サムライスピリッツ零

【さむらいすぴりっつぜろ】

ジャンル 対戦格闘
対応機種 アーケード(MVS)
販売元 SNKプレイモア
開発元 悠紀エンタープライズ
稼動開始日 2003年
移植 ネオジオ:2003年12月11日/39,800円(税別)
プレイステーション2:2004年7月29日/6,800円(税別)
廉価版 【PS2】SNKベストコレクション:2005年11月23日/2,800円(税別)
配信 ゲームアーカイブス:2015年4月15日/1,000円(税込)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 なし
ポイント 原点回帰した続編
使い回しが目立つ
バランスは荒削り気味
ストーリーに鬱要素あり
サムライスピリッツシリーズリンク


概要

  • サムライスピリッツ』の続編でシリーズ7作品目。だが時代的には初代の前となっている。
    • 稼動当時はどの時系列にも属さないパラレルワールド扱いだったが、『サムライスピリッツ 天下一剣客伝』(以下『剣サム』)オープニングの年代表記で正史となった。
      その名残なのか、本作は他のシリーズに対して後付けを始めとする設定の矛盾が多く見受けられる。*1
  • サムスピシリーズにしては珍しく、非常にストーリー性に凝っており、上手く『初代』につながっている*2
  • シリーズお馴染みの面々も概ね登場。さらに数人の新キャラクターが加えられた。

ストーリー

兇國日輪守我旺に叛意の疑いあり――。
そんな風聞が、徳川慶寅のもとにも伝わってきた。
鬼神と謳われ、國のために十字槍を振るい続け、日輪國の領主となった我旺。
かつての手合わせでは圧倒的な実力差に慶寅は敗北を喫した。そのときから我旺は慶寅の憧憬の対象だった。
惚れた漢が道を違えるのを黙って見ているわけにはいかず、慶寅は将軍家の跡取という立場も省みず、ひとり日輪國を目指して東海道を行く。
我旺率いる日輪軍と幕府軍の衝突は必至となり、決戦の地は黄泉ヶ原と選定される。
慶寅だけでなく、名うての兵どもが黄泉ヶ原へと集結する。
時は天明六年。後の世に言う、黄泉ヶ原の乱――賽は投げられた。その顛末や如何に。

