本項目ではスーパーファミコンソフト『ロックマンX3』と、その移植版であるSS/PS/Win版の紹介をしています。



ロックマンX3

【ろっくまんえっくすすりー】

ジャンル アクション
対応機種 スーパーファミコン
メディア 16MbitROMカートリッジ
発売元 カプコン
開発元 水口エンジニアリング
発売日 1995年12月1日
定価 10,094円(税込)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2014年10月8日/823円(税込)
【New3DS】2016年11月21日/823円(税込)
判定 良作
ポイント ゼロの初プレイアブル化
多くのシリーズ良作を手掛けたメーカー開発の外注作品
新要素は豊富だがやや練りこみ不足
内容自体は正統進化で十分遊べる
ロックマンシリーズリンク

概要

『ロックマンX』シリーズ第3作。基本的な仕様は前作に準じている。スーパーファミコン最後のシリーズ作品であり、また初めて他機種へ移植された作品でもある。

ロックマンXシリーズでは唯一の外注作品であり、そのためか前二作と比べて若干イメージと違う部分も散見されるが、外注先は稲船氏も認めた良作「ロックマンワールド」シリーズ等を手掛けてきた実績がある。


ストーリー

エックスは前作の戦いを経てイレギュラーハンターに復帰したゼロと共に、未だ増え続けるイレギュラーの掃討作業に従事していた。

そんな中、天才科学者レプリロイド・ドップラー博士は、レプリロイドのイレギュラー化の原因が
コンピュータウィルス『シグマウィルス』であることを突き止め、抗体ワクチンの開発によって
イレギュラー発生の減少に寄与することとなった。

それから数か月後。
人間とレプリロイドが共存する都市ドッペルダウン建設を指揮していたドップラー博士であったが、
突如豹変し、抗体ワクチンを注入されたはずの特Aクラスのレプリロイドたちとともに人類に反旗を翻した。
イレギュラーハンター本部はドップラー博士をイレギュラーと認定し掃討命令を下す。

こうして、エックスとゼロは三度目の戦いに身を投じることになるのであった。


特徴

  • X1』から登場している人気キャラクター「ゼロ」に交代してステージをプレイ可能。
    • 幾つかの条件付きとはいえ、ゼロを操作可能になったのは本作が初。
  • ライドアーマーが収集要素の1つとなり、ステージ内の転送機から任意で呼び出せる。
    • 『X1』の性能に近い基本型「キメラ」、攻撃力とリーチを強化した「カンガルー」、飛行能力と飛び道具を持つ「ホーク」、水中特化仕様の「フロッグ」の4機を使用可能。
    • キメラ以外の3機はキメラのカスタムパーツであるため、キメラを入手(特定のステージ内で敵に捕らえられているキメラを解放し乗り込む)しなければ呼び出せない。しかし、3機用の各カスタムパーツ自体はキメラを解放する前から入手することは可能。
    • 敵からの攻撃により、現在搭乗中のライドアーマーが大破してしまうと、そのステージ内ではライドアーマー自体を使用できなくなる*1。なお、フロッグ以外のアーマーで水中に入るとそれだけで大破してしまう。
  • 従来通りの強化アーマーパーツ4種類に加えて各パーツに新機能を追加する「強化チップ」が登場。
    • ただし原則として4種類のうち1つしか入手できない。
    • 頭、腕、胴、足の4種類の効果を併せ持った「ハイパーチップ」も隠し要素として存在するが、入手場所の関係でパスワードに記録することができず、コンティニューすると失ってしまう。
  • 新アクション
    • フットパーツを取ると、空中で上方へとエアダッシュする「ヴァリアブルエアダッシュ」が可能。前述の強化チップを取れば、「二段エアダッシュ」*2もできるようになる。
    • アームパーツ取得後の強化チャージショットは「クロスチャージショット」。
      • 3,4段階のチャージができるようになる。どちらも2回連続でチャージショットを発射可能。
      • 4段階目では、1発目の低速チャージショットに、2発目の通常チャージショットを重ねると、5発のチャージショットが縦に伸びて広範囲攻撃できる。
    • 今作のチャージ版特殊武器は弾を頭上に打ち出したり、拳を地面に叩きつけたりといったモーションが追加され、更にバリエーション豊かになった。
  • 前作のカウンターハンターに続く「ステージ乱入ボス」として、VAVA MK-IIのほか、ナイトメアポリス2体が登場する。
    • この3体は、弱点の特殊武器で止めを刺さないと破壊したことにならず逃走し、後のステージで再登場する。
      • 乱入時に破壊すると、後のステージには代わりのスペシャルボスが配置される。
      • 後述の「ビームサーベル」を入手するためには、乱入ボスの1体であるVAVA MK-IIを弱点武器で破壊することが1つの条件となる。
  • 『X1』同様、特定のステージをクリアすることで別のステージ内に変化が起きるという仕様が復活した。
    • 全体的に広々としたオーソドックスな地形が多く、この点も『X1』と共通。

