スペースインベーダーDS
【すぺーすいんべーだーでぃーえす】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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タイトー
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開発元
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ドリームス
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発売日
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2005年3月24日
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価格
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3,990円(税5%込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所
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レーティング
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CERO:全年齢(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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DS版復刻インベーダー 再現度いまいちな原作版 ボリューム不足なアレンジ版
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スペースインベーダーシリーズ
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概要
元祖『スペースインベーダー』の移植、及び本作専用のアレンジを収録したソフト。
任天堂系列の携帯機としては、GB版『スペースインベーダー』、GBC版『スペースインベーダーX』、GBA版『スペースインベーダーEX』に次ぐ第4作目に当たる。もちろんニンテンドーDS初のシューティングゲームでもある。
主なルール及びモード
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DSの電源を入れると、いきなり砲台を操作してUFOを破壊する場面に遭遇する。
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UFOを撃ち落とすと累計スコア(下記)が増加されるが、撃ち漏らしてもペナルティなどはなく単にスコアが入らないだけである。
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煩わしい場合にはスキップすることも可能。
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オートセーブ形式。操作系統はほぼ十字ボタン/ボタンで行う。
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ゲーム画面は原則として上画面のみで、一部例外を除けば下画面は使用しない。
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オプションで「砲台ストックの増減」「スコアエクステンドの変更」「データの消去」の設定が可能。
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「砲台ストックの増減」「スコアエクステンドの変更」に関してはクラシックバージョンのみ有効。
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「データ消去」に関してはクラシックバージョンのみならず、ゲーム内すべてのものが消去される。
クラシックバージョン
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初代インベーダーの移植にあたる。
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基本的なプレイ方法は全く同じなので、このページでは割愛する。
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十字ボタン/ボタン操作の代わりに、下画面をスライドして砲台移動、タッチにてショットを撃つ事も可能。
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上記のUFO撃ち落しや、このバージョンで得たスコアはプレイする度に累計が蓄積され、下記のニューエイジバージョンの特殊武器種類の増加に反映される。
ニューエイジバージョン
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本作限定のアレンジ版で、計20ステージを攻略しクリアを目指していく内容。
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ステージ選択式で、最初は一部のステージしか選べないが、特定のステージ数をクリアしていく度に新ステージが解放されていくという流れ。
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大まかなルールについて。
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各ステージは残機(砲台)数3で固定。スコアの類は存在せず、ステージクリアしても残機に一切の引継ぎはない(次ステージにて必ず残機3に戻る)。
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基本操作は「十字ボタンにて砲台の左右移動、ボタンでショット」と原作と全く同じ。
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但し、クラシックバージョンとは違い、下画面スライド & タッチでの操作はこのモードでは適用されない。
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各ステージは一部を除き、敵編成が3回出現するので、それを全滅させるとステージクリアとなる。
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敵編成は全滅させる度に難易度が高くなり、段々と攻略が厳しくなってくるので、それをわきまえたプレイスタイルが重要となる。
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逆に砲台が破壊されストックがすべて尽きるとゲームオーバーとなる。
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ステージクリアかゲームオーバーを問わずにステージを終えるとステージセレクト画面に戻る。
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本作はステージセレクト方式であり、クリアの有無は問わず何度でも同じステージの挑戦が可能である。
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クラシックと本バージョンとの大きな違いは、UFOが出現しない以外は原則として同じ。
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画面内で砲台ショットが1発しか撃てないのも同様(但し、下記のラピットショットの例外もある)。
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トーチカについては、原作と同様に4つあるステージもあるが、ステージによっては2つだけか1つしかない他、敵砲台とのタイマンステージのように全くないステージもある。
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なお、このバージョンではオプション項目などの設定変更(砲台数など)は一切できない。