システム

サムライスピリッツ 天草降臨』(以下『天サム』)をベースに開発されたため、基本は『天サム』に準じているが以下の点が異なる。

  • Aで弱斬り、Bで中斬り、AB同時押しで強斬り。Cで蹴り、Dで特殊動作となる。
  • 出血を除く残虐演出がなくなった。特定の攻撃でKOするとタイム部分の文字が「死」になる点は残っている。
  • 剣質選択が廃止され、ほぼ全員が両剣質の技を併せ持つ形となった(右京、ガルフォードは修羅の技のみ)。
    • 覇王丸→羅刹丸、ナコルル→レラ、火月→炎邪、蒼月→水邪など、羅刹での性能が独立して登場しているキャラクターも存在。
      • 中でも炎邪と水邪はキャラクター・性能両面でかなり濃い味付けがされておりネタとして好評だった*3
    • ちなみにレラは本作に先駆けて『ナコルル ~あのひとからのおくりもの~*4に登場している。
  • 連斬の廃止。
  • 剣気ゲージ
    • 相手に攻撃を当てる、または空振りする事で剣気は減少し、何もせずにいると自動的に少しずつ回復する。
      同じ技をヒットさせても剣気量が少ないとダメージが低くなるため、無闇に技を振り回すと非効率的になり、試合中に様子を見る「静」の時間が増えた。これにより本作の立ち回りは、『初代』を思い起こさせるものとなっている。
    • 「剣気ゲージによるダメージ補正」はかなり極端な仕様となっており、ゲージが最大の時には威力にボーナスがかかるがこれが非常にエグい補正になっている。「満タン時」と「わずかだが減ってしまっている時」では攻撃力に大きな隔たりがある。
      • また回復スピードは剣気が多いほど遅くなり、仮に剣気0からの場合5割程度は1秒程度で回復するが、8~9割から100%に回復するには更に3秒程度の時間がかかる。
      • 攻められている側はその間にも剣気が回復しているので、的確に反撃できれば非常に補正の高い威力でカウンターが狙える。「相手をラッシュで固めて3割削ったら、リバサで一撃5割持っていかれた」というのはこのゲームでは日常茶飯事。この辺りがアクの強さであり、同時に面白い所でもある。
      • 「怒り」時には剣気ゲージの上限がアップする。「怒り爆発」時には上限が大幅にアップする。満タン時の強斬りは、キャラクターにもよるがまさに必殺級の破壊力。
    • 本作では一般的な格闘ゲームでは通常投げに当たる「崩し斬り」も剣気量の補正を受ける。
      • この剣気システム導入により、いわゆる「コンボ補正」は廃止された。
  • 瞑想
    • キャラクターが落ち着くようなモーションをとって怒りゲージを消費し、無の境地ゲージの増加を行う。但し、怒り状態の時は出すことができない。
    • 従来作でもそうだったが、本作は特に怒りゲージの溜まり方や無のゲージの変換効率がキャラクターによって大きく違うため、より個性が出ている。
      • 基本的に、右京や劉雲飛など怒りゲージが溜まりにくいキャラクターほど転換効率が良い。対照的にすぐに怒ってしまう上、転換効率の低い炎邪は極めて溜めにくい。
  • 無の境地
    • 「あと一本取られると自分が負けになってしまうラウンド」かつ「怒りゲージが存在している状態で、自分のライフゲージが無のゲージ以下になる」と発動可能になる新システム。
    • 発動すると相手の動きがガードを除いて全てスローになる。攻撃を食らった際の仰け反りモーションまで長くなるため、強力な連続技を作ることが可能。さらにこの状態から専用技の「一閃」を繰り出すことができる。
    • 境地状態中に攻撃を喰らうと強制的に解除される。解除された後は怒りゲージは失われてしまう。
  • CPU戦は『天サム』同様タイムアタック制だが、本作では時間制限などは設定されていない。
  • 『天サム』では自決を行うと次のラウンドで怒りゲージがMAXになる仕様だったが、本作では一定量ゲージが増加するのみとなった。

評価点

  • ストーリーの面白さ
    • 基本線は徳川慶寅が、國を憂いて謀反を起こしたかつての強敵の兇國日輪守我旺と刀を交える…といったものだが、その他のサイドストーリーまで異様なほど手が込んでおり、EDを中心に各キャラクターで連動しながら進行するストーリー展開は非常に見ごたえはある。
      • 関係が密接したキャラクター(ナコルル・リムルル・レラなど)同士ではストーリーが連鎖しているのも特徴。
  • コンボゲーから読みあいゲーへ
    • サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』(以下『斬サム』)以降、ポリサムまでずっと連続技を重視していたが*5、今作は連斬の廃止・剣気ゲージなどのおかげで連続技がシンプルになり、また強斬りのダメージの大きさも残っているので、読み合いが非常に重視されている。
  • 新規BGMの評価が高い。特に富士見の間ステージと我旺戦のBGMは名曲とされている。

