、実質シリーズのメインテーマとなった。
      • これの経緯についてはサントラCDのライナーノーツで語られている。
    • BGMの作風としては全体的にやや落ち着いた感じの楽曲が多く、氏が過去に手掛けた『バトルガレッガ』に近いデトロイトテクノ調の楽曲が多め。
    • とはいえ通常ボス戦BGMはアップテンポな曲。『怒首領蜂』では通常ボス戦BGMの流用だった真ラスボス戦も本作ではボスからの凶悪な弾幕を表現したような狂った曲調の専用BGMが用意され、これは後のシリーズでも恒例となる。
    • ちなみに「黄流」と「緋蜂」以外のBGMの曲名はSTGを作っていたメーカー名が元ネタとなっている。
  • 過去作のオマージュ要素
    • 2面ボス「百虎」の発狂弾幕が前作2ボス発狂も行ってきた「青い弾を大量にばら撒く弾幕」。
    • 2面の背景は前作2面、5面序盤の背景は前作1面を髣髴とさせるものとなっている。
      • 2面は中ボス前に破壊すると弾消し効果が発生する地上施設が配置、更に中ボス後はザコ敵が大量に現れヒット数を手軽に稼げる構成という点も前作2面と同じ。
      • 5面序盤はよく見ると墜落した前作1面ボスの残骸が確認できる。
      • パッと見では気づきにくいが、1面ボスが飛び立つ滑走路は前作4面中盤にて大量の戦車が走っていた道路と同じ外見である。
    • 更に5面では前作の強敵だった4面ボスと5面ボスがそれぞれ「雷光」「嵐光」の名が付き、コンパクトになって中ボスとして立ちはだかる。
      • コンパクトになったとはいえ得意のレーザー・ナパームは健在。特に後者は開幕からナパーム攻撃を乱射してくるため、パターンを組まないと回避は難しい。
    • また「雷光」戦と「嵐光」戦の間に、前作3面ボスに酷似した敵が何故か地面に埋められた状態で登場する。こちらは前作3面ボスの弾幕パターンをほぼ再現した攻撃をしてくる。
      • 公式サイトのステージ紹介にある出現敵リストの中に何故か載せられていなかったりと、どこか不憫な扱いとなっている。
  • 大佐以外のキャラクター要素が皆無だった蜂シリーズに自然的かつ世界観に浮かないデザインの女性キャラを盛り込んだ。
    • フランス人形のようなショーティア、チャイナドレスのレイニャン、露出度の高いエクスイと一見媚びた特徴付けであるものの、硬派な絵柄なので世界観的にもそれほど浮いていない。
      本作のキャラクターデザインは春畑睦月氏が担当。ただし、後述の販促用ポスターのイラストのみ井上淳哉氏が担当している。*7
    • EDはそれぞれ選んだドールに影響。哀しくも美しいショーティア、感動系のレイニャンに対し、エクスイは続編に続く意味深なバッドエンドになっている。
    • 本作の販促用ポスターのイラスト(後にPS2版のパッケージにも使用)は「綺麗な青空の下、被弾しコクピットから血が垂れ落ちた状態で砂漠に埋まった自機(Aタイプ)に、腕のメカ部分が露出したショーティアが寄り添う」という「大往生」の名に相応しいインパクト大なもの。本作の雰囲気や世界観を見事に表現してるとしてファンからの評価は高い。
      • その影響か、後のシリーズ作の宣伝用イラストでは自機やエレメントドールが大破されていたり、パイロットの死をイメージさせる内容のものが定着していくことに…。

