GuitarFreaksXG & DrumManiaXG

【ぎたーふりーくす えっくすじー あんど どらむまにあ えっくすじー】

ジャンル 音楽ゲーム
対応機種 アーケード
販売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼動開始日 2010年3月10日
判定 なし
ポイント 高品質筐体の存在感
デバイス増加による演奏感アップ
一見プレーヤーの取っ付きにくさ
MASTER譜面の登場
備考 VシリーズはGuitarFreaksV7&DrumManiaV7として発売
V7については、該当ページを参照
GuitarFreaks & DrumManiaシリーズ


概要

  • 「GuitarFreaksXG & DrumManiaXG」シリーズ(XGシリーズ)の初代作。
  • ゲームセンターで人気のギターおよびドラムシミュレーションゲームのいわば「デラックスバージョン」。これまでの既成シリーズの続編である「V7」と基本収録曲やデザインを共有しつつ、XG独自の要素を多数打ち出している。
    • ギターは5ボタン(R/G/B/Y/P)化、ドラムはLP(レフトペダル)/LC(レフトシンバル)/FT(フロアタム)が追加され、これまでのギタドラシリーズと異なる筐体としてリリースされた。

特徴・評価点

  • 専用新型筐体の高品質&圧倒的な臨場感
    • ギターは3ボタンから最大5ボタンへ増え、更に遊び要素としてエフェクターに足操作のコントローラーが追加。
      ドラムにはレフトペダル、レフトシンバル、フロアタムが追加され、各パッドの位置も調整されたことで本物のドラムセットに一気に近づいた。
      • ちなみにXG3部作に限り、「ワイリングアクション」も3種類になった
    • 37インチHD液晶モニター、ウーファー付きフルレンジスピーカー、更にギターのボディとドラムステージの床には振動機能が搭載(ギターのワイリング時およびドラムで特定のノートをたたいた時に振動し画面にもエフェクトが出る)。
      • 筐体そのものの大きさも相まって臨場感はかなりのもの。高画質な画面で大迫力の音に包まれながらプレーを楽しめる。
    • HD液晶のおかげか、ENCORE STAGE、CLIMAX STAGEの選曲画面の背景は迫力のあるものとなっていた。
  • モード選択に関して
    • 本作はSTANDARD(新譜面)とCLASSIC(旧譜面)を選ぶことが出来る。CLASSICモードを選ぶと、従来通り3ボタン、5パッド+1バスの譜面を新筐体で遊ぶことができる。このモードに限り、V7とe-amusement passのデータを共有できる。
  • 楽曲面に関して(ライセンス楽曲)
    • 全体的にポピュラー寄りながらも、楽曲の質は高くバラエティに富んでいる。
    • カバー楽曲では「GO-ON(UVERworld)」、「歩み(GReeeeN)」、「いちご(ゆず)」、「嘘(シド)」、「Stairway Generation(Baseball Beer)」、「気まぐれロマンチック(いきものがかり)」、「Trickster(水樹奈々)」といった楽曲が収録されている。
      • 後のXG3では「ETERNAL BLAZE」がカバー楽曲として収録される。
    • 提供版権ではアンダーグラフの「ジャパニーズロックファイター」Camvasの「キミマチスカイ」、FUZZY CONTROLの「モナリザ」、後にメジャーデビューしたピロカルピンの「人間進化論」、Leda率いるDELUHIの「Two Hurt」、アニメ版遊戯王のOPで使用された(ギタドラでは英語バージョン)Knotlampの「LAST TRAIN」、ロンドンブーツ1号2号の田村淳率いるjealkbの「WILL」などがある。
