ロックマンX2 ソウルイレイザー

【ろっくまんえっくすつー そうるいれいざー】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイカラー
発売元 カプコン
開発元 カプコン
バリューウェーブ
発売日 2001年7月19日
定価 4,179円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付与
配信 【3DS】バーチャルコンソール
2013年12月25日/600円
判定 なし
ポイント デバッガー1人は流石に無理があった
「移植」から「リメイク」へ路線変更
ダブルヒーロー制の先駆け
携帯機版ロックマンXとして完成に近いがバグで評価を落とす
ロックマンシリーズリンク


概要

ゲームボーイのロックマンシリーズ最終作にして唯一のゲームボーイカラー専用ソフト。『ロックマンX』シリーズの番外編的存在で、前作『サイバーミッション』に続く携帯機用作品。
X5』と『X6』の間の時期に発売された。

特徴

  • ストーリーは『X3』と『X4』の間に起こった事件という設定で、『X4』に登場した「アイリス」がオペレーターとして登場している。
  • 敵からアイテム「DNAソウル」を入手する事で、強化パーツを開発(購入)できる。この購入システムは『X8』に逆輸入された。
  • 8大ボスは、『X1』と『X2』から各2体、『X3』から4体が出演している。特殊武器の仕様が本家から変更されている者もいる。
    • 例:ファイヤーウェーブの効果が原作ではボタン押し続けで炎を出し続けるものだが、本作では原作で言うところのチャージ版を使う事ができる。
    • 前作とは違い、SFC版と構成が変化しているステージが多い。
    • 前作同様、一部、ボスの弱点武器が変更されている。
      • それどころか、入手できる特殊武器が変更されているものさえいる
  • ゲームは、エックスとゼロのそれぞれを主人公としたミッションが用意されており、戦うボスもそれぞれ異なっている。
    • ゲーム後半では、2人を切り替えながらプレイする事も可能となる。これは後の『X7』・『X8』における「ダブルヒーロー制」の原型と言える。
    • 両ミッションをクリアすると、2人で事件の黒幕(というかいつもの人)に挑む「エクストリームミッション」が出現する。
      • エクストリームではボスキャラが新たな攻撃をしてくるようになるので油断していると痛い目にあう。
      • またダブルヒーローシステムの仕様もあってかラスボスの第2形態は恐ろしいほど強い。シリーズでもトップクラスとの声も。
  • 本作で操作可能となったゼロは基本的に『X4』基準の性能となっているが、本作では以下の仕様が追加されている。
    • エックス同様パーツカプセルのライト博士から性能アップを施してもらえる。
    • ラーニング技の技名が本編とは違う名前の趣向となっている。
      • 例:原作では「龍炎刃」というように漢字表記だった技名が「ライジング」というようなカナ表記の技名に変化している。
  • 本作オリジナルボスとして『ベルカナ』『ガレス』等が追加されている。
  • ボスラッシュモードの追加。
    • エクストリームクリア後に新たに出現するモードで、本編に登場した8体のボスの他に前作『サイバーミッション』に登場したボスと戦う事が出来る。
  • その他システム面
    • 前作ではセレクトボタンでポーズメニューを呼び出す事が出来たが、今作ではスタートボタンを押す事でメニューを出せるという、数多くのゲームと同様の仕様に変更された。
    • 一方でセレクトボタンは前作のスタートボタンの役割が引き継がれていて、オプション画面で武器チェンジ(Xのみ有効)及びプレイヤーチェンジを設定する事が出来る。
      • 今作の特殊武器は装備しても据え置き機のようにアイコンは表示されないものの、携帯機向けに発売されたロックマンシリーズで初めてポーズメニューを経由せずに特殊武器を切り替えられるようになったのは良い。

