ニッポンマラソン

【にっぽんまらそん】

ジャンル アクション・レース
対応機種 Windows
プレイステーション4
Xbox One(海外のみ)
Nintendo Switch
開発元 Onion Soup Interactive
発売元 【Win/One】PQube
【PS4/Switch】アークシステムワークス
発売日 2018年12月17日
価格 【PS4/Switch】1500円
【Win】1520円(全て税8%込)
プレイ人数 1~4人
備考 欧州版のみパッケージ販売あり
判定 良作
バカゲー
ポイント 勘違いニッポンが爆発したレースゲーム


概要

ベギン、勇敢な、走る…行く!
筋肉をしっかりと伸ばしたら…
ニッポンを舞台にしたマラソンレースを勇敢に走り抜け!
市街地やにぎやかな市場、山頂の寺院、スーパーマーケットなど
不思議の国のニッポンの土地全体を横断しながらニッポンの文化も学ぶことができる。(ワンストーン・ツーバード!)
また、レース内には何か悪い障害物が選手たちの行く手を阻む!
追ってくるシバイヌの群れや道路の真ん中に転がってる樽、他の選手が投げる果物など回避しなければならない。
全ての苦難を乗り越えてチャンピオンを目指せ!
世界よ、これがニッポンのマラソンだ!
(ニンテンドーeショップの紹介より)


特徴

ゲームの流れ
3Dグラフィック+物理演算で描かれる障害物レースゲーム。画面は上空からの見下ろし視点。
4人のランナーが競争して、画面外に外れた者は脱落していく。最後の一人になった時点で1ラウンドが終了*1
コース全体終了後、スコアを集計し最終的な勝敗が決定する。

  • タイトルにあるような「マラソン」ではなく、TV番組「風雲たけし城」のようなアスレチックコースを走ることになる。
    • 単純にレースゲーム的に大差をつけられるほか、コースアウトする、アイテムや障害物によりラグドール化している間に走られる、などで脱落していくことになる。
  • 最後まで残った1位が☆を1つ獲得し、2位は変動なし。3位は1つ、4位は2つ☆を失う。
    • 最後の2人が一定時間残っているとサドンデスモードが発生し、オジャマアイテムが大量スポーンする。
  • ラウンド終了後、勝利画面が表示され、ラウンド終了地点近くに4人がスポーンし再スタートとなる。
  • ゲームモードは以下の通り。
    • ストーリーモード
      • ニッポンマラソンに参加する4人の選手を主人公に、レースの合間にチャットを挟みながら遊ぶモード。
      • 一方でそれぞれの夢を叶えるため出場した選手たち、一方で国民的行事であるニッポンマラソンの裏で陰謀がうごめいている、というストーリー。
      • 全8ステージ。但し各ステージで1位を獲る必要があり、獲れなかった場合はステージやり直し。
    • 先頭モード(戦闘モード)*2
      • 規定数のステージを走り総得点を競うモード。ステージごとの勝ち負けは勘案されない。
      • ステージ数は8ステージ全走破する「フルマラソン」、前半か後半の4ステージのみを遊ぶ「ハーフマラソン#1/#2」、1ステージのみの「シングルレース」から選ぶ。
      • 1P以外はCPUと入れ替わる形でいつでも乱入・棄権が可能。
    • パーティゲームモード
      • ミニゲームを遊ぶモード。詳しくは後述。

スコアシステム

    • ラウンドごとに出入りする☆の数に応じてもらえるスコア。☆1つにつき50点。
    • ☆のストックは最大8コ。何ラウンド勝利しても9以上にはならない。
  • ゴールポジション
    • ゴールラインに到達した順番に応じてもらえるスコア。1位=100点、2位=75点、3位=50点、4位=25点、DNF=0点。
    • 誰か一人がゴールして一定時間が経過するとそのコースは終了となり、それまでにゴールできないとDNFとなる。
      • ちなみにゴールはただのラインではなく、ゲートが4つあり破れる壁と破れない壁が2つずつセットされている。破れるものを選んで突っ込んでいくことになる。
  • ステッカー
    • レース中の出来事に応じてもらえる実績スコア。一つ10点。
      • 特定のアイテムを一番多く使用した、一番「臭」かった(後述)、1ラウンドで最も長い距離を走った、など。
  • 人気
    • レース中の出来事に応じて増減するスコア。最大100。
      • 犬に噛まれる、バナナを設置するなどで上昇。毒キノコを持つ、サルを振り落とすなどで下降する。