評価点

  • 後述する制限要素の多さなどの問題はあるものの、ゼロが使えるようになったこと。
    • 開始直後のエックスよりは全体的に高いスペックを持つ。4段階チャージができるために攻撃力が高く、序盤では即戦力として機能する。
    • 特に4段階目チャージの最後の3回目に行われるビームサーベル攻撃は強力無比。
    • 今作では気軽にライドアーマーに乗り込むことが出来ない為、その部分を補完するような意味合いも含められている。
  • ダッシュ関連のアクションが強化された。
    • ヴァリアブルエアダッシュによって、上方向への移動能力が大きく向上する。このため、疑似的に2段ジャンプやホバリングのようなアクションが可能。
    • 強化チップによって、さらにエックスの移動能力が向上する。
      • ダッシュジャンプした後、さらにエアダッシュができ、飛距離も伸びる。より軽快な動きが可能。
      • いわゆる「ねずみ返し」をダッシュジャンプなどと組み合わせることで簡単に突破できるようになる。
      • 各エアダッシュを連続で使うことで、空中に留まれる時間が延び、敵の攻撃をやり過ごしやすくなる。
  • シリーズで最も多くのライドアーマーを使用可能。
    • それぞれのライドアーマーの個性がはっきりしており、一部アーマーはパワーアップチップの入手に必須となっている。
    • また、1つの作品で複数のライドアーマーを使えるようになったのはシリーズ初。
  • 特殊武器の使い勝手の良さは健在である
    • 仕様がわかりづらく、使い所が局所的過ぎる「パラスティックボム(通常版)」「バグホール」など、使いにくい物も確かに存在するが、
      それ以外はクセも少なく使いやすいものがそろっており、後述のクロスチャージショットの問題点を十二分に補ってくれる。
    • 威力が高く、通常、チャージ版含めて広範囲を攻撃可能な「スピニングブレード」
      前方の広範囲に複数の弾をバラまく「レイスプラッシャー」
      敵に当てるとライフエネルギー回復アイテムが出やすく威力も高い上、チャージ版では氷の盾を作成出来るほか、水中では大きな氷の塊を足場として使用できる「フロストシールド」
      エックスの周りに三角形の電撃バリアーを張ることができる「トライアードサンダー」
      以上はX3における特殊武器の4強である。
    • また「アシッドラッシュ」は強い武器ではないが、武器エネルギー回復を出しやすいという特性があり
      チャージ版を惜しみなく活用してメインとして使い続けるほか、上記の強力な武器のエネルギー補充用としても力を発揮する。
  • ドップラーステージでは、乱入ボスを破壊できたかどうかで、ステージ道中の敵配置やボスそのものが変化する。
    • このような仕掛けは周回プレイを誘う要素となっている。前作のゼロ絡みのシステムの発展とも言え、2周目以降に新鮮な感覚でドップラーステージに挑むことができる。
    • 特に、ドップラーステージ2での変化は非常に大きい。攻略に推奨されるライドアーマーが変わったり、中ボスが登場したり、ボス部屋が全く別のものに変わったりする。
  • VAVAが復活した。