評価点

  • 携帯機リメイクならではのオリジナリティの数々
    • 前作は移植色が強く独自性が皆無だったが、今作では独自要素が大幅に強化され、「移植」から「リメイク」に方向転換したと言える。
    • 各種ステージはGBに移植されるに当たって、オリジナルから大胆に変わっているステージが多く新鮮味がある。
      ステージ内では「一定時間でプレイヤーが流されるor即死効果を持つ水流が流れてくる」「原作ではダメージ程度で済んでいた溶岩が即死効果に変化」等オリジナルでは見られなかったギミックが多い
      更にステージ構成も「X3のOPステージ冒頭で登場した中型敵を次々と乗り移りながらボスが待ち受ける要塞に侵入する」「原作では強制的に中ボスと戦わなければならなかったが、ルート選択によっては中ボスと戦わずに済む様になった」等々、オリジナルとは丸々異なっていたり原作から改善された物も見受けられている。
    • 8ボスの攻撃は基本的に原作を踏襲しているものの、バーニン・ナウマンダーにおける「雄叫びを上げながら炎の雨を降らす」といった新たな攻撃が追加されたボスや、シャイニング・タイガードの「基本的に壁に張り付いた状態が実質の基本フォーム」という様に攻撃パターンそのものが原作から変更されているボスも存在する。
      特にエクストリームモードでは通常モードや原作とは全く異なる攻撃を繰り出すボスも多く、1作で2度楽しめると言えるだろう。
    • 特殊武器の性能も原作から変更されている物も多い。
      中にはエクスプローズ・ホーネックの「ボムビー」やシャイニング・タイガードの「レイクロー」等々、通常チャージ版問わず原作からよりボスの攻撃に近い性能の特殊武器に差し替えられたケースも存在する。ある意味では本家シリーズへの原点回帰と言えるだろう。
    • 当然ながら、各ステージの強化アイテムの配置場所や獲得方法は今作オリジナルの物も多い。前作がどこかで見た事のあるようなアイテム配置に偏っていただけに、原作経験者も新鮮な気持ちでステージ内探索を行う事が出来るだろう。
    • OPステージや後半ステージで待ち受ける8ボス以外のボスも原作では登場しないオリジナルキャラクターが多い。
      前作におけるオリジナルボスであるシャドーハンターは鳴り物入りで登場しながらボスとしての実力は非常に弱かった事からプレイヤーからも残念がられていたが、今作におけるオリジナルボスの多くは個性的。かつ後半戦で現れる物に至っては強敵という事で、原作の後半面さながらの激闘を繰り広げらる事が出来るだろう。
    • 新システムも魅力的。前述の通りダブルヒーローシステムを先行した功績は大きく、購入システムの中毒性も高い。
  • ボリューム
    • エックス編・ゼロ編・エクストリーム編と完全クリアに計3周必要なのはGBにしては結構なボリュームである。
    • しかも8ボスだけならば前作のボスとも戦えるため、結果的には本編を含めても最高の16ボスということになる。
  • ファンサービス要素の多さ
    • 過去シリーズのボスは勿論、BGM、アイリスの登場などファンサービス要素はなかなか豊富である。
    • 今作のステージの中には原作を踏襲したステージも存在するのだが、ステージ仕様の見直し(後述)によって、極めて原作に忠実な内容を再現。
      • 原作踏襲ステージでは各種強化アイテムの位置も原作を彷彿とさせるポイントに配置されているので、例によって「ひょっとしたらこの近くにアレがあるのかな?」と反応してしまうかも。
      • 前作は原作を移植したステージが大半を占めていてプレイヤーからも「新鮮味が欠ける」と批判されていたのだが、今作では原作移植ステージの数が減少した事によって、あくまで原作ステージ要素はファンサービス程度に留まっているのが良い。
    • 今作のステージにはエレキテル・ナマズロスステージ中盤に存在するアシッド・シーフォースステージを彷彿とさせる縦穴や、シャイニン・タイガードステージ後半の岩場からのライドアーマー地帯がスティング・カメリーオステージの後半と展開が一致しているといった様に、GB版シリーズに登場していないボスキャラのステージを彷彿とさせるエリアも存在しており、未登場のボスキャラへのフォローも行われている。
  • BGM
    • 若干テンポの早い曲もあるが、ステージの雰囲気に合わせたアレンジとなっている。前作のように妙なテンポの曲はない。
