忍者ハヤテ

【にんじゃはやて】

ジャンル LDゲーム
対応機種 アーケード
プレイステーション
セガサターン
メガCD
発売・開発元 【AC】【PS】タイトー
【SS】エグゼコ・デベロップメント
【MCD】ウルフチーム
稼動開始日 1984年11月
判定 なし
ポイント 忍者のプロにしてお茶目なハヤテの大活躍


概要

1984年にてタイトーからリリースされたレーザーディスクゲーム。アニメ映像を用いたレーザーディスクアニメーションゲーム第1弾。
アニメーション製作は東映ビデオが担当。
主人公である忍者ハヤテを操作し、悪の忍者軍団の攻撃を掻い潜りつつ、アジトである城内に潜入し捕らわれの姫を助け出すのが目的となる。

全18幕、1人プレイ専用。


ストーリー

悪の忍者軍団により、姫がさらわれてしまった。

この知らせを聞いたハヤテは、姫を救うべく単身で悪の忍者軍団の城に忍び込んだ。

そこには無数に仕掛けられた罠、忍者軍団の強烈な連続攻撃、血に飢えた妖怪たちが待ち受けていた…。

(PS版説明書から転載)


ゲーム内容

  • 8方向レバーとボタン1つにてハヤテを間接的に操作する。レバーはハヤテの移動の誘導、ボタンは攻撃を行う場面で使用する。
    • アニメシーンの要所要所で「ACTION」という表示と共に入力指示の矢印・ボタンのアイコンが表示される。*1
    • ボタン入力のタイミングはハヤテの動作(懐に手を入れる、刀に手をかける等)で、移動方向は画面内に発生する光の方向によって予め知る事ができる。
      ただし、移動指示の光に関しては後発の『タイムギャル』と異なり、入力指示発生のはるか前のタイミングで発生する箇所も多い。
    • 指示発生からボタン入力までの間隔が短ければ短いほど得られるスコアが高くなり、一定スコアを満たせばエクステンド(1UP)の恩威を受けられる。
      • 表示された指示と異なる入力でも正解と受け付けられる「隠し操作」と呼ばれる要素*2があり、これにより、よりスコアを伸ばすことができる。
  • 操作ミスにより残機を失い、0になるとゲームオーバー。
    すべての幕をクリアしてエンディングを迎えると、クリアボーナス及び残機数×クリアボーナスが加算された上でゲーム終了となる。

シーン一覧

  • 本作は全18幕構成だが、ゲーム中で実際に遊べるのは9ステージ分までで、終盤の16・17・18幕のみ固定となり、前半6ステージは残り15ステージの中からランダムで選択される。
    いくつかのステージはランダムで映像が左右反転し、左右の入力が入れ替わる。
  • また、筐体で3ミススキップ設定がONになっている場合に限り、3回ミスすると現在のシーンをスキップして自動的に次のシーンへ進む。
+ シーンの詳細
  • 第一幕 潜入!悪魔の城
  • 第二幕 突破!城内の罠
  • 第三幕 不覚!侵入発覚
  • 第四幕 激闘!カラクリ鎧巨人
  • 第五幕 対決!魔導忍者
  • 第六幕 怪奇!くノ一妖蛇変
  • 第七幕 恐怖!謎の天井裏妖怪
  • 第八幕 強襲!大怪魚
  • 第九幕 狂気!土蜘蛛鉄爪拳
  • 第十幕 脱出!地下水脈決死行
  • 第十一幕 強敵!白髪鬼
  • 第十二幕 死闘!火炎鳥天狗
  • 第十三幕 凶暴!忍犬軍団
  • 第十四幕 奇襲!ムササビ忍群
  • 第十五幕 怨念!地獄の骸骨忍者
  • 第十六幕 難関!兵器工場歯車地獄
  • 第十七幕 戦慄!魔導の邪神像
  • 最終幕 決戦!魔城天守闇

評価点

  • 「忍者が魔の組織から姫様を救い出す」という当時のメディアでは割と王道の設定で、単に「主人公が悪を倒す」というわかりやすいストーリー設定となっている。
  • 親しみやすいハヤテのキャラクター像
    • 主人公のハヤテは単身で軍団に乗り込む程の凄腕忍者として描かれているが、彼自身は外見が割れ顎で濃い顔立ち、性格面は感情豊かな三枚目忍者というキャラクター性で、一般的な忍者と比べると親しみやすいキャラ像となっている。
      ところどころアニメ版『ルパン三世』を意識したと思われるリアクションも散見される。
      • 終盤の敵アジトへの潜入シーンでは「カリオストロの城」のオマージュと思われるシーンが存在している。
    • 敵や罠に遭遇すればマヌケ顔で驚いたり、ピンチに陥ると叫びながら敵に背を向けて逃走したりと、冷静沈着という一面は少なく、数々のピンチをその場しのぎで乗り越えていくお茶目さを披露してくれるところも『ルパン三世』らしさがある。
      後発の「タイムギャル」が80年代の日本のギャグアニメのノリを基調としているのと対照的に、ハヤテのギャグ顔やリアクションは、海外LDゲームの有名作「ドラゴンズレア」に代表される、海外カートゥーンアニメ調LDゲームのような滑稽なギャグ演出を意識している節が見られる。
    • ハヤテの格好は、田舎的な(猟師風の)ファッションスタイルであり、一般的な忍者とはかけ離れた「らしくない」外見となっているが、架空ニンジャ主人公としては珍しくない*3(本作品含め脇役忍者は普通の格好)。
  • 流石に大手アニメ会社が製作に関わっているだけあってアニメの質は良く、各幕のアクションシーンの躍動感が凄い。
    純粋なる映像エンターテイメントとして本作を見るならば、普通に完成度の高い部類に入るといってよい。

