テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン3

【ているず おぶ ざ わーるど なりきりだんじょん すりー】

ジャンル コスプレS-RPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 128Mbit+64KbitEEPROMカートリッジ
発売元 ナムコ
開発元 アルファ・システム
発売日 2005年1月6日
定価 5,040円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
判定 なし
テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク


概要

ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)のRPG、テイルズ オブ シリーズの各作品のキャラクターが一堂に会するクロスオーバータイトル、『テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン2』の続編。ただし内容につながりはあまりない。

前作の参戦キャラに加え、『デスティニー2』『シンフォニア』のキャラクターが参戦し、本作発売の少し前に発売された『リバース』から主人公ヴェイグとクレアがゲスト参戦している。

戦闘システムは前作の「リニアモーションバトルシステム」を引き続き採用し、新たにシミュレーションRPGの要素も加えている。


システム

  • 戦闘システム
    • 戦闘システム自体は前作と同様だが、キャラクターたちを3人までのパーティに分け、それぞれをシミュレーションRPGのように目的の場所まで移動させ、モンスターと重なるといつも通りの戦闘に突入するというシステムとなった。
  • 料理システム
    • 1ターンに1回、持っている食材を使用し、HPやTP、状態異常を回復することができる。失敗することもあるが、使用するたびに成功率が上がっていく。アーチェやジーニアスなど、原作で料理の腕に関する描写があったキャラは、成功率にその影響が出る。
  • キャラクターの組み合わせにより何らかの効果を得られる「称号システム」。
    • 主人公とヒロインで「ラブラブ?」、ルーティとリオン、もしくはロイドとクラトスで「ひめられたかこ」など、原作を知っていればニヤリとさせられるものが多数存在する。

前作からの変更点

  • 属性ごとの基本コスチュームが全て削除され、基本コスチュームは夫々男女別の一種類のみとなった。
  • 主人公2人(フリオ・キャロ)のレベルが「キャラクター個人」で固有するようになった。
    • 前作では主人公2人のレベルはコスチューム毎に分けられており、中盤以降に新しいコスチュームを作成してから一線で活躍する為には個別にレベル上げをしなければならなかった。それが撤廃された事でコスチュームの運用がより楽に。
  • レベルアップに必要な経験値が100固定になった。
    • これにより、敵から得られる経験値及び取得計算式が抜本的に変更されている。
  • 上位コスチューム制作時、素材となったコスチュームがそのまま残るようになった。

評価点

  • BGMの豊富さ。
    • 前作よりもかなり増えており、追加作品である『デスティニー2』『シンフォニア』のものはもちろん、『エターニア』の通常戦闘曲は原作に合わせ2曲*1になり、闘技場で各主人公と戦う際にはその作品に関する印象的なBGMが流れるようになっている。
  • 豊富なダンジョンマップ
    • 前作では原作で印象的だったダンジョンを再現したマップが用意されていたが、本作はシミュレーションRPGの要素を取り入れた事により、原作マップを再現ダンジョンが大量に増えることになった。
  • 更に豊富になったナムコ作品ネタ。
    • コスチューム「和田どん」「和田かつ」の技「たいこのたつじん」を使用することで、各テイルズ作品のフィールドBGMや、『リブルラブル』などのナムコの名作のBGMでナムコのゲーム『太鼓の達人』が楽しめるようになっている。
      • ちなみに後にニンテンドーDSで家庭用『太鼓の達人』シリーズが展開していくのだが、ある意味この「たいこのたつじん」は後のDSシリーズへの布石とも言える存在かも知れない。
    • ドルアーガの塔」関連のネタも豊富で、原作主人公である「ギルガメス」やヒロインの「カイ」ラスボスの「ドルアーガ」のコスチュームも登場する上に、うち「ドルアーガ」は『デスティニー』から術技の種類が本作独自の物に変更されているという力の入れっぷり。
      • 加えてクリア後の隠しダンジョンとしても「ドルアーガの塔」をモチーフにしたダンジョンが登場し、流石に全60面は無いがオリジナルを彷彿とさせるフロアの攻略法やアーケード版の物をほぼ忠実に再現したBGMから往年のファンはニヤリとするだろう。
    • 更に『ゼノサーガ』シリーズより「KOS-MOS」のコスチュームも登場。同コスチュームはボイスこそ無いが、「X・BUSTER」等原作を再現した性能で戦闘で活躍する事に。
  • 更に多くの敵サイドのキャラクターを操作できるようになった。
    • 本作では前作で登場したダオス・セルシウス・ワルキューレの3人に加えて、前作のラスボスであるタナトス、『エターニア』からシゼル、『デスティニー2』からエルレイン&バルバトス、『シンフォニア』からユグドラシル…と原作で大きなポジションにある敵キャラクターに加え、本作オリジナルのボニー&クライドまで使用できる。流石に隠しボスの一体は使用できないが。*2
      • 前作のダオス同様に敵専用だった「ジェノサイドブレイバー」や「エターナルファイナリティ」といった技も当然ながら使用可能である。細かな性能は本作準拠になっているが。
      • バルバトスに至っては、敵として対峙する時は原作でも行っていた各行動(アイテムを使う、防御する、魔法を使う)へのカウンター攻撃や打ち上げ・麻痺効果付きのタックルまで忠実に行ってくる。しかも本作は中級魔法以上は発動中戦闘が停止する仕様な為、カウンター昌術は原作と違い回避不能。カウンター昌術は詠唱中は無敵になるので阻止も不可能。
  • 装飾品が2つ装備出来るようになった。
    • 前作では1つだけだった為、純粋にキャラクター強化の幅が増えた。
  • レベルの上限が60から99になった。
  • 敵が落すガルドが大きく増加した。
  • 非戦闘キャラクターもゲスト多数。
    • 『デスティニー2』よりオリジナルのディムロスとアトワイトが特定のマップで登場している他、シリーズ初代作のGBC『なりきりダンジョン』の主人公コンビのディオとメルがなりきりショップの店主として登場、そして当時の最新作であった『リバース』から主人公ヴェイグとヒロインのクレアもゲスト出演するというサプライズも。

