甲虫王者ムシキング スーパーコレクション

【こうちゅうおうじゃむしきんぐ すーぱーこれくしょん】

ジャンル 甲虫バトル
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売・開発元 セガ
発売日 2007年7月19日
価格 6,090円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 束のカードが使える
事実上の移植
付録が(当時は)祭りに相応しく豪華
甲虫王者ムシキングシリーズ


概要

甲虫王者ムシキング』の5周年記念を祝って発売された。愛称は「スパコレ」など。
これまでのムシキングの家庭用ゲームとは違い、アーケード用のカード(2007年までのムシキングのアーケードに収録されていたカードが対象。)を『カードスキャナー』をGBAスロットに装着し、使用できることがポイント。
また付録としてアーケードで使用可能の限定カードと本作のみで使える限定カードが付いていた。
なお本記事ではアーケード版の甲虫王者ムシキングを以下AC版と表記する。

特徴

  • 本作はAC版同様の内容を遊べることを売りにしており、カードスキャナーを使用してAC版の『5周年コレクションカード第2弾』までのカードをスキャンして遊ぶことが出来る。
  • AC版『甲虫王者ムシキング』のひとりであそぶモードが収録されている。収録内容はアダー完結編突入寸前までのシナリオが移植されている。これにより過去のシナリオでも遊べるため、これまでのムシキングシリーズの振り返りが可能である。
  • ふたりであそぶモードも移植されており、AC版さながらのDSを筐体に見立てての対戦プレイが可能である。
    • なお筐体にはアイコンボタンのグー・チョキ・パーのボタンが1Pと2P用に二つ用意されていたが、本作では1P側には十字キー、2P側はDSのX・Y・Aボタンをじゃんけんアイコンのボタンの代わりとして使用する。
  • 『そだててぼうけん』は本作限定のモード。オリジナルの主人公を使用し、ムシのたまごを育てて、様々な敵と戦うモード。
    • 本モードで育てたムシは、購入時についてくるオリジナルカードの召喚カード(グー・チョキ・パーの各一枚)に一体のみ登録可能。そして登録したカードをスキャンすることで他モードでも使用が可能である。
  • 『カードコレクション』を搭載。これは所持しているAC版のカードをスキャンすることで、アルバムのように登録できる。
    • 登録したカードは、各種カードのデータや、必殺わざムービーの観覧が可能。またスキャンした枚数などでそだててぼうけんに使えるアイテムを手に入れられる。
  • Wi-Fiでの全国ランキングの要素がある。そだててぼうけんで召喚カードに登録したムシのスペックを全国ランキングで競う。
    • 現在はWi-Fiコネクションが終了したため利用することはできない。

評価点

  • ボリュームが素晴らしい。
    • 事実上の移植であるこの作品は2003年から2007年のデータが収録されていて飽きさせない。
    • 現在旧カードを使って旧ムシキングをプレイするための唯一の手段。
      旧AC版が稼働停止してしまった今、当時のファンが当時とほぼ同じ環境で遊ぶ事が出来るこのソフトは非常に貴重。
  • カードスキャン機能は大好評。
    • たまってしまい使い道の無い2007年のカードが使えるのはかなりファンにとっては嬉しい。さらに使ったらスキャンしたデータがコレクションとして残る。自分のカードをアルバムのように出来るのはうれしい。
      • また一度カードをスキャンさえすれはデータとして登録されるので、スキャンをする必要は無くなる。
      • スキャンすると「カードポイント」が貯まり、ポイント数に応じて報酬が貰える。
      • 上画面には「コレクターズメダル」が表示され、スキャンしたカードのバージョンを確認出来る。
    • 非常に細かい違いまで網羅されており、例えば2003年初期に排出された「せいかくなし」や同一のムシでも排出時期により「超必殺わざ」「せいかく」が違うタイプは勿論のこと*1、雑誌付録専用カードやグレイテストチャンピオンカード・Dr.NEBUマスターズカードといったライセンスカード、緑バーコードや対戦バトラーズターミナル版カードといった実用面では全く違いのないカードまで全て別のカードとして認識され、コレクションに記載される*2
      • 「2007夏シャイニング」のカードではムシが光輝く演出が付与されるが、それも再現される。
      • 使用できないカードはロケテスト版と最初期のロングバーコード型・海外版カードといった特殊なものと、本作発売後の「アダー完結編」に登場したカード(2008第2弾の「むしつかいのあかし*3」を除く)だけであり、一切の隙が無い。
      • 「20063Dキャンペーン」のカードは表面はスキャンできないが、裏面はスキャンできる。
+ コレクターズメダルの種類
種類 バージョン 備考
NT 性格無し
T 通常版(性格導入後)
CC 超必殺わざ変更 フォレストグリーンまで
TC 性格変更
07-1 2007ファースト 緑バーコード
07-S 2007夏シャイニング 緑バーコード
ムシカードは特殊仕様
07-1+ 5周年コレクションカード 緑バーコード
同バージョンで新録されたカードのみ
NEW 2008以降のカード 取扱説明書には記載されているが、
実際にはアダー完結編に移行した為
該当無し(没データ)と思われる。
BT 対戦バトラーズターミナル 2007 Ver1.0
BT-SP オールスターズ甲虫カード 特殊仕様
2007 Ver1.0で排出
03-06 2003~2006のわざカード フォレストグリーンまで
SP 雑誌付録カード スジブトヒラタクワガタは
映画前売り券特典・2007ファースト排出
DS 『スーパーコレクション』付録カード

