ボンバーマンヒーロー ミリアン王女を救え!
【ぼんばーまんひーろー みりあんおうじょをすくえ】
ジャンル
|
アクション
|
|
対応機種
|
ニンテンドウ64
|
メディア
|
96MbitROMカートリッジ
|
発売元
|
ハドソン
|
開発元
|
エーアイ
|
発売日
|
1998年4月30日
|
定価
|
7,140円
|
配信
|
バーチャルコンソール 【Wii】2011年11月1日/1,000Wiiポイント
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
ボムは投げるもの 操作に慣れるとサクサク進める 雰囲気が暗い BGMが独特
|
ボンバーマンシリーズリンク
|
概要
-
『爆ボンバーマン』に次ぐ、ニンテンドウ64にてリリースされたボンバーマンシリーズの2作目。
ストーリー
訓練所で訓練を受けたボンバーマンに何かが墜落した山の調査を命じられる。
調べると、そこにはロボットが。彼曰く、ミリアン王女が誘拐されてしまったという。
主人公は王女を救うため、後を追っていく。
概要
-
ボンバーマンがジャンプできたり、「パワードギア」というアイテムを装着することで空中や海中を動けたりなど、爆シリーズと比べるとアクション性が増している。
-
パワードギアで変身できるボンバーマンは以下の4種。
-
ボンバーコプター:頭にプロペラを付けたボンバーマン。空中から爆弾を投下できる。
-
ボンバースライダー:スノーボードを付けたボンバーマン。爆弾は置けないが、スピンで敵を倒せる。
-
ボンバージェット:背中にジェットを付けたボンバーマン。ミサイルを撃てる。
-
ボンバーマリン:足にスクリューを付けたボンバーマン。魚雷を撃てる。
問題点
ゲーム性
-
本作では投げた・蹴ったボムが何かに当たった瞬間に爆発するようになっている。これによりボム投げやボムキックの利便性が大幅に向上している一方、
「設置したボムが爆発するまでのタイムラグを考慮して立ち回る」というボンバーマンシリーズの醍醐味が完全に投げ捨てられている
。
-
パワードギアの操作が難しく、通常時と比較して動きにモタモタ感がある。
-
新アクションの「ローリングボム」が空気。
ローリングボムとは、ボム投げと同じボタンを長押しすることでボンバーマンが腕を回転させ、その後に離すとボムをまるでSTGのnWAYショットのように前方にいっぺんに投げるという技。
-
まず、ボタン押しっぱなしという関係上『爆ボン』のためボムのように時間短縮ができない。
-
次に、タメている間はジャンプもダッシュもできないので隙がでかい。前述のように隙を減らせないので尚更。当然ながらボス戦なんかで使ってるヒマは無い。
-
更に、いっぺんに投げるだけで所詮はただのボムなので、ためボムのように単発火力が上がったり敵を潰せるようになったりということが無い。
-
これでボムを4個いっぺんに投げる時間があるなら普通にボムを4回投げた方が確実で隙も少ない。
-
結果、一部ステージの謎解きのために無理やり使わされるだけのアクションになってしまった。
-
ちなみに、某ボスはほとんどノーモーションでこれに似た様な事をやってくる。そちらはボムが飛んで来る速度も早く、非常に強くて厄介。
-
シリーズおなじみのルーイが登場するが、ルーイの操作に関する説明がゲーム中には無いため、爆弾を置けないのにどうやって敵を倒したらいいのか分かりにくい。
-
ジャンプ力が増し、壁キックなどができるようになるためアクション性は増しているのかもしれないが、爆弾が置けない。
-
火力ダウンが存在しないので爆風に巻き込まれやすい。
-
また、アイテムをほぼ確実に取っていかないと完全クリアができないため、火力アップを取らずに進むということが難しい。
-
完全クリアの条件がアイテム全回収及び敵の殲滅。なかなか面倒。
-
このゲームはステージクリア時のスコアで1~5の評価が下され、そのワールドの全ステージをクリアしたときの評価がオール5なら最高評価が得られる。
-
最高評価の数によってオマケ要素が解禁されていく仕様になっている。
-
評価5を取るためには上記のとおり全回収と殲滅が必要になる。
雰囲気
-
雰囲気的にサイケデリックな曲が多く、ゲームのBGMとしてはあまり合っていない。
-