問題点

1周目からして非常に高い難易度

  • 1周目序盤からいきなり敵弾速が他弾幕シューティングと比較してもかなり速い。
    • ただし1面道中は前作1面の大量の自機狙い高速弾を放つ大型オレンジ戦車のような露骨な初見殺しは存在しないため、初心者がアドリブでもまだ対応できるレベルに収まっている。
  • 1面ボスが滅法強い。特に第4波の左右のポッドがボス本体周辺を回転、赤弾をばら撒きつつ自機狙い弾を撃ってくるパターンはばら撒き赤弾の密度が濃い上に自機狙い弾も速く、「片方の弾を意識しすぎてもう一方の弾で被弾」というケースが起こりやすく回避が難しい。
    更に左右のポッドを破壊するとハイパーアイテムが出現する*8代わりに発狂モードへ移行するのだが、その攻撃が序盤のボスとは思えない程にあまりにも苛烈。
    • 開発側が初プレイでの「レーザーボムを発射→左右のポッドを破壊→発狂攻撃→自機死亡」といった状況の多さに詰めが甘かったと認めるほど。
      • そのためか「ブラックレーベル」では発狂モードへの移行条件が「左右のポッドを破壊した上でボス本体の耐久ゲージを一定まで減らす」に変更された。
    • 1面ボスで左右のポッドを破壊すると発狂モードに入る要素は『怒首領蜂』『怒首領蜂最大往生』でも存在するが、いずれも本作ほど攻撃が露骨に激化しない*9
  • エクステンドアイテムを持っている4面の大型回転式砲台「怒顎」の攻撃が苛烈。アイテムを落とす条件自体は前作から大差ない*10が、ボムで倒してはならない部分が巻き込まれやすいこともあり、達成が容易ではなくなっている。
    アイテム獲得を狙ったところが、返り討ちにされた挙げ句ノーテンという結果は珍しくもない。
  • その他、1・2周目ともに「4面ボスよりも強い2・3面ボス」「異様に難しい3面道中」「常時大量の堅いザコが狙撃弾を乱射し続けるため極端な切り返しゲーの最終面」など、どこかおかしい極悪な難度曲線も問題点として挙げられやすい。
    + 1周目の難度曲線の具体例
  • 2面ボス
    • 第一形態の青針弾のばらまき方が数種類のうちランダムで発射され、これらの攻撃と合わせて常に赤弾が発射されるため、青針弾を意識しすぎて赤弾に被弾しやすい。
    • 発狂攻撃の青弾ばらまきが、前作2面ボスの発狂(青針弾ばらまき)に比べて密度が高く、速度が速い。
  • 3面道中
    • 後半は多数のザコ敵や中型機の攻撃を、特定の大型敵を倒すことで起こる敵弾消去で凌ぐことになるが、正解パターンから外れると問答無用でボムorミスを強いられるほどの密度。
      • 前作3面道中でも中型機の攻撃を敵弾消去で凌ぐ展開があるが、正解パターンからある程度外れても立ち回ることは可能だった。
  • 3面ボス
    • 今作の特徴である「敵弾の速さ」を最も象徴している位、いずれの攻撃も速い。
    • 発狂攻撃は、全方位にばらまかれて画面上で交差する青弾、一定方向に回転しながら発射されるピンク弾、落下するビットから発射される青針弾の複合攻撃であるが、その豪速球故に4面ボスより回避困難。
  • 4面道中
    • 3面よりはアドリブで立ち回ることが許容されている。エクステンドアイテムのみならず2回目のスコアエクステンドを掴み取れるチャンスも大体はここになってくることもあり、3面後半より全体的に易しい。
  • 4面ボス
    • 第二形態の最初の攻撃は、画面の横端で回避することで反対側から攻撃させない(弾の発射元を画面外にする)ことが可能。
    • 2・3面ボスより耐久力がやや低い。第二形態と発狂で登場するビットへの撃ち込みが本体へのダメージとなるため、ビットの集まったところにレーザーボムやハイパーで大ダメージを与えて撃破可能。
  • 5面道中
    • 3体登場する中ボスを早いタイミングで撃破すると即座にザコ敵が大量に出現(いわゆる「早回し」)する。 中ボスにボムを撃って攻撃を回避しようとした場合、レーザーボムだと中ボスが沈んで早回しが起こり、却ってピンチになりやすい。
  • 2周目突入条件は比較的緩いため、ノーコンティニューで1周目をクリアできる腕前があれば2周目への突入そのものだけは努力次第で安定可能な範疇にはある。
    だが、ここまではこのゲームの前哨戦に過ぎない。2周目は1周目が霞んで見える程の地獄である。
    • 2周目の突入条件は「最初から最後まで一人プレイ」「ノーコンティニュー」を前提とした上で
      ・「2ミス以内」
      ・「ボム使用回数が3回以内」
      ・「蜂パーフェクト*11を3ステージ以上達成」
      以上の3つの条件の内、どれか1つを達成して1周クリアすることで道が開ける。蜂パーフェクト3回が比較的突入しやすい方法と言われている。
    • 2周目突入条件を満たした場合、この先は「暴力的で鬼のような」超絶難易度であることを示唆する文章で前置きした上でそれでも*12挑戦するか否かの選択肢が現れる。ここで「いいえ」を選ぶとエンディングになってゲーム終了となる。
      2周目限定のエンディングはなく、1周目と同じエンディングが流れた後にスタッフロールが追加されるのみ。単に1周目でエンディングを見たいのであれば、高難易度とはいってもギリギリ常識的な範疇に収まっている。