※「対戦バトラーズターミナルver.」のカードはバーコードの色が異なるだけで、通常版と同じ

+ ムシカード一覧

〇:カード化されている
A:アダーコレクションが存在する
N:ネブ博士スペシャル
B:ブラック博士スペシャル
M:ムシ王スペシャル
黒:特別仕様(羽が黒い)
△:データ上のみ存在する(カード化されていない)

No. 甲虫名 NT T CC TC 07-1 07-S 07-1+ BT BT-SP
000 ムシキング 〇※1
001 ギラファノコギリクワガタ B△
002 ヘルクレスオオカブト B△
003 グランディスオオクワガタ A
004 コーカサスオオカブト
005 エレファスゾウカブト A
006 オオクワガタ A A
007 ゴホンヅノカブト A N〇
008 メンガタクワガタ A
009 コクワガタ A
010 セアカフタマタクワガタ
011 ミヤマクワガタ A
012 ヒラタクワガタ A
013 ノコギリクワガタ A
014 エラフスホソアカクワガタ A N〇
015 カブトムシ A M〇
016 タイゴホンヅノカブト A N△
017 グラントシロカブト A N△※2
018 ノコギリタテヅノカブト A
019 アクティオンゾウカブト A※3 B〇
020 パラワンオオヒラタクワガタ A※3
021 メンガタカブト A M△
022 スペキオシスシカクワガタ A
023 ネプチューンオオカブト
024 アトラスオオカブト A
025 ヒルトゥスヘラヅノカブト A M〇
026 サビイロカブト A
027 ラコダールツヤクワガタ A
028 コガシラクワガタ A
029 タランドゥスツヤクワガタ B△
030 オウゴンオニクワガタ
031 ブルマイスターツヤクワガタ
032 モーレンカンプオオカブト A
033 ヒメカブト A
034 マンディブラリスフタマタクワガタ A
035 ケンタウルスオオカブト A
036 マキシムスマルバネクワガタ A
037 サタンオオカブト A
038 アルキデスオオヒラタクワガタ A
039 インペリアリスツヤクワガタ A
040 ヘルクレスリッキーブルー A
041 アヌビスゾウカブト A
042 ファブリースノコギリクワガタ A
043 ディディエールシカクワガタ
044 ハスタートノコギリクワガタ A
045 ケブカヒメカブト A
046 フェイスタメルシワバネクワガタ A
047 サンボンヅノカブト A
048 ムナコブクワガタ A
049 ヒルスシロカブト
050 カンターゴカクサイカブト A
051 ミクラミヤマクワガタ A
052 ヒメゴホンヅノカブト A
053 キプルツヤクワガタ A
054 プラティオドンネブトクワガタ A
055 ギアスゾウカブト
056 ウォレスノコギリクワガタ A
057 バックレイコフキカブト A
058 ギガスサイカブト A
059 ヒシガタタテヅノカブト A
060 パプアキンイロクワガタ A
061 マルスゾウカブト
062 アルケスツヤクワガタ
063 ティティウスヒラタクワガタ A
064 スティーブンスツヤクワガタ A
065 クロゴホンヅノカブト A
066 デリカトゥスマルバネクワガタ A
067 パプアミツノカブト A
068 フォルスターフタマタクワガタ A
069 マンディブラリスミツノサイカブト A
070 クロパプアサンボンヅノカブト A
071 アカアシクワガタ A
072 ティティウスシロカブト A
073 ヘルクレスオキシデンタリス 〇※4
074 フェモラリスツヤクワガタ
075 ラティペニスツヤクワガタ
076 ストリアータツヤクワガタ
077 オキナワカブト
078 パンカブト
079 パリーオオクワガタ
080 ヘルマンミヤマクワガタ
081 ドウイロクワガタ
No. 甲虫名 SP DS
MOVIE スジブトヒラタクワガタ
DS-SC ホペイオオクワガタ
009-S ジャンボ
012-S ヒラタクワガタ(SPアタック)
013-S ジョー
015-S キング
015-S-3 カブト丸
017-S グラントシロカブト(ネブSP)
018-S ヤイバ
033-S ヒメカブト(SPアタック)
048-S チャン・G
015-S-2 キング(SPアタック)
015-S-4 カブト丸(SPアタック)

