すみっコぐらし ここがおちつくんです

すみっこぐらし ここがおちつくんです

ジャンル すみっコミュニケーション
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 日本コロムビア
開発元 グループボックスジャパン
発売日 2014年11月20日
定価 4,800円(税抜)
廉価版 ハッピープライスセレクション:2016年3月17日/2,700円(税抜)
レーティング CERO A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント すみっコによる癒しゲーム
ゲーム性は薄め
サンエックスキャラクターゲームリンク


概要

サンエックスキャラクターシリーズの一つ『すみっコぐらし』の初ゲーム化。
「しろくま」「ねこ」「ぺんぎん?*1」「とんかつ」「とかげ」の5匹の「すみっコ」の世話をする内容である。
世話をすると言っても育成ゲームではないので、アイテムを渡してその反応を見たり出かけたりと気ままに過ごす「すみっコ」達を眺めるのが主な目的である。
コンセプトで言えば同じサンエックスキャラクター作品の『わたしのリラックマ』に近い。

特徴

  • まず最初にすみっコ診断を行い、最初に世話をするすみっコを決定する。その結果からプレイヤーと相性が良いとされるすみっコが選ばれる。やり直しも可能。
    • そもそも診断をせず自分で選ぶ事も出来る。診断はおまけのようなものと考えていいだろう。
    • ゲームが進むと他のすみっコも家にやってくるので、あまり拘る必要は無い。
  • 部屋パート
    • 部屋ではすみっコが思い思いに過ごす。ここでプレイヤーはすみっコをなでたりアイテムをプレゼントする事ができる。
      • プレゼントは食べ物の他にはすみっコ個別のアイテムなど。紙袋をとんかつにあげるとその中に入ってとんかつアピールをする、ふろしきをしろくまにあげるとその中に包まる、など、あげたアイテムをすみっコが使用する事もある。
    • なでる、プレゼントをする等で「げんき」が上昇し、最大まで貯まったすみっコは「おでかけ」が出来る。
    • すみっコは「おでかけ」で連れ帰る事で増え、「すみっコ」が増えるにつれて「みにっコ」も遊びに来るようになる。
    • 「おでかけ」で手に入れたインテリアを飾る事もできる。飾ったインテリアに応じてすみっコ達がアクションを起こしたりと、過ごし方も変わっていく。
    • 特定の条件を満たすとイベントムービーが始まる事がある。一度見たムービーは「おもいで劇場」で何度でも視聴可能。
    • すみっコ達の敵(?)であるアームはプレイヤーが任意で操作し、すみっコやみにっコを掴んで移動させる事が出来る。
    • 時間が経つと部屋のすみっこに汚れやほこり*2が溜まる事がある為、掃除も欠かせない。汚れは落書きやねこの爪研ぎ痕。ペットのいたずらの後始末をしているような気分になるかも。
  • おでかけ
    • 「おでかけ」を選択すると「げんき」が最大になったすみっコ全員が外に出掛ける。最大ではなかったすみっコは寂しくお留守番。
    • ルーレットを回してマスを進むすごろく形式で行う。停まったマスによってアイテムやお金が貰えたり、ミニゲームが発生したりと異なるアクションがある。
    • まず出掛ける前に探すアイテムを決める。アイテムは4~9のパネル形式で表示され、アイテムマスに止まると探しているアイテムのパネルが一つ貰える。パネルが揃うとそのアイテムが入手でき、続いて次に探すアイテムを決める。
    • 規定回数ルーレットを回すと帰宅する。回せる回数は出掛けたすみっコの数が多いほど増える。一回のおでかけでコースを一周するとボーナスとしてアイテムパネルが貰える。
    • 何度かおでかけをしていると新しいすみっコが現れる事があり、合流すると家に連れて帰る事が出来る。
  • プレゼント
    • スミット*3でプレゼントを買う事が出来る。プレゼントは主におにぎりやジュースなどの食べ物アイテムだが、中にはとんかつ用のソースやからしなどもある。部屋の模様替えをする壁紙も購入できるが高価。
    • プレゼントをあげるとすみっコ達の「げんき」が上昇するが、上昇値はすみっコ毎の好き嫌いに影響される。ぺんぎん?は好物のきゅうりで大きく上昇し、ねこは苦手なみかんでは殆ど上昇しない、など。
      • ぺんぎん?以外がきゅうりを、とかげとねこ以外が魚を食べると言った、普段はあまり見ないような光景も見られる。しかし何故かとんかつは魚が何なのか分かっていないのか食べようとしない。
  • すみっコ研究日記
    • すみっコ達のプロフィール。すみっコ毎に設定された条件を満たす事で項目が追加されていく。
    • 特定の方向や、アイテム使用時に撮影する、といったものの他、みにっコを頭の上に乗せて撮影すると言った、すみっコならではの条件もある。
    • 達成するとトーク用のスタンプなどが貰える。