アイテム
レース中、そこかしこに配置してあるボックスに突入すると即時、ランダムでゲットできる。
L、Rボタンを短く押すとそれぞれの手に持ったアイテムをアイテムとして使用し、長押しするとアイテムを食べてスピードブーストする。

熱追尾メロン 発射すると上空へ吹っ飛んでいき、1位のキャラクターめがけて落下、砕け散る。吹っ飛ばしとラグドール化。
マリオカートシリーズのトゲゾーコウラに近い。なお、実際の外観はウォーターメロン(スイカ)である
パイナップルバルーン 使用すると風船が浮かぶ。効果時間中にジャンプすると、残りの効果時間中滞空できる。ジャンプ中に使用した場合も同様。
バナナ 使用するとその場に設置され、後続のプレイヤーが踏むとラグドール化する。
毒キノコ ハズレアイテム。持っていると煙をまき散らしながら猛烈な勢いで人気度が低下していくが、まき散らす煙を他のプレイヤーに吸わせ続けることでラグドール化させられる。
使用するとその場に投棄し、投棄されたキノコに触れると拾ってしまう。また、食べると一瞬加速するが直後にラグドール化する。
ボーナススコア条件の「もっとも臭い」とはこのキノコを長時間持っていた、という意味である。

ラウンド間ミニゲーム
ラウンド開始時、ランダムで3パターンのミニゲームが発生することがある。

  • 迷路ゲーム
    • いきなり迷路にワープさせられる。1位のプレイヤーが☆1つ獲得。
      • CPUが異常に強く、基本的にCPUについて行き土壇場で進路を妨害することで1位抜けできる。
  • クイズ
    • 4つの選択肢をABXYでいくつか選び、文章を完成させるゲーム。ニッポン文化・風俗に関するらしい文章が完成する。
      • クイズの点数に応じて人気度が上下する。
      • このクイズの正解は、「Wedey'sトラベルガイド」に載っている。
      • もっとも、顔文字があるので笑顔系がついている単語でつないでいけばいいというのもある。
  • スロット
    • スロットを回し、アイテムと障害物が1つずつ出てくる。
      • 障害物は犬、鯉、無の3種類。

Wedey'sトラベルガイド
ステージ内に配置してあるコレクターアイテム。ギャラリーモードの名称でもある。
収集することでニッポン観光ガイド本が完成していく。ゲームガイド・ニッポン文化紹介などが観光ガイド風に書かれている。

パーティゲームモード
本編のマラソンの他に、カートボウリングとL-O-B-S-T-E-Rの2つの対戦ゲームが遊べる。

  • カートボウリング
    • 巨大な坂になっているボウリングレーンから買い物カートに飛び乗って駆け下り、ボウリングをするゲーム。
      • もちろんタダのボウリングではなく、フレームごとに地形が変わったり障害物が設置されたりしてレーンの状況が変わる。
  • L-O-B-S-T-E-R
    • 「たけし城」や「SASUKE」のような障害物だらけのアスレチックコースを走るモード。コースから落ちるか、時間切れになるまで走った距離を競う。
      • コースはいくつかの短いコースが連なったもの。繋がりかたによっては難易度が大きく上下する。
    • 前に走ったプレイヤーの記録に達しないとラウンド敗北となり、LOBSTERが1文字ずつ書き足されていく。LOBSTERが完成したプレイヤーが負けとなる。
      • ショートモードとしてEBI、SHRIMPモードもある。それぞれ3敗、6敗でゲーム終了。