備考
※1:5周年コレクションカード第1弾のシークレットカード。なお、第2弾の「オウゴンオニクワガタ」は通常版と同じ。
※2:雑誌付録の「ネブ博士スペシャルグラントシロカブト」とは同じ外見だが、エフェクトが追加されている。
※3:アクティオンゾウカブトのアダーコレクションは「CC」、パラワンオオヒラタクワガタは「TC」相当のステータスだが、カードコレクションの表示ではアダーコレクションは「T」扱い。
※4:2007ファーストでは特別仕様なので、通常版(黄色い羽・シャイニング仕様でない)は5周年コレクションカード第1弾で初めて収録された。

+ わざカード・ライセンスカード一覧
  • わざカード
    〇:カード化されている
    △:データ上のみ存在する(カード化されていない)
No. わざ名 03-06 07-1 07-S 07-1+ BT DS
000 キングトルネードスロー
001 ガンガンスマッシュ
002 ドラゴンアタック
003 ダンガン
004 ローリングスマッシュ
005 必殺ふうじ
006 最後の力
007 ブルロック
008 ローリングクラッチホールド
009 カワセミハッグ
010 ランニングカッター
011 あいこやぶり
012 必殺よこく
013 ローリングドライバー
014 サイドスクリュースロー
015 トルネードスロー
016 サイドロックボム
017 あせらせ 〇※1
018 はんげきかいふく
019 ダイシャリン
020 デビルスリーパー
021 かいふく
022 ヒャクレツケン
023 クロスダイブ
024 サイクロンホイップ
025 ハヤテ
026 とくしゅふうじ
027 あいこボーナス
028 こうげきダウン
029 まもりアップ
030 あいの力
031 S・A・S
032 コンプリートスマッシュ
033 フォレストブリッジ
034 アースクエイクスロー
035 サブマリンアタック
036 ハヤブサ
037 ローリングクレイドル
038 モールアタック
039 リバーススラム
040 サマーソルトプレス
041 アンデストラップ
042 トリプルスープレックス
043 カゲロウ
044 ダ・ブエルタ
045 D・H・B
046 サーフィンライド
047 すてみのいちげき
048 G・ネックブリーカー
049 ダイブボンバー
050 ミストクラッシュ
051 アクシズスピン
052 ばいがえし
053 バーニングバースト
054 アクセルグライド
055 ストライクバック
056 ヘルクレススパイラル
057 G・G・ラッシュ
058 カザグルマ
059 エアロキャプチャー
060 マルスハンマー
061 サイズ
062 バックスピンブロー
063 グリーンアロー
064 エメラルドフロージョン
065 シャークアタック
066 AAA(トリプルエー)
067 バッファロークラッシュ
068 タツマキ
069 ターンアンドターン
070 ヘッドスピンラッシュ
071 フウジン
072 キリガクレ
073 ダッキングスルー
074 ゆう気のいちげき
075 T4
076 VTブレイク
077 シンザンキョウ
078 モンキーシュート
079 プロペラダイブクラッシュ
080 ウチナートルネード
081 マンディブクラッシュ
082 ホットケーキミラクル
083 ウィニングショット
084 ゲキオリ
085 スティング
SP000 スーパーキングトルネードスロー
SP002 スーパードラゴンアタック
SP003 スーパーダンガン
SP004 スーパーローリングスマッシュ
SP008 スーパーローリングクラッチホールド
SP009 スーパーカワセミハッグ
