GUNDAM THE 3D BATTLE

【がんだむ ざ すりーでぃー ばとる】

ジャンル ガンダムアクション
対応機種 ニンテンドー3DS
メディア 3DSカード(容量不明)
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 アートディンク
発売日 2011年3月24日
価格 6,090円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 突貫工事バリバリ過ぎる
光るところは多い
ガンバトの多くを流用
ガンダムゲームリンク


概要

ガンダムバトルシリーズの任天堂携帯機進出作品かつ、ニンテンドー3DS初のガンダムゲーとなる。
PVの時点で既に手抜き臭(背景が自機越しに見える等)があったことや開発期間の短さも指摘されており、非常に不安視する声が多かった。
ガンダムゲーのハード初期の作品はクソゲーが多いと言われているが、本作は一概にクソゲーとは断言できないものの、不安が的中することとなってしまう。

特徴

  • 大まかな操作方法はガンバトシリーズで磨かれたこともあり、簡単でやりやすい操作である。
    • 機体の基本操作方法はRボタンで敵をロックオン。Lボタンでガード。Bボタンでジャンプ・ブーストができる。
      攻撃方法はAボタンで射撃攻撃。Xボタンで格闘攻撃。Lボタンを押しながらYボタンで武器の変更。
  • すれちがい通信で育てたパイロットデータの交換が可能。
  • 3DS作品最大の特徴である立体視にも対応。奥行きを持たせることに成功した。
  • 参戦作品は『劇場版1stガンダム』『劇場版Ζガンダム』『逆襲のシャア』『ガンダムUC』等。残念ながら外伝系の作品はほとんどが省略されている。
    • ジオンに対して不足気味な連邦軍の機体数を補うためか、『08小隊』から陸戦型ガンダムと陸戦型ジム、『0080』からジムコマンドとジムスナイパーIIが登場している。また、G-3ガンダムにνガンダムDFFといったMSV系の機体もわずかだが収録されている。

評価点

  • ガンバトシリーズで使い物にならないと言われた格闘攻撃が大幅に強化された。
    • 攻撃範囲が広くなりダメージ量も多くなったため、格闘攻撃が有効なステージが多くなり、吹き飛ばす爽快感も大幅に大きくなった。
      • 敵は序盤から強力な攻撃を使ってくるので、こちらも格闘を多用した方がクリアはしやすい。
  • 3D機能は大きな好評を得ており、宇宙などからは奥行きを感じられると評価された。
    • ただし人の目にもよるのはご愛嬌。人によっては機体の一部装備が浮き出て見えることもある。
  • モデリングはPSPからの流用…だがリアルタイムシャドウやセルフシャドウを使用し、エフェクトも強化され従来の携帯機には無理な表現が実現されている。
    • 水の表現、空気感等が強化されステージも綺麗になった。また機体の影もちゃんと形になっている。その他諸々、表現にはかなり拘っている。
      • 特にギャラリーモードで好きな機体を3Dでじっくり眺められるのは大きい。
  • すれちがい通信で他人との成長が競えるようになった。
  • これまではチューンポイントは搭乗機体にしか使用できなかったが、共通で使用できるエクストラポイントの導入で他の機体にも使えるようになり、育成効率が良くなった。
  • ほぼゲストとはいえ『ガンダムUC』を参戦させており、各機体のモデリングや演出は良好。
    • ユニコーンガンダムはSP攻撃でデストロイモードに変身でき、その際には専用のカメラ演出も入る。ちなみにブーストダッシュ格闘はパンチコンボなのだが、OVA版最終作での決め手が素手格闘だったため、偶然の一致ながら原作を再現した形となっている。

