ソウルキャリバー Broken Destiny

【そうるきゃりばー ぶろーくんですてぃにー】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 バンダイナムコゲームス
発売日 UMD版:2009年8月27日
DL版:2009年11月1日
定価 UMD版:6,279円
DL版:5,700円
判定 なし
ポイント 「格ゲーで勝てない」運命を打ち砕けるか?
ソウルキャリバーシリーズリンク


概要

  • ナムコ(バンナム)の剣戟3D格闘ゲーム『ソウルキャリバー』シリーズ初の携帯機向け作品。略して「SCBD」などと呼ばれることが多い。
    • タイトルの通りナンバリングされてない外伝的な位置づけの作品で、当時の最新作だった『ソウルキャリバーIV』がベースとなっている。外伝ということで新たなストーリー展開などは用意されていない。
      • なお、この記事ではソウルキャリバーの対戦時のゲームシステムには触れていない(8WAY-RUNなどのシリーズ共通システム、ソウルゲージとソウルクラッシュ・クリティカルフィニッシュなどIVとほとんど同じなため)。
  • 「俺にはできないと思ってないか?」という謳い文句の下「対戦の腕を上達できる」のが売りになっており、CMはこれを前面に押し出した内容となっていた。

特徴

ガントレット

  • 本作の目玉となっている「楽しみながら対戦のイロハを学べる」というモード。全33章から成るストーリー仕立てとなっている。
    • 最初に「怪しげな古文書を元に執筆された物語」という前置きがあり、先述の通り「IV」からの続編という意味でのストーリー展開は行われない。それもあってか、解説を含めたテキストの節々にジョークやネタが連発される終始コミカルな雰囲気、悪く言えばかなりはっちゃけたノリで展開される。各ミッションにつけられたタイトルも「変態貴族*1」「目覚まし宿命*2」「きえーっ*3」など、キャラをネタにしたり分かる人を選ぶネタがふんだんに使われている。
      • IVの販促として描かれていた漫画「痛快!キャリバ道場」と雰囲気が近く、この漫画と同じく全編を通してヒルダとカサンドラ、BDからの新キャラであるダンピエールが登場する。
  • ゲーム内容は、「ソウルキャリバーのシステムを使った『メイド イン ワリオ』」と例えるとイメージが付きやすいと思われる。
    • プレイヤーキャラより先に動き始める敵に対し、数秒の制限時間以内に「技を当てる」「敵の攻撃を防ぎきる」「敵の攻撃に反撃する」といった適切な行動が取れるとSP(サクセスポイント)が増え、次の問題が出題される。これを繰り返し、一回失敗するまでに得たSPと当てた技のダメージの総量がスコアとなる。
      • 一問一問の時間が数秒とごく短いため、ゲーム自体の時間も数分と手短で、携帯機らしく空いた時間に遊ぶのに適している。
    • 最初の5問は必ず決まった順番で出され、6問目以降はランダムで5問のいずれかが出題されていく。また、最初の1回だけは5問目を成功すれば一旦終了となり、先の章へ進めていくだけなら5問解くだけで済む。最初の5問でもし失敗してもほぼ解答に近いヒントを出してくれるので詰まることは無いと言っていい。
      • 連続して成功し続けるとランクがアルファベットから☆→☆☆と上がって行き、☆☆になると5問以外の動きが追加で出題されていく。こちらは失敗してもヒントが無く、自分で対処法を考える必要がある。☆☆になった状態でさらに連続して正解し続けると最高ランクの☆☆☆となり、これがスコアを伸ばす以外での目標となる。
    • このガントレットで問題に使われている技は、ほぼ全てがそのキャラの主力技に成り得るものであり、キャラの基本的な動かし方の解説代わりともなっている。また、代表的な技や基本的なコンボは技表に記載されているなど、攻略のためのテキストは説明書・攻略本が不要なほどに充実している。

CPU戦

  • CPU戦には「クイックマッチ」と「トライアル」の2種類がある。
    • クイックマッチは、リストアップされているCPUキャラの中から一人を選んで対戦するというもの。対戦相手を選ぶインターフェイスがネット対戦のロビーを模しており、CPUの強さや動きの傾向は勝敗数や二つ名である程度判断することができる。二つ名の種類は200種類あり、単純に考えてそれだけの思考ルーチンが用意されていることになる。
    • トライアルは、一般的な格ゲーの「アーケードモード」のようにCPUと連戦していくもの。プレイヤーの行動から各種データが記録されていき、それがスコアにボーナスという形で反映されていく。ゲーム終了時には各戦のランクによる評価や、「何回確定反撃を決めたか」といったデータを見ることができる。「暴れ」「RUN多用」などCPUのおおまかな思考ルーチンが表示されているのも特徴。
      • モードは3種類あり、「TRIAL OF ATTACK」は全5戦で敵が弱く、連続技を当てることで倍率にボーナスがかかる。「TRIAL OF DEFENCE」は全8戦で敵が強く、確定反撃やガードインパクトをするなどでボーナスがかかる。「ENDLESS TRIAL」はいわゆるサバイバルモード。
  • これら二つのCPU戦モードに共通して、CPUを制御するAIがかなり優秀でありなかなかに強い。きちんと対戦の駆け引きのセオリーに則った立ち回りで動き、また相手ごとに癖がつけられ個性付けがされているため、対人戦に似た感覚で遊ぶことができる。