SP010 スーパーランニングカッター
SP015 スーパートルネードスロー
SP016 スーパーサイドロックボム
SP019 スーパーダイシャリン
SP025 スーパーハヤテ
SP033 スーパーフォレストブリッジ
SP036 スーパーハヤブサ
SP038 スーパーモールアタック
SP039 スーパーリバーススラム
SP042 スーパートリプルスープレックス
SP043 スーパーカゲロウ
SP045 スーパーD・H・B
SP046 スーパーサーフィンライド
SP050 スーパーミストクラッシュ
SP051 スーパーアクシズスピン
SP054 スーパーアクセルグライド
SP055 スーパーストライクバック
SP058 スーパーカザグルマ
SP059 スーパーエアロキャプチャー
SP063 スーパーグリーンアロー
SP064 スーパーエメラルドフロージョン
SP065 スーパーシャークアタック
SP066 スーパーAAA(トリプルエー)
SP068 スーパータツマキ
SP070 スーパーヘッドスピンラッシュ
SP071 スーパーフウジン
SP072 スーパーキリガクレ
SP073 スーパーダッキングスルー
SP077 スーパーシンザンキョウ
SP078 スーパーモンキーシュート
SP079 スーパープロペラダイブクラッシュ
SP080 スーパーウチナートルネード
SP083 スーパーウィニングショット
SP084 スーパーゲキオリ
SP085 スーパースティング
  • ライセンスカード
GPカード※2
GCカード
Dr.NEBUマスターズカード
MK・ジョニーマスターズカード
ムシキングEdyカード
むしつかいのあかし※3

備考
※1:「ナミアゲハ」(2003秋まで)と「アオスジアゲハ」(2004ファースト以降)の2種類存在する。
画面の表示やメダルはどちらも同じだが、スキャン数はそれぞれ別々にカウントされポイントが貯まる。
※2:GP-1カードはGPカードと同じバーコード。
※3:前述の通り、アダー完結編の「2008第2弾」で排出されたものも含む。

  • 特別モード「育ててぼうけん」は好評。
    • 本家のシナリオにRPGの要素が加わった様なモードで、主人公は男女のうちどちらかが選べる。(前作とは違い、こちらは2人ともポポと同じ森に住む妖精という設定)
    • 一部のザコやボスは完全なパターンでは無くランダムで動く事もあるため、本家のようにやすやすとは倒せない。
    • タマゴを成虫まで育てる事が可能。オリジナルの名前を付けられ、さらに強さ300(通常の最大値は200。本来300はボスのみ)まで育てられる。
    • なおタッチペンで成長中のムシをつつくことも出来る。かわいいリアクションを取ってくれる。
      • 当たり前だが現実では幼虫はもちろんサナギをつつくなど最悪死んでしまうこともあるため、言語道断。
+ 一部ネタバレ
  • 通常戦闘はオリジナルのBGMを使用しており、しかもラストダンジョンでは別の曲に変化するなど凝っている。
  • ラスボスはAC版で人気が高い「改造コーカサス」のBGMを使用しており、シチュエーションも相まって非常に盛り上がる。
  • DSで出た前2作のオリジナルモーションではなく、アーケードと同一のモーションを使用しており、非常にクオリティが高い。
    • 流石にアーケードから劣化した点も…後述。
  • 付録のカードは限定デザインであり、筐体から入手できない。わざカードはアーケードでも排出されたが、「ホペイオオクワガタ」は本作でしか手に入らない。
    • ホペイオオクワガタはムシキングの世界では珍しい日本を除いた東アジアの虫である。