問題点

  • 主人公であるフリオとキャロの性格が前作と微妙に異なっている。
    • 前作の彼らとは別人であるため問題ないようにも思えるが、わざわざ変更する理由が不明であり、評価は芳しくない。
  • 移動システムがひたすら面倒。
    • 冒頭でダンジョンではSRPG風に移動すると述べたが、一般的なSRPGとの完成度は雲泥の差(悪い意味で)。
    • SRPGで多く採用されているマス目の移動ではなく、キャラクターの大まかな行動範囲を指定するタイプな為、キャラを動かすだけでもやたらと面倒。しかも移動中に障害物に引っかかるとそこで移動が終わるという仕様がある為、これまたストレスが溜まる。
    • 出演するキャラクターが前作よりかなり増えたため、前作のオーソドックスな操作では全員活かしきれない為このようなシステムを採用したと思われるが、完全にプレイそのものへの意欲を削いでしまう結果となってしまった。レビューでの批判もこれが大半を占めている。
  • 肝心の『デスティニー2』『シンフォニア』のキャラのグラフィックがイマイチ。
    • 売りであるはずなのに、この追加作品のキャラグラフィックがやたらと粗い。『エターニア』迄のキャラのグラフィックと見比べると完成度は一目瞭然で、彼等とパーティを組んで戦闘するとかなり浮いてしまう。
      • 『デスティニー2』のキャラは動き自体はほぼ原作通りで滑らかに動くのだが、『エターニア』基準のグラフィックに落とし込まれたため原作よりもグラフィックが粗くなっている。
      • 『シンフォニア』のキャラはモーションの枚数が少ないせいか、グラフィックが粗いだけでなく動き自体もどことなくぎこちない。
    • また、なぜか『ファンタジア』のすずのグラフィックが劣化している。
  • 相変わらず『デスティニー』からの悪役キャラクターが登場していない。
    • 本作では概要にもある通り、シリーズの敵サイドのキャラクター達も網羅しているのだが、容量の問題があったのかはたまたドット制作時間が足りなかったのか、何故か『デスティニー』からは一人も登場していない。
      • 『デスティニー』の悪役は他作同様印象的な技を持ったキャラが多い為、非常にもったいないと言わざるを得ないだろう。
  • やり込み要素が薄い。
    • 前作のボリュームややり込み要素に深みを与えていたボーナスアビリティ、修行システム、クエストシステムといった、やり込める要素が軒並み削除されている。
    • また、基本的にダンジョンの宝箱は位置が固定化した代わりに一度開けたら再入手が不可能になってしまい、ダンジョン探索の楽しみがやや薄れている。
      • ただ、上述の隠しダンジョンと隠しボスの存在や、シリーズ本編同様の料理熟練度上げも追加されている事から、やり込み要素自体は全く無い訳では無い。
  • 戦闘システムが代わり映えしない。
    • 音声がクリアになったという点は評価できるが、それ以外は全く変わっていない。新しいアクションが取れるようになった訳でも、独自のシステムが搭載されている訳でもない。
      ガードからの簡単な方向入力だけで済む「魔法攻撃をガード」「バックステップ」くらいは欲しかったところ。
      • 一応、本作の登場キャラのうち『シンフォニア』出身キャラであるロイドとコレットは同作におけるマジックガード相当のシステムであった防御奥義が使用可能だが、オリジナルとは異なり通常の特技扱いで、使用の際には特技欄を圧迫してしまう。
    • 他にも敵の耐性の扱いが前作より大雑把になってしまっている。無効以外にもダメージ減少などが設定されていた前作と異なり、耐性がある属性の攻撃は一律で無効にされてしまうようになってしまい、やたらと面倒になってしまった。
    • 細かい点だが、『デスティニー2』以降のキャラのボイスが原作よりやや早口になっている。
      • ただGBAでは派手なアクションや複雑なシステムを搭載するのが難しかったかもしれない。また本作は戦闘よりキャラクターの共演を重視しているジャンルであるため、重要視されないことも多い。
  • 歴代キャラクターの性能格差が相変わらず強烈。
    • 前作からのキャラクターもスタンは一部の術が強力な特技に変わった、リッドの一部特技が変わった、キールとメルディに幾つか召喚術を覚えるようになった以外はほとんど調整されていない、また、新規キャラクターに関して言えば『デスティニー2』のキャラクターは軒並み強く、『シンフォニア』全般のキャラクターは弱いと言われることが多い。