    • うち『X3』出身曲については曲調こそは賛否両論を巻き起こしたPS/SS版が元になっているものの、収録されている機種故に違和感が無いため、アレンジの曲調自体は好評を得ている。
    • GBC専用ソフトとなったためか、ノイズの音質が良くなっている。
    • ただし、問題点もある(後述)。
  • ステージ構造の見直し
    • 前作はステージ構成こそ原作とほぼ同様だったのだが、エリア内に出現する敵の数が大幅に減少し各エリアの距離も短くなっていたりした結果、原作経験者から「物足りない」と言われるほどエリア単位におけるボリュームの不足が顕著に見られていた。
      だが、今作のオリジナルステージはそういった点を踏まえているのか、ステージにおける各エリアの距離が延長されたり雑魚敵の数も原作とほぼ同様に増加。結果的にエリア毎のボリュームが携帯機ながら据え置き機と遜色の無い物へと改善されるに至った。
    • 前作では「据え置き機で発売されたゲームを携帯機に移植」というスタンスの関係で、ゲームボーイの狭い画面に対して比率が上手くとれてないクチがあったため、野外はともかく建物内のエリアに入ると急に狭くなってしまう難点があった。
      しかし、本作では画面比率を考慮した結果なのか、全体的に屋内エリアが広くなり、前作で見られていた「窮屈感のあるステージ」が大きく解消されているのは褒められる点ではある。
      • 屋内エリアが広くなった関係により、ボス戦も「とても広いエリアをダッシュで翻弄しながらボスと戦闘する」というシリーズの醍醐味を携帯機で再現出来ている点は十分に合格と言えるだろう。
  • 続編で完成されたシステム面
    • 前作は携帯機処女作という事もあってかシステム面も荒削り気味だったが、続編となる今作では調整された物も多い。
    • 前作はカラー・モノクロ共通ソフトで発売された関係なのか、リトライポイントでのオートセーブの際に数秒の時間停止を挟んでいた関係で、シリーズ特有のハイスピードアクションが阻害されてしまう欠点があった。
      だが、今作は容量の多いカラー専用ソフトとしてリリースされた事によりオートセーブが一瞬で終わるように改善。結果的に続編でハイスピードアクションが完全となった形に。
    • 前作は初代Xをベースとした作品という事もあってか、ダッシュジャンプを使用するエリアが見られるステージ構成にもかかわらず、肝心のダッシュジャンプの操作性が非常に悪いという本末転倒な結果になっていた。
      X2とX3をベースにした今作ではダッシュジャンプの代わりにエアダッシュやヴァリアブルダッシュを多く使用するステージ構成に変更。
      エアダッシュとヴァリアブルダッシュは原作ではジャンプ中にダッシュというコマンドだったのだが、今作ではボタン数の関係で「ジャンプ中に再度ジャンプボタン」というコマンドに簡略化。今作のダッシュジャンプで超えられる穴も基本的にエアダッシュでも超えられる事になっていて、前作以上にお手軽に空中移動を行う事が出来る様になったと言える。
      • ちなみに、前作ではフットパーツを取得する事でダッシュ壁蹴りが出来る様になっていたのだが、続編となる今作はフットパーツを取得しても強制的にダッシュジャンプになる事は無い。
    • 前作のメニュー画面は一般的なゲームとは異なりセレクトボタンで開く形になっていたため、誤ってスタートボタンを押してしまう恐れがあったのだが、今作ではスタートボタンでメニュー画面を開く形式に変更され、誤爆を防ぐと同時に取っつき易くなった。
      • 今作で前作におけるスタートボタンの役割を与えられたセレクトボタンに関しても武器チェンジあるいはプレイヤーチェンジと便利機能を割り当てる事が出来る。
        エックス限定で使用できる武器チェンジはアイコンではなく特殊武器のイニシャルが表示される形式で若干視認性が悪く1ボタンのみという事で残念ながら一方通行なのだが、SFC以降のロックマンシリーズにおける特色であった「ポーズメニューを開かずに武器チェンジ」を携帯機で初めて実行できる様になりエックス側のゲームスピードを更に向上させている。
      • また、その一方でプレイヤーチェンジ機能もポーズメニューを開かずに使用キャラを切り替えられる事もあってか使い勝手が良い。
    • 前作のサブタンクの中身は通常セーブの際に記録されなかったが、今作ではちゃんとサブタンクの中身もセーブで記録されるようになった。前作の様にゲームを再開する度にサブタンクを貯め直す行為を行う必要が無くなったのは良い。