    • 『X1』でエックスに敗れたということで、彼への憎悪を感じさせる台詞が多い。エックスとはまた違った意味で人間臭いキャラとして描かれている。
    • 対VAVA戦では、ライドアーマーと本体の2連戦。実質2形態であり、それぞれで全く別の戦法が必要になる。ドップラーステージでは、新たな攻撃パターンが追加される。
  • 8ボスの紹介デモンストレーションがスキップ可能。
    • Xシリーズひいては本家ロックマンシリーズでもおなじみの演出ではあるが、周回プレイにおいてはテンポを損ない煩わしく感じることもあるため、意外に便利な機能である。
    • なお、このデモがスキップ可能なのはシリーズ通じて本作のみ。デメリットは特にないはずなのだが、以降の作品で採用されなかった理由は不明。
  • 隠し要素が豊富
    • ハイパーチップは、ドップラーステージ1で入手できるので、攻略上活用できる場面は多い。
      • 通常、強化チップをひとつ入手すると、それ以外の3つのチップはあきらめなければならない。しかし、ハイパーチップのおかげで、実質的にチップをコンプリートした状態にできる。
      • 入手するとアーマーが金色に輝き、フルアーマー状態からさらに強くなったことが一目瞭然となる。
    • 複数の条件が重なるために自力発見は難しいが、ドップラーステージ2からゼロのビームサーベルをエックスが使えるようになる。
      • ゼロの時は相手が基本的に雑魚のみなので実感しにくかったが、エックスではボス戦でも使用できるので、「一撃でボスエネルギーゲージの半分を削れる」という驚異的な威力の高さを存分に発揮できる。
      • 前2作の波動拳や昇龍拳と違ってコマンドを入れる必要がなく、運用が簡単。また、残りのライフエネルギーに関係なく使用できる。
      • ただ、アームパーツを入手すると、ビームサーベルを使用するのに必要なチャージ時間が延びるという欠点がある。その代わり、衝撃波を飛ばして遠距離攻撃が可能になる。しかもこの衝撃波は、ボスエネルギーゲージの2/3を奪うことができ、直接斬るよりも威力が高い。チャージ時間を犠牲にする一方で射程を延ばし、より使いやすくする形を取っている。
      • 以上のことから、規格外の威力を持ちながら運用しやすい隠し武器と言える。最終ステージ後半において、簡単な操作でボスを次々秒殺できるようになるのは非常に爽快。
    • 前述の、乱入ボスとの戦闘結果次第で変わるステージ内容もこれに含まれる。特に、ゼロが使用可能な状態かどうかで、エンディングの内容が若干変化する。
+ ネタバレ
  • シグマ戦終了後、ウィルス状態のシグマによってエックスは追い詰められる。
    • しかし、テーマ曲と共にゼロが颯爽と現れ、シグマウィルス用の抗体ウィルスを組み込んだビームサーベルでシグマを撃退する。
    • ゼロが離脱している場合は、こちらもテーマ曲と共にドップラーが現れ、抗体ウィルスを纏ってシグマに体当たりし、エックスや犠牲となったレプリロイド達に謝罪しながら、罪滅ぼしとしてシグマを巻き込んで自爆する。
      • それぞれで路線は異なりながらも熱い展開となっている。
  • 上記のビームサーベルやステージ・ボス・EDの変化など周回プレイを誘う要素が多く、ここはSFCの3作で一番優れていると言っていい。

