ロックマンX2 ソウルイレイザー

【ろっくまんえっくすつー そうるいれいざー】

ジャンル アクション

対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
発売元 カプコン
開発元 カプコン
バリューウェーブ
発売日 2001年7月19日
定価 4,179円
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2013年12月25日/600円
判定 なし
ポイント バグチェッカー1人は無理があった
「移植」から「リメイク」へ路線変更
ダブルヒーロー制の先駆け
ロックマンシリーズリンク


概要

『ロックマンX』シリーズの番外編的存在で、前作『サイバーミッション』に続く携帯機用作品。
X5』と『X6』の間の時期に発売された。

特徴

  • ストーリーは『X3』と『X4』の間に起こった事件という設定で、『X4』に登場した「アイリス」がオペレーターとして登場している。
  • 敵からアイテム「DNAソウル」を入手する事で、強化パーツを開発(購入)できる。この購入システムは『X8』に逆輸入された。
  • 8大ボスは、『X1』と『X2』から各2体、『X3』から4体が出演している。特殊武器の仕様が本家から変更されている者もいる。
    • 例:ファイヤーウェーブの効果が原作ではボタン押し続けで炎を出し続けるものだが、本作では原作で言うところのチャージ版を使う事ができる。
    • 前作とは違い、SFC版と構成が変化しているステージが多い。
  • ゲームは、エックスとゼロのそれぞれを主人公としたミッションが用意されており、戦うボスもそれぞれ異なっている。
    • ゲーム後半では、2人を切り替えながらプレイする事も可能となる。これは後の『X7』・『X8』における「ダブルヒーロー制」の原型と言える。
    • 両ミッションをクリアすると、2人で事件の黒幕(というかいつもの人)に挑む「エクストリームミッション」が出現する。
      • エクストリームではボスキャラが新たな攻撃をしてくるようになるので油断していると痛い目にあう。
      • またダブルヒーローシステムの仕様もあってかラスボスの第2形態は恐ろしいほど強い。シリーズでもトップクラスとの声も。
  • 本作で操作可能となったゼロは基本的に『X4』基準の性能となっているが、本作では以下の仕様が追加されている。
    • エックス同様パーツカプセルのライト博士から性能アップを施してもらえる。
    • ラーニング技の技名が本編とは違う名前の趣向となっている。
      • 例:原作では「龍炎刃」というように漢字表記だった技名が「ライジング」というようなカナ表記の技名に変化している。
  • 本作オリジナルボスとして『ベルカナ』『ガレス』等が追加されている。
  • ボスラッシュモードの追加。
    • エクストリームクリア後に新たに出現するモードで、本編に登場した8体のボスの他に前作『サイバーミッション』に登場したボスと戦う事が出来る。

評価点

  • 携帯機リメイクならではのオリジナリティの数々
    • 前作は移植色が強く独自性が皆無だったが、今作では独自要素が大幅に強化され、「移植」から「リメイク」に方向転換したと言える。
    • 各種ステージはGBに移植されるに当たって、オリジナルから大胆に変わっているステージが多く新鮮味がある。
      ステージ内では「一定時間でプレイヤーが流されるor即死効果を持つ水流が流れてくる」「原作ではダメージ程度で済んでいた溶岩が即死効果に変化」等オリジナルでは見られなかったギミックが多い
      更にステージ構成も「X3のOPステージ冒頭で登場した中型敵を次々と乗り移りながらボスが待ち受ける要塞に侵入する」「原作では強制的に中ボスと戦わなければならなかったが、ルート選択によっては中ボスと戦わずに済む様になった」等々、オリジナルとは丸々異なっていたり原作から改善された物も見受けられている。
    • 8ボスの攻撃は基本的に原作を踏襲しているものの、バーニン・ナウマンダーにおける「雄叫びを上げながら炎の雨を降らす」といった新たな攻撃が追加されたボスや、シャイニング・タイガードの「基本的に壁に張り付いた状態が実質の基本フォーム」という様に攻撃パターンそのものが原作から変更されているボスも存在する。
      特にエクストリームモードでは通常モードや原作とは全く異なる攻撃を繰り出すボスも多く、1作で2度楽しめると言えるだろう。
    • 特殊武器の性能も原作から変更されている物も多い。
      中にはエクスプローズ・ホーネックの「ボムビー」やシャイニング・タイガードの「レイクロー」等々、通常チャージ版問わず原作からよりボスの攻撃に近い性能の特殊武器に差し替えられたケースも存在する。ある意味では本家シリーズへの原点回帰と言えるだろう。
    • そして、OPステージや後半ステージで待ち受ける8ボス以外のボスも原作では登場しないオリジナルキャラクターが多い。
    • 新システムも魅力的。前述の通りダブルヒーローシステムを先行した功績は大きく、購入システムの中毒性も高い。
  • ボリューム
    • エックス編・ゼロ編・エクストリーム編と完全クリアに計3周必要なのはGBにしては結構なボリュームである。
    • しかも8ボスだけならば前作のボスとも戦えるため、結果的には本編を含めても最高の16ボスということになる。
  • ファンサービス要素
    • 過去シリーズのボスは勿論、BGM、アイリスの登場などファンサービス要素はなかなか豊富である。
  • BGM
    • 若干テンポの早い曲もあるが、ステージの雰囲気に合わせたアレンジとなっている。前作のように妙なテンポの曲はない。
    • うち『X3』出身曲については曲調こそは賛否両論を巻き起こしたPS/SS版が元になっているものの、収録されている機種故に違和感が無いため、アレンジの曲調自体は好評を得ている。
    • GBC専用ソフトとなったためか、ノイズの音質が良くなっている。
    • ただし、問題点もある(後述)。
  • 屋内エリアが広くなった
    • 前作では「据え置き機で発売されたゲームを携帯機に移植」というスタンスの関係で、ゲームボーイの狭い画面に対して比率が上手くとれてないクチがあったため、野外はともかく建物内のエリアに入ると急に狭くなってしまう難点があった。
    • しかし、本作では画面比率を考慮した結果なのか、全体的に屋内エリアが広くなり、前作で見られていた「窮屈感のあるステージ」が大きく解消されているのは褒められる点ではある。
    • 屋内エリアが広くなった関係により、ボス戦も「とても広いエリアをダッシュで翻弄しながらボスと戦闘する」というシリーズの醍醐味を携帯機で再現出来ている点は十分に合格と言えるだろう。