賛否両論点

  • オリジナル新曲は無し。
    • 本作のBGMは評価点の項にある通り、概ね良好な評価を得ている反面、前作同様に本作独自に書き下ろされた楽曲は存在しない。
    • この為か「携帯機で新キャラを出すのなら、彼らのBGMもオリジナルにして欲しかった」という意見も見受けられている。
  • ゼットセイバーが華やかさに欠ける。
    • ナンバリング作品と比べて明らかに短い。あちらはゼロの背丈を超えるほどの攻撃範囲だったのに対し、こちらはゼロの胴体ほどしかない。
    • また、刃のエフェクトやゼロのモーションに全くハッタリが効いてない。
      • 本作は携帯機の画面に合わせてゼロ達の頭身もデフォルメされているため、それに合わせたサイズなのだろうが、短くしすぎである。
      • 特に、問題点でも触れられているジャンプ斬りは、もはやパンチ程度のリーチしかない。
      • エクストリームでラーニングできる「ライジング」は唯一ナンバリング作品さながらの派手さ。
  • パーツ関連
    • 新規パーツのアンロック条件が現在の所持DNAソウル数となっている。累計ではなく、現在所持数である
      • バスタープラス2種やハイパーダッシュなどの強パーツを購入したい場合は、我慢を強いられることになる。
      • 「目当てのパーツが買えるようになるまで、比較的楽に戦えるボスから攻略する」「まだ目当てのパーツは解禁されていないが、バスターやセイバーの威力だけは上げておきたいので先に購入しておく」などの戦略性が出てくるので、問題点とまでは言えないだろう。
      • しかし、この仕様がゲーム内で開示されない点は問題と言える。
    • DNAソウルが非常に稼ぎにくい。
      • ステージ一周で50貯まるかどうかと言ったところ。各ボス撃破時には200ソウル取得できるが、一度きり。
      • 先述のハイパーダッシュは2500ソウル貯めないと解禁されないので、ガーディアン(=8ボス)攻略中に取得するのは現実的ではないなど、自由度は少々低い。
      • エクストリームクリア特典のボスラッシュモードでは全パーツ取得済みなので、好きなカスタマイズで戦える。ここに到達するまでのお楽しみとも言えるか。

問題点

バグ・不具合面

  • 本作のデバッガーは1人しかいない(前作は2人)からか、バグや修正ミスが多い。
    • バーニン・ナウマンダーとランチャー・オクトパルドのステージのBGMが逆になっている。海外版では修正されている。
    • ライフアップアイテムを入手した後にライフが0になると、アップした筈のライフゲージが元に戻っており、更にアイテムも再入手できなくなる。*1
    • ワイヤー・ヘチマールステージのある場所で特殊武器のファイヤーウェーブを使うとフリーズする。
    • 最終面における復活ボスとの戦闘中にエスケープユニットを使うといきなりエンディングに突入する
+ ボスの弱点に関するバグについて書かれており、弱点ネタバレを含むため隠します。
  • SFC版『X2』では、ワイヤー・ヘチマールにソニックスライサーで止めを刺すと体が真っ二つになる描写があったが、本作ではソニックスライサーが登場するものの、なぜかファイヤーウェーブで止めを刺した時にこの描写が見られるようになっている。
    • 今作ではどちらの武器もヘチマールの弱点だが、ファイヤーウェーブは今作独自の弱点武器であり、BGMの件もあって描写が表れる弱点武器を間違えてしまった可能性がある。*2
  • ボスラッシュのサイバーコースで、スパーク・マンドリラーはダッシュしながらゼットセイバーで攻撃するとなぜか一定時間凍ってしまう(ダメージは通常と同じ)。