賛否両論点

  • BGMについて
    • 作曲者は前作の岩井由紀氏*3から、『悪魔城ドラキュラ』や『メダロットシリーズ』で有名な山下絹代氏へと交代した。
    • 全体的に、ディストーションギターを多用したヘビィロック風になっているのが特徴。暗くて重い雰囲気でありながら、前作までのノリの良さを兼ね備えている。
    • 担当者の違いから、前二作と比べて曲の雰囲気はガラリと変わり、好みが分かれるのは否めないが、曲自体のクオリティは客観的に見ても前作に負けないレベルに高い。
      • 本作の場合はこれまで以上にステージ内容に寄せたものが多くなっており、場面や背景と実に良く合っている。
      • ゼロのテーマはこれまでと同様に1ループが30秒にも満たない短い曲でありながら勇壮感に満ち溢れている。オープニングステージでは、プレイヤーが自らゼロを操作して捕らえられたエックスを助けに行くという展開も相まって大変盛り上がる。
      • ビートブードステージは本作の8ステージ曲の中で特に高評価。哀愁漂う曲調が背景の夕日のイメージと合致している。
      • ドップラーステージ1は前作のカウンターハンターステージ1にも負けないほど、躍動感と疾走感のあるメロディーとなっている。
      • キャストロールはサビまでの盛り上がり、サビ、曲の終わりがはっきりしていて印象的。また、解放感を覚えやすい曲調であり、ゲームクリア後のこともあってより大きな達成感を得られる。
  • 一方で、「似たようなメロディ・音質」「音質が全体的に重い」「単調なリズム」という声も少なくない。
    • 特にマサイダーステージやタイガードステージはゲーム音楽としてはかなり単調な展開である。
  • 前作と比べて両者ともメロディ重視の作風ではあるものの前作の作曲者はサウンドの重たさよりもリズムに力を入れているため、このあたりで好みが分かれてしまう。
  • なおプレイステーション、セガサターン、Windows版のアレンジ曲の評価も賛否両論である。詳細は後述。
  • クロスチャージショットの仕様
    • 3段階目以降のチャージ1発目はその速度のせいで、遠距離や素早い相手に単発で当てづらい。クロスさせると一度後退してから前進するため、相手に着弾するまで時間がかかり、利用できるシーンが限られる。またこのショットにおける広範囲攻撃を前提としたかのような敵配置が存在する。おまけに処理落ちしやすい。
    • 元のチャージからの威力の上昇が、前作のダブルチャージショットと比べて控えめなため、いっそのことアームパーツ無しのほうが使いやすいと感じられる。
    • しかしアームパーツの特徴である「特殊武器のチャージ」は健在で、これがないと入手できないアイテムがシリーズの例に漏れず存在するため、結局のところアイテム入手のためには必要不可欠となる。
      • さらに前述のとおり、アームパーツ無しではビームサーベルによる衝撃波が出ないため、ほぼ接近戦用の武器になってしまう上に威力も下がってしまう。
      • その代わりチャージ時間はアームパーツ無しの時と変わらず、かなり短い間隔で振るうことができるため、一長一短ではある。
  • しかし、あくまで使いにくい(アームパーツ無しから大きく戦術が変わる)のであって使えないわけでなく、最大チャージのクロスチャージショットは一度その場に留まり拡散する特性上、掻き消せる敵の弾に対するバリアとして活用できるため、ホーネックやシーフォース、ラスボスなど弾幕が激しい敵に対しては非常に有用になっている。
    • アームパーツ無しのチャージショットでは一発で消せない弾もあるため、そうした場面では力不足になりがち。
    • 壁を滑りながら撃てば地上より素早くクロスさせられるので敵の弾をより防ぎやすくなる。
    • 弾速が遅く威力の高い中心のショットにダッシュジャンプ等で追随することで敵を倒しながら強行突破ができるなど、防御面では非常に利用価値がある。
    • 本末転倒ではあるが、あえてクロスさせずに一発ずつ当てると、総合的な威力はクロスチャージショットより高くなるため、体力の高めのザコ敵には至近距離から2連射すると一回で倒せる。またボス戦では前作のように2連射しても連続ヒットしなくなってしまったが、少し間をあけて1発ずつ当てればやはり高いダメージを与えられる。
    • 相手や状況に合わせて、上記3つのテクニックを使いこなすことが出来れば、近距離では強力なダブルチャージショット、遠距離では防御を兼ねた広範囲攻撃(クロスチャージショット)となり、このアームパーツでも戦い抜くことが可能である。
    • 後述にあるがSS/PS/Win版では処理落ちが改善されている。
  • 「あくまでサポートキャラ」というゼロの立ち位置、仕様
    • せっかく本作より使えるようになったものの、操作性、ゲームシステム上の立ち位置などから非常に扱いづらい。
      • エックスより体が一回り大きいためやや被弾しやすい。また、当たり判定の大きさ故に動作が遅いと感じやすい。
      • OPステージを除いて1度でもミスしてしまうと、そのデータでは使用不可能になり、一部のイベントも発生しなくなる。このため、イベントを見たい場合は救済措置にならず、エックス以上に慎重なプレイを要求されることになる。
      • ライフエネルギー以外のアイテムやパーツを入手出来ない。自己強化は勿論、エックスへの受け渡しも不可能。
      • 一部除く中ボス、ボス(乱入ボス含む)とは戦えず、強制的にエックスと交代してしまう。
  • 先のような問題だらけではあるが、ゼロの体力の初期値は非常に高く、火力などを含め数値的には初期のエックスを上回っている部分は多い。
    • 後続作と違い本作ではバスター中心であり、特にチャージショットの最終弾として放つサーベル攻撃は、近接用であることや最後の一撃であるためか、火力が非常に高い。
    • ライフが多く、さらに瀕死になったらエックスと交代すれば良いことから、ゼロの死因の殆どはトゲトラップや落下死だと思われる為、ビートブートステージ等、比較的それらの少ないエリアであれば十分に腕を振るうことが出来る。
    • 次作以降ではゼロが正式にプレイヤーキャラクターに昇格したため、これらの欠点は解消された。

