ロックマンX サイバーミッション

【ろっくまんえっくす さいばーみっしょん】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通)
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 カプコン
開発元 カプコン
ミッチェル(プログラム)
発売日 2000年10月20日
定価 3,980円(税別)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付与
配信 【3DS】バーチャルコンソール
2013年12月4日/628円(税10%込)
判定 なし
ポイント Xシリーズ初の携帯機作品
基本的にオリジナル版そのままの内容
アレンジ部分も微妙
ロックマンシリーズリンク


概要

『ロックマンX』シリーズ初の番外編的存在で、ロックマンシリーズ久々のゲームボーイ作品。
「『ロックマンワールド』のX版」とでもいうべき存在で、『X1』と『X2』からボスが4体ずつ出演している。

特徴

  • ストーリーの時系列は『X2』と『X3』の間に当たり、『X4』から登場しなくなったDr.ケインがチョイ役で出演している。
    • 時系列的には2と3の間となっているが、エックスやゼロのドット絵は当時最新作だった4に準拠している*1
  • プレイヤーキャラはエックスのみ。ゼロは特殊武器「ゼロスクランブル」によって呼び出せるお助けキャラという扱い。
    • ゼロスクランブルは強化パーツ扱いで、片方のモードの強化パーツのあったカプセルから入手する事になる。
  • 原作の隠し要素の波動拳と昇龍拳も登場。
    • ただ、コマンド入力が難しいハードに合わせてか、コマンドが変更されており、ボスに対しての威力はかなり低い。
  • ゲームは、4大ボスを倒して最終面に挑む「ノーマルモード」から始まり、これをクリアすると残りの4ボスと戦う「ハードモード」が出現する。
    • ハードモードはノーマルモードの後日談という扱いで、ノーマルモードのクリアデータを引き継ぐ事ができる。
      • 2つともクリアすると、両モードのボス全てと戦える「エクストリーム」モードが出現するが、これにはクリアデータは引き継げず、イベントや会話デモも存在しない。
  • 一部、ボスの弱点武器が変更されている*2
  • 各種ステージは原作のステージを踏襲し、トラップ等変更は非常に少ない。
    • 原作から明確に変更のあるステージはシグマステージ1と最終ステージ。前者は原作ではシグマステージ1の大イベントだったゼロの自爆シーンは設定の都合上カットされ、代わりにシャドウハンターとの再戦が待ち受けている。
    • 後者は本作唯一の完全新規ステージ。同ステージでは本作独自の仕様としてボスラッシュの人数がモードに応じて変化するようになっている。
  • 本作は再開方式が原作のパスワード制からセーブ制に変更されている。その為メモは不要。
    • またステージ中のリトライポイントでオートセーブをする事が出来、再開時にリトライポイントから始めることが可能。
  • 『X2』以降と同じくダッシュ能力はデフォルト装備となっている。
    • このためフットパーツによる追加能力は「壁蹴りがダッシュ壁蹴りになる、壁蹴りで一部ブロックを壊せる」のみとなっている。
    • この影響か、SFC版ではフットパーツ入手のついでに真っ先に倒される最弱ボスとして有名だったアイシー・ペンギーゴは性能が上方修正されている。
  • 『ワールド』シリーズ同様、本作にはオリジナルボスとして、「シャドウハンター」という2体のキャラが登場している。
    • また本作オリジナルキャラクターとして「ミディ」「テクノ」が追加されている。無印シリーズではおなじみだったが、Xシリーズとしては唯一の音楽ネタからの命名である。
  • ステージセレクト時のボスの名前が英語からカタカナに変更されている。