前作から更に悪化した「バスターゲー」

前作「サイバーミッション」ではオプションでオート連射をONにした状態でのバスター連射が雑魚敵や中ボスに対して非常に強かったのだが、どういう訳か今作でも健在。
これに加えて、今作では以下の点が重なってしまった事により、結果的にXシリーズはおろかロックマンシリーズの中でも屈指のバスターゲーと化しているのは否めないだろう。

  • ボスに対してのエックスのチャージショットが弱い。というか通常弾が強い。
    • エックスのバスターの攻撃力が底上げされて、通常弾でも「2」となっている。
    • 一方チャージショットの攻撃力も「2」。これによりボスに対してのチャージショットは当たり判定が大きくなるだけとなり、Xシリーズどころかロックマンシリーズ全てを見回しても最低の性能となっている。
      • 攻撃力が上がるのはアームパーツ取得後の2段目のショットまで待たなくてはならない。もちろん時間当たりのダメージがガタ落ちするのは言うまでもない。
  • 一部、開発できるパーツの中で強力なアイテムがある。
    • 「アルティメットバスター」はチャージをせずにチャージショットを放てるようになるパーツ。
      • 『X5』などでは連射ができなかったが、今作では通常弾と同じように連射できる。ステージ中の雑魚敵には無類の強さを誇る。
      • 一方ボスに対しては前述の理由で攻撃力上昇が望めないほか、とある隠し技が使えなくなる。チャージ時間が半分になる「ハイパーチャージ」よりも安く、そして早く手に入るのはこういうことも考慮に入れた結果だろう。
    • 「バスタープラス」はバスターの攻撃力を上げるパーツだが、その上昇量がかなり多く、「プラス1」「プラス2」の両方を付けたときの上昇量はなんと「3」である。
      • 大したことないと思う人もいるかもしれないが、このゲームのボスの体力は「32」である。そして弱点武器で与えるダメージはおおよそ「4」。つまり、弱点武器よりも癖がなく無制限に使える初期装備で常に大きなダメージを全てのボスに対して与えられることになる。
+ 隠しモードのボスについてのネタバレ
  • ボスラッシュのサイバーコースに出現するマグネ・ヒャクレッガーはX2原作及び前作同様にプレイヤーを吸い寄せてからバスターのチャージを封印するウィルスを注入する攻撃を持っているのだが、溜め撃ちが使用不可になっても強力な通常弾自体は残っている事から本末転倒と言わざるを得ない。
  • それだけでも非常に弱いのだが、今作の通常バスターはパーツ装備で更に強くなってしまう訳で… これにより、ボス自身があまり動かない事も相まって、結果的にエックスでのヒャクレッガーは今作最弱ボス候補になってしまった。