問題点

  • ボスの行動パターン
    • 攻撃が多彩であった前作のボス軍と比べてパターンが少なく、特に突進やジャンプを多用するボスが非常に多い。
      • パターンは少なめだが突進やジャンプ以外に、エックスを足止めするような仕掛け(フェイント、2択、アクション制限、場に残り続けるトラップなど)を必ず持っていることなどから、見た目は単調ながらどこか本家ロックマンのボス的な「いやらしさ」があり*4どれも確実に避けづらい。そのためやりごたえが損なわれているというわけではない。
    • エレキテル・ナマズロスの後半の攻撃パターンには「発電所の電気を収束して充電→散弾で電撃を撒く→突進」というものがある。この電撃を飛ばす軌道はランダム性が強く、運が悪いと回避できない。*5しかも、充電から突進まで無敵状態で、後半は常時このパターンのため、弱点武器を使わないと時間がかかる。
    • オープニングステージに登場するマックやマオー・ザ・ジャイアントは完全にゴリ押し前提の作りになっており、ほぼ回避し切ることを想定して作られていない。
  • ヘッドパーツの能力「アイテムサーチ」の性能
    • 8ステージ開始時に簡易マップが必ず表示されるようになり、その間は操作不能になる。そのため、ステージ開始時に待ち時間が生まれゲームテンポが崩れる点が最大の問題。
    • 簡易マップもわかりづらく、再呼び出し不可のため不便。
    • パーツ入手に必要なアイテムや武器の都合上、ヘッドパーツの入手は最後部になるため、活躍期間が短い。
      • 本作のヘッドパーツの機能はアイテムの設置個所そのものを知らせる機能なため活動期間の短さはやむを得ない。しかしそれ故にアイテムの入手方法が「アイテムトレーサー」のあった前作よりも難解になってしまっている。
  • ステージ選択画面で表示される、各ステージのアイテムの有無が分かる機能は便利なので、どちらかというと初回プレイ用・取りこぼし防止用である。
  • ボディチップに関してプログラムミスがある
    • 本来はディフェンスシールド展開時のダメージを3/4から1/2にして、アーマー自体の軽減と併せて被ダメージを1/4に抑えてくれるものである。
    • しかし、ダメージを1/4に軽減できるのはシールド展開後の最初の一度だけ。二度目以降の全ての被ダメージはシールドを展開していない状態と同じになり、本来の性能を発揮できなくなる。
  • 中ボス・ボス戦の演出が悪くなった
    • 前作までと違い、中ボス撃破時にもボスと同じ爆発演出が入るため、テンポが悪い*6。一部の中ボスには中断地点が設定されておらず、撃破後ボス到達前に死ぬともう1度中ボスを撃破しなくてはならない。
    • 8ボスやナイトメアポリスのほとんどは画面上からただ降りて来るだけであり、ボス登場のバリエーションに乏しい。
    • ボスに弱点武器を当てた際の専用グラフィックがなくなった。単に大きく仰け反るだけになっている。
      • ただし長時間のけぞるナマズロスや落下するホーネックなど、それらしいものは少し残っている。
    • ボスが発するSEが前二作に比べて少なく、攻撃演出は激しいのに無音のことが多い。
  • ナイトメアポリスはステージの本道に乱入するため、爽快感に水を差される。
    • 特にヴァジュリーラFFは攻撃パターンこそ単純だが、強化が整わない序盤に出現するため、慣れるまでは辛い。
    • 前作のカウンターハンターと違い、出現するかどうかは実際に戦う場所まで行かないと分からず、戦闘を避ける方法はない。
    • ステージ中に専用の戦闘部屋が用意されているため、必ずゲート開閉演出を見せられて、何も無い部屋を通過しなければならない。ゼロを操作していた場合、誰もいなくてもエックスへの交代を強いられる。
    • VAVAは前作の乱入ボスと同様に、ステージの脇道に行かないと出現しないため、このような問題は起こらない。しかし、こちらは入り口がいかにも興味を誘うカプセルだったり、とあるステージでは一度進むと戻れないような場所に設置してある上に、一度入るとしばらく戻れない、VAVAを退けた後に制限時間付きの脱出が必要など、ナイトメアポリスの2体と比べると乱入というよりもブービートラップ的な側面が強くなっている。
  • ライドアーマーシステムの不備
    • 今作では、他作品のようにステージ途中にライドアーマーに搭乗した敵が出てこないため、ライドアーマー同士の格闘戦はない。
    • 転送装置を使ってライドアーマーを呼び出し、ライドアーマーのチップでもって基本形である「キメラ」を強化するという仕様なので、ライドアーマーのチップがあっても「キメラ」を解放しないといつまでたっても使用不可能。
      • 「キメラ」そのものの解放やライドアーマーの他チップの入手には基本的に特殊武器やアーマーが必要な*7の為、すべてを利用出来るのはかなり後になってしまう。
    • アイテム収集に「ホーク」の飛行能力が必須な箇所や、「フロッグ」でしか破壊できないギミックなどが存在する中、「カンガルー」に関しては、このアーマーでしか出来ないということがなく、やや不憫である*8
    • これらの欠点が考慮されたのか、『X4』以降は各ステージに適応したライドアーマーの内、空いているものに乗り込む形に戻った。
  • パスワードが昇順でしか打てず、降順では打てなくなってしまった
    • 数字が行き過ぎてしまったときのフォローがかなり面倒。
    • SS/PS/Win版では改善されているが、SS/PS/Win版ではメモリーカード等へのセーブ機能がある為あまり意味がない。