評価点

  • 携帯機で再現されたハイスピードアクション
    • 基本的な操作は十字キーでプレイヤーの移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃など、ロックマンワールドシリーズで既に確立した物を採用。
    • 今作のダッシュは本家のスライディングと同様に下+Aの簡単なコマンドで繰り出せる他、前x2のコマンドでも出す事が出来る。
      • 今作は初代Xをベースにした作品なのだが、X2以降同様にデフォルトで使用できるため、OPステージの時点でシリーズのウリであったハイスピードアクションを堪能する事が出来る。
    • ダッシュ壁蹴りはゲームボーイの少ないボタンに配慮している関係でフットパーツの効果に変更されたのだが、フットパーツ自体が非常に簡単に手に入る物だけあってか、原作の少々複雑な操作を経由せずに使用出来るのが良い。
  • 独自性がある攻撃系統
    • 今作の操作や攻撃系統は初代XやX2をベースとしているのだが、数が少ないとはいえ、今作ならではのアレンジが施された攻撃も見られている。
    • 最大チャージのスパイラルクラッシュバスターは多段ヒットを重視しているらしく、無敵時間の短い雑魚敵には非常に強力だが、ボスに対してはダメージが非常に低くなる関係で使いづらさが指摘されていた。だが、今作では単発型に変更された事で一発あたりの威力が上昇し、結果的にボス戦でも十分使っていける性能に。
    • ストームトルネードは原作では非常に強力で、ステージ道中は基本的にこれだけで行けてしまうバランスブレイカー気味な性能だったが、今作では威力が大幅に抑えられている事から、妥当な性能へと生まれ変わった。
    • チャージ版ラッシングバーナーは原作とほぼ同様の性能なのだが、今作ではダッシュジャンプが使いづらいという事もあり、ダッシュジャンプの代わりの安定した空中移動技として使って行ける。
    • チャージ版ローリングシールドは今作ではチャージ版カメレオンスティングを彷彿とさせるトゲを無効化する能力を獲得。チャージ版ラッシングバーナー同様にダッシュジャンプの代わりに使える様になった。
  • 今作独自の敵配置
    • 今作は基本的に原作に忠実なステージ構成なのだが、容量の都合で敵の数が少ないものの別作品で登場したキャラが流用されている部分も見られていて、ワールドシリーズの特徴だった所謂「クロスオーバー」的に楽しめたりすることが出来る。
  • 演出面のアップデート
    • 今作はシリーズ初期に発売された2作の携帯機移植という事なのだが、ストーリーの要所要所で当時存在していなかった一枚絵が表示され、かなり迫力がある。
    • 一枚絵の存在により、作品内の演出が当時より豪華になったと言えなくもない。
  • GBソフトとしてはステレオ音源が良く効いており、イヤホンなどで聴くと左右からかなり音の広がりを感じられる。
    • バーチャルコンソール版の場合イヤホンを用いなくとも、3DS本体の擬似サラウンドスピーカーで聴くと迫力ある音源が流れる。
    • スパーク・マンドリラーステージやシグマステージ1などの評価が高い。
    • 今作ではタイトル画面のオプションを経由してサウンドテスト画面へ移行する事が可能なので、いつでも今作の音楽を全て聴く事が出来る。
    • しかし、問題点もある(後述)。

賛否両論点

  • 各ステージ構成はSFC版からさほどアレンジされておらず、ゲーム全体でオリジナリティに欠ける。本作で初めて触れるプレイヤーならばさほど気にならないと思われるが…。
    • まず、オープニングステージからして「ハイウェイでの戦いで中ボスを撃破すると床が崩れる」「ボスがライドアーマーに乗ったVAVA」と原作と全く同じシチュエーションから始まる。
    • 8ボスステージの方もフレイム・スタッガーステージでは「下から吹き上げてくるマグマから全力で逃げる」、マグネ・ヒャクレッガーステージでは「レーダーに当たった回数で中ボスがパワーアップする」など、原作ステージにおける大きな特徴まで全く同じである。
    • 各種ボスの攻撃パターンや取得可能な特殊武器の性能も弱体化・強化されていたりと今作向けに調整されている物が多いものの、基本的に原作と変化が無い物が多い。
      ボスの攻撃が原作の使いまわしばかりという事から戦って新鮮味に欠ける上、特殊武器の使い勝手も殆ど変わっていない。
    • シグマステージの多くまでもが原作そのもので、ステージ内のギミックまでも原作から丸々流用してしまう始末。
      『ワールド』では、最終面は毎回新規だったのだが…。
    • 同様に『X2』のステージも特殊チップを用いた演出がカット・簡略化されていて、原作と比較して「物足りない」という意見も多い。
    • ライフアップやアーマーといったステージ内で獲得可能な強化アイテムの位置や取得方法も大体原作と一緒。新しい部分と言えば一部ヘッド・フットパーツ絡みが追加されただけ。
      このため、原作プレイ済みの場合は後期ロックマンシリーズの特色である「ステージ探索」のやりがいが薄れてしまう。
    • 挙げ句の果てに、最終ボスたるシグマも、変身前・変身後共に『X1』と同じ姿。その上後日談の筈のハードモードでも、同じ姿で現れる。
    • 「本作ならでは」の要素といったら、デモ画面の存在や各種隠しモード、ゼロスクランブルに追加ボスであるシャドウハンターに完全新規ステージとなる最終ステージと、細かい物程度しかないのは哀しい。