  • 楽曲面に関して(コナミオリジナル)
    • 元surfaceのギタリストであるTakao Nagatani(永谷喬夫)やYosuke Onishi、TIME CAPUSLE.Lab、AIKO OI(大井藍子)が初参戦した。KONAMIのスタッフながらCSギタフリ2nd以来の参加となるSana(新谷さなえ)、ポップンミュージックシリーズで活躍している劇団レコード、Sota Fujimoriも今作で初参戦。なお、Yosuke Onishi、TIME CAPUSLE.Lab、AIKO OI(大井藍子)の楽曲はMASTER譜面まで制作される等の優遇を受けた。
    • XG独自の新曲として『IMI』や『IMITATION TOUCH』、『10,000,000,000』や『紅蓮の焔』等が存在している。
      • 連動要素としてメダルゲームである『FORTUNE TRINITY』のコラボ楽曲等、飽きさせない作りとなっている。
    • EXTRA RUSHでは伊藤賢治や浅田靖といったV6に登場したアーティストに加え、上述のAIKO OIとTIME CAPSURE.Labが初登場ながらENCORE楽曲を担当した。他にもロケテで人気を博した『KAISER PHOENIX』の続編にあたる『CALAMITY PHOENIX』が登場し、同バージョンのEXTRA RUSH内で楽曲の続編を展開する演出でユーザーを驚かせた。
    • CLIMAX STAGE(Vで言うPREMIUM ENCOREに相応)ではFFシリーズの音楽を担当した植松伸夫と、わんにゃん☆パニックス(あさきとTOMOSUKE主体)のコラボ楽曲『Einherjar』と豪華なラインナップで締めくくっている。
  • MASTER譜面の登場
    • EXPERT(VシリーズでいうEXTREMEに相当)の上位譜面として「MASTER譜面」(紫)が追加された。一部新曲および隠し要素の「Jukebox」で復活収録された旧曲の一部に搭載されている。
    • Vシリーズのまでのパッドの少なさによる譜面構成では限界に近付いていたこともあり、このような譜面の登場は妥当と言える。
      • 本作では各曲ごとにEXPERT譜面をクリアしないとMASTER譜面は挑戦できない。
  • V6からの削除曲及び今作での復活曲に関して
    • 提供版権である『砂浜(RIZE)』が唯一削除された以外は、前作までの楽曲は全て残っている。
    • またBeForU関連曲(BRE∀K DOWN!!、ヒマワリ、☆shining☆) がXG譜面対応として復活した。
  • X-Battleの登場
    • Vシリーズで評判の高かったバトルモードがX-Battleとしてリメイクされた。
    • e-pass使用且つ1曲以上プレーでマッチングオプションをONにしないと参加できなくなった。
    • 1曲あたりのスキル平均でクラスが自動的にセットされる仕組みで、これにより狩りによる被害(スマーフィング)はほとんど出なくなった。
  • XGにおける解禁方法
    • JukeBoxという解禁システムは好評。プレーをするたびに旧曲1曲がランダムで解禁されるが、X-Battle発動やセッションプレーで2~3曲解禁される。
    • 解禁するコストは比較的に安く、無条件解禁もあるため、ユーザーにとっては優しい解禁方法だった。
    • また無条件解禁もこのシリーズは多く、最終的にX-Treme Gradeと一部のEXTRA RUSH曲以外はすべて無条件解禁された。