その他

  • 明らかにエックスが有利なゲームバランス
    • この点自体は『X4』でも同様*3*4ではあったが、本作のボスはエックスで戦うことを想定された*5『X3』までのボスであるため、ゼロでは厳しいボスが多い。
      • 特に『X3』のボスは体当たりが多いので殊更にキツイ。しかも4体ともかなり曲者で、もはや狙ってやっていると邪推してしまう。
    • 前述したようなエックスの通常弾の仕様や、パーツの強力さも一因。
      • ゼロはジャンプ斬りの攻撃力が「3」であるため、火力的にはエックスを上回っているが、このジャンプ斬りがかなりクセのある性能で*6、利便性の面ではエックスに劣る。
      • パーツについても、「アルティメットセイバー」は威力があまり上がらないし、「セイバープラス」も元の攻撃力が高いためにエックスほどの効果が見込めない。
    • 止めと言わんばかりにゼロの特殊武器ゲージは全ての武器で共通。エックスに比べて消費エネルギーが少ない・・・なんてことはもちろんない。
      • 一応フォローしておくとゼロの特殊武器はゲージ消費が無いものもあるし、消費があるものもかなり高性能である。*7結論として通常武器も特殊武器もアッパー調整をした結果、通常武器が行き過ぎてしまったといえる。
      • エックスにも同じことが言えるし、通常武器はエックスの方が使いやすいためにこうなってしまった。
    • と言ってもエックスバスターが強すぎるだけで、ゼロもかなり強い。
      • ゼロはアーム(アーマー)取得で使えるようになる「ゼロファイナル」が非常に強力で、一撃でボスの体力を10、つまり全体の1/3強を削れる。
      • エネルギー消費が半分になるパーツを装備すれば、これを2回発動できる。
      • 慣れればゲージ消費のある特殊武器はファイナル一本でも良いぐらいなので、エクストリームではラーニングする特殊武器を吟味するのも楽しみ方の一つである。
  • エクストリームでは、各ボスに止めを刺した主人公しか特殊武器を入手できない
    • エックス、ゼロミッションでは片方のシナリオをクリアするともう片方のシナリオで入手した特殊武器の属性を引き継いでスタートするので問題ないのだが…。
    • 止めを刺す主人公によって、特殊武器で壊せる壁が壊せない等の理由で入手できなくなるパワーアップパーツがある。
      • 「ファイヤーウェーブ」は、エックスとゼロで同じ見た目・性能の物だが、この武器で壊せる壁もエックスでしか壊せない。
      • エックスに関してのみ、「アーマー」を開発し後で全て手に入れる事もできる。
    • ちなみにボスラッシュモードでは両者とも全ての特殊武器を持った状態でスタートする。
  • 暴発しやすいエアダッシュのコマンド
    • 今作は条件を満たすと空中でジャンプボタンを押すとエアダッシュを行う事が出来る様になったのだが、非常に簡単に出せる反面として要所で暴発する恐れがある。
    • 例えば、ランチャーオクトパルドステージでは水流を利用して水上に移動する仕掛けが存在するのだが、水上ジャンプとエアダッシュのコマンドが被っているので、フットパーツ取得済みの状態では中々水上に飛び出る事が出来ない。
      同様に、スクリュー・マサイダーステージのライフアップといった今作もライドアーマーからの乗り捨てジャンプを使用する場面が存在するのだが、乗り捨てジャンプとエアダッシュのコマンドが被っている関係で乗り捨て後にジャンプが出来ず、そのままエアダッシュで明後日の方向へ…という具合。
    • この仕様はX6のファルコンアーマーにも採用された。
  • 隠し武器の昇龍拳と波動拳は、入手してもあまり使い道が無い。
    • エクストリームの8ボスラッシュ時には1発でボスの体力の半分を削る事ができるが*8、前述の有様のためネタ性以外に有り難みは薄い。
      • 最終面ではエックス・ゼロはセレクトボタンでいつでも交代できるが、ベルカナ・ガレスが登場する場所でゼロを操作していた場合、強制的にゼロルートになり、入手不可になる。
      • そもそも今作の場合、入手が(エックスミッションにおける)最終ステージの終盤で、その先の敵はバットンボーンGを除けばベルカナしかいない。つまり、使い道が少ないのは入手が遅過ぎるためとも言える。
  • ゼロのメニュー画面の強化パーツのグラフィックがエックスの流用。おまけに全て集めた状態のグラフィックも用意されていない。
    • その上、壁蹴り・頭突きで特定のブロックを破壊できるようになるフットパーツとヘッドパーツはゼロミッションでは全く使い道がない
      • エクストリームでは、エックスミッションのステージでゼロと交代できるため、エックスがそれらのパーツを持っていない場合代用するという意味で使い道はある。
  • 最終面は『X1』・『X2』・『X4』のリメイク。本作にカウンターハンター等の悪役は出てこないのだが…。
    • 前作は「過去のデータの世界の中で戦っている」という、一応の言い分はあったのだが。
  • 本作にしか登場しないベルカナとガレスは、イベントではエックス達と色々会話してくれるのだが、どちらも倒されると無言で爆死する。2人共キャラは立っていただけに勿体ない。
    • 前作のシャドウハンターには今際のセリフがあった。
  • ラスボス(シグマ)最終形態の倒し方がわかりにくい。
    • 普通に攻撃しているだけではダメージが入らず、ダメージを与えるにはある特定の手順を踏む必要がある。初見だと訳がわからないまま一方的にやられる事が多い。
  • その他システム面の不備
    • どういうわけか、今作の雑魚敵からドロップするアイテムの中には1UPアイテムが含まれておらず、固定1UPの設置場所もワイヤー・ヘチマールステージのみ。
      • このため、雑魚敵が1UPアイテムを落とさない上、1UPが設置されているステージの存在しないエックスミッションではゲームオーバーになるまで一切残機を増やす事が出来ない。また、この関係でエックスミッションでは最大プレイヤー数が3で固定されているのも同然である。
    • セレクトボタンの武器チェンジ機能は使い勝手こそ良いのだが、ボタンが一つだけという事なので、特殊武器の数が非常に多いボスアタックでは途端に使い辛くなってしまい、結局ハードの限界が見られる機能なのは否めない。