賛否両論点

  • オリジナル新曲は無し。
    • 本作のBGMは評価点の項にある通り、概ね良好な評価を得ている反面、前作同様に本作独自に書き下ろされた楽曲は存在しない。
    • この為か「携帯機で新キャラを出すのなら、彼らのBGMもオリジナルにして欲しかった」という意見も見受けられている。

問題点

バグ・不具合面

  • 本作のバグチェッカーは1人しかいない(前作は2人)からか、バグや修正ミスが多い。
    • バーニン・ナウマンダーとランチャー・オクトパルドのステージのBGMが逆になっている。海外版では修正されている。
    • ライフアップアイテムを入手した後にライフが0になると、アップした筈のライフゲージが元に戻っており、更にアイテムも再入手できなくなる。*1
    • ワイヤー・ヘチマールステージのある場所で特殊武器のファイヤーウェーブを使うとフリーズする。
    • 最終面における復活ボスとの戦闘中にエスケープユニットを使うといきなりエンディングに突入する
+ ボスの弱点に関するバグについて書かれており、弱点ネタバレを含むため隠します。
  • SFC版『X2』では、ワイヤー・ヘチマールにソニックスライサーで止めを刺すと体が真っ二つになる描写があったが、本作ではソニックスライサーが登場するものの、なぜかファイヤーウェーブで止めを刺した時にこの描写が見られるようになっている。
    • 今作ではどちらの武器もヘチマールの弱点だが、ファイヤーウェーブは今作独自の弱点武器であり、BGMの件もあって描写が表れる弱点武器を間違えてしまった可能性がある。*2
  • ボスラッシュのサイバーコースで、スパーク・マンドリラーはダッシュしながらゼットセイバーで攻撃するとなぜか一定時間凍ってしまう(ダメージは通常と同じ)。
  • このようにゲーム性に欠く致命的バグが多いのだが、これについてカプコンは「仕様」と主張した。でありながら、これらのバグは海外版で全て修正されている。
    • 初期のクソゲーWikiに本作の記事ができていたら「企業問題ゲー」に分類されていたかも知れない。
  • 後の「ロックマンX サウンドBOX」の発売時インタビューによると、バグを修正する時間がなかったらしい。