問題点

  • グラフィックの使いまわしが多い
    • 既存キャラはまだ良しとしても、背景がほとんど2D版の前作である『天サム』や『斬サム』からの使いまわしばかりで新鮮味にかける。
    • 一応、ナコルルとリムルルは新しく書き直されている。*6
    • 羅刹丸は魔界で作られた覇王丸のコピーという設定を考慮しても、コピペそのものとしか言い様がない程、動きが覇王丸と同じ。
    • 一番手の中ボスである萬三九六は牙神幻十郎の顔や足元など書き直しただけのコピペで、もちろん技のモーションもほとんど幻十郎と同じ。しかも名前は「さんくろう」と読むため、壬無月斬紅郎そっくり。これについては実際に名前を騙っていた事が緋雨閑丸とのデモや『剣サム』での斬紅郎とのデモなどで伺えるが。
    • また、二番手の中ボスである黒河内夢路は橘右京の同門という設定を考慮しても右京のコピペそのもので、ほとんどの必殺技も他のキャラクターに変身してそのキャラクターの必殺技を使うという幻術。元がコピペなので仕方ないと言えば仕方ないのだが、結局は使い回しであった。
      • このためか、この二人は『零SPECIAL』ではリストラされてしまった。『剣サム』では二人とも復活しており、それぞれ独自の味付けがなされている。夢路については羅刹右京の再現ともいえる性能となった。
  • 一部の設定に対する批判
    • 本作では一部設定が追加、あるいは変更されているのだが、本作がSNKプレイモアが直接開発したゲームではないこともあり、そういった設定の追加・変更には難色を示す声も聞かれた。
      特にシリーズ通しての人気キャラであるナコルルに関して本作で語られた設定は波紋を巻き起こした。
      + ネタバレ
    • ナコルル・レラ・リムルルのエンディングはリンクしているのだが、リムルルのエンディングにおいて「『ひとりぼっちになってしまった』と泣きじゃくるリムルルに対して、ナコルルが『今日からは、私が姉様』と語りかける」という回想シーンが描かれ、ナコルルがリムルルと実の姉妹ではないことが示唆される。
      • これまでのシリーズで「義理の姉妹である」という描写は影も形もない。また、旧SNK時代に発売されたレラ初出のADV『あのひとからのおくりもの』では「血の繋がった姉妹」とリムルルが明言している(ただし、こちらはこちらでシクルゥなどの設定が異なっており正史とは言えないのだが)。一連のエンディングはナコルルとリムルルの強い絆が描かれるなど非常に力が入った作りになっているのだが、「キャラクターの根本をひっくり返されたようなものであり受け入れることができない」という批判の意見が多く聞かれる事態となった。
  • ゲームバランスの悪さ。
    • 全体的に強斬りの威力が高すぎる。元々シリーズでは強斬りは必殺技も同然の扱いであったが、今作では特に威力が高く設定されている。次回作ではかなり威力を落とされ、改善されている。
    • 徳川慶寅が異常な性能を誇り、特に必殺技の一つである「一の太刀・撫子」は突進スピードが速い上に、中ボタンを筆頭に隙が少なく猛威を振るった。
      炎邪と骸羅はこれに対抗する手段が皆無な上、慶寅の通常技対空を潰す飛び込み技を一切持たないため完全に詰んでいる。冗談抜きで。
      • 背面から「屈中斬り→中撫子」×nの永久連続技は今でも語り草になるほど。過去作品には結構な数の永久コンボがあったが、本作にはほとんど存在しない中で、お手軽すぎる永久として悪い印象を残してしまったのである。