2周目の超絶難易度

  • 道中・ボスともに弾数も弾速も手が付けられないほど大幅強化される。
    敵を倒す順番やタイミング、ハイパーの使用タイミング、ハイパーゲージの管理を誤るとあっという間に殺される熾烈な猛攻を、以下のような極悪な条件のもと挑まなければならない。
    • 残機0からスタート(1周目クリア時に残機がスコアボーナスへと変換されるため)
      • ただしノーミスorノーボムで面クリアすると1up
    • コンティニュー・途中参加不可
    • この仕様に泣いた中~上級者は数知れず(あくまでもこのゲームにおいての中~上級者である。ぶっちゃけ1周クリアの段階でSTG達人といえる)。
      命からがら2周目に突入するのがやっとの本作中級者なら、そもそも残機が尽きかけているので没収のリスクは大してないとも考えられるが、いずれにせよ厳しすぎる。
      • 実際、INH製『ケツイ~絆地獄たち~』攻略DVD『THE SECOND APOCALYPSE ケツイ~絆地獄たち~』付属冊子の開発者インタビューにて、数々の高難度の2周目や真ボスを生みだした張本人であろうIKD氏までもが
        「怒首領蜂大往生の2周目において、楽しめる人を狭めすぎたことを反省していました」と語っているほどである。
    • もっとも、敵の耐久力や配置自体には変化がなく、また撃ち返しも一部の敵を除いて存在しないため爽快感は維持されている。
  • それらを全て乗り越えた先の真ラスボス「極殺兵器 緋蜂」……。
    • 緋蜂の攻撃は開幕の超高速青針弾nWAYから始まり、「全方位等間隔バラまき」のような、純粋な操作精度と動体視力の勝負になりやすい攻撃だけで構成されているにも拘らず、どれもこれもが目を疑うような凄まじい剛速球。
      これこそが2周クリアを阻む最後にして最大の要害であり、プレイヤーを「緋蜂到達でようやく折り返し地点」と言わしめる程。
    • 撃破には(エクスイ選択として)ハイパーレーザーでの撃ち込み6回分+αのダメージが必要(ボム発動中やミス後の無敵時間を除く)。これを満たすには、戦闘開始時点に残機が2周目最大の5、かつボムを2発所持している必要がある。
      普通の人間にとって、緋蜂の攻撃はすべての攻撃がハイパー発動時の無敵でやり過ごさない限り、10秒以上凌ぐのがほぼ不可能なため、実質「緋蜂到達までノーミス&ノーボム」が大前提である。
      現在では極力弾避けを放棄する「3機落とし」というパターンも開発されているが、こちらも「ほぼ完璧なリソース(残機数、ボム数、ハイパーゲージ)の管理が求められる」上に「撃つボムの種類・タイミングを間違えただけでパターンが崩壊して詰む」と非常にシビア。
    • 特に最終形態における絶望的弾幕(通称「洗濯機」)は、当時日本最高クラスのプレイヤーをして「人間には回避不可能」とまで言わしめた。
      前後作真ボスの最終形態(火蜂の「ふぐ刺し」や、大復活HIBACHIの「後光」)も確かに最後の最後に相応しいが、「洗濯機」に比べれば児戯に等しい…と語る上級者プレイヤーは多い。
      確認できる中では1名のみが「通しプレイで発狂までノーミス→発狂1ミスクリア」を達成している。2020年現在、通しプレイでのノーミスクリアは達成者無し。
      • ちなみに『怒首領蜂』の真ボス「火蜂」は全国のゲーマーに衝撃を与えた…割には実際の所、どの攻撃も弾速は遅め。むしろ、他の2周目ボスと比べて弾速は劣る。
        攻撃は確かに圧倒的ではあったものの、常人でも正確に反応可能な弾速にギリギリ収まっていた為「努力次第でノーコンティニューで勝てる」範疇の相手だった(しかも火蜂戦はコンティニュー可能)。
  • 全国初の2周クリア達成報告が出たのは稼動から約半年後。更に後述のPS2版発売までの約1年間に2周クリア達成者はわずか5人しか現れなかった、という逸話も残っている。
    • 雑誌「アルカディア」の記事によると、本作の稼働開始日が4/17、2周クリア者は8/3同日に2人現れた。