問題点

  • やはりハード的に完全再現は無理だった様子で劣化した点がある。以下、例。
    • わざのムービーが全体的にスローモーションになっている。
      • フィニッシュが特に顕著で、AC版と同じくカットインを5回も繰り返すが、スローモーションのままで非常にテンポが悪い。
    • 少しカメラワークがアップすると、背景の汚さが目立つ。
    • フレームレートが低い。特に必殺技発動時はかなりカクつく。
    • ライセンスカードのキラキラ演出が劣化している。特にDr.NEBUマスターズカード、GP/GCカードは酷い。
      • フレームレートが更に悪化する原因にもなる。
    • 音割れが激しい。しかも音質はかなり悪い。キャラボイスは特に露骨。
    • バトル中に登場して会話するキャラクター達が動かない。(アーケード版では動く)
  • インターネット通信対戦に対応しておらず、ローカル通信対戦は2台分のソフトが必要な為、多くの場合対戦時はDS一台のみでの二人プレイを強いられる。非常に窮屈な上に、AC版同様に手元も見えてしまう。AC版の対戦スタイルを携帯機に無理やり詰め込んだために、AC版の問題点をさらに悪化させてしまう形になってしまった。
    • 相変わらず推奨される対策も「タオルで手元を隠す」。
  • 「パプアミツノカブト」の属名は「スカパネス属」、「マンディブラリスミツノサイカブト」は「ストラテグス属」であるが、表記が逆になっている。
    • なお、どちらも1種しか登場していない属である為、タッグ相性への影響は無い。
  • 「ムシキングヒストリー」では過去のシナリオをプレイ出来るが、データ容量や当時との仕様の違いの関係*4からか、お世辞にも再現度が高いとはいえない。飽く迄シナリオを振り返る為のおまけモードと割り切る必要あり。
    • 使える虫は「カブトムシ」か「ムシキング」の1匹で固定、技も固定されている。その上カスタマイズもあまり良くない(相性が〇や△の技もある)。
    • 特にアダー登場編4の「最後の決戦」は再現度が低い。
      • 2005ファースト当時の「ムシキング」の仕様が再現されていない。当時はまだカード化されておらず、通常版の「カブトムシ」や「キング」「カブト丸」と超必殺わざ・テクニックはそのままで性格と強さだけ変更していたため*5、MAXカスタマイズ時は強さが208まで上がっていたが、それが再現されておらず、必殺わざは相性△のトルネードスローになっている。その結果、当時と比べて大幅に弱体化している。そのせいで、3匹目の「パラワンオオヒラタクワガタ」とのバトルでは「ダゲキわざ→ハサミわざ→ナゲわざ(必殺わざ)」の順にじゃんけんに勝っても僅かに耐えられてしまい、カスタマイズが良ければ3手で倒せるが、結局4手かかる。
      • 本来は2匹(プレイヤーの虫とムシキング)vs大型甲虫3匹の特殊な対戦形式だが、本作では「ムシキング」だけで1匹ずつ戦う。その都度「最後の決戦」のカットインが入る。
      • 一応、敵の「コーカサスオオカブト」と「パラワンオオヒラタクワガタ」は性格変更前のアタックタイプになっている。これはカードの仕様の違いなので、2007ファースト環境でも再現可能ではあるが。復活の森の「さいごのおはなし」の「コーカサスオオカブト」も同様。流石にグラフィックは変更後のものになっているが。