    • 新キャラクターの一人である劉雲飛も酷い。空を飛びまくるガン逃げや、しゃがみ強斬り→C天機七曜→ジャンプB(ジャンプ蹴り)→しゃがみ大斬りの永久連続技を駆使されると、勝つのは非常に難しい。上記の通り怒りゲージが溜まりにくいので無の境地との相性も抜群。次回作以降は空中の制御回数が減らされている。
    • それ以外にもミナ対タムタムor骸羅*7や、タムタム対腐れ外道*8など、絶望的な組み合わせが多々ある。
    • ただ、エンターブレイン(アルカディア編集部)主催の大規模対戦大会である『闘劇』本戦では徳川慶寅がベスト8で全て消え、トリッキーキャラの水邪が優勝している。余程の組み合わせでなければ、プレイヤーの実力による逆転劇が存在することは間違いない。
  • 無の境地が強すぎる
    • 無の境地はただでさえ発動が早く、出かかりを攻撃して潰すということが難しい。それどころか、ガード硬直中に入力することで反撃確定となってしまうシチュエーションがかなり多い。飛んだ相手に対する対空としても非常に強力。
    • さらに境地の持続時間がかなり長く、ある程度無のゲージを溜めておけば、約10秒位は境地状態。
      • そのため、中斬り→強斬り→中斬り…のループ後に一閃でトドメや空中で追い討ちを掛けるなどで簡単に即死連続技が作れてしまう。その恩恵を受けるキャラは限られており、そうでないキャラとは大分差ができてしまう。
    • 体力差と無のゲージ量、使用キャラクターによっては、境地発動可能状態でガン待ちされると詰み同然となることも多い。比喩なしで「動いたら死ぬ」。
    • 一応、地上で無の境地状態で攻撃をくらってしまったら怒り爆発することで仕切り直しはできる(ただし怒り爆発した際の攻撃では解除されない)。対空に持ち込まれると打つ手無しだが…。
      • 零SP以降は境地の持続時間やゲージ変換率などが調整された。
  • 致命的なバグや不可解な仕様
    • 柳生十兵衛の素手大追い討ちを出すと強制的にリセットがかかり、タイトル画面に戻る。
      • 意図的にやらなければ素手大追い討ちを使う機会は少ないとはいえ、致命的なバグである。
    • 妖怪腐れ外道でジャンプ後6Dを出すと空中でフリーズする。
    • 「無の境地」を無効化するバグが存在する。
    • シャルロットは素手状態になると何故か防御力がガタ落ちする。ただしこれはスタッフ曰く、バランス調整のための仕様とのこと。
  • CPU戦も全体的に難易度が高い。
    • 後半の敵ほど純粋にルーチンが上がっていき、ガードが固くなり攻撃の無駄振りが減る。これに上記の剣気ゲージの仕様も相まって、まさに一発が命取りになりやすい。
      • ある意味近年のKOF以上の難易度であり、主役の慶寅がいくらお手軽強キャラと言えど、決して攻略は簡単ではない。
    • CPU専用のボス敵3人はいずれも曲者揃い。
      • 萬三九六は声をかけて三人の子分のいずれかを呼び出す技がある。声で誰を呼ぶかは分かるが、それぞれの出現位置はバラバラで攻撃の発生自体は早く、ゲームセンターの騒音の中でそれらを聞き分けて咄嗟の回避は非常に困難。更に回復技持ちで、武器飛ばし技は弾丸が見えない上にガード不能。
      • 黒河内夢路の幻術技は変身の瞬間に無敵時間があるため厄介。特に服部半蔵に変身した時のモズ落としが強力なため近距離戦は危険。かといって遠距離から迂闊に飛び道具を出すと、ナコルルに変身してアンヌムツベによる反撃を受ける。
      • ラストボスの兇國日輪守我旺は飛び道具こそ持たないものの、得物の十字槍による攻撃はリーチが長く、必殺技も突進・対空・投げ技とバランス良く揃っている。更に残り1本に追い詰められると「怒り中は無敵状態」となるので、怒りが切れるまでプレイヤー側は逃げ回るしかない。