総評

根本的なシステムが前二作から変わっているわけではなく、アクションゲームとしては十分に佳作~良作の部類に入る出来である。
やや粗は目立ったものの、ゼロが使用可能、4種のライドアーマー、乱入ボスを倒すか否かによる展開の変化など、新要素を多数盛り込んだ意欲作と言える。


余談

  • OPステージの中ボス「マック」は一部の層に人気がある。
    • 異様なまでの斜めポーズ、ロ○コップを彷彿とさせるバイザー+顔半分と言う外見、とあるやりこみプレーヤーをして「回避難度はナイトメアマザー以上」とまで言わしめた激しい弾幕攻撃、エックスが出会い頭に放った「きみは ゆくえふめいに なっていた マックじゃないか。」という、唐突かつ妙に説明口調な台詞が人気の一因。
    • 最も、そのあとゼロと戦闘になり会話も無く斬り殺されるのみなのだが、それもまた彼の特性を強めている。
  • 岩本佳浩氏の漫画版は『X1』、『X2』時代からそのハードな描写と熱い展開、名言の数々で人気を集めていたが、『X3』編ではそれをも大きく上回る重厚な内容となっている。復刊もされているので、本シリーズファンで未読の方は是非手に取って欲しい。
    • ちなみに漫画版ではマックはゆくえふめいになっておらず、初登場時はまともな奴である。結局ゼロに斬り殺されるのだが。
    • ナイトメアポリスの1体・ヴァジュリーラは、同漫画版にて発した台詞「メぇぇぇ~~リぃぃぃぃクリっスマぁぁぁーーースぅ!!ひゃーーはっはっはっはっはぁーーーっ」が原因でカルト的な人気がある。作者までもが未だに自らのサイトで毎年ネタにしていたりする*9
  • 隠し要素は『X』が「波動拳」、『X2』が「昇龍拳」であったため、本作は「竜巻旋風脚」ではないかと多くのプレイヤーから予想されていたが、残念ながら登場しなかった。
    • 後の『X8』にて実に10年越しの採用。*10ただし、あくまで特殊武器の1つという扱いのため、波動拳や昇龍拳と違って一撃必殺級の威力は無い。ちなみに正式な技名は「旋風脚」なのだが、ボイスではしっかり「竜巻旋風脚!」と叫んでいる。
  • チップは通常一つしか装備できないが最大3つまで装備しているパスワードが存在する。
    • 一部は『大技林』などの裏技本に載っている。
    • パーツなしでチップだけ装備しているパスワードもある。ただし、パーツなしで機能するのはヘッドのみであり、ボディ・フットはパーツなしでは発動せず、アームもエネルギーはたまるが発動しても最初の一発だけチャージショットになって後は普通のショットしか出ない。

ロックマンX3(SS/PS/Win版)