    • 同様に、「復活の森」「アダーの計画」でも本来は途中からプレイヤー側は2匹使用するが、それも再現されていない。その為か、復活の森の「つづきのおはなし」のその3(タッグパートナー)、アダーの計画の「つづきのおはなし」のその3(タッグマッチ)はサブタイトルが表示されない。
      • また、アダーの計画も本来は「さいごのおはなし」の最後と「ほんとうのさいごのおはなし」ではその2から敵も2匹になるが、その点も再現されていない。
    • BGM、一部セリフ、キャラボイス、敵の思考がカットされている。
    • シナリオが完全に繋がっているという性質を利用して、原作ではアダー登場編4には一切描写されずフェードアウトしたアダー登場編3にて味方に付いてくれる改造甲虫*6が、アダー登場編4において名指しされており、明確に死亡してしまったことについて触れられるなど補完された部分もある。
  • 真っ当な手段ではカードコレクションのコンプリートが不可能。「SP008 スーパーローリングクラッチホールド」というわざカードがデータ上に存在するにもかかわらず、実際のカード化が行われなかかったため*7
    • コンプリートするには改造でコレクション状態を書き換えるか、解析データを用いて印刷したバーコードを読み込ませるしかない。
    • 「カードコレクション」に表示される画像は明らかに使用するムシと関係ないものであるが、これは「5周年コレクションカード」で初登場したわざカードも同じ仕様となっている。これらはカードのイラストが未完成であった為と考えられる。
      • なお、「カードコレクション」画面でのバージョンの表記から、本来は『対戦バトラーズターミナル』でカード化される予定だったと思われる。
    • カードコレクションをある程度進めると、アーケードモードのスペシャルステージに出てくる「セアカフタマタクワガタ」が使用する。
    • スーパーアタックタイプ版の「カブト丸」も同じ方法を使う必要がある。
      • 此方はスキャンして初めて枠が出てくる隠しカードである事とスーパーアタックタイプ版の「キング」はカード化された為か「スーパーローリングクラッチホールド」程話題にはならなかった。
  • カードコレクションにおける一部のムシカードのイラスト
    • イラストは前作『グレイテストチャンピオンへの道2』『2006DS』から流用したものとなっている。
      • そのうち、2006セカンド以降で新規追加された虫は『グレイテストチャンピオンへの道2』に登場していないため新規で書き下ろされたものとなっているのだが、いずれも拡大しすぎて作画崩壊を起こしたような気味の悪いイラストとなっており、元のムシとの判別がかなり難しい。
      • カードのデザイン自体はAC版の「2006DS(ダイナミックスタンド)」と同じだが、そちらに登場する虫も含めて本作のイラストの方が拡大されている場合が多い。もっとも、実際のカードと比較すると解像度が低くなる為、敢えてそうしたのかもしれないが。
+ 育ててぼうけんのネタバレ
  • ラスボスを倒しても「戦いはまだまだ続く」ENDであり、主人公・改造甲虫共に報われない結末に終わる。
  • 特にマップの変化等もなく、ラスボスに何度も再挑戦できる。