総評

あくまでも「携帯機への移植」だった前作から一転して携帯機リメイク作品として再構築された事によって、オリジナル要素が強化され、リメイク作品やアクションゲームとしても十分に光る内容にはなった。
また、前作で問題視されたステージ構成や基本システムの多くにも見直しが入った事により「携帯機版ロックマンX」として、ひとまずの完成を見せていたのだが、デバッガーが一人しかいなかった事が災いしてバグや修正ミスが多発。なおかつ、それに対する企業側の対応も悪かった事から、完成形から一転して良作とは言い難い作品になってしまった。

それでもストーリーは見るべき場面はあるしサービス要素も豊富なのでファンなら手にしてみる価値は大いにある。
バグには細心の注意を払ってプレイして欲しい。

余談

  • ゲーム性に欠くバグが多いのだが、これについてカプコンは「仕様」と主張した。でありながら、これらのバグは海外版で全て修正されている。
  • 本作の事件について『X6』で軽く触れられる。
    • それによって向こう側のシナリオに矛盾が発生してしまったが。…と思いきや、その後カプコンは「別に関係無い」と言ってのけた。…とされているが、この発言は明確なソースが見つかっていない。むしろカプコンの『ロックマンX大全書』では2つの事件の関連性が示されている。
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最終更新:2023年11月25日 22:37

*1 あろうことかライフアップアイテム入手後に素早く脱出しないと即死というトラップが存在するマップまである。ライフアップを入手した1秒後にゲームオーバーになりライフアップが永久消滅、なんて事も。

*2 ちなみにファイヤーウェーブを当てると大きくノックバックするため、内部的にはこちらが弱点となっている模様

*3 ゼロにはパーツの概念がないため初期状態からの能力上昇がほぼない、サブタンク減少と被ダメージの大きさからごり押しが通じない

*4 ただし、それを考慮しても高すぎる攻撃力があるため、タイムアタックなどではゼロが圧倒的に有利

*5 さらに言えばバスターを主に使う『X3』のゼロ

*6 1キャラどころか半キャラをギリギリ超えるくらいの範囲で、しかもボタンを押してから出るまでがアクション初心者でもわかるくらいのラグがある。もっともこういったことは本作のゼロの攻撃全般に言えることだが

*7 例としてジャンプ後の弱点である前方斜め下を短時間空中停止かつ落下速度リセットとともにカバーできる攻撃、などなど

*8 前作はさらに威力が低かった