問題点

  • LDゲームということで覚えてしまえば簡単だが、入力受付は甘めな一方、レバー入力が8方向で斜め入力が難しいことに加え、1ステージが長い都合で入力回数も多いため暗記に骨が折れる。映像のテンポが速いので反射神経もそれなりに要求される。
  • シーン数が多く全体的に入力回数が多いステージが多いためか、上述のステージランダム出現の仕様によって1度にすべてのステージを遊ぶことはできない。
    • 敵地に潜入して潜入し、アジトの最奥に向かっていくという構成になっているので、ランダム出現だと映像の展開のつじつまが合わない。
  • 忍者活劇という舞台ゆえか、BGMはオープニングとエンディング位にしか流れない。
    キャラクターボイスも掛け声や叫び声程度のボイスしかないのもあって、ゲーム進行が淡々としていて若干寂しく、外観的にも地味さが拭えない。*4

総評

LDゲームらしい「暗記してナンボ」のゲーム性で、ゲームとしては決して褒められるものではない。
その反面、親しみの沸くハヤテのキャラ像や、スタイリッシュなアクションシーンは非常に秀逸で、ゲームとしてではなく純粋なアニメ作品としてみれば評価の高い一作。
爆発的な人気を得た後発の『タイムギャル』に比べると影は薄いが、そちらのベースとなった本作も遊んでみる価値は十分にあるだろう。


家庭用移植

  • 「Revenge of the Ninja」(セガCD版[海外版メガCD]/ウルフチーム)
    • 唯一の単体移植。国内未発売。各シーンやエンディングにオリジナルのBGMが追加されている、インターフェースが再構築されているなどの相違点がある。
    • また、メガCD版「タイムギャル」が画像を圧縮した上で修正を施すことにより映像を再現しているのに対し、本作では元の映像をそのままコンバートして使用しているため、画質は若干劣化はしているが、映像自体はほぼ原作そのまま。
  • 『タイムギャル&忍者ハヤテ』(【PS】発売日:1996年7月5日/発売・開発元:タイトー)
  • 『タイムギャル&忍者ハヤテ』(【SS】発売日:1997年1月17日/発売・開発元:エグゼコ・デベロップメント)
    • その名の通り、『タイムギャル』と『忍者ハヤテ』の二本が収録されたオムニバスソフト。各ハード共にCD-ROM2枚組で、各ディスクに作品が一つずつ収録される形となっている。
    • 映像は各ハードのスペック相当のCGでありLD並の高画質とはいかないが、両機種共にほぼ完全移植でプレイ感覚も再現されている。
    • データのセーブ機能には対応していないが、アニメシーンだけを鑑賞できるモードも搭載されており、純粋なるアニメ作品としても楽しめる様になっている。
    • 英数字フォントの変更がされており、同時収録の『タイムギャル』も同様の変更をしている。
    • PS版は基板内部の設定変更機能を再現した「DIPモード」により残機数やステージ進行順などを個別に細かく設定できるようになっている。
      • 両機種共に、元々の発売本数が極端に少ない事情もあって、中古価格にプレミアが発生しやすい傾向にあるため入手し難い。

余談

  • 同じくタイトーから発売されたLDゲーム『宇宙戦艦ヤマト』では、敵要塞内での戦いが本作品と同じノリだったため、「忍者ヤマト」という仇名を付けられたりもした。
  • オリジナルLDゲームの第2弾となる次々回作『タイムギャル』にハヤテが1カットだけカメオ出演している。
  • 2023年12月14日にNintendo Switchで発売された『タイトー LDゲームコレクション』に本作のHDリマスター版が収録された。前述の『タイムギャル』や『宇宙戦艦ヤマト』もHDリマスター化して収録されているほか、各タイトルの単体配信もされている。

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最終更新:2024年03月17日 10:05
添付ファイル

*1 矢印が左右上下(斜め方向含む)のいずれかの場合はその方向へ入力する。複数の方向に矢印が同時表示された場合はその内のどれか1つが不正解となる。

*2 本作では主に斜め方向への入力指示に対して左右上下方向への入力でもよい(もしくはその逆)という箇所が非常に多い。

*3 漫画『サスケ』『ワタリ』等。ゲームなら『影の伝説』。

*4 『タイムギャル』でも同様だが、ゲーム中にでキャラクターが喋りまくってるので非常に賑やか。