キャラクター

+ 主人公

ストーリーモードで選択可能な主人公達。

  • エリザベス・ニシボリ
    • 角の生えたジャージを着た女性。海洋生物学者志望。ヒデコの妹で、ニッポンマラソンを牛耳る「サイバー・セキュリティ・アンド・スペース・テクノロジー社」の御曹司。
    • 自分がイッカク*3であることを主張し、ユニコーンと間違われると怒り出す。
      • ファミ通紹介記事などでは出場目的が「父親の会社を買い取るため」とされていたが、ストーリーモードでは「海洋生物保護区を作るため」となっている。
  • J・ダーウィン
    • ロブスターの男性。実家のロブスター農場の経営危機を救うためニッポンマラソンに出場。
  • ゼンベイ (ZEN BEI(男性時) XEN BAE(女性時))
    • 2重人格の(体は)男性。元々は健康オタクの会社員だったが、定年退職後に女子高生の人格が宿り、普段は女子高生として生活している。元の人格が出てくるのはレース中だけ。変質者ではない。
    • ニシボリと服を交換すればいいのではというツッコミはヤボだろう。
  • スヌグル・マエストロ
    • 結婚相談所の設立を目指している(法人化は未定)犬。元手を手に入れるためにニッポンマラソンに出場。
    • 血液型占いを非常に重視しており、ストーリーモードではこれで偽装結婚を見破る。
+ ニッポンマラソン・ビッグ4

ストーリーモードで敵として立ちはだかるランナー達。
ゲーム内ストアで購入することでプレイヤーも使用可能になる。

  • ハンサム・ハズキ
    • ニッポンマラソンを10連覇している絶対王者。マラソン選手の他に化粧品や俳優業も展開。無口。
      • ハズキとアベだけがオリジナルボイス。他のキャラクターはフリー素材。
  • シロ・ヒデコ
    • 10年連続でニッポンマラソン2位になっている強豪にしてハズキの妻。ニシボリの姉でもある。チュートリアルも担当。
      • ニッポンマラソンで唯一マラソンランナーっぽい格好をしているキャラ。
    • チュートリアルでは厳しめの標準語でしゃべるのだが、ストーリーモードではコテコテの関西弁である。
  • アリゾナ・フェニックス
    • アメリカ出身の黒人男性。ラテックスのスーツにネコミミという出で立ち。
    • ビッグ4の談合をもっとも積極的に守ろうとしている人物で、談合を脅かす主人公やパークに度々脅しや工作を仕掛ける。
  • K.Gパーク
    • 韓国人男性。ファミ通では「両性具有」とされていたが、ゲーム内の性別欄では♂。
    • 若者に大人気のK-POPアーティストにして昨年初出場4位に食い込んだニッポンマラソンの新星。
+ その他のキャラクター
  • ウェディー・ジョーンズ
    • 半径50メートル以内最良のレポーター。女性。ジェットパックで登場する。ニッポンマラソンの談合疑惑を追う。
      • ボイスは女性だが、セリフでは「俺」「私」「~だぜ!」「~よね!」など口調が非常に不安定。
    • 特定の条件を満たすことでランナーとして使用可能になる。
  • アベ・ワタナベ
    • アナウンサー。実況、システムボイスなどを担当。オリジナルのボイスを持っているキャラクター。
  • サラ
    • カメラマン。ハズキの大ファンであり、ハズキの名前が出るたび絶叫する。
    • ある意味、被害者。

