アルバートオデッセイ

【あるばーとおでっせい】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 サンソフト(サン電子)
開発元 サンソフト、東海エンジニアリング
発売日 1993年3月5日
定価 9,600円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2010年10月19日/800Wiiポイント
【WiiU】2015年7月29日/823円(税8%込)
プロジェクトEGG:2010年9月14日/500円(税別)
判定 なし
ポイント SFCのRPG史上最狂のトラウマエンディング
アルバートオデッセイシリーズ
1 / 2 / 外伝

プロローグ

その昔、世界を我が物にしようと企んだ魔術師オズワルドは、魔法の力を秘めた幼い少女ソフィアによって世界の果てに飛ばされた。
しかし、10年の時を経て、さらなる力を得るとともに戻ってきたオズワルドは再び世界征服を開始した。
これに立ち向かうべく、王族の血をひく勇者アルバート、アルバートの親友である僧侶見習いのノイマン、かつての少女ソフィアの三人はチペリスの村を後に旅立つのであった…。

特徴

  • サンソフトから発売されたSRPG。同社開発ゲームの例にもれず、一風変わったシステムが採用されている。
  • 基本的にはターン制ストラテジーゲームである。プレイヤーは最大4人のキャラを操作し、HEXで区切られたフィールドマップ上で移動や敵との戦闘を繰り返しながら目的地へ進む。
    • プレイヤーキャラクターは、それぞれ『移動』・『攻撃』・『特殊』を順不同で毎ターン1回ずつ行うことができる。全員が『行動終了』するかターンエンドを選択すると敵側のターンになる。
    • 『移動』コマンドを選択すると、選択したマスまで移動できる。
      • 各キャラクターには1ターン毎の移動力が設定されており、1マス移動するごとにマスに設定された分の移動力を消費する。
      • 本作独特の仕様として、移動後に『攻撃』または『特殊』を行っても、移動力が残っていればその分だけ再度移動できる。
    • 『攻撃』コマンドを選択すると、隣接する敵に攻撃できる。
      • 方向補正が存在するため、敵の背面から攻撃すると正面から攻撃するよりも大きなダメージを与えることができる。特に真後ろは強力な補正がかかるため、これを狙いつつ、逆に敵からは極力狙われないようにする必要がある。
    • 『特殊』コマンドには、キャラクターごとに異なる能力が割り当てられている。ターンごとに1回しか使用できないが、その分強力な効果になっている。
  • 一方で、マップ上の町や城にプレイヤーキャラクターが止まると中に入れるのだが、そちらは通常のRPGのような構成になっている。外に出ない限り、NPCと会話したり買い物したりと自由に行動することが可能。
    • ちなみに序盤の町にはサンソフトの看板キャラである『へべれけ』からメインキャラクターがゲストで登場し、店を開いている。

評価点

  • SRPGとしては自由度の高いシステム。
    • 本作はシナリオこそ一本道だが、進め方には豊富な選択肢が存在する。
    • 4人のキャラは完全にバラバラに行動することができるため、例えば一人がラストダンジョンにいて他の三人が最初の町にいる状態でターン終了、等も可能。
    • SRPGにありがちなターン制限やキャラクター使用制限がない。仲間が増えて選択可能になれば主人公であるアルバートを4人の中から外して控えに入れてしまうことも可能。また、初期キャラクターの3人以外は仲間にしないで進めることも可能となっている。
  • 良好な演出。
    • 小高直樹氏作曲のBGMは耳に残るものが多く、どれも評価が高い。
    • OPシーンはSFC屈指の出来栄えともいわれる。
      • 展開自体は「魔物の軍勢によってある王国の騎士団が滅ぼされる場面」というシンプルなものなのだが、キャラの寸劇だけで済まさず、NPCが本編のゲームシステム通りに動いて「脆弱なステータスのmob兵士達が果敢に戦うも、敵のドラゴンに桁違いのダメージを受けて次々に殺されてしまう」といった戦闘場面が描かれるので没入感が高い。
    • プレイヤーキャラが死亡したときの演出が、短いながらもプレイヤーの印象に残るものになっており、よくネタにされる。
      • [午前 4じ、ノイマン は、しんでしまった]といった風に、キャラ名と死亡時刻が淡々とテロップで表示される。余談だが、システムの関係上宿敵オズワルドが死ぬ場面でもこのテロップが流れる。
    • キャラが死ぬ悲痛な場面は多い。特に敵として登場するシンやライアモスの最期は印象深いものになっている。
    • 戦闘演出のテンポが良い。ともするとSPRGの戦闘アニメは冗長で退屈になりがちだが、細かいアニメーションとカメラワークとSEでリズミカルに表現している。