総評

「カードもう使わないし…でも中古で売ってもろくな金に今はならないし…思い出もあるからな~」という人にまさにピッタリ。
移植としては不満点も多いがハードの機能を考えると十分。むしろ良移植かもしれない。

余談

  • スキャン機能のための周辺機器は初代DS、もしくはLiteのGBAスロットに挿して使う。そのためGBA互換が廃止されたDSi以降では、ソフトは起動できるがカードは使えない。
    • 召喚カードは仕様上、ソフト内に登録されたムシを呼び出すだけであり、カード自体に育てたムシのデータを登録できるわけではないので、アーケードでは使えない。
  • 公式サイトに「ロケテストと初期の一部のカードは使えません」とあるが、前述の通り性格導入前のカードも使用できる。
    • この「初期の一部のカード」は性格導入前という意味ではなく、上述した通りバーコードの形の違い(ロングバーコード型)であると思われる。
  • カードが無いとつまらないが、現在は絶版になっているものの投売りされているので買えば済む
  • 前作よりは出荷数が控えめだったのか(売り上げは9万6000本と高いのだが)現在未開封の中古品は少ない。(カードが抜き取られてる例が多い)
  • 3DS以降の新世代機で使うと動作が早くなる(2DSで確認)。
    • 当然カードがスキャンできない為、育ててぼうけんに予めムシの情報をセットしておくか、他モードの場合デフォルトの黒カブトムシで我慢するしかない。
  • 育てて冒険におけるラスボスはギラファノコギリクワガタが務めている。
    • 本シリーズのラスボスは知名度や見栄えの関係でヘルクレスオオカブト亜種を始めとしたカブトムシが務めることが大半であり、クワガタムシがラスボスを務める作品は後にも先にも本作の育てて冒険のみである。
      • 「スマトラオオヒラタクワガタ」も「最後の大型甲虫としてアダー完結編で登場」すれば「アダー完結編で最終ボス」として通用するが、結局アダー完結編になっても出番は皆無で、登場は『新甲虫王者ムシキング』まで待つこととなった。
      • 一応「森の救世主」では最終ボスがクワガタムシ。といっても、現実での強さは前座の方が上だろうが…
  • 大量の没データ(敵専用のものも含む)が存在する。こちらの動画でその一部を確認できる。
    データを入れたは良いものの、5周年記念という事に拘り過ぎて開発チームは相当焦っていたのだろうか……それらのデータが日の目を見る事はなかったのであった。
    + 没データ詳細
  • モーション
    • 旧AC版の倒された敵ムシのモーションやストーリーのムービー中のムシ達のモーション、更にはデモプレイ中にカードをスキャンする事でムシ達が歩く様子や技を決めるムービー等が見られた「図鑑モード」のモーション等。恐らく前者2つは過去のシナリオが遊べるモード「ムシキングヒストリー」で、後者は「カードコレクション」でムシカードをスキャンした際のムービーで使われる予定だった(本ソフトではムシカードをスキャンしてもわざカードをスキャンしてもムシが技を決めるムービーしか見られない)と考えられるものであった。
  • アイテム
    • いたずらキャンディー
      • 主人公の性別が逆転する。
    • ムシキングトロフィー
      • 本来はカードコレクションをコンプリートすると入手可能だが、前述の通り「スーパーローリングクラッチホールド」がカード化されなかった為正規の方法では入手不可能。
  • 甲虫(カードコレクションに掲載されないもの)
    • 「かいぞう甲虫」モードでラスボスとして登場するオウゴンオニクワガタ、パラワンオオヒラタクワガタ、コーカサスオオカブト
      • 通常のものと比べて体のパーツが離れている他、羽が浮いている。能力値は通常と同じ。
    • 赤い体のコクワガタ、メンガタカブト
      • スーパーアタックタイプのヒラタクワガタ、ヒメカブトと同様の体色であることから、スーパーディフェンスタイプになる予定だったと思われるが、実際には通常のディフェンスタイプ。また、コクワガタはアカアシクワガタとタッグを組んでもタッグネームが付かない。
      • スーパーアタックタイプのヒメカブトもカード化されたのは2006セカンドの時期(雑誌付録)だが、データ上は2004セカンドの時点で存在しており、この時点では通常のアタックタイプであった。(こちらの動画を参照)これと同様に、甲虫のデータ(グラフィック)のみ先に入れておき、後にカード化の際にスーパーディフェンスタイプに変更する予定だったと考えられる。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 2007年
  • DS
  • TCG
  • セガ
  • 甲虫王者ムシキング

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最終更新:2023年03月26日 01:35

*1 例:超必殺わざが「ローリングドライバー」から「ヘルクレススパイラル」に変更されたヘルクレスオオカブト、せいかくが「アタックタイプ」から「スーパーアタックタイプ」に変更されたパラワンオオヒラタクワガタなど。

*2 アーケード版のカードがそのまま使用できないと意味がないので、当然の仕様ではあるが。

*3 フォレストグリーンで排出されたものとバーコードが同じ為

*4 このため、「Wii版を出してほしかった」という意見もある。

*5 ただし、「カブトムシ(キング・カブト丸除く)」には性格なしのカードもある。

*6 アーケード版では当時の強さ180~200のムシがランダムで抜擢されていたが、本作ではオウゴンオニクワガタで固定されている。

*7 本作発売後の新バージョン『アダー完結編』にて実装されたが、ムシカードとわざカードが一体化されるという仕様変更により「スーパーローリングクラッチホールド」を単独で入手することはできない。