高い難易度を助長するシビアな仕様の数々

  • 基板性能上の制約から、本作はケイブ製弾幕シューの中でも比較的敵弾の数は少ない部類*13。しかしそれを補うためか、弾速はかなり速く、前作『怒首領蜂』よりも(感覚・相対的な)自機の当たり判定は大きい。
    • 開発者曰く「ドット数で言えばむしろ小さくなっているが、解像度が怒首領蜂の基板より粗いため、結果として大きく感じる」との事。
    • この結果、シューティング史上でも類を見ない超凶悪弾幕であるにもかかわらず、それを掻い潜る事そのものが難しい仕様となっている。
  • 新システムのハイパーモードは攻撃力上昇とスコアアップで攻略に重要な要素なのだが、上記の通り敵弾も速くなるという理不尽な仕様。
    • 更にハイパー発動中に被弾してしまうとボムストックが増えないのも非常に痛い。
    • 全体的にシビアな調整なので、「超強化で破壊しつくす」というよりは「加速したゲームスピードを切り抜ける」というタイプの爽快感に近い。
    • そしてハイパーを使うとゲーム内のランクが上昇するという仕様がある。ハイパー解除時にやや下がるものの完全には下がらないため、うかつに多用し過ぎると後半ステージの難易度を余計に大きく引き上げてしまう。完全に下がる条件は被弾やボムの使用のみ。
    • 初心者なら難易度を上げないためハイパーを使わなければいいじゃないと考えるかもしれないが、それは通用しない。前述の通りハイパー発動はボムボタンで優先的に行うため、死を回避するためにボムを撃とうとすれば難易度を上げてしまい、その結果より死にやすくなるという何とも本末転倒な循環が起こる。
      • ハイパー補正のかかったボスの弾幕は初心者にはどれも非常に厳しい難易度になるため、「第二の弾消し手段」としてハイパーを発動→無敵が切れる寸前でボムを撃って強制終了という使い方になりがち。
      • 本作ではハイパーアイテムを回収して初めて発動可能になるので降ってきたアイテムをあえて逃すという手もある。とはいえアイテム自体がふらふらとした軌道でゆっくりと降ってくるため、慣れるまではやや難しい。
  • エレメントドールが実質エクスイ一強に近い。
    • ショット範囲が広くてボムが多いショーティアが初心者向け…と一見思えるが、レーザーが雑魚に押されるほどの低威力で移動が致命的に遅いと、全体的に硬い敵にかなり苦戦する。ボムの多さに関してもそもそもがボムを撃ちにくいゲーム性と噛み合っておらず「ボムを撃つパターンを完全に熟知した上級者向け」という、明らかにコンセプト倒れなキャラクターに。それ故「ボム強化型」「レーザー故障中」「ボム子」等とネタにされている。
    • レイニャンは逆にショットの貧弱さのせいで雑魚を処理しきれないことが多く、難しさはショーティアとそこまで変わらない。ボムも少なく、復帰時にショットのパワーアップが初期状態に戻ってしまうので道中の過酷さが助長される。
      一時期スコアラーに「道中のパターンさえ組めれば、ボス戦ではレーザーしか使わないのでEX強化と変わらず、緋蜂戦でボムが多い分死を回避出来るので残機ボーナスが取りやすい」という理由でレーザー強化のパターンが研究され、全一がレーザー強化になっていた時期もあった。しかし2017年現在はやはり道中での取りこぼしが激しすぎるという理由でエキスパート強化を上回れず*14
      ただし下記デスレーベルでは「道中が無くなったことで不利な点が事実上無くなったうえでボムを4発も撃てる」という事でレーザー強化ほぼ一択ではある。
    • 『怒首領蜂』の2周目ではミス時は強化してない側も一段階ダウンで済む仕様だったが、本作は2周目でも強化されてない側は問答無用で初期状態まで戻されてしまう。熾烈な猛攻の中での復活は困難を極める(特にレーザー強化)。
      • 2周目はボム・蜂パーフェクトどちらかで突入条件さえ満たせば1周目で何度ミスしようがスコア以外には影響がない事を利用して、1周目ラスボスで残機を意図的に減らし、ミス後に放出されるパワーアップアイテム数を1つでも多くなる*15ように仕込むプレイヤーも見られる。
    • 結局、初心者も上級者も通常時の安定感が高いエクスイ一択となってしまっている。ボムの少なさに関しても「ハイパーを使いこなせないと完走困難」というゲーム性により、皮肉にもこの欠点がカバーされている。
    • そのため、せっかく上記2キャラに素晴らしい感動エンドが用意されてるのに、そこまで辿り付く事すらできない事態になってしまった。
      一応一番難しいとされるB-ショット強化でも2周クリアは達成されている 事は記しておく。
      • さすがに問題点として捉えられたのか、「ブラックレーベル」ではショーティアのレーザー中の移動速度がかなりまとも(通常版の約1.5倍速度アップ)になり、初心者にも扱いやすくなった。

総評

ケイブの前身ともいうべき東亜プランが10年前に送り出した『達人王』からせっかく遊び易くなったのに、再び「超高難度化」という路線はやはり手放しに褒められるものではなかった。
その一方でゲームシステムやグラフィック・BGM等は非常に丁寧な作りであり、「理不尽で低品質なクソゲー」ではない事は間違いない。
なんだかんだ言っても家庭用移植の機会が多く、様々な分野の著名人にもファンがいることからケイブの代表作のひとつになっており、難度や世界観・操作感やシステムなどよくこの作品が判断基準になっていることも多い。
挫折したプレイヤーが多すぎるのも事実ではあるが、本作のクリアを目標とするプレイヤーも未だに多く、シューターの到達点として認知されている節もある。
ケイブはその後『ケツイ~絆地獄たち~』を経て、ゲームコンセプトの方針を変えていくことになっていく。