ジャンル アクション
対応機種 セガサターン
プレイステーション
Windows 95
メディア 【SS/PS/Win】CD-ROM 1枚
発売元 カプコン
開発元 水口エンジニアリング(開発)
カプコン(移植)
発売日 【SS/PS】1996年4月26日
【Win】1997年3月28日
定価 【SS/PS/Win】5,974円(税込)
廉価版 【PS】PlayStation the Best for Family
2000年2月24日/2,940円(税込)
【Win】SUPER1500シリーズ
1999年4月16日/1,575円(税込)
判定 良作
ポイント シリーズ初のアニメーション追加
BGMやSEなどをリアレンジして収録
処理落ちなどSFC版の不具合を修正
演出面にやや賛否あるがゲーム性は向上

特徴(SS/PS/Win版)

本作はプレイステーション、セガサターン、Windowsと多岐に渡り移植されている。OPテーマとEDテーマ、OPとステージ開幕にアニメーションが追加され、BGMがアレンジされている。

評価点・改善点(SS/PS/Win版)

  • 操作性の向上
    • SFC版で散見されていた処理落ち(解りやすい部分だとクロスチャージショット発射時やVAVAステージの制限時間付きのエリアなど)が改善されたり、壁蹴りの上り速度が向上したことなどにより、非常にスムーズにキャラを操作することが出来るようになった。
  • セーブにメモリーカード等を使用してデータ保存が可能になった(例えばPS版ではメモリーカード一枚で1ブロック3つまで保存可能)。
    • このおかげでパスワード機能の必要性は減ったが、パスワードも降順でも打てるように改善され便利になっている。
  • アニメデモ
    • 下記の通り出来には問題があるが、当時のユーザーにとってアニメーション動くエックスやゼロ、シグマらを観賞出来ることはそれだけでも十二分に価値のあるものだった。

賛否両論点(SS/PS/Win版)

  • アレンジBGMの評価は、賛否両論が激しい。
    • 全体的に軽く明るい曲調、音質に変化しており、元の良さの多くをスポイルされているが、逆に原曲でかなり単調かつ引っ込み気味だったリズム感を前面に出したアレンジが多い。
    • メロディが上質という点は変わらないのでどちらも悪い訳ではないが、ほぼ別曲なので単純に好みの問題やSFC版、SS/PS/Win版のどちらから入ったかで意見が分かれやすい。
      • 例えば、SFC版と比較してマサイダーステージのアレンジは洞窟ステージなのに重厚感がない、タイガードステージのアレンジは緊張感がない等の意見があり、確かにそうなのだが、代わりにどちらにもトリッキーなリズムが採用され、違う意味で尖った曲になったとも言える。
      • その他シュリンプァーステージのイントロ、その独特の軽く明るい曲調から「ホームセンター」と揶揄されるゼロのテーマ、ドップラーステージ1などが賛否の対象になる。
      • 逆にイントロに大胆アレンジを施したホーネックステージや純粋にPS仕様といった印象のシーフォースステージ、バッファリオステージ、「X4」ライクになったナマズロスステージなど、多くのプレイヤーに好評なアレンジBGMも存在する。
    • 初期PS/SSのゲームよろしくBGMのループがなくなり、最後にフェードアウトしてまた初めからかけ直す形式になっている。SFCに慣れ親しんだ当時のプレイヤーには違和感を感じやすい仕様だった。
  • SEもすべて一新され、エックスやゼロのチャージショットの音が雷鳴のような「バシャー!」という感じの音から「ビュオ~ン!」という感じの力弱い音に変更されたこと等、若干の賛否がある。
    • ただし特殊武器のレイスプラッシャーの音など好評なものも存在する為、BGMほどの賛否両論にはなっていない。

問題点(SS/PS/Win版)