問題点

  • ライトユーザーを突き放すが如き筐体の圧倒的存在感と取っ付きにくさ
    • 高難易度化の波が著しい音ゲーにおいて、比較的ライトユーザーや一見プレーヤーが触れることも多かった「ギタドラ」シリーズだが、今作はその新筐体の圧倒的な存在感の前に尻込みする人はかなり多く、そういった人たちがコインを投入することは殆どない状態と言える。
    • さらに操作デバイスが多くなったことで遊びやすさなどどこ吹く風。稼働当初は従来のユーザー内でもXG移行派とVシリーズ支持派に分かれたのだから、今作に食いついた層に関しては推して知るべし、といったところ。
      • 先に位置が調節されたとは書いたものの、ギターは小指のスライドで2レーンを捌かなくてはならなくなったこと、ドラムは画面上は横一列に並んでいながらほぼ垂直二列にデバイスが並んでいるなど、著しく混乱を招きやすいデバイスとなってしまった。
  • 新ノーツの導入における難易度のバランスが突飛
    • 指のスライドが必要になるギターのPレーンもそうだが、操作感覚をVシリーズと全く異にするドラムのレフトペダル(以下LP)が含まれる譜面がREGULAR(黄色)以下に非常に少ない事が特に不満点として挙げられる*1
    • 筐体自体にまだ慣れないプレーヤーが満足にLPの練習をする(慣れる)機会もないまま、EXPERTに手を付け始めた途端にハイハット開閉や2バスなど実際の演奏ライクな譜面と対峙することになるため、挫折してもおかしくないような収録曲・譜面のバランス構成であった。
  • 一部の曲が未だにセッション&ベースプレーが出来ない。
    • そのうえ、一時期セッション出来ない「MAGIC MUSIC MAGIC」をプレーするとフリーズするというオマケまで付いていた。
  • リメイク譜面の収録シリーズの偏り。
    • 公式ブログによるjukeboxのリクエストもあったとはいえ1つ前の作品であったV6新曲が27曲入っているのに対し、『GUITARFREAKS 5thMIX & drummania 4thMIX』と『ee'MALL』新曲がたった1曲(前者は「The Least 100sec」・後者は「空言の海」)というものすごく偏った選曲になっている。
  • 専用ムービーの大幅減少
    • 今までは版権楽曲にも専用ムービーが挿入されていたが、今作では一部のコナミオリジナル曲と、提供曲のPVのみとなり。それ以外は曲ごとのレイヤーと汎用ムービーで構成されている、
    • 新曲にはそれぞれ4種類のレイヤー(ゲージによって変化)がついているが、ユーザーがこの仕様に気づきだしたのは稼働終盤であったため、注目されることは殆ど無かった。
    • さらに公式サイトでもムービーに関するコメントが廃止され、どういったアーティストが担当したのかも分からなくなってしまった。
    • 結局V7と同時開発だったということもあり、ムービーに関してはろくに時間をかけられなかったということだろう。V7の手抜きっぷりを見れば想像に難くない。詳しくは、V7記事を参照。
  • 処理落ちに関して
    • ゲーム内のフレーム処理より細かい動作を要される音楽ゲームで処理落ちは大きな問題となっているが、XGではそれが目立ってしまっている。
    • 汎用ムービーと専用レイヤーの分岐処理やコンボが一定数以上繋がっている時の専用演出、ボーナスノーツやワイリング成功時の演出など処理落ちとなる要因が多い。
    • 上記の演出に加え、スペック周りで評判の良くないセレロン互換の基盤であった事も原因に直結している。
      • さらにX-Battleではスコアグラフのリアルタイム表示やエムブレム同士がぶつかり合う演出、得点差に応じて背景が分岐する演出も追加され、通常時より処理落ちのリスクが高くなっている。実際X-Battle時での処理落ち報告が相次いでいた。
  • プレー料金+EXTRA STAGEまでの仕様
    • 稼動中期までKONAMIとゲームセンター間で契約が結ばれ、1プレー3曲200円設定が必須になっていた。初期に至ってはEXTRA STAGEが条件を満たすことによる3曲目への組み込み式となっており、ENCOREへ到達しないことには4曲遊ぶことはできなかった。
      • 1プレー100円が主流となって久しい音ゲー界において、何よりこの仕様に慎重な姿勢を見せるユーザーが多く、ゲーセン側にとっては死活問題となるレベルに発展。筐体のサイズもあり、導入した店舗自体も従来に比べれば相当少ない
    • なお設定を変えるとe-AMU通信で即時KONAMIに伝わり厳重注意を受ける、と指導が行っていた模様。その為、コインスロットを改造して50円硬貨で対応している店舗や、オフラインで稼動していた店舗もあったとか。
    • 2010/09/28よりKONAMI側の許可が降り、1プレー100円や最大4曲設定が解禁された。EXTRA STAGEもVシリーズと同様になっており、また2曲目で落ちても3曲目が遊べるようになっているなど、Vシリーズより優れる点も出始めた。
  • ENCORE進出条件の激難化
    • GF11th&dm10th以来の条件変更だが、今作はPERFECT率でなく達成率でENCORE進出する。
    • このため進出にはフルコンボが最前提となり、EXPERT以上でENCORE/CLIMAXに進出できたプレーヤーは極僅かであった。
      • XG2以降はVシリーズと同じPERFECT率でENCOREに進出する設定に戻った。

総評

ドラムのLP、FT、LCの追加、ギターの5ボタン化、MASTER譜面の追加、臨場感のある高品質筐体の存在感は正に新シリーズにふさわしい改革と言えただろう。
システム、イベント面はjukeboxによる隠し曲制度、SCORE ATTACK大会のX-Trial、一味違ったX-Battleの搭載などXGならではの要素が好評を博した。また新コンポーザーが多く出演したのも大きな改革と言えよう。

しかし、その代償があまりに大きかった事は否定のしようがないだろう。 デバイスの増加というあからさまな高難易度志向に加え、稼働初期における1play200円設定と、初心者は勿論のこと既存プレーヤーですら敬遠されることに。
またムービーは汎用ムービー+レイヤーという仕様変更、何よりENCORE召喚が完全にランカー専用になっているなど、既存プレーヤーですらとっつきにくい要素を生ませることとなった。稼働当初で言えばクソゲーの域に足を突っ込んでいたかもしれない。
とはいえ度重なるパッチにより大幅に改善。更に稼働後半期になってからは1play100円が戻った他3曲保障などといった要素も出始め、全て出尽くし評価が下降し始めたV7とは対照的に、XGは徐々に評価を上げていき、最終的にV7を遥かに上回る結果となった。