その後の動き

  • ケイブも流石にやりすぎたと思ったのか、通常版稼働から半年後の2002年10月25日に限定生産でマイナーチェンジ版の『怒首領蜂大往生ブラックレーベル』(通称:黒版。前述の通常版は白版と呼ばれている)を発売した。
    • 弾幕速度・物量・当たり判定軽減。スコア計算変更によりエクステンドのし易さ、ショット強化のレーザー時移動速度の上方修正、ステージ道中でのハイパーゲージ上昇量の再調整、2周目開始時に残機没収されず*16コンティニューも(5面を除いては)可能に、2周目でのミス時パワーダウンが『怒首領蜂』と同じく強化されてない側も1段階ダウンのみに緩和と、白版のシビアだった部分が軒並み改善され、かなり遊びやすい調整になっている。
      また従来通りの「2周モード」に加えて、1周エンドになり黄流撃破後に「黄流第二形態(通称:ジェット蜂)」と「緋蜂」と連戦になる「1周モード」が追加されている。1周モードでは「黄流第二形態」戦、「緋蜂」戦でも途中参加及びコンティニューが可能。
    • 一方で白版では最大で固定だった2周目のランクが黒版では変動、かつ上限値が更に上昇。プレイ内容次第だが、2周目5面到達までノーミスを維持すると白版のランクを上回り、
      「黄流第二形態」は固くなったことと相まって大幅に強化、ランクの影響を受けるようになった「緋蜂」も白版より更に凶悪になった剛速球が飛んでくる。
      …が、2018年に白版より早くノーミスALLが達成された。同プレイヤーは先に白版を上回る「緋蜂単体ノーミスノーボムノーハイパー&ハイパーゲージMAXによる弾消し無しでのクリア」なるクレイジーな実績を達成し、人外の座を確固たる物としている。
      • 更に白版・黒版好きな方を電源投入時に選択して稼働できるという至れり尽くせりなデュアルブートサービス。ただバージョンを変えるには電源の入れ直しが必要ということもあり、基板寿命の問題から黒版固定稼働の店舗の方が多い*17
      • 後のブラックレーベル作品とは異なり、あくまで「バランス再調整版」の位置づけのためか演出面に関しては白版からほぼ変化はないが、ボス撃破後の大爆発だけは白版より更に派手になっている。