バカゲー要素

  • 日本らしき各地域を回ってレースをするのだが、とにかくデタラメな翻訳やギミックが満載で、ツッコミどころに事欠かない。
  • 概要にあり、キャッチフレーズにもなっている「ベギン…勇敢な、走る、行く!」は「3.2.1,GO!」の代わりに本当にスタートの合図になっている。
  • ステージ名「カワ川ラン」「ムラ寺村*4
  • ファイアートーチは日本ではよく見かけるストリートパフォーマンス。
  • コースの障害物として現れる行列。
  • 宿の壁に関ヶ原合戦図絵屏風。
  • 「なるほど、お坊さんの所得申告だ*5」。
  • 電車の中では人を押すのがマナー。
  • ニッポンに関係なくてもでたらめ
    • どういうわけか「む」だけフォントが違う
    • 韓国人の強豪選手K.G.パークの血液型は「L型」。
    • アルコール分はゼロだが80%ニトログリセリンの酒。
    • ストリーミング配信するサル
    • 「レースの終わりは、ナイトクラブで決まりでしょ!」
  • ストーリー・キャラクターもでたらめ
    • ニシボリ(パッケージ最前列のフードの女の子)は、ユニコーンではなくイッカク。
    • ジェットパックで飛んでくるリポーター。
    • 「7」アレルギー。
    • ハズキ脱落時のボイス「羊の頭?!犬の肉ゥ?!」
    • でたらめなシナリオ中のパートボイス。
  • 意外とまとも・マニアックな面も
    • 鯉の滝登り。
    • 「サムライは剣術の稽古を禁止された代わりに魚釣りに興じた。」鮎釣りは武士階級の特権で、友釣りの竿捌きは剣術に通じるとされた。
    • 「カワセミ(大阪)はコメディアンの街。」「伝説のコメディアン モモ・タカモリ」
    • スーパー市場スイープに登場する観覧車。梅田HEP FIVE観覧車のパロディ。
    • 「ネオ人口駅の煩雑な改札と乗り換えは、観光客を怯えさせるために作られている。」
    • 欧米のゲームで寺と神社が両方登場し、しかも作り分けが出来ているものはかなりレア。
    • 「ダボ」「あかんたれ」はまだしも、「ごんたくれ」は最早死語のレベル。
    • 一部のガチ解説
      • 「棚田」「易経」に関するもの。
    • 「ニンジャ」「サムライ」といったベタすぎるニッポン要素や、中国・韓国と混同されている様子は無い。