だが本作をきっかけにして、シリーズは一躍高ハードル機種の仲間入りを果たすこととなる…。


その後

2011年3月9日に続編となる「XG2 Groove to Live」が稼働。
並行していたVシリーズが、XG2と同時稼働のV8で最終作を迎えるとの発表がなされたため、今後はこのXGシリーズに本線がシフトすることとなる。


余談

  • Driven shooterを超える高速譜面が登場
    • 1曲目はXG稼働初期のデフォルト曲である「IMI」*2。道中は5台程度の譜面だが、中盤にBPM97の48分 (=BPM291の16分)の高速オルタ 4小節(ノートに直すと162個。時間は約7秒)も 襲いかかってくる。切り替えはDriven shooterより楽とは言え、全曲中最速の高速オルタが全曲中最長の長さで襲いかかるため、ここで閉店するプレーヤーが続出。
    • このような譜面であるにもかかわらず表記難易度は7.30と超詐称であり、意味不明な速さのオルタが襲いかかるためか、IMI不明と揶揄されることも。*3
      • 登場から1年後のKONAMI Arcade Championship 2011にて、二次予選の課題曲にまさかの選出。当時稼動のXG2ではLV9以上の譜面でもEXCELLENT*4が確認されていたものの、 LV7.30であるはずのこの曲は誰もフルコンボを達成出来なかった という異常な結果となってしまった。
    • この結果を踏まえてなのか、XG3では難易度が 9.00 と大幅に上昇。収録曲の中でも屈指の超個人差譜面となっている。そしてXG3稼動から約3ヵ月後(XG稼動から数えると約2年2ヶ月)の2012年5月5日、ついに初のフルコンボ達成者が現れた。
    • 2曲目はは「white wings」。道中は4-5台程度の譜面だが、終盤に BPM285の16分の高速オルタ が襲いかかる。
    • EXPERTだけならまだしも、切り替えを簡単にしただけで下位譜面のREGULARにも登場。難易度はなんと 4.95 という超絶詐称譜面で、ユーザー間で大々的に注意を呼びかけられていた*5
      • 他にも版権曲である「GO-ON」や比較的低難易度のコナミオリジナル曲である「Confession」にも局所的に高速譜面が流れてくる。
  • 孤高の最高難易度である一網打尽
    • XG稼働初日のJukebox#1で配信された「一網打尽」のMASTER-GUITARが、曲名通りランカー達を一網打尽にしてしまう様相となってしまっている。
    • その譜面も中抜け同時が複雑に絡む運指地帯が3回も襲ってくる上、高速オルタと同じ速度で階段運指が降ってきたりと一切隙が無い。
      • 当時はゲージの減りが厳しく*6、アシスト系のオプション*7やセッション*8を使わずクリア出来たプレーヤーは両手で収まる程しか存在しない。
    • XGでは9.70と途方にもない位の詐称表記であったが、「V経験者のランカーなら早々と攻略出来そうだし、これより難しい譜面を作るかもしれない」といったスタッフの想定もあったかもしれない。しかし実際は5レーン化への対応に追われ攻略どころじゃなかった事もあり、「時代が追いついてない譜面」や「調整不足の産物」と評される事も。
      • 登場から10年以上経ってSS判定を獲得したプレーヤーは現れているものの、フルコン者は現れてない事から常軌を逸した譜面であることが窺える。
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最終更新:2024年01月16日 23:33

*1 ギターに関してはPレーンおよびOPENノーツが登場するのはEXPERT以上のみの仕様

*2 正確には間に半角スペースが入っており、表記は「I M I」となる。

*3 余談だが、V8で登場したDM譜面はGFとは違った意味でIMI不明となっている。

*4 フルコンボかつ全てのオブジェをPERFECT判定で取ること。ドラムの場合は空MISSがないため、ALL PERFECT=EXCELLENTとなる。

*5 XG3で6.50に昇格。

*6 現在のOK判定で言うPOOR判定でもゲージが大きく減少する。

*7 AUTO NECK(PICK)やネックボタンを減らすオプション等。

*8 セッションの場合ゲージがもう一方のパートと共有する仕様となっており、通常の2倍程に増加するのでドラム側が上手ければ多少ゴリ押し気味でもクリアは何とかなる。