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特殊武器について。
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ステージ中にて任意で砲台の性能を強化できる特殊武器システムを採用している。
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下画面にパネルとして常に表示されており、使用したい項目にタッチすればその特殊武器をセット(効果発揮)できる。
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セットした特殊武器パネルを再タッチすればセット解除が可能。また、タッチの代わりにRかLボタンで特殊武器カーソルの選択、Xボタンにてセット/解除と、ボタン操作の代用も可能。
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エネルギーの最大値は100。特殊武器を使用する度に画面下に表示されたエネルギーが消費され、それがなくなると特殊攻撃が使用できなくなる。
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ステージ内にて消費したエネルギーは、1ラウンド終了(敵全滅)毎にエネルギーが25(1/4分)回復される(それ以外の回復方法は無い)。そのステージクリア時に残ったエネルギー残数は次のステージプレイにて継ぎ足される。
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使用できる特殊武器は計6種類。
+
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特殊武器の詳細
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「スピードアップ」…砲台の移動スピードが上がる。
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「ラビッドショット」…砲台ショットが連射できようになる。
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「サポートショット」…砲台の左右に補助オプションが付き、前方計3方向のショットが撃てるようになる。
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「レーザーショット」…ショットがレーザーに変化し、敵を貫通する。
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「バリア」…これを使用している最中は敵の攻撃をもらっても無効化してくれる。
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「ストップ」…敵の動きを止めてしまう。但し、すでに発射されている敵弾は止められない。
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各特殊武器は2つ同時にダブルセットが可能で、セット内容によってより強力な効果が得られる。但し、エネルギー消費量が大幅に増えるというデメリットもある。
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このバージョンの初めてのプレイ時では一切の特殊武器は選択できない。
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選択を行えるようにするには、クラシックバージョン等で得た累計スコアを一定基準値まで満たす必要がある。
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なお、解禁された特殊武器はゲームデータを消去しない限りは永久に即選択可能となる。
評価点
クラシックバージョン
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原作の雰囲気が堪能できる。
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ゲーム開始時に元祖インベーダーの筐体が再現されたグラフィックが表示され、なかなかノスタルジーに浸れるものがある。
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「画面下に表示されたコイン投入口をタッチすればゲームが開始される」という、原作ファンならばニヤリとしてしまうであろう演出がある。
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GBC版(『スペースインベーダーX』)やGBA版(『スペースインベーダーEX』)と比べて、原作の再現度が大幅に改善された。
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GBC版やGBA版と異なり、ちゃんと原作版のような敵の撃墜スコア一覧の表示がされるようになった他、GBA版と違い1面クリア毎にタイトル画面に戻されるといったことがなくなった。
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「レインボー」や「名古屋撃ち」といった裏技もしっかり再現されているのも嬉しいところ。
ニューエイジバージョン
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原作の雰囲気をできるだけ崩さずに、ちゃんと今風のアレンジがなされた内容となっている。
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巨大なインベーダーを含む、全ての敵キャラが昔風のドット絵のインベーダーで統一されているのも、原作に慣れ親しんだ人には嬉しいポイント。
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敵砲台のグラフィックも原作版の自機のものになっているという凝りよう。
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「世界中に侵略したインベーダーを全滅する為、砲台が世界中を駆け回る」という設定で、各ステージによって地方色豊かな背景とBGMが用意されている。
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GBA版(『スペースインベーダーEX』)の妙におどろおどろしく暗いBGMとは異なり、普通に爽快感あるものになったのも嬉しいポイント。
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各ステージはさくさくと攻略できる心地よいテンポの良さで、どんどん次のステージへ進みたくなるお手軽さを持っている。
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また、各ステージには敵の性能に明確な差があり、マンネリを感じさせない工夫がされている。一例としては…。
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インベーダーを撃つと分裂する。
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常時インベーダーが点滅しており、消えている最中は攻撃を受け付けない。
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小型のインベーダーが大量に出現する。
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こちらと同じ性能の砲台が敵で、1 vs 1のタイマンバトルとなる。
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敵が超巨大なインベーダー1体のバトルで、インベーダーの複数で構造されたドットが破壊部分となっている。
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通常と異なり、徐々に後退していくインベーダーを倒していく。
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指定されたインベーダーを順々破壊する必要があり、もし違うインベーダーを撃ってしまうと即ゲームオーバーとなる。