しかも、CMには『爆ボン』の曲を使用していたために、これで騙された人もいるかもしれない。
-
ボンバーマンというポップなキャラクターのゲームには全く似つかわしくないBGMだが、リリース当時の1998年頃に世界中のテクノミュージックシーンで流行していたAphex TwinやSquarepusherといったアーティストの影響を色濃く受けたと思われる、ダークなドラムンベースやエレクトロニカの雰囲気を持った実験的な曲が多い。そのため、海外のコアなゲームミュージックファンのフォーラムでは「ドラムンベースを採用したゲームミュージック」として真っ先に名前が挙がる、ある意味で伝説的なBGMとなっている。
-
同じくドラムンベースをBGMに多用したゲーム作品として『カラス』があるが、そちらはモノクロで薄暗い世界観とマッチして高評価を得ている。やはりキャラや世界観との兼ね合わせを間違えたと言えよう。
その他
-
対戦モードがない。しかし本作の爆弾が即爆発するシステムだと対戦は厳しいだろう。
評価点
-
一部のボンバーマンらしさは継続
-
既存のボンバーマンとはゲームシステムが異なっているが、投げたり蹴ったりすることでボムの爆発を待つ必要がなく、操作に慣れるとサクサク進めて爽快感がある。
-
よく喋るボンバーマン
-
『サターンボンバーマンファイト!!』や『ボンバーマンクエスト』同様に、主人公のボンバーマンのセリフがテキストメッセージとして用意されている。
-
またリアクションに応じてボイス(CV:杉山佳寿子)もあり、細かい動作でもしっかり喋ってくれる。地味に種類も豊富である。
-
難易度
-
『爆ボン』ではジャンプが存在しなかった為、それを考えれば難易度は当然コチラの方が低め。
-
バラエティ豊かなステージ
-
少々独特な世界観とは腹黒に、変身に因んだステージ、個性豊かなボスキャラ達、その他数々の仕掛け等、ほかのボンバーマンにはなかった新鮮な気持ちで味わえる。また使い回しもほとんどない。
-
ボスキャラに関してはワールド5では裏ボス除いて再登場するものの、ちゃんと前の戦いとは異なる構成に強化されている。
-
ステージ内に隠されたアイテムや敵を全て探すのには観察力が必要となる。問題点に記載されているように面倒だと捉える人もいれば、楽しいと感じる人もいる。
-
ステージ構成を覚えていればそれ程難しくはなく、理不尽な謎解きと凶悪的な難易度である『爆ボン』よりは明らかに全然マシである。
-
特に本作最大の特徴の隠しアイテム「異次元ボム」が各所に隠されており、全て集めることによって隠しステージが解禁される。だが隈無く探さないと見つけられない配置となっており、軽い気持ちで挑むと簡単に見つける事はできない。
-
BGM
-
先程触れたように独特なBGMも多数あるとはいえ、ボンバーマン作曲家でお馴染みの竹間淳氏が手掛ける音楽は相変わらずの高クオリティであり、良曲も僅かながら存在する。決して崩壊する程の違和感ではないので、本作BGMを再評価する声も勿論少なくはない。
総評
「ボンバーマンらしくなさ」や「作品の暗さ・不気味さ」が目立ってしまっているが、アクションゲームとしては良い出来である。
いつものボンバーマンに飽きてしまった人、独特な雰囲気で味わいたい人向けにはぜひ手に出して味わってみるのもいいかもしれない。
その後
-
本作の後のニンテンドウ64ソフトは『爆ボンバーマン2』と『ボンバーマン64』がリリースされている。なお、ボンバーマン64は国産のニンテンドウ64における最後のソフトでもある。
-
かつてWiiのVCで配信されていた。N64唯一のサードパーティー配信タイトルとなった。
-
だが、このゲームのサイトのステージ紹介のページを見てみると、なんとほとんどのステージとボスをネタバレしてしまっている。しかも最後のボスまで
-
その後、『爆ボン』もWiiUで配信開始されたが、こちらも『爆ボン2』は未配信だったりと中途半端さが漂う。本作も配信されておらず、Wiiショッピングチャンネル終了が告知されたため、これが唯一の配信機会となってしまった。
-
ハドソン製連射パッドによる隠しステージは今作も健在。今作では「おまけ」としてボンバー星の赤い衛星の部分であるボンボリ星が登場する。
というかそこ星だったんだ…。
最終更新:2024年03月19日 18:07