移植版

  • 家庭用はPS2/360/PS4/Switchで販売。
    • PS2版はアリカ製作。「ぜひPS2に移植させてほしい」とアリカがケイブに交渉したことにより移植を実現。白版しかプレイできないが、シミュレーションモードの充実ぶりや(全国クラスのスコアラーに監修を依頼しただけあり)高い移植度を始め評価は高い。
      ただ最凶難度のボスラッシュモード「デスレーベル」は(本編の難度があれであるにもかかわらず)賛否両論あるのだが…。
      • 「デスレーベル」は本編2周目以上に凶悪化したボスの攻撃を、各ステージごとに用意された5ハイパー・増加済みボム・残機を資本に突破していくコンティニュー不可のボスラッシュモード。「選んだ強化タイプとボスの組み合わせ次第で、ボスにボムを当てるとボスの体力が回復する」仕様が追加されたり、ラストで緋蜂2体と戦うという展開もあるが、1周目なら(本編で緋蜂に挑めるような猛者であれば)頑張れば完走できる。
        しかし2周目はボスこそほぼ変わらないが「残機0固定」「初期ハイパーなし」「緋蜂以外はどの強化タイプでもボムでボスの体力回復*18等、ますます狂った仕様が追加。
        そして最後の緋蜂2体は弾量がほぼ2倍に増えた「真・緋蜂改」となり、発売された2003年から7年もの間、倒した者が一人も現れなかったという超絶難度である。それもそのはず、調整を担当した三原氏曰く「開発に協力してくれた緋蜂を落とせるトッププレイヤーがクリア出来ないように調整しました」というレベル。
      • 2010年9月18日、熱心な大往生プレイヤーとして知られるMON氏が、遂に(確認できる中で)最初のクリア者となる。この記録はに『最大往生』AC版での陰蜂撃破が達成されるまで実に13年半もの間、「世界のゲーム史上最高難易度タイトルの完全クリア実績」の座に輝き続けた。2018年現在クリア報告は4名で、全員がA-Lで初回をクリア。本作の緋蜂戦で獅子奮迅の活躍をした件の1名に至ってはB-LとA-Sでもクリアしている。
      • ちなみにデスレーベル2周目開始前のデモではAC版では登場しなかった大佐が登場するファンサービスが用意されている。もちろんあの名台詞も喋ります。
         ぬ が よ い 。」
    • 移植度は完璧と言っていいが、「ACの再現」にこだわるあまり、家庭用ゲームとしての調整がややおろそかである。
      • プレイヤーの進行度にかかわらず、プラクティスモードとお手本プレイは最初から全解放されており、特典としてスーパープレイDVDまで付いている。ノーコンティニュークリアに対する特典的なものも何も無い。これでは、1周クリアに数ヶ月~半年かかる中級プレイヤーがクリアまでのモチベーションを保つことが難しい。
      • ゲーム雑誌のインタビューによると、「やらなければ良かった」と後悔したほど移植作業に大変苦労したらしい。なんでもACとPS2では解像度とフレームレート(ACは60.573フレームに対してPS2は60フレーム)などが極僅かに異なるという、ハードの特性の違いにより発生する誤差を調整するのに苦労していた。移植するだけでも精一杯だったので、そこまで手が回らなかったと思われる。
    • STGを触ったこともないようなプレイヤーに対しては「最初から無限コンティニュー」という仕様が致命的な問題点になった*19。なぜならこのゲームはミスもコンティニューもその場復活だからである。よって1コインクリアなど意識しないプレイヤーにとっては事実上無敵と変わらず、話題性に釣られて購入した初心者の多くは、コンティニュー連打で30分でエンディングを見てしまい、「ボリュームが無きに等しいタイトル」扱いをしたのであった*20
      この点について、「コンティニュー連打でゴリ押すべきではない」という意見もあると思われるが、標準で備えられたシステムをあえて使わないというのは言わば「縛りプレイ」に相当するプレイスタイルである。ゴリ押しを良しとしない、誤ったプレイスタイルと言うのであれば、「コンティニュー回数に制限を設け、少ないコンティニュー回数でのクリアを目標にさせる」などの配慮が求められるべきだったのだが、本作はその配慮を怠ってしまった例と言える。
      • オリジナルでもお金を投入すれば(お金が続く限り)コンティニュー無限ではあるが、お金を投入するコンティニューとスタートボタン一発のコンティニューの重みの違いは説明するまでもないだろう。開発スタッフ、監修したスコアラーともに、ワンコインクリアが当たり前の上級~トップレベルシューターが多かった*21だけに、その点を指摘する人がいなかったのかもしれない。
        アーケードゲーマーと家庭用機だけのユーザー(特にシューターとそれ以外)の間の価値観の乖離はよく指摘されるところであるが、この移植はその乖離がゲームの仕様としてもろに表現されてしまったのであった。
      • ACの方が性能が上だった頃はアーケードゲームがCS機に移植されただけでも喜ばれていたが、CS機の性能がACに追いついてからは、それが通用しなくなった*22
    • 皮肉なことに、本作を始めとしたアリカ開発担当作品の移植度があまりに群を抜いていたために、後にケイブ自ら移植を行ったPS2版『虫姫さま』は細部の粗が大きく問題視されて評価を落とすという事態が起こったことも…。
  • Xbox360版は5pb.製作(実際はさらにその外注の「アクアシステム」)で白版・黒版両方がプレイ可能。原作とはまた違った雰囲気のアレンジBGM・ハイパー強化によって初心者でも楽しめる「Xモード」など、他にも独自の要素があった。
    • しかし「PS2版のソースコード丸々盗用」という非常に大きい問題が発覚。同作プロデューサーの「盛政樹(さかりまさき)」氏の問題発言や製作態度も事件の泥沼化に拍車をかけた。
    • 様々な問題を抱えたが、現在はアリカによる修正パッチの配信によりロードの短縮やバグがある程度は改善されている。
  • iPhone向けにも移植版が配信されている。iOS11アップデート時に32bitアプリケーションだったために起動不能になったが、2019年9月10日にようやく64bitアプリとして大復活。旧版を持っていた人は無償でアップデート可能。
    • 難易度は4段階(NOVICE、NORMAL、HARD、HELL)から設定可能。「HELL」がAC版準拠で、そこから弾数と弾速を緩和していく形になる。
    • 操作形はiPhone版『大復活』と同じで、指の動きの速さに応じて移動速度を調整できる。これを活かして、「レーザーボムのオーラ撃ち」等のAC版ではできなかった大胆な戦法を取ることも可能。
      • Xbox360版のXモードや『大復活』以降でおなじみのオートボムも搭載されており、生存率もアップ。オートボムは性能が落ちない代わりにボムストック全消費となっているが、ハイパーがあれば代わりにそちらを使用してくれる。
    • 無限にコンティニューできたPS2版や大復活SP版とは異なり、コンティニューをする際には「クレジット」が必要で、ゴリ押しでのクリアは不可能。クリアするためには腕を磨く必要がある。
      • クレジットはプレイ時間に応じて増え、練習を重ねれば重ねるほどクリアに近づくという、近年の他社の家庭用STGでも見られる仕様となっている。
    • 当然2周目も収録しているが、突入は難易度HARDとHELLのみ。代わりにHARDのみ「1周目をノーコンティニューでクリア」するだけで突入可能(当然それ相応の腕前は必要)。加えてAC版ではできなかった「2周目でのコンティニュー」も可能となっている。
    • iPhone版だけの独自要素として、自機を強化できる「カスタムモード」を収録
      • このオプションは有料アイテムで拡張することができ、「ショット/レーザーの初期レベルUP」「初期残機数UP」といった基本装備の強化や、「当たり判定の縮小/表示」「ハイパー持続時間の延長」などのシステム面の強化も可能。中には「無条件で2周目を解放」といったものも。
        これには賛否両論あるが、アイテムで強化した自機を駆り、敵を蹴散らしていく爽快感はかなりのもの。
  • これ以前にガラケー向けに「ゲーセン横丁」の1作としてアレンジ移植されていた。
    • 2021年5月20日にはこのバージョンがG-MODEアーカイブス+シリーズとしてSwitchに移植され、また同年11月16日にはSteam版G-MODEアーカイブス+の第1弾としてPCにも移植された。
      • また、この派生作である『弾幕検定死験 -大往生編-』も同年7月6日にSwitchに移植されている。
  • アーケード版稼働20周年の2022年。12月23日配信の有限会社M2の公式配信にて『M2ショットトリガーズ』シリーズとしてXbox360版以来となる家庭用ハード機への移植が発表された。
    • 怒首領蜂大往生 廻転生』のタイトルで2023年12月7日に発売された。対応ハードはPlayStation4とNintendo Switch。
    • シリーズ恒例のスーパーイージー、アーケードチャレンジ、アーケードおさらいを引き続き搭載。アレンジモードは強化タイプ毎にモードが独立しており、それぞれでルールが異なる。
      新規モードの「ルナツアー」は機体とコース*23、次に進むエリアの難易度を選択しながら少しずつ進めてスタンプを集めていくモードとなっている。
      • バージョンについては通常版(白版)、ブラックレーベル*24に加えて初移植となる海外版の『怒首領蜂III』が収録される。アーケードチャレンジ、アーケードおさらいは通常版(白版)のみ対応。
    • 当日ゲストとして招かれていたIKD氏によると稼働20周年を機にケイブ自らがM2へ移植のオファーを送った事で移植が実現したとのこと。
      • なお、PS4版『ケツイDeathtiny ~絆地獄たち~』発売直後のインタビューでは、この時点で単純な移植であれば既に完了させていた模様
        というのもM2では「移植の手がかりとしてその基板の1作目から順に解析する」というのがあり、ケツイの仕事に取り掛かる前に本作の解析と暫定移植を済ませていた可能性が強い。
        この段階では「単にPS4で動く」程度の物であり、ここから処理落ちの細かい再現やガジェットの実装、スーパーイージーやアレンジモード・ACチャレンジ用のプログラム解析等にさらなる工数が掛かったのが、なかなか発売されなかった理由である。