    • 威力の高い術技や秘奥義を多く覚える『デスティニー2』勢に比べ、『シンフォニア』のキャラクター達が覚える術技は軒並み微妙で、開発期間の関係かPS2版で追加された術技は一切無い。
    • 秘奥義を使えるのはジーニアスの物が『デスティニー2』のエルレインと重複している(流用可能)点を考慮した結果なのかロイドのみで、GC版より更に少ない。コレットの秘奥義に至ってはオミットされている始末。前衛キャラが全員秘奥義を覚える『デスティニー2』勢とは雲泥の差な扱いである。
      • 特にプレセアやリーガルは覚える術技が8~9個と少なく(通常は10個まで習得可能)、原作でのEXスキルによる補強も無い為、他キャラクターと比較しても目に見えて弱い。
      • ゼロスも覚える術技がどれもパッとせず、最後に覚える技がそれこそ中盤で覚えてもおかしくないような術「イラプション」…と典型的な器用貧乏キャラと化しているのに対し、原作では仕様上ほとんどの術技がゼロスと共通であったクラトスの方は強力な術「ジャッジメント」であるなど同じ出典でも差が酷い。
    • 『デスティニー2』勢が非常に強いのは他にも理由があり、単純な術技の性能のみならず原作のSPや命中/回避率の概念が本作では存在せず、かつ技性能も本作準拠の物に変更されている事から、それに伴いあたかもリミッターが解除されたかの如く強力になっているのである。
      • 特に、原作では重戦士キャラにもかかわらず命中の低さから物理攻撃役としてはほぼ起用されなかったロニはこの影響でかなりの強さを見せる。但し、秘奥義の前半部分に命中補正がかかっていなかったり戦闘が止まらないなど、原作準拠な仕様もそのまま引っ張ってきている箇所があるが…。
      • 逆に、原作ではエンチャントでカスタマイズしてこそ強みを特に発揮していたナナリーはこの強みが無くなり、原作で覚えた上級昌術も覚えなくなった為、かなり微妙なキャラクターとなってしまった。 
    • 一方、フリオとキャロの衣装の場合は、単なる僧侶の下位互換でしかならなかった「ドクター/ナース」には成功すると詠唱無しで唱術が発動する「でんきショック」が追加されたり、特技が逃走系しかなく役立たずだった「あそびにん」にも「猪・鹿・蝶」等の技が追加されそれなりに戦えるようになったり、魔法使いと能力が被っていた「おどりこ」もクラースの如く精霊召喚に特化した性能に変わったりと、主に強化や差別化が図られた物が多く、歴代キャラとの性能差が顕著になる事に。
  • 一部キャラクターの性格改変
    • シリーズでも人気の高いボスであるダオスやバルバトスがしょぼい小物に踊らされるという点は批判を受けた。
  • リオンとジューダスはどちらかしか仲間にできない。
    • 彼等の設定上、両方仲間になるほうが不自然ではあるのだが。一応フォローしておくと、主人公がなりきることで両者を同時に使用することはできる上に、登場するダンジョンでは某BGMをバックに二人が共闘を果たすという、ファン必見の演出も登場する。

総評

前作からキャラクターが多数増えたもののやり込み要素は多数減少してしまい、加えて難の多い移動システムやキャラクター性能の顕著なばらつき等、それ相応のフォローの乏しいままいたずらに風呂敷を広げ過ぎた故の粗が目立つ出来となってしまった。
良作と呼べるクオリティとは言い難いが、かと言って全く楽しめないほど崩壊している訳では決して無く、根幹の部分は前作の長所をしっかり引き継いでいる為、シリーズファンならば一度手に取ってみる価値はあるだろう。


その後・余談

  • 『なりきりダンジョン』シリーズは本作で終了し、以降はハードをPSPに移し『レディアント マイソロジー』シリーズが制作されることとなる。開発は本作と同じくアルファ・システムで、シリーズキャラクター共演という本作の特徴を受け継ぎながらも、大量のボイスやストーリーの強化など、GBAよりはるかに多い容量を生かした作風となっている。
  • 本作のTVCMは前作同様プロダクションI.G.によるアニメーションが使われているが、『デスティニー』のOPでハブられていたマイティ・コングマンが堂々と登場している事が原作を知るファンの間で話題になった。