評価点

  • 癒される
    • これに尽きる。なんと言ってもすみっコ達の動作はいちいち可愛く、眺めているだけでほっこりと癒されてしまう。
    • 公式絵でもよく見るように寝そべる事もあれば、意外と元気に走り回ったりと、本当に自由気ままに過ごしていく。あんまり「すみっこ」にいないのはご愛嬌。
    • 3Dモデルですみっコ達の特徴をよく捉えており、細かい仕草までも違和感が無い。存分に癒されることが出来る。
      • 企画当初では世界観を考慮して2D画面だったらしいが、せっかく3DSゲームとして出すのだからと最終的に3Dに決まったとの事。結果、当時の原作で説明しきれていなかった「すみっコ」の世界が表現でき、作品の掘り下げにも繋がった。
  • 写真撮影がいつでも可能
    • 本作では殆どの場面で写真撮影が可能となっており、普段の操作画面は勿論、アイテムをあげた時やイベントムービー時でも気に入った場面があればボタン一つで保存が可能。
  • すみっコならではのミニゲーム
    • 収録されているミニゲームは、部屋のすみっこの争奪戦、すみっコで落ちてくるすみっコを受け止めてすみっコの塔を作る、などすみっコらしく微笑ましいミニゲームが揃っており、これも癒しの要素に。
    • ミルクティーを飲み終わるまで何匹の「たぴおか」を吸えるか競うミニゲームもある。終了時に飲み残されたたぴおかから一瞬で笑顔が消えるのが何ともシュール。

問題点

  • ゲームとしては単調
    • すみっコを眺めて、アイテムをあげて、おでかけして…をエンドレスで繰り返すゲームなのでクリア目標は存在しない。
    • アイテムやすみっコ研究日記の収集と言った要素はあるが数は多くはない為、すみっコと過ごしていればそのうちコンプリートできる。その為、やり応えや達成感は期待できない。
    • ミニゲームもどれを遊ぶか、難易度はどうするかは全てマス次第なので自分で選んで楽しむことはできない。
    • この点は次回作以降で改善されていく。
  • みにっコはおまけ程度
    • みにっコも登場するが、すみっコ達のようにプレゼントをあげたりミニゲームに参加させると言った事は一切不可能。元々彼らはサブキャラなので仕方ないが、ズームしたりなでる事すらも出来ないのはちょっと寂しい。
    • 次回作ではズーム&なでる事が可能になった。
  • 食べ物アイテムをプレゼントする際は必ず全員に配り、個別にプレゼントはできない。
    • その為、特定のすみっコしか喜ばないものの場合は、そのすみっコ以外には微妙な反応をされてしまう。
    • 「ねこ缶」「ねこ草」をあげるとねこは飛びつくが、他は後ろでそれを眺めるだけ。「ソース」「からし」はとんかつが大喜びで頭にかけるが、他は「これ、どうすればいいの?」と言わんばかりの微妙な空気が漂う。
    • また、「みかん」が嫌いなねこにも平等に配られるので、毎回嫌がる顔を見ることになる。
    • 次回作では個別にプレゼントが可能になり、「まきずしセット」「ピザLLサイズ」と言った全員に配るアイテムも追加された。
  • アルバムの不便さ
    • いつでも写真が撮れるのだが、アルバムのリスト更新が遅く、表示に時間が掛かる。
    • ただ見るだけなら最初の一回待つだけなので気にならないのだが、写真の消去を行う度に全体の更新を行う為、整理が非常に面倒。選択して一括で消す機能も無い。
  • とかげの扱い
    • レギュラー5匹のうち、登場時期が遅かったとかげは今でこそ他の4匹と平等に扱われているが、以前はハブられる事が少なくなかった。
    • 本作もそんな時期に発売された為、パッケージに写っていない事から分かるようにとかげの扱いは他の4匹に比べて小さい。
      • ゲーム的にはメインに含まれてはいるが、ミニゲームでもカウントダウンの演出に一匹だけ登場していない*4。すみっコ研究日記の項目も少ない。とかげ好きはちょっと悲しいかも。
    • 以降は新作が出るにつれてとかげもちゃんと平等に扱われるようになった。

総評

すみっコぐらしのゲーム化第一弾という事もあり、まだゲームとしては模索中という事かゲーム性の薄さは目につくものの、
すみっコ達の可愛らしさはしっかり表現されており、以後発売する数々の続編の基礎は既に本作で固まっている。

クリアやコンプリートに躍起にならず、それこそ「すみっこ」で落ち着きながらすみっコ達とのんびり、まったり戯れるのがこのゲームの楽しみ方だろう。
アクアノートの休日』のような「癒しゲー」と言える作品である。

『すみっコぐらし』自体の人気も手伝って、売り上げは10万本を突破。以後は新作もコンスタントに作られ続けている。
次回作以降では「村作り」や「島の探索」など毎回異なったテーマを扱い、目的やゲーム性を与える試みが為されるようになった。

余談

  • 本作に隠しキャラとして登場した「もぐら」は後に原作キャラの一員に組み込まれ、現在ではイラストに登場したりグッズも作られている。
    • 次回作『おみせはじめるんです』では「ふくろう」が登場し、同じく原作に登場するようになった。
  • 16年頃の発売元の日本コロムビア社員のインタビューによれば、「とんかつの様な非生物もいる」「消極的で非アクティブ」「ペットの様な飼育対象でもない」等の掴み所のなさから、どんなゲームにするかで悩んだようだ。
+ タグ編集
  • タグ:
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  • グルーブボックスジャパン
  • サンエックスキャラクター

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最終更新:2020年04月16日 00:58

*1 「?」までが正式名称。緑色のペンギンのような生き物、昔は頭にお皿があった気がする…らしい。

*2 一応、これもみにっコである。

*3 原作にも時々出てくるスーパーマーケットで、「サミット」のパロディ。

*4 代わりに「おわり」の立て札を出す役を務めている。