鬱要素について

  • 本作は妙に暗い印象のあるゲームである。そもそもストーリーからして幕府へ謀反が起こっているという不穏な空気に包まれている。また、新キャラクターの中にも設定面でトラウマになりかねないキャラが何名か存在しており、このゲームの重い雰囲気作りに一役買っている。そしてその新キャラの中でも妖怪腐れ外道や真鏡名ミナは特に際立っており、彼(彼女)のエンディングは、恐らく格ゲー屈指の鬱エンディングである。
  • 妖怪腐れ外道の場合
    + ネタバレ
    • まずバックストーリーがヤバい。彼は元々人間であり、儚という娘を持つ父親であったが、ある飢饉の折、あまりの飢えから狂気に取り憑かれて人間の子供を食べてしまい*9、その後も人(特に子供)を食べ続けて妖怪となってしまった。
    • エンディングでは、リムルルを追い詰めて食べようとしたところに娘の儚が現れ、身籠っていることを告げ「人間の心を取り戻して欲しい」という願いを投げかけられる。外道は悲しげな表情を浮かべ儚の名を呟くものの、儚を抱き上げたとたん歪んだ笑顔になり、画面がブラックアウトして「いだだぎまぁず」と言う白抜き文字が表示されるという…外道の好物が人間の子供であるという事実を踏まえると、非常に後味の悪い想像をかき立てるものとなっている。
      • 儚の旦那さんは旦那さんで、シャルロットのエンディングにて「危険な敵を倒し世界は救えても、傷つき死に行く一般市民を救えないのか」というRPGの主人公的ジレンマをシャルロットに感じさせる役として引っ張り出されており、命を落としている。
    • 儚は緋雨閑丸を自宅に居候させており、恩人として慕われている。閑丸のエンディングは「さあ、旦那さんと儚さんが待っている!早く帰ろう!」という明るい終わり方を迎えるが、前述の他エンディングでの2人の扱いを踏まえると、とてもハッピーエンドには見えなくなってしまう。
  • 真鏡名ミナの場合
    + ネタバレ
    • 彼女のバックストーリーは非常に悲しげ。ミナは父親からアイヌの妖滅師の血を受け継ぎ、生まれつき膨大なる潜在能力を持っているが、その力を恐れられてあらゆる人々から敬遠され、いつもひとりぼっち同然だった。ある日、自分がいない間に村が正体不明のあやかしに滅ぼされてしまう。一人生き残り、本当の意味で孤独となってしまったミナは、ゴーヤ畑で生き残っていた琉球のシーサー「チャンプル」にのみ心を許し、仇を討つために旅立つ。
    • エンディングで見事我旺を倒すミナ。しかし我旺に憑りついた「闇キ皇」から感じる気配は、追い求めたあやかしとは違うものだった。もう戦って傷つくのは嫌だ、仇討ちなんて諦めよう、と言うミナの横でチャンプルに異変が起き、巨大な化け物へと変化する。その邪気はミナの村を襲ったあやかしと同じものだった。旅の途中で闇キ皇の邪気に当てられ続けたチャンプルは、大人しい姿を保つことができなくなってしまったのだ*10
    • 全てを悟り、チャンプルに向かって弓を構えるミナ。自我を無くし、ミナに襲い掛かるチャンプル。「ごめんね、チャンプル。約束、守るから…私もすぐいくから…」(画面が白くなり、血糊が付く)「ずっと一緒にいようね」…という、悲しくも儚く救われない展開に多くのユーザーが涙した*11
  • 念のため述べておくと、全てのエンディングが鬱要素というわけではない。
    例として、主人公格の覇王丸や徳川慶寅のEDは双方とも互いを食い合う事もなくどちらもしっかり主役を演じている。また、千両狂死郎や花諷院骸羅などの色物キャラクターのエンディングはとことんネタに突き抜けているため*12、上記のエンディングを見た後にみると癒されるという人もいる(中には「ふざけすぎだろう」と嫌悪感を示す人もいるだろうが)。
    • 余談だが、『天下一剣客伝』での後者2人のEDは『零』でのEDを踏まえた内容となっている*13

総評

サムスピシリーズは、旧SNKが微妙作を連発した挙句倒産したことによって、シリーズ継続が絶望視されていた。
そんな中で発売された本作はグラの流用・ゲームバランスの悪さ・バグなど見逃せない粗はあるが、コンボゲーから読み合いゲーに路線を戻した事で
ポリサム・蒼紅の刃以降離れていたファンを呼び戻し、その上で更に新規ファンの獲得に成功した。

崖っぷちにまで追い込まれていたシリーズを甦らせたという点において、本作の功績は計り知れない程に大きなものであると言えよう。
ゲーム性やキャラクターを気に入ったのであれば、今からでもプレイする価値は十分にある一作である。


家庭用移植

  • 家庭用ネオジオROM版
    • ACネオジオ版を再現しつつも一部のバグなどが修正されており良移植。
    • 続編の零SPECIALが残念な移植となってしまった為、本作がシリーズ上ネオジオ最後の完全移植となった。
  • プレイステーション2版
    • 移植に伴い二人の中ボス(三九六と夢路)が使用可能になった。もちろん彼らのストーリーデモもきちんと新規で作られており、多少展開は強引なもののシナリオの内容も概ね好評。
      • ラスボスである我旺は残念ながらこちらでも使用できない。
    • しかし当時の旧世代機の移植版のようにデモや一人ごとにロードがありその時間も非常に長い、チャンプルのボイスだけあきらかに音量が大きく耳障り、一本目でも負けたほうの武器が飛ぶなどのバグもあり評判はあまり良くない。
    • 2015年4月からはゲームアーカイブスとして配信が開始。
  • この他にもPS2・Wiiで発売されたオムニバスソフト『サムライスピリッツ六番勝負』にも本作が収録されている。
    • こちらはネオジオ版がベースのため、単体移植版とは違い中ボスの二名は使えない。
    • また、ロードは単体版よりは改善されて許容範囲内となっているものの多少テンポは悪く、強制でフィルターがかかっていてかなり画質がボケているなどの欠点もある。
    • 更にBGMをアレンジに切り替えても一部楽曲がオリジナルのままになっている(サウンドテストでも同様。従って六番勝負収録版では聞けないアレンジ曲が幾つかある)
    • PS2六番勝負版はNEOGEOオンラインコレクションシリーズの一つであるためオンライン対戦に対応していた(2010年にサービスを終了している)。