ここまで読むと「SFCの名作をゲームボーイに完全移植している」と思われがちなのだが、原作再現度に関しては欠ける部分がある(後述)。

問題点

  • 原作から劣化点の多いステージ
    • 上述の通り、本作は基本的なステージ構成こそ原作の流用といった内容なのだが、原作からの劣化点も多く、残念ながら「完全移植」とは程遠い出来である。
    • 各ステージは容量の都合上、ステージ内の各エリアが短縮され雑魚敵の一部もカット。おまけにゲームボーイに画面比率を考慮せずに移植している点から画面が全体的に窮屈になってしまった。
    • 雑魚敵の一部がカットされステージ内の各エリアも短縮された事によって、殆ど敵のいないスカスカなシーンやエリア内のボリューム不足も目立つようになってしまった。
      結果、今作では原作経験者から「あれ、もう終わり?」と物足りなく感じてしまうエリアが本作では頻発する事に…
      • 例えば、アイシー・ペンギーゴステージにおける最初のエリアは様々な雑魚敵が登場する内容になっていたのだが、GB版では木こりの雑魚が2体配置されているだけですぐに洞窟のシーンへ移動するという、非常に物足りない内容になってしまっている。
        ステージ前半における最大の難所である地面を転がってくる雑魚が多数配置されている縦穴も大幅に短縮されてしまっている。
      • ストーム・イーグリードステージ序盤では雑魚敵が何体か配置されている中で距離の長いリフトで上昇するという序盤の山場のエリアになっていたのだが、今作では雑魚の数が原作から更に少ないどころか殆どいないというレベルで、リフト地帯も短いという内容になっている。
        ステージの難所である中盤のリフト地帯もリフトと敵の数が非常に少なくなってしまっている。
      • フレイム・スタッガーステージ前半の縦穴でマグマに追われるエリアは、原作では頂上までの距離が長いという事から、まさにデッドヒートとも言うべき印象の構成だったのだが、今作では縦穴の距離が短くなった事によって、非常にあっさりした印象のシーンになってしまった。
        同様に、ボス直前の雑魚が多数出現する縦穴もステージの難所であったのだが、雑魚の数が少ない上すぐに頂上に辿り着いてしまうため、かなり物足りない内容に。
    • X2を出典とするステージの中には丸々カットされてしまったシーンも存在する。
      • 原作のホイール・アリゲイツステージでは最初のリフト地帯を乗り越えると雑魚が数体いるエリアを抜けた後にライドアーマー地帯へ移動したり、ライドアーマー地帯の後もリフトや雑魚地帯を経てカウンターハンターの部屋付近に辿り着く構成になったのだが、今作では最初のリフト地帯を超えるとライドアーマー地帯に移動し、その後もカウンターハンターの部屋(今作ではギーメルの部屋)に移動する変な構成に。
    • 今作におけるエリア内のボリューム不足は当然ながら難易度やゲーム全体のボリューム面にも大きな影響を残しており、原作から変化が少ない内容も相まって、原作経験済みのプレイヤーは購入から短期間でオールクリア出来てしまう程。
  • 本作のBGMは原作のアレンジなのだが、一部BGMのテンポが原曲と違う。
    • フレイム・スタッガーステージは原曲から異様に遅くなり、メタモル・モスミーノスステージは異常にテンポが速くなっている。どちらもステージの雰囲気に合ってない。
    • ちなみにシグマステージ2(『X2』のカウンターハンターステージ3)のBGMはテンポが速くなり、ステージの雰囲気がかなり変化している。*3
    • ゲームオーバーやオプションの画面に使われている曲も異様に遅くなっており、かなり間抜けな印象を受ける。続編ではテンポが改善されている。
    • ちなみに本項で述べたスタッガーをはじめとする一部ステージBGMには何故か新規のフレーズが追加されているが、わざわざ既存曲にフレーズを追加するなら、原作のBGMの再現を優先するべきだったと言わざるを得ないだろう。
  • 強すぎるバスター連射オプション
    • 今作はオプション画面でXバスターの自動連射機能の有無を設定出来るのだが、これがかなりの強さ。