評価点

  • 意外と硬派なストーリー
    • 国民的スポーツ大会「ニッポンマラソン」において、上位選手やスポンサー企業の不正・談合を暴いていくというストーリー。要所だけを書き出すと内容はシリアスでストーリーもしっかり構築されており、見応えがある。
      • 前述したようにディティールはでたらめであり、非常に「濃い」ものになっている。
  • 実況が存在する。ステージ進行に依存する観光案内的な物にゲーム状況に応じた実況が織り交ぜられ、常に賑やかにゲームが進行する。
    • 実況は日英二カ国語が収録されているが、英語版も同じ声優が担当している。徹底的に日本語訛りした英語で実況が展開される。
  • 画面外に外れると脱落、という分かりやすいルール。
    • 実際には「画面外」というのはあくまで目安で、画面内で脱落したり画面外でも生き残ったり、という状況はある。
  • 単純で簡単な操作。
    • PC版アーリーアクセス時代からチュートリアルで表示されるコントローラーはSwitchを意識したものだった。
  • ステージのバリエーションが多い。
    • 全8ステージは、それぞれ日本らしい場所をステージ化しており、ゲームプレイ上も個性がしっかりと出ている。
      • 内訳は田舎道 ⇒ 神社・日本庭園 ⇒寺・工事現場 ⇒ ビル屋上 ⇒ スーパーマーケット・大阪市街・棚田 ⇒ 酒蔵、雪山と温泉とサル・新幹線 ⇒ 駅、秋葉原 ⇒ 東京ドーム ⇒ 空港。
      • 酒蔵では酒が爆発したり、雪山ではサルが頭に乗って配信を始めたりと、あらゆることが起きるため飽きることがない。
    • コース構成も単純では無く、つづら折りの細い道を正確にたどることを要求されたり、プラットフォームジャンプがあったり、障害物をなぎ倒してショートカットが作れたり、とよく考えられている。
  • 1位不利のゲームバランス
    • 次に挙げるような理由により、1位を維持することが難しく、抜きつ抜かれつの熱いゲームが展開される。
      • 視界が悪い。全プレイヤーを1画面に収めようとカメラが動くため、1位の見られる前方マップがかなり狭くなる。
      • 1位を狙うスイカの回避はかなり困難で吹き飛ばしにより一発コースアウトもあり得るが、下位を攻撃するバナナは回避が容易でリスクも低い。
      • 障害物類は崩れっぱなしになるため、1位が体を張ってこじ開けた道を下位がスルスル抜けていくということになりがち。
      • 動的な障害物(坂の上からドラム缶が転がってくるなど)は1位キャラの通過をトリガーに動作するため、1位がもっとも被害を受けやすい。
    • また、このため安定して勝つには「勝ち切る」テクニックが要求され、ダイブ、ショートカット、パイナップルの使用などダイナミックなプレイが有効になる。
  • ラウンド制・スコア制
    • 普通のレースゲームでは1レースが終わるまでぶっ通しであり、大差がついてしまうと残りのゲームをやる気がなくなってしまうこともある。
      一方、このゲームでは一定の差がついたらスコアをつけて再スタートするため、何度でも仕切り直しができ、緊張感と楽しさを保てている。
    • 1ラウンドで得られるスターは最大1、一方4位に終われば一気に2個を失うため、大差でトップだと思っていても連敗するとあっという間に振り出しに戻ってしまい、ゲームの終盤まで逆転の芽が消えない。
      • ☆は1~8個の間でしか変動しないため、負けが込んでいるように見えても後半の展開次第では十分勝ちうる。
  • 1画面ゲームである
    • 普通のレース系対戦ゲームはプレイヤーごとに画面を分割することが多いが、本作は全員が同じ画面でプレイするため、ソロ・マルチで感覚が変化しない、他プレイヤーとツッコミどころを共有できる、などのメリットがある。
  • アイテムを食べられる
    • アイテムはアイテムとして使用するほかに食べてブーストに使用することもでき、アイテムが腐らない。
      マリオカートでたとえると、1位のトゲゾーコウラや最下位のバナナは腐ってしまうが、それらをキノコに変換することができるのだ。
  • バグ対策
    • そもそもバグらしいバグはほとんど無い。
    • 物理演算ゲーの側面もあるが、それらにありがちなオブジェクト嵌まりや不可解な当たり判定は見られない。
    • 稀にCPUが一カ所をグルグルと回り出したり、2者以上がラグドール状態から抜け出せなくなってゲームが詰むことがある。
      • そのような状態を検知すると、大きく「錯乱」と表示された後、硬直した場所でラウンドが終了した物として仕切り直しになる。

賛否両論点

  • 独特な操作感
    • やや斜めからの変則トップビューというカメラアングルもあり、スティック入力と移動方向がややちぐはぐ。距離感・高低差を掴むのも慣れが必要。
    • まるっきり直感と異なるわけではなく、これを問題視する意見は少ない。
  • 人気度システムが空気
    • 人気が下がる要因は多く下がり幅も大きいのに、人気が上がる要因は少なく上がり幅も小さい。
      実際にはゴール直前に稼いだ10数点程度を争うことになる上、その他の要素による加点が大きいため、勝敗に絡むことはほとんどない。
      • レースの成績が勝敗のメインの観点であるべきだ、と考える層からは逆にこの仕様が評価されている。
      • ストーリーモードの負けイベでは、人気999%のキャラに負けることになり、世界観の表現にもなっている。
  • ゼンベイ
    • セーラー服を着たハゲジジイという 逮捕されかねない キャラを操作することに抵抗を感じた人もいる上に、シナリオでは女の子として喋ったのには驚いたのではないのだろうか。
    • ストーリーを進めていくと、ハゲジジイと女の子の多重人格者というゼンベイのキャラクターにも納得ができるし、それこそがこのゲームの味でもあるのだが、一方で他のゲームでは感動的な場面もこのゲームでは苦笑するしかないシーンになってしまう。
      • 次回作『ニッポンマラソン2』*6では、本物の「セーラー服おじさん」こと小林秀章氏をコメンテーター役で起用する企画があり、日本のサブカル有名人として認識していたと思われる。