余談

  • 本作のプレイヤー側の所属はいつもの「首領蜂隊」ではなく「国連軍」。「首領」側の陣営ではないのは本作と外注作の『怒首領蜂II』の2つのみである。
    • またヘリコプター型で、左右移動に連動してショットが傾く自機(通称Bヘリ)が使えないのはケイブ内製のシリーズ作では本作のみ*25
      『怒首領蜂II』では緑色の自機こそ登場するものの、戦闘機のフォルムでオプションも自動で向きが可変するものであった。
  • 当初はシリーズ最終作として製作されていた。『大往生』と明白に「死」を意識させる*26タイトル名も「これでシリーズを終わらせる」という意趣で名付けられたとされている。
    • アーケード版の販促用チラシのキャッチフレーズも「怒首領蜂ありがとう。そしてさようなら…本格シューティングゲーム永遠へ…」であった。
      • もっとも、本作の6年後に『大復活』する事になる訳なのだが…。
  • ケイブ17周年を記念して出版された書籍『ケイブシューティング史 こんにちは17年 ありがとう16年』によると『怒首領蜂II』のヒットによって開発が始まった本作ではあるが、少人数、短いスケジュール、低スペックな基板、看板シリーズの続編という大きなプレッシャーに加えて「ロケテストでのインカムが悪かった場合はアーケードチーム即解散」と文字通り崖っぷちな開発状況だった。*27
    • 今となっては信じられないような話だが、当初は基板の表示能力限界の関係から2周目は実装しない予定だった。では何故製品版では2周目が実装されたかというとデバッガーからの「2周目のない怒首領蜂なんて発売する資格なし」という一言がきっかけで急遽決まったそうな…。
    • 1周目の難易度はぎりぎり常識的かつ絶妙な範疇に納まっているのに対して、2周目の難易度や仕様が上記のように無慈悲極まりないものとなったのは急遽2周目が実装されたことによる調整不足であったことが示唆されている。
    • 奇しくも直後の『ケツイ~絆地獄たち~』についても、パブリッシャーAMIの意向で急遽2周エンドとなったというエピソードがあり、やはり調整不足感が否めないものとなってしまっていた。
      以降、2周目が存在するケイブ作品は直系続編の『怒首領蜂大復活』ただ1作のみとなっている(その『大復活』にしても、ブラックレーベル版で廃止となった)。
  • ケイブは当時この他にも『プロギアの嵐』『ケツイ~絆地獄たち~』という上級者でも一筋縄ではいかないゲームを制作したために、天井知らずの上級者プレイヤーが有名になった反面、多くの初心者~中級者プレイヤーを挫折させてしまった。
    • そこで以降は「難度を上げつつも初心者から上級者まで楽しめるSTGを」というコンセプトを意識し、上級者に向けた難易度を隠し要素やモード選択により住み分けた作品、加えて「萌え」要素を取り入れたゲームを開発するようになる。
      それが『虫姫さま』や『デススマイルズ』、そして直系続編『怒首領蜂大復活』などであった。
    • 一方で、究極の難易度という路線においても、今作から丁度10年後にあたる2012年のシリーズ作『怒首領蜂最大往生』で継承されている。
  • ケイブが展開しているソーシャルゲーム『ゴシックは魔法乙女』にて、2023年3月23日に本作からようやくショーティアが参戦した*28
    これまで『大復活』や(大分遅れたものの)『最大往生』のキャラは実装されてきたが、本作からのキャラ参戦は彼女が初。今後、レイニャンとエクスィの参戦も一部のユーザーから待ち望まれている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 2002年
  • AC
  • STG
  • 縦シューティング
  • 弾幕シューティング
  • ケイブ
  • エイエムアイ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月09日 03:39