      • というのも、バスターのオート連射の際に一度に発射されるバスターの弾が、どういうわけか原作の3連射から4連射に増加している。
      • このため、無敵時間の存在しない雑魚敵や中ボスに対して非常に強く、出会い頭に大きめのダメージを与えられるオートチャージからの貯め撃ちの存在も相まって、ステージ道中では基本的にほぼバスターだけで進める様になってしまった。
    • ステージ道中がバスターゲーと化している反面、ボス戦は特殊武器やチャージショットの方が効率良くダメージを与えられるので、結果的に今作はそこまでバランス崩壊に至っていないのが救い。
  • ダッシュがやりづらい。
    • ボタンが少ない関係で、ダッシュの操作が本家のスライディングと同じく↓+A、または十字キーの横を2度押しとコマンド式になってしまったため。
      • ↓+Aはスライディング感覚で使う分なら使い勝手は非常に良いものの、なぜかダッシュジャンプができない*4
        この入力方法でダッシュジャンプができないのなら、十字キー横2度押しの方を多く使用するべき…と言いたいところだが、この操作では目の前の床に穴やトゲがあったりする際に誤爆して残機を失ってしまう可能性があり、どうも安定性に欠ける。
      • 一方でダッシュ壁蹴りの方はフットパーツの効果で自動的に使用出来る上、飛距離も通常ダッシュジャンプとほぼ同様に長い。
        その結果、ガケのあるエリアでは通常のダッシュジャンプではなくダッシュ壁蹴りを積極的に使用するという本末転倒な状況になってしまった。
      • ちなみに、特殊武器のラッシングバーナーとローリングシールドのチャージ版をダッシュジャンプの代用として使用する事ができるのだが、どちらもチャージ版の特殊武器という関係で使用できる回数に限りがあるデメリットを持っている。
    • ちなみにオプションのキーコンフィグでスタートボタンにダッシュを割り振ることが出来る「スピードタイプ」が存在するのだが、ボタン配置のせいでほぼ意味がなくなっている。
      • ダッシュの度にスタートボタンに親指を移動する人は果たしてどのくらいいるのか。
      • 今作のダッシュ壁蹴りはフットパーツの能力に変更されている関係なのか、フットパーツを取得していない状態でスタートボタンとジャンプを用いてもダッシュ壁蹴りを使う事が出来ない。
        というより、そもそもスタートボタンを用いたダッシュ自体が誰得なのだが…
      • キーコンフィグは「ノーマルタイプ」と「スピードタイプ」を変更できるのだが、違いはスタートボタンの項目が「つかわない」か「ダッシュ」かの違いのみ。
        ノーマルタイプの存在は、プレイ中に間違ってスタートボタンを押してダッシュしてしまいたくない人への配慮(後述)だろうか。
      • あまりにも必要性がなかったためか、このモードは続編で削除されている。
  • とても紛らわしいポーズボタン絡み
    • 今作は上述のダッシュモード設定の兼ね合いでポーズメニューはセレクトボタンで開く形式になっているのだが、一般的なゲームではスタートボタンがポーズメニューを開く事が常識になっているので非常に紛らわしい。
      挙句、スピードタイプに設定していた場合は、ボーズメニューを開いたつもりで誤ってスタートボタンを押す事によってダッシュが暴発。場合によっては穴の底へ真っ逆さまorトゲに激突というシチュエーションが起こってしまう。
      • ポーズメニューを開くボタンが非常に紛らわしく、スピードタイプも非常に使いにくい物だった事もあってか定着せず。不満だらけだったという事からか、結局次回作でスタートボタンでポーズメニューを開く形式に戻った。
  • ゲームスピードの悪化
    • リトライポイントを通過する際に画面がホワイトアウトし「オートセーブ」と表示され一時停止するので、ゲームのテンポが悪化している。シリーズの売りであるハイスピードアクションを堪能できない。
      • ダッシュジャンプでリトライポイントを通過しても、オートセーブの表示の後真下の地面に立ち止まった状態で再開するため、いっそうテンポが悪い。
      • おまけに特定のステージ内で戦う事になる全ての中ボスの前にステージボス前シャッターが追加されてしまい、ゲームテンポの悪化に貢献している。
    • 続編ではGBC専用になった為、オートセーブ時の一時停止も改善された。
  • 隠し要素として波動拳と昇龍拳が存在、両方一緒に手に入るが、どちらも威力が大幅に落ちていて、使い道が少ない。
    • 今作ではコマンドが簡略化されていて、波動拳はチャージしてから十字キー下を押しながらボタンを離す、昇竜拳は上を押しながらボタンを離す事で出せるのだが、実はクセのある物である。
      • というのも、今作では下+Aにダッシュが割り振られているので、このコマンドを経由しつつダッシュ攻撃しようとすると、ショットのチャージ状況によっては硬直が長く威力も低い波動拳が暴発してしまう可能性がある。
        これを防ぐには、ダッシュ攻撃の際にはチャージを2段階目で止めたりニュートラルの状態から最大溜めを出す横x2からダッシュ攻撃をする必要がある。
        一発の火力が下がる・動きが止まる・コマンドが暴発すると、いずれも難があると言わざるを得ないだろう。
  • 尻すぼみなハードモードのストーリー
    • 今作の物語は実質的に新キャラのミディ及びテクノ兄弟が物語の主人公を務めているのだが、その二人の物語がノーマルモードだけで終了してしまう。
      そのため、メインとなる物語に決着が付いた後のハードモードはどうも盛り上がりが薄い展開が続く事になってしまった。
    • ちなみに、ハードにおける物語ではシャドウハンターの片割れのギーメルが事件の発端となるのだが、彼は中盤辺りで倒された後は物語からフェードアウトしてしまう。残念ながらハードは彼の物語とは言い難い内容である。
    • そもそもハードモードは、新キャラ兄弟が登場しないにもかかわらず事件の原因も解決方法もノーマルモードとほぼ同じ(つまり、テクノがやったのと同じことを、ギーメルが彼抜きでやってしまっている)なので、兄弟の存在意義自体が怪しくなってくる。
  • シャドウハンターについて
    • X2のカウンターハンターに代わって登場した今作オリジナルのライバルキャラクターであるシャドウハンターは、鳴り物入りで登場した割には双方とも弱すぎる事から、原作でプレイヤーを苦戦させたカウンターハンターの代役としては非常に厳しい。
    • また、2名のキャラに関しても問題がある。
      • ザインは、寡黙な性格という設定であり、悪役のテンプレ的なセリフしか喋らない為、キャラ立ちが弱い。もっとキャラが練り込まれていたら、ギーメルの頼れる兄貴分的なキャラとして認識されていただろうに。
        その一方で相方のギーメルはもう嫌ってほどキャラが立っているのだが、おかげでザインは益々影が薄くなってしまった。
  • その他システム面
    • オプションでオートチャージを設定するとバスターのチャージが自動的に行われる様になるのだが、残念ながら特殊武器のチャージには対応していない*5
      このため、チャージ版の特殊武器を使いたい場合はボタンを押し続けて溜められるよう、いちいちオプション画面に入りオート連射設定を切らなければならなくなる。面倒であると同時にゲームのテンポも更に悪化してしまう。
      • この点は残念ながら次回作でも改善されていない。
  • カラー以前のゲームボーイで多発する処理落ち
    • 今作はゲームボーイ&カラー共通のカセットだが、初代・ポケット・SFC周辺機器のスーパーゲームボーイなどで遊ぶと処理落ちが多発し、スピーディーどころか「ワールド」シリーズよりも遅いとすら言える挙動に。
      • 敵が2体以上出ると処理落ち、ダッシュジャンプで画面をスクロールさせている時に処理落ち…など、ゲームに支障をきたすレベルである。
      • ならカラーで遊べば良い…と思うかもしれないが、白黒対応と書いてあるのを見て購入した人もいるだろう。
    • カラーで遊べばSFCの原作に負けないほどのスピード感を味わえる(前述の問題点はあるが)。それ以外の機種での対応は必要だったのか?と疑問に感じてしまう。

総評

ファミコンソフトを下敷きにした『ワールド』とは違い、本作はスーパーファミコンソフトが下敷きなので、ゲームボーイに落とし込んだ事を考えれば無難な出来と言ったところか。
とはいえ、ステージ距離の短縮をはじめ、ゲームテンポの悪化や屋内エリアの狭さなど、移植の際に生じた劣化点についてはなんとかして欲しかったと言わざるを得ないだろう。

その後の展開

  • 本作の翌年には続編『ロックマンX2 ソウルイレイザー』が同じくゲームボーイ向けに発売された。
    • こちらの方はカラー専用になった事に伴い、据え置き機からの移植からリメイクに方向転換した作品だが、残念ながら多数のバグで評価を落としてしまった一作である。
  • 今作は3DSのバーチャルコンソールにて配信中。
    • 後に今作の原作に当たるSFC版X及びX2もNEW専用ではあるが同じくバーチャルコンソールで配信されている。VCでの今作の値段は628円(税込み)と原作2作ともダウンロードした際の価格の半額以下なので、所謂「原作の体験版」と割り切った上で購入を検討しても良いかもしれない。
    • なお、3DSへの移植に伴い点滅表現が規制された事に伴い、マグネ・ヒャクレッガーステージ序盤のサーチライト地帯の難易度が少し上昇しているので注意。

余談

  • ホイール・アリゲイツステージで、ある方法を使ってパーツカプセルに入ると、「ライ」という文字をバスターとして発射するようになるというバグがある*6
    • とはいえ、これは意図的に狙わなければ遭遇できない類のバグである。
  • 後の作品への影響
    • 後にPSPにて発売された初代Xのリメイク『イレギュラーハンターX』では今作で導入された要素の一部が登場している。
    • 今作のオープニングステージのボス戦では戦闘前にVAVAが一言セリフを喋るのだが、同作のオープニングステージでもそれを彷彿とさせる様なシーンが存在する。
    • 同作のアームパーツは入手した時期に合わせて最大チャージの性能が2種類に変化するのだが、そのうちの一つが今作を彷彿とさせる様な性能になっている。
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最終更新:2023年02月24日 08:37

*1 ステージ開始時・終了時のエックスのモーションや、ゼロスクランブルのゼロの技など

*2 これは『ロックマンワールド』シリーズも同様。

*3 後に『ロックマンX6』のゲイト研究所ステージにアレンジされている。

*4 同じGBの『ワールド』シリーズでは同じコマンドでスライディングジャンプが出来た。

*5 ただし特殊武器はチャージしたかで性能や消費が大きく変わり、X4以降のように別でボタンが用意出来ない事情もある為、チャージされない方が自然ではある

*6 さらに、装備や向きを変えると「トは」「かせ」といった文字も発射される事もある。「ライトはかせ」という文字がグラフィックに上書きされてしまっているようである。