問題点
クラシックバージョン
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GBC版やGBA版よりも大幅に改善されたとはいえ、やはりクラシックバージョンの再現度は完全とはいえない。
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具体的には「ショットの間隔が原作と違う」「UFO破壊の得点パターンの相違」などが挙げられる。当時やり込んでいたプレイヤーや原作に思い入れの強いプレイヤーの場合には違和感を覚える事が必須と思われる。
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ただし、全くの新規もしくはそこまで気にしないプレイヤーなら、問題なく普通に遊べる出来ではある。
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原作でいうところのカラー版しか収録されていない。
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アップライト、白黒、セロファンの各版は何故か未収録。本作より容量の少ない筈のSFCソフト『スペースインベーダー The Original Game』でもできていたというのに…。
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それでも携帯機で遊べるという有用性はあったのだが、本作の約1ヶ月後(2005年5月12日)にPSPで原作4バージョン完全収録・移植度も上の『スペースインベーダー ポケット』がリリースされたため、すぐにその有用性も揺らいでしまうことに…。
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タッチスクリーンでの操作感知がかなり悪い。
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これで操作する位なら、十字ボタンとボタンで行った方が断然遊びやすい。タッチ操作の押し付けではないのが救いではあるが…。
ニューエイジバージョン
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明らかなボリューム不足。GBC版やGBA版と比べて明らかにボリュームが少ない。
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ちょっと触れれば1~2時間位で全ステージクリア可能なまでにボリュームが足りていない。難易度設定やクリア後のおまけも特にない。
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全20ステージといえば一見では多そうだが、評価点で述べたテンポの良さの件も相まって1ステージが速攻でクリアできてしまう。
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やり込み要素が薄い。
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上記にもある通り、難易度設定等が特にない他、スコアの類も存在しないため、1回クリアしたらそれっきりになり易い。
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また、ミッションに失敗してもペナルティ等は一切存在せずに同じステージを何度でもやり直せるので緊張感がない。ただし、ゲームに不慣れな人には親切設計ではある。
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登場インベーダーの種類が少ない。
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評価点で述べた巨大インベーダーや敵砲台を除けば、どのステージでもほぼ同じ雑魚グラフィックの使い回しばかりである。
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敵弾のバリエーションも雑魚は直進型、敵砲台等のボスクラスがレーザーを放つ位しかない。15年前の『マジェスティックトゥエルブ』や『スペースインベーダーズ 復活の日』の分家モードにすら劣る。
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特殊武器の解禁条件が謎。
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解禁の為の累計スコアは、なぜかニューエイジバージョンの通常ステージでは一切稼ぐことができない。
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累計スコアを稼ぐには「電源を入れた際に現れるUFOを倒す」「ニューエイジバージョンのボーナスステージ(グリーンランド)に出現する敵を倒す」「クラシックバージョンをプレイする」といったことをひたすら繰り返す必要がある。
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特殊武器の燃費が悪すぎる。
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おそらくは安易に使えすぎてゲームバランスを壊さない為の調整だと思われるが、それにしても燃費の悪さがあまりにも酷い。
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エネルギー自体は最大100と多いが、シングルセットでの特殊武器を使用するだけでも簡単にエネルギーが枯渇してしまう。ダブルセットにしようものなら一瞬でエネルギーが切れる有様。
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1ラウンド終了(敵全滅)毎にエネルギーが25(1/4分)回復できるのだが、使用するエネルギーの多さ故にそれでは追い付かず、特殊武器が使用できる場面は大幅に限られてしまう。
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ただし極一部エネルギー無制限で特殊武器を使えるステージもある。
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特殊武器の存在意義が薄い。
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それなりの腕前さえあればメインショットだけでも十分クリア可能なゲームバランスとなっており、特殊武器を無理に使う必然性がほとんどない。
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一応いっておくと、各武器の性能自体は悪くなく、使いどころによっては割と役に立つ場面もあり、初心者救済にもちゃんと役立ってはいる。
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もっとも、特殊武器を絶対に使わないとクリアが困難な程に高難易度な場合、それはそれで問題であったと思われるが。
総評
原作版とアレンジ版を同時収録した本作ではあるが、どちらも色々と問題が目立つ出来となってしまった。
何よりも「ボリューム不足」という大きな問題点が痛く、定価が約4,000円とDSの標準的なソフトより1,000円安いとはいえ、定価で買った場合にはどうにも物足りないと感じたり、損をしてしまったと感じてしまう可能性が高い。
とはいえ、問題点こそあれどゲームそのものに致命的欠陥がある訳ではないし、薄いとはいえニューエイジバージョンは地味な面白さを持っており、気軽に遊ぶには確かに適任なソフトではある。
ボリューム面の問題についても、中古等で定価より大分安く入手できた場合になら、そこまで損には感じないだろう。
余談
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本作の後に同じDSにて『スペースインベーダーエクストリーム』『同2』が発売されている(『1』のみPSPでも発売されている)。
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とはいえ、本作との関連性はインベーダーを題材にしている以外には特にない(一応巨大インベーダー等にグラフィックが流用されている可能性はあるが)。
最終更新:2023年10月10日 00:14