問題点

  • 手持無沙汰な時間が発生する
    • 脱落した後はそのラウンドが終了するまでレースに復帰できず、ただ眺めていることしかできない。
      特にラウンド開始直後に早々に脱落してしまうと非常に暇になってしまう。
  • CPUのレベル調整ができない
    • 慣れないうちはついて行くのもやっとな一方で、慣れてくると独走状態になることも珍しくなくなる。
  • ゴール不能バグ
    • 「人口駅ステーション」ではゴールを無視してその先に進めてしまう。CPUがやらかすこともある。
      • そのままラウンドが終了すると次ラウンドの開始地点が地中となり、何もできないまま落下→地中から再スタートを繰り返すことになる。
    • また、最終ステージ「ネオ人口」のゴールはプラットフォームジャンプの先に設置されているが、ここで一人もゴールできずに全員落下してもゴール不能バグに陥る。
      • ゲーム再開地点がゴール内側で、CPUはゴールしたものと認識して動作をやめてしまうためゲームが終了しない。
    • こうなるとレースを中止するしか方法が無い。
  • ゲームスピードがトロい
    • デフォルト状態では全体に動作がもっさりしており、レース感や爽快感に欠ける。
    • オプションからターボモードをオンにすると動作全体のスピードが上がるため、基本的にはターボモードでプレイすることをお勧めする。
      • フルマラソン1回プレイすればショップで「ターボモード」を解放できるだけの通貨が手に入る。
  • スタート位置による不公平
    • ラウンド開始位置によっては、一列では無く四角形に並べられスタート前に差がついてしまう。
    • 他、ラウンド開始前もゲームは動作しているため通行人などが突っ込んできてダウンさせられる・人気が増減するなど。
  • 曖昧な判定
    • 基本的には画面左下から右上に進んでいくのだが、順位判定がコース依存では無く画面の左にいるか右にいるか、で行われている節がある。
      • これにより、折り返しのあるコースではトップを走っていたはずなのに理不尽に脱落させられることがある。
    • 他、上下差のあるコースなどで不可解な脱落・勝利判定がたまに発生する。
  • ストーリーモードが4人分必要ない
    • ストーリーは主人公4人分用意されているが、すべてストーリーの流れは同じ。ニシボリとレポーターのウェディが実質的な主人公。
      他の3人分もエンディングと一部のチャプターを除いてニシボリ中心の展開であり、ストーリーモードが4人別である意味があまりない。
      • もちろんその「一部のチャプター」を見ることでキャラクターをより詳しく理解することができるのだが、それ目当てにせよ見たことのある大量のスキットをA連打で飛ばしていくのはしんどい。
      • どういうわけかゼンベイだけストーリークリア率が101%まで伸びる。
  • 一部の人物グラフィックが酷い
    • 元々グラフィックに期待するゲームではないが、特にニシボリのモデリングが嫌悪感・恐怖感を覚えるレベル。ラウンド勝利画面で顔が写されるため度々見る羽目になる。立ち絵はあんなにかわいいのに……
    • 「観客(モブキャラ)」の立ち絵が、人間の肌とは思えない濃いめの灰色で塗られている。正直気持ち悪い。
      • ダーウィン・ゼンベイ・ハズキなどの男性キャラクターや動物類は、わりと見られるモデルで作成されている。
  • ミニゲームによるテンポの悪化
    • 前述の通りラウンド開始時にランダムでミニゲームが挟まることがあるのだが、強制かつそれなりに時間がかかるためレースの進行を阻害してしまっている。
    • オプションにはミニゲームの有無を決めるものと思しき項目があるのだが、「いいえ」に設定していてもいつの間にか「はい」に変化していることがある。
  • オンライン対戦不可
    • 必須ではないとはいえ、この時代の対戦ゲームに期待されている機能の一つではないか。
  • そのほかの細かい問題
    • 数カ所の立ち絵(セリフ)ミス。
    • 第4ステージではBGMの再生がなぜか30秒程度遅れる。
    • チュートリアルが不親切。いくらかプレイして身体で覚えるしかない。
  • 一部の演出
    • 大阪をモチーフにした「カワセミシティ」のステージで、地震・地割れが発生する。阪神淡路大震災をおちょくっていて不謹慎という声もある。
    • ヤマドリ(岐阜あたり)の住人はバックパッカーが嫌い・東京の電車では人を押すのがマナーなどの真に受けられると困る設定がちらほら見受けられる。