問題点

  • 多くの部分はこれまでのシリーズからの流用である。変化がなく面白みも無い。
    • メニュー画面、ロード画面、選択画面と全てが流用で、やる気あるのかと言いたくなる。さらに下画面のタッチ機能がほとんど活用されておらず、初回プレイ時の名前入力などが面倒臭い。
  • 登場機体は200以上いた前作から2ケタまでに減少。短時間で登場機体の7割は使用できる。
    • 本作はシリーズ恒例(『アサルトサヴァイブ』を除いて)の宇宙世紀のみの収録だが、前作には収録されていた『ΖΖ』や『閃光のハサウェイ』などは収録されていない。本体更新などで機体を増やせるようにして欲しかったところである。
  • いくら細かく調整がされていてもモデリングは所詮流用であり、PSPのシリーズとは比べても大きな変化はない。
    • 3DSのマシンパワーを考えると、いっそのことポリゴンを一から作ってもらいたかったとの声もある。製作時間を考えると無理も無いが…。
    • 新規のユニコーン&シナンジュと既存の一部機体(ビグ・ザムなど)のテクスチャは、質感が据え置き機クラスまで強化されている一方、戦闘機やジムのような機体は同じゲームとは思えないほどノッペリで粗い。
  • 参戦作品の少なさが原因でボリュームがかなり減った。
    • 一応これを補おうとしたのか、ミッション中に出てくる機体数が多めであるなど、こういった工夫はそれなりに感じられる。
      • だがそれにしても補いきれないレベルである。基本的にガンバトシリーズを一度でもやったプレイヤーならクリアは比較的余裕と思われる。
      • また『劇場版Ζ』のシナリオはエゥーゴとティターンズの勢力が使えるが、原作で第三勢力として暗躍したアクシズのストーリーが無い*1。『バトルユニバース』ではあったのに。
  • また参戦作品の収録にも不満点が見える。
    • 『ΖΖ』が出ていない。これは本作の『Ζ』が劇場版基準であるとも考えられるが*2『ΖΖ』のMSやキャラは人気があるし、他のガンダムゲームでも『Ζ』が劇場版基準でも、『ΖΖ』はしっかりと出ている。
      • これに関しては機体だけでなく、シナリオや各要素を収録する余裕がなかった結果とも言える。また、『ΖΖ』は連邦(エゥーゴ)とネオ・ジオンで機体数の格差が大きいのもネックであった可能性がある。
    • また前述の通り『閃ハサ』なども収録されていない上に前作では機体のみ参戦した『センチネル』もいない。『UC』はあくまでゲスト参戦であり、機体はユニコーンとシナンジュのみ、パイロットはバナージとフロンタルのみと少数の参加に留まっている。
    • 機体数を補うための処置とはいえ、外伝系の機体はほぼ連邦軍専用で、ジオン側に対となる機体は収録されていない。本作に限った話ではないが、『ベルトーチカ・チルドレン』のHi-νガンダムがいるのにナイチンゲールがいないといった構成は少々残念ではある。
      • 一応、連邦軍のバストライナーに対してジオンにはスキウレがあるなど、SFSに関してはバランス良く収録されている。
  • 『バトルユニバース』では味方を選んで同時に出撃できたが、今作はそれが出来なくなっている。
  • キャラ紹介は簡単な説明文が数行のみ掲載されている程度で内容が薄く、無くてもいいレベル。
    • そもそも本作の参戦キャラ自体、それほど多くはないのだが。
  • すれちがいがあまり出来ない。
    • 他の大多数のソフトにも言える話だが、本編がボリューム不足のためそれを少しでも補うすれちがいができないのは結構痛い。
      • ただこれは売上というよりは、発売時期が悪かった方が理由としては大きいか*3
  • 3D表示時に処理落ちが激しい。
    • 一部オブジェクトの多いステージや、煙幕武器の多用、ガンタンクのミサイルやSP攻撃の連射でカクつく。
  • 必殺技にあたるSP攻撃が凄まじく弱体化。
    • 前作までは発動中無敵だったが、本作ではHPとはまた別のゲージで受け止める形になった。これが減っても最終的にはHPが減るのと何ら変わりはないので発生中は一部を除いて棒立ちになる。一応防御力が倍増し、貫通攻撃も無効化できるため強敵を相手にする際は役立つ。
      • 更には連射系と呼ばれるSP攻撃は本気で一発も当たらない*4。さすがに全く動かない戦艦系には当たるが、ボスクラスの敵には全弾回避されるのは当たり前。ザコにも当たらないこともある。恐らくは内部の射撃補正率が著しく下げられているためだが、使えないレベルまで下げる必要はあったのだろうか。また、当たってもすぐにダウン無敵に入られてしまうため威力が低くなりがち。
      • 一方で格闘系のSP攻撃は命中率が高く、威力も一撃必殺クラス。格闘攻撃の大幅強化によりそのチャージ攻撃にもゲージを回すことが多くなったため、ゲームバランス的にはそれなりに整っている。
    • また、ミサイル攻撃の調整が雑。弾速を落とさないとろくにホーミングもできないミサイルがある一方、ミサイルよりもホーミング性能が高いビームやグレネードが存在する。しかもグレネードランチャーより手投げグレネードの方が強い。
  • 本作だけではないが、ハードのサイズ上操作が難しい。
    • スライドパッドではダッシュが非常にしづらい。十字ボタンだと多少はマシになるが、元々の十字ボタンのサイズが小さいためにやはり操作しづらい。
  • なぜかフリーバトルモードが消滅した。

総評

「突貫工事」「時間の無さ」「流用」。この3つが本作を占めてしまう。開発期間の短さや初のハードの開発で苦戦し、突貫工事になってしまったのは制作者も認めている*5
ただし、これまでのシリーズの問題点を改善し次に繋げようという意気込みは窺え、3Dとの相性も良いなど固有の評価点もきちんと備えている。

余談

  • 後にシリーズ作品として、SEED系のコズミック・イラを舞台とした『機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY』が発売された。一方で宇宙世紀を舞台としたガンバトシリーズは、本作が現状の最終作となっている。
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最終更新:2022年02月25日 11:38

*1 一応アクシズのMSは使えるが、使うにはエクストラミッションで特定のステージをクリアする必要がある。

*2 『劇場版Ζ』はラストが『ΖΖ』に繋がらないED。実際本作も最終決戦シナリオでもカミーユが精神崩壊した様子は見られない。

*3 本作の初週売り上げは良くなかったが、最終的に売り上げは5万本を超えている。

*4 それまでのシリーズ作では、チューンしなくともエース機への切り札として機能するくらいには命中していた。

*5 公式ブログでも対戦機能を搭載する時間が無かったことを悔やんでいる