余談

  • 今作の新キャラクターのうち、「妖怪腐れ外道」はかつてコミカライズを勤めていた内藤泰弘氏がデザインを担当している。
  • 徳川慶寅・劉雲飛・兇國日輪守我旺のデザインを担当したのは『るろうに剣心』で有名な和月伸宏氏である。
    • 彼は元々旧SNKのゲームをプレイしており、特に『サムライスピリッツ』シリーズの大ファンであった。かつては旧SNKとパクリ合戦を繰り広げているとも言われた*14が、今回の起用からも分かるように決して険悪な関係ではない。
  • 真鏡名ミナはデザインコンセプトに「ナコルルへの挑戦」が挙げられているためか、琉球王国出身、褐色の肌、白髪、遠距離戦が得意、青×白の露出の多い衣装などナコルルと相対する点が多い。ファンからの人気は高く、同人でもしばしば扱われる。
    • ミナは『クイーンズゲイト』のモデルに選ばれ、『クイーンズゲイト スパイラルカオス』にも参戦することが決定した。
    • 先述の通り悲劇でしかない彼女のエンディングだが、SNKプレイモアがフィーチャーフォン向けに配信しており、後にDSに移植もされた恋愛シミュレーションの『デイズ オブ メモリーズ』では、主人公やナコルルといった第三者の加勢により、パラレルワールドではあるもののとても救いのあるifエンドとなっている。どうしても本作のミナEDに納得できない人はこちらをプレイしてほしい。
      • 続く『天下一剣客伝』でも彼女のエンディングは明るく救いのあるものとなっている。
  • 悠紀エンタープライズの本作作成チームは後に『アルカナハート』で有名なエクサムを立ち上げることとなる。
  • また本作の改良版として『サムライスピリッツ零SPECIAL』が出されたが、追加された表現を巡り色々と騒動になってしまった。詳しくは同記事で。

*1 ガルフォードの愛犬であるパピーやナコルルとリムルルの関係など。

*2 ただし首斬り破娑羅のみは伏線回収のためのパラレルEDになっている。

*3 元ネタはハイパーネオジオ64の3D版『SAMURAI SPIRITS2 アスラ斬魔伝』に登場していた羅刹バージョンの「炎邪火月」「水邪蒼月」。

*4 2001年07月06日にWindowsで発売されたナコルルが主役のアドベンチャーゲーム。バグの嵐や理不尽な難易度で有名。

*5 厳密には「蒼紅の刃」はコンボゲーではないが、ゲーム自体の知名度があまりない。

*6 『初代』より前の時代という設定を考慮してか、ナコルルは初代並びに『ポリサム』ベースの衣装に、リムルルは幼くなっている。

*7 ミナに追いつけず、攻撃することすらままならない。

*8 タムタムに「ムーラムーラ」と「アハウガブル」を上手く出されるだけで外道は何もできない。

*9 食ったのは自らの子供、つまり儚の兄弟(姉妹)だった可能性もある

*10 ミナの村が襲われた時点では闇キ皇は活動前のはずなのだが、なぜチャンプルが村を襲ったのかは明かされていない。ただし、前述のとおり村の人間はミナへの畏怖のあまり彼女を孤独にさせており、「ミナが無意識に抱いていた村の人間に対する怒りに反応した」、「チャンプル自身が村の人間のミナに対する態度に怒りを溜め込んでいた」などの意見がある。

*11 最後はぼかされているものの、チャンプルを討取り自害するという結末が容易に想像できてしまう。

*12 この2者を例に挙げると、前者にはシリーズを生み出した旧SNKの別ゲームのキャラが、後者には過去のサムスピに登場したが今作には出演していないキャラがそれぞれ出演するというカオスな光景が見られる

*13 骸羅に関しては『天下一剣客伝』でのグラフィックもこのEDを前提とした仕様となっている。

*14 志々雄真実の過去の姿が幻十郎そのまんまだったり、風間火月をモチーフにした戌亥番神など。旧SNK側も「九頭龍閃」という技名を使ったり。