その他特徴・評価点

  • 新キャラとしてダンピエール、ゲストキャラとして『GOD OF WAR』のクレイトスが登場。
    • ダンピエールは腕に仕込んだナイフを武器に戦うコメディ色の強い中年キャラで、声を演じた千葉繁氏の名演もあって見ていて面白いキャラとなっている。
    • クレイトスはソウルキャリバーの世界にマッチしているとして好評。性能は公式サイトで「BBB出してれば勝てる」と開発者から言われるほど意図的に強く調整されている模様。
  • 対戦バランス面でも、8WAY-RUNの遅さや新キャラであるヒルダやアルゴルなど『IV』で問題とされていた点が調整され、問題が改善・解消されている。
  • 『ソウルキャリバーIII』から登場しシリーズを代表する要素となった「キャラクタークリエイション」は本作でも健在。小さいパーツの位置を調整できるといった新要素も登場した。
    • 基本的に、4のコンテンツ・DLC(クリエイションパーツ)はすべて収録されている…はず*4
  • グラフィック・音質が非常に綺麗。低い画面解像度のおかげもあるだろうが、フレームレートを落とすことも無く、携帯機でありながら『ソウルキャリバーIV』(PS3/360)のものを忠実に再現している。
  • メディアインストールに対応しており、インストールすればロード時間が皆無になりテンポが非常に良くなる。

問題点

  • ゲームモードが少ないため、シングルプレイのボリュームに欠ける。
    • ガントレットはボリューム自体はそこまで大きくない。また、相手の技への対応に重点を置いた内容のため(さらに言えば6章以降は全28キャラ一人ひとりの主力技への対応を行うというもの)、単に進めているだけではワンパターンで面白くないのも難点。
  • クイックマッチで同じ相手と連戦することができない。もう一度同じ相手と対戦するには、次にリストアップされるまで待つことになる。
  • CPUの難易度・制限時間・本数といった対戦の細かい設定が出来ない。腕前が拙く、勝てない状況を楽しめないプレイヤーには厳しい内容。
  • キャラクタークリエイションではIVに比べて削減された要素がある。
    • 主には「エディットキャラの体格が変えられない」「デフォルトキャラのパーツを変えられない(武器と色だけ)」など。また、パーツの装備箇所が少なく、痒い所に手が届かないことも。IVと同じく、IIIにあったクリエイトキャラ専用の流派が無いことも人によっては気になる所か。
    • 「任意の相手を選んでCPU戦をする」「CPU同士の対戦を観戦する」といったモードがないため、クリエイトキャラを使ったごっこ遊び的なものが出来ないのも難。
  • わりと積極的にアクティブパージを使うCPU。
    • アクティブパージとはBDで導入された対戦中のシステムの一つで、↓↓A+B+Kと入力すると自分の衣装を吹き飛ばして裸になり、防御力が減少する代わりにソウルゲージを回復し、ソウルクラッシュを防止するというもの。
    • なぜかCPUはこのアクティブパージをよくわからないタイミング、それどころか開幕アクティブパージをしてくることもある。もちろん裸というのは下着装備のみをした状態。はっきり言って見映えは非常に悪い。
  • CPUは概ねよく出来ているが、ジャスト技を連発して畳み掛けて来る雪華など、一部のキャラのCPUが非常に強い。
    • これは調整時間の不足が原因とのこと。
      • IVとBDには一撃必殺*5があるが、BDではCPUが一度使うと次の試合でも絶対に使ってくる*6
    • そのくせ、ずっと防御しているとすぐに投げ技を使うわけでもなく向こうも防御したりして、にらめっこになる(シリーズ全般に言えることだが…)。
  • ハードがPSPであるためアーケードスティックが使えない。

総評

同じメーカーのPSP版鉄拳シリーズ2作と同様、携帯機での格闘ゲームではトップクラスの出来映えを誇る作品である一方で、携帯機という格闘ゲームの対戦には向かないフィールドながら、良くも悪くも対戦に特化したゲーム内容でもある。
「未熟なプレイヤーでも対戦できるようになるまで上達させる」という目論見通り、本作で知識をつけ経験を重ねれば、確かに人との対戦でも駆け引きが成立できるようになるであろう。
しかし、そこまでたどり着くまでにはそれなりに対戦に対するモチベーションが必要不可欠であり、その点からプレイヤーを選ぶ内容である。一人で遊べるモードにも様々な充実を図ってきた経緯を持つシリーズだけに、今作の路線に反発する声も少なからず見られた。