*1 「死ぬがよい」というキャッチコピー自体はアーケード版では使用されず、PS2版の発売の際に使用されている。

*2 個人差はあるものの『ケツイ』と比較しても『大往生』の難度は頭一つ抜けていると言われる。

*3 なお、STG全体の高難易度化は1980年代後半から指摘されており、本作でそのピークを迎えたというわけではない。 弾幕系STGに限って言えば間違っているとは言い切れないが。

*4 次ステージ開始時にストック分まとめて出現する。

*5 1P側はステージ道中が80フレーム、ボス戦は120フレームだが、2P側は道中、ボス戦共に80フレームになる。

*6 使用している基板が「448×224」という若干小さく、かつかなり特殊な解像度を採用しているため。

*7 スタッフロールでは「SUPER ADVISER」の役職で彼の名前が記載されている。

*8 通常は1個だがポッド回転中に破壊すると2個出現する。

*9 『最大往生』の方は攻撃パターン一巡後の第2波が難しくなるが、大抵それまでに倒されるのであまり問題になってない。むしろポッド破壊時のボス本体のノックバックにより弾幕が一時的に薄くなるメリットがあるため、ポット破壊を推奨される事が多い。

*10 左右両端パーツを破壊してから、本体をボム以外でとどめを刺すと隠し1up出現。

*11 ステージ内に隠された蜂アイテム10個全てを回収、かつ最初回収~最後の取得の間でノーミス。達成時は獲得スコア表示に大文字で「×2」の表示が追加され、以降のステージにて基礎点が上昇する

*12 この部分のみゆっくり文字送りされる

*13 本作で画面内に表示できる敵弾数は最大210発。ちなみに前作『怒首領蜂』で使われた基板は最大245発まで表示可能だった。

*14 稼働当時のアルカディア集計ではAタイプBタイプの2部門集計だった故に、EXとLどちらが稼げるかというのが問題となった。2019年JHAでのルール改正で各タイプ×エレメントドール別集計に変更されたので、あくまでもハイスコアに関しては当時の話。

*15 ミス時のパワーアップアイテムは「累計ミス数-1」の数が放出される。最大8個まで。

*16 2周目の追加エクステンド条件は「残機0で突入したステージをノーミスでクリア」に変更されている。

*17 秋葉原Heyでも一時期リセットスイッチを用意していたが基板の故障により、復帰後は黒固定となった。

*18 緋蜂はボムバリアが優先されるため、回復なし。

*19 アーケードゲームがCS機に移植される場合、クレジット数に制限が設けられているケースがあるが、それだとクリアできない人がいるため「プレイ時間に応じてクレジットが増加する」等の救済措置を用意している場合がある。

*20 そもそもアーケードゲームは短時間で終わらせることを前提に作られているため、ただ単に移植しただけではボリューム不足になりがちである。その為、CS版においては新たな要素を多数追加してボリュームアップを図ることが多い。ダウンロード販売が普及してからは、アーケードSTGなどの小規模な作品はDL販売/配信が主流となっている。

*21 もっとも上級者でも初見プレイでは研究の為にコンティニューし続けることも普通である。

*22 CS機の性能が低かった頃はゲームセンターに行かないとプレイできないことがアーケードゲームの魅力であった。アーケードゲームが自宅で存分に楽しめることがゲーマーの夢であったが、いざそれが当たり前になると皮肉にもアーケードゲームの価値が下がってしまい、業界全体が衰退してしまった。以後、アーケードゲームはゲームセンターでしか体感できない要素を押し出したり、逆に移植を前提とした展開を行うようになった。また、依然として移植度の高い・遅延が少ない移植ソフトがないアーケードゲームの移植にも需要があり、レトロゲームやeSportsの種目に選ばれているアーケードゲームの忠実移植は喜ばれる。

*23 アーケード版準拠の「ハードコア」、スーパーイージー準拠の「カジュアル」、前述のアレンジモード準拠の「アレンジ」の3コースから選択。

*24 起動時のバージョン選択も再現されているが、ブラックレーベル収録の白版はオンラインランキング集計対象外となる。

*25 続編である『怒首領蜂大復活』でも隠し要素扱いとなっていた。

*26 なお、「大往生」の意味は「少しの苦しみもなく安らかに死ぬ。もしくは立派な死に方」である。

*27 更に『怒首領蜂大往生 臨廻転生』限定版に付属された冊子のインタビューによると開発期間は半年、割当てられた開発メンバーも6人と少なく、開発途中段階で井上淳哉氏がケイブを退職してしまい、現場が混乱したためやむを得ず急遽ケイブの社長である高野健一氏が開発に加わる形になった。

*28 何故か名前表記はSHOTIAと英語表記になっているが。