  • アニメデモは作画レベルが著しく低い
    • ドップラー博士がエックスの前二作の戦闘の映像を見るというある種ファンサービスともいえる内容なのだが、動きが飛び飛びである。
      • また、ゼロはムービー登場時は『X2』で復活してからのアーマー姿なのだが、次に登場する場面では『X1』のアーマー姿で描かれている(場面はほぼ連続しておりアーマーを更新する猶予はない)。内容が内容だけに無理に詰め込んだ結果なのか、単なる作画ミスなのかは不明。
      • この他、エックスも1シーンだけ前述の岩本氏の漫画風のタッチで描かれている。
    • これはまずこのSS/PS/Win版のX3が発売された当時は、ゲームソフトにセルアニメを導入すること自体がまだまだ珍しい時代だったという背景がある。
    • ハードウェアの仕様上、プレイステーションでは動きがガクガクなのに対して、2Dグラやアニメーションの表現に強いセガサターンでは比較的滑らかにアニメーションしている。
  • ゲーム起動時やアニメデモの前後に長めのロードが入る
    • せっかちな人だとイライラするかもしれないが、当時のほかのPSソフトと比べて著しく遅いというわけではなかった。
      • X4などの後続作と比べても、ステージの繋ぎやボス登場前にロードが入ったりすることが無く、非常に快適にである。
    • 慣れてくると、気になるのはゲーム起動時のロードのみであり、ボス選択時のアニメはスタートボタンを押しっぱなしにすることでロードごとカット出来る。どうしてもボスのデモ画面が一瞬表示されるSFC版よりも速い。
  • SS版のみ、アスペクト比が少し縦に潰れたようになっており、その代わり画面周りにスーパーゲームボーイのようなステージごとの専用フレームが表示される
    • これはSFC、PSのドットが長方形であるのに対してSSはほぼ正方形のため。
    • この為、アニメーションにおいてはSS版の方が優位だったが、ゲームそのものの移植度はPS版のほうが高いと言える。
  • 上記にもある通り「フロストシールド」はライフ回復を、「アシッドラッシュ」は武器EN回復を落としやすくなる特性があるが、SS/PS/Win版はノートルバンジャー(上や斜めに大砲を打つ良く見かけるザコ敵)相手の時のみ、この効果が逆転してしまっている不具合がある。
  • Windows版のみ、一部ライフアップをゼロで入手出来てしまうバグが存在する。
+ 参考動画:アニメーションやラグフレームについて

PS版、SS版のOPアニメ比較
https://www.youtube.com/watch?v=NPtUknDP4Ik

PS版のTAS動画:ラグフレーム(処理落ち)などについて言及されています。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm29457319

余談(SS/PS/Win版)

  • 渋谷琴乃氏が歌うオープニングテーマ『ONE MORE TIME』とエンディングテーマ『I'm Believer』があるが、テーマソング集に収録されていない。フルサイズを聞くためには「七星闘神ガイファード オリジナル・サウンドトラック」(1996年06月26日)を入手しなければならないが、廃盤なので入手するとなると非常に困難*11。恐らく、渋谷氏が『ガイファード』で主題歌を担当した関係と思われる。『バイオハザード』の主題歌(ディレクターズ・カット版は未収録)も同時に収録されているのも、同じ理由と思われる。
    • OPテーマは、ゲーム版とフルサイズでは歌詞・渋谷氏の歌い方・曲調など全く違っている。
    • EDテーマは、OPと違い歌詞に違いはないがループの回数がゲーム版とフルサイズでは違っている。
      • ちなみに移植版のエンディングはSFC版と同様の構図としつつ、モノクロのアニメーションを小さい枠で流したものとなっている。そのアニメーションの中には『イレギュラーハンターX』まで具体的に明かされなかったエックスの出生を匂わせる描写も含まれている。
  • 3DOにも移植予定だったが開発中止となってしまった。

*1 ステージクリアかゲームオーバーになった後は使用可能。

*2 前作『X2』でも擬似的ながら可能だった。

*3 Xでは複数人が担当していたが、前作で岩井由紀氏だけ続投。

*4 例えば「グラビティ・ビートブート」の攻撃パターンはロックマン2「リーフマン」によく似ている

*5 突進は非常に危険だが、幸い電撃の威力は低め。

*6 ホーネックステージの「シュリケイン」という中ボスのみ、道中の大型ザコと同じ爆発演出が使われている。

*7 「フロッグ」のみ、やや困難ではあるが初期状態でも入手は可能

*8 なお、フロッグはギミックを破壊せずとも該当アイテムを入手する方法があるため、必須と言うわけではない。さらに隠し要素であるハイパーチップを前提とした場合は、ライドアーマーが4種も用意されていながら、「キメラ」だけがあれば全てのアイテムをそろえられてしまう。

*9 ロックマンX20周年を記念してかついに2013年でヴァジュリーラは御役御免となった……と思いきや、2014年にしれっと作者のTwitterで再登場した。

*10 『X8』より以前の『コマンドミッション』ではゼロの隠しハイパーモード時に「旋風脚」という技が使用出来たが、本編では『X8』が初。ちなみに「波動撃」「昇龍拳」も同時に使用可能であり、敵専用技に「滅殺波動拳」が存在する。

*11 なのにEDのフルサイズを聞くには、このCDでないと聞けない。