総評

荒削りな面はあるものの、勘違い日本の要素をめいっぱいに詰め込みつつ、ゲーム部分もしっかりと作った良作。
VTuberブームと時期を同じくしたため、実況動画で本作を知った人も多いのではないか。
1500円と安価なこともあり、友達と遊んで盛り上がるバカゲーとして、実況ネタとして、カジュアルに楽しめる1本。


余談

  • 北米・欧州ではPS4/Switch版のパッケージ版が販売されている。
  • EXA基板に移植したAC版「ニッポンマラソン ターボ」も展開。大阪・東京でロケテストが行われた後、2021年4月28日より稼働開始した。
    • ターボではスターがゼロまで減少するようになっており、ゼロになったらそのプレイヤーはゲームオーバー。
    • ハト頭とプリンセス風の2キャラが追加されている他、新ステージも追加されている。
    • 基本的に決められたコースを3本走り、最後まで残れば良い。ただし、「ULTRA MODE」は収録全9ステージをぶっ通しで走る。
    • なお、海外のゲームメディアにおいて、EXA基板独自の4人対応キャビネットを写した写真にニッポンマラソン ターボが写っているのが発見され、アメリカでも稼働していることが判明した。
  • 20年9月には続編『ニッポンマラソン2』のクラウドファンディングを開始。なお目標額の70%弱に終わり、ひとまず立ち消えとなった。
    • 作者は「我々は『ニッポンマラソン2』を絶対に諦めない」とのコメントを発表している。
      • 本作の主人公達も国籍を変えて登場する他、「レイワマン」なるキャラも計画されていた。
      • ロンドン・大阪・中国・ニュージーランドなど、世界中を巡るものになる予定だった*7
  • 上記のようなはっちゃけたバカゲーっぷりと早期のSwitch進出宣言により発売前から話題となり、発売後ニンテンドーeショップのランキング12位に食い込んだ。
    • そもそも、このゲーム自体最初はSteamのアーリーアクセスで販売が開始されたのだが、開発途中の段階でありながらもその内容に魅せられた者が多く、一定の人気を得てはいた。
  • このゲームの宣伝のためにWebページTwitterアカウントが開設されたが、ゲームそっちのけで観光案内や動物画像をRTするという、ゲームに劣らぬはっちゃけぶりを披露している。
    • 奇怪な日本語はあるが、観光案内自体は外国人向けの問題の無いベーシックなもの。
  • ゲーム全体を通じてやたら犬(柴犬)推し。
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最終更新:2023年03月11日 20:39

*1 海外では著名なMicroMachinesというレースゲームと全く同じルール。当wikiにはページがないが…。一応国内ではPSでも出ている。

*2 ニンテンドーeショップの紹介で堂々と誤字っており自己ツッコミしている。

*3 クジラの仲間。名前の通り、一角のような長いキバを持つ。

*4 英語音声では「ムラテンプルビレッジ」と発音しているため『ムラ寺』という寺のある村だと思われる。

*5 写経をしているであろうエリアでのコメント

*6 クラウドファンディングが失敗し無期限延期になっている

*7 エンディングで明らかになるが、本作の舞台は日本列島のみの惑星「ニッポンプラネット」の「ニッポン