問題点

  • カーソルの動きとキャラの移動に不便な点が多い。
    • 山や海にはカーソルを合わせることもできないためそのHEXにいる敵の情報が見られない。
    • キャラを中心とした一定の範囲内しか見ることができないため、長距離を移動する際に迷いがちになる。キャラ同士が大きく離れている場合、一度メニューを経由しないとカーソルを移せない。
    • 移動地点を選ぶ際、移動不可なHEXは暗く表示される。地形を確かめながら移動することができない。
    • ZOCが無い一方で、なぜか味方のいるHEXを通過できず移動の障害になる。先行させたキャラをうっかり橋などの1HEXの通路に待機させると、後発のキャラが阻まれて通過できなくなる。
    • キャラが移動中に方向転換する際、なぜかマップの方が回る(例えば右方向に移動しているキャラが右上に方向転換すると、キャラが向きを変えるのではなくマップが右下45°に回転する)。このせいで頻繁に方向転換すると画面がぐるぐる回って軽く酔う。ちなみにドット絵は斜め向きのものもちゃんとあるのだが、なぜこうなっているのかは不明。
    • そもそも長距離の旅もターン制で駒を動かすというSRPGのシステム上で行わなければならないという点には面倒臭さを感じることもある。ただし、一度行ったことのある街にはソフィアの瞬間移動や各街で買える「○○の思い」を使うことで戻ることが出来るため後戻りをする分には問題ない。
  • 後半に進むにつれ、ゲームバランスは大味になっていく。ソフィアとマージンのように攻撃力の低いキャラでない限り、中盤以降は大抵の敵が1・2撃で倒せる。その二人の場合でも、魔法を使えばやはり大抵の敵は1・2撃である。
    • 敵の攻撃力も中盤以降は飛躍的に上昇するため、さすがに無策で突撃するとボコボコにされる。
  • 自由度の高いシステムの代償か、シナリオにおいて味方キャラは一切喋らない。イベントで喋るのはどのキャラも加入時とエンディングのみである。
    登場人物のバストアップ画像がゲーム中に一切表示されないことも相まって、キャラクターに親近感を持ちづらくなっている。
    • ダッシュ・マージン・ガリオクの三人に至っては、説明書に大層な紹介文が書いてあるもののそもそも本筋には全く関わってこない。
  • グラフィックに関しては今一つ。
    • 全体的に人物のドット絵が粗い。悪くはないが、他のSFCのゲームと比べると淡白な外見になっている。

ED

本作を語るうえで避けて通れないのが、そのエンディングである。
最後のボスを倒したことをゴート王に報告するため、城下町へ戻ってきたアルバート一行。それぞれの生活に戻っていく仲間たち。
そんな中、ヒロインのソフィアは勇者アルバートに自分の想いを伝え、共に歩もうとする。
ノイマンに茶化されながらも、アルバートはソフィアの手を取って、故郷であるチベリスの村へと帰ろうとする。
ノイマン「おあついねぇ おふたりさん それじゃあ さきにいくぜ!」

+ …と見せかけておいて、この直後とんでもない展開が待ち受けていた。
  • 町から出ようとするノイマンが、謎の攻撃を受けて吹き飛ばされ、瞬殺される。
  • 何事かと思い町の外に出たアルバートが見たものは、''マップを埋めつくさんばかりに町を取り囲むラスボス姿の魔物の軍団。
  • 直後、ソフィアが悲痛な叫びをあげるとともに白い閃光が走り、町中に、マップ全体に、画面いっぱいに広がっていく。
  • ここで突如スタッフロール
  • 再び町の画面に切り替わり、昏倒しているソフィアにアルバートが駆け寄る。
    • アルバート「ソフィア めをさましてくれよ。ソフィア」
    • アルバート「オレたちの手で このくにを つくり上げて いくって やくそくしたじゃないか!」
    • ソフィア「・・・・・・」
  • ソフィアが返事をしないまま画面がブラックアウトし、物悲しい音楽とともに中央にENDの文字が表示される。

最後に現れた敵は何なのか、その後どうなってしまったのか、ソフィアは死んだのか、犬死にしたノイマン(涙)等、
プレイヤーもそれまでの展開も何もかも吹き飛ばす無情なエンディングゆえに、本作は鬱ゲーといわれることがある。
一応、続編の存在を匂わせて購買意欲を煽るための演出と言えなくもないが、そうだとしてもあまりに意味不明かつ突飛な展開である*1
いずれにせよ、最後までクリアしたユーザーの心に深い影を落とす終わり方であることは間違いないであろう。

総評

総じてみれば「隠れた良作」タイプのゲームであり、実際にプレイヤーからの評価も悪くない。無論、エンディングを除けば、の話である。
さすがにクソゲー呼ばわりされるところまで評価を落としはしないものの、カタルシスもへったくれもない終わり方をされては名作とも呼び難い。
普通に大団円を迎えてさえいれば、今日もう少し良い評価が与えれていてもおかしくはないゲームといえる。

余談

  • 翌年に続編である『アルバートオデッセイ2 邪神の胎動』が発売されており、そのプロローグは本作のエンディングから始まるのだが展開が大幅に改竄されている
    かくして、本作のエンディングは公式になかったことにされたのであった。
  • 製作者によるとEDについては「素直にハッピーエンドなんて、例えゲームでも認めないぞ」という気持ちで作ったという。

―END―