その他

  • ボスに対してのエックスのチャージショットが弱い。というか通常弾が強い。
    • エックスのバスターの攻撃力が底上げされて、通常弾でも「2」となっている。
    • 一方チャージショットの攻撃力も「2」。これによりボスに対してのチャージショットは当たり判定が大きくなるだけとなり、Xシリーズどころかロックマンシリーズ全てを見回しても最低の性能となっている。
      • 攻撃力が上がるのはアームパーツ取得後の2段目のショットまで待たなくてはならない。もちろん時間当たりのダメージがガタ落ちするのは言うまでもない。
  • 一部、開発できるパーツの中で強力なアイテムがある。
    • 「アルティメットバスター」はチャージをせずにチャージショットを放てるようになるパーツ。
      • 『X5』などでは連射ができなかったが、今作では通常弾と同じように3連射できる。ステージ中の雑魚敵には無類の強さを誇る。
      • 一方ボスに対しては前述の理由で攻撃力上昇が望めないほか、とある隠し技が使えなくなる。チャージ時間が半分になる「ハイパーチャージ」よりも安く、そして早く手に入るのはこういうことも考慮に入れた結果だろう。
    • 「バスタープラス」はバスターの攻撃力を上げるパーツだが、その上昇量がかなり多く、「プラス1」「プラス2」の両方を付けたときの上昇量はなんと「3」である。
      • 大したことないと思う人もいるかもしれないが、このゲームのボスの体力は「32」である。そして弱点武器で与えるダメージはおおよそ「4」。つまり、弱点武器よりも癖がなく無制限に使える初期装備で常に大きなダメージを全てのボスに対して与えられることになる。
  • 明らかにエックスが有利なゲームバランス
    • この点自体は『X4』でも同様*3*4ではあったが、本作のボスはエックスで戦うことを想定された*5『X3』までのボスであるため、ゼロでは厳しいボスが多い。
      • 特に『X3』のボスは体当たりが多いので殊更にキツイ。しかも4体ともかなり曲者で、もはや狙ってやっていると邪推してしまう。
    • 前述したようなエックスの通常弾の仕様や、パーツの強力さも一因。
      • ゼロはジャンプ斬りの攻撃力が「3」であるため、火力的にはエックスを上回っているが、このジャンプ斬りがかなりクセのある性能で*6、利便性の面ではエックスに劣る。
      • パーツについても、「アルティメットセイバー」は威力があまり上がらないし、「セイバープラス」も元の攻撃力が高いためにエックスほどの効果が見込めない。
    • 止めと言わんばかりにゼロの特殊武器ゲージは全ての武器で共通。エックスに比べて消費エネルギーが少ない・・・なんてことはもちろんない。
      • 一応フォローしておくとゼロの特殊武器はゲージ消費が無いものもあるし、消費があるものもかなり高性能である。*7結論として通常武器も特殊武器もアッパー調整をした結果、通常武器が行き過ぎてしまったといえる。
      • エックスにも同じことが言えるし、通常武器はエックスの方が使いやすいためにこうなってしまった。
  • エクストリームでは、各ボスに止めを刺した主人公しか特殊武器を入手できない
    • エックス、ゼロミッションでは片方のシナリオをクリアするともう片方のシナリオで入手した特殊武器の属性を引き継いでスタートするので問題ないのだが…。
    • 止めを刺す主人公によって、特殊武器で壊せる壁が壊せない等の理由で入手できなくなるパワーアップパーツがある。
      • 「ファイヤーウェーブ」は、エックスとゼロで同じ見た目・性能の物だが、この武器で壊せる壁もエックスでしか壊せない。
      • エックスに関してのみ、「アーマー」を開発し後で全て手に入れる事もできる。
    • ちなみにボスラッシュモードでは両者とも全ての特殊武器を持った状態でスタートする。
  • 隠し武器の昇龍拳と波動拳は、入手してもあまり使い道が無い。
    • エクストリームの8ボスラッシュ時には1発でボスの体力の半分を削る事ができるが*8、前述の有様のためネタ性以外に有り難みは薄い。
      • 最終面ではエックス・ゼロはセレクトボタンでいつでも交代できるが、ベルカナ・ガレスが登場する場所でゼロを操作していた場合、強制的にゼロルートになり、入手不可になる。
  • ゼロのメニュー画面の強化パーツのグラフィックがエックスの流用。おまけに全て集めた状態のグラフィックも用意されていない。
    • その上、壁蹴り・頭突きで特定のブロックを破壊できるようになるフットパーツとヘッドパーツはゼロミッションでは全く使い道がない
      • エクストリームでは、エックスミッションのステージでゼロと交代できるため、エックスがそれらのパーツを持っていない場合代用するという意味で使い道はある。
  • 最終面は『X1』・『X2』・『X4』のリメイク。本作にカウンターハンター等の悪役は出てこないのだが…。
    • 前作は「過去のデータの世界の中で戦っている」という、一応の言い分はあったのだが。
  • 『X3』からのBGMが4曲とも全てぶつ切りのアレンジとなっている。特にひどいのが「エレキテル・ナマズロス」ステージで、原曲のAメロ部分を繰り返しているだけになっている。
  • 本作にしか登場しないベルカナとガレスは、イベントではエックス達と色々会話してくれるのだが、どちらも倒されると無言で爆死する。2人共キャラは立っていただけに勿体ない。
    • 前作のシャドウハンターには今際のセリフがあった。
  • ラスボス(シグマ)最終形態の倒し方がわかりにくい。
    • 普通に攻撃しているだけではダメージが入らず、ダメージを与えるにはある特定の手順を踏む必要がある。初見だと訳がわからないまま一方的にやられる事が多い。

総評

あくまでも「携帯機への移植」だった前作から一転し、オリジナル要素が強化され、リメイク作品やアクションゲームとしても十分に光る内容にはなった。
しかし、バグとそれに対する対応の悪さがこれらを台無しにしてしまい、胸を張って良作とは言い難い作品になってしまった。

それでもストーリーは見るべき場面はあるしサービス要素も豊富なのでファンなら手にしてみる価値は大いにある。

バグには細心の注意を払ってプレイして欲しい。

余談

  • 本作の事件について『X6』で軽く触れられる。
    • それによって向こう側のシナリオに矛盾が発生してしまったが。…と思いきや、その後カプコンは「別に関係無い」と言ってのけた。…とされているが、この発言は明確なソースが見つかっていない。むしろカプコンの『ロックマンX大全書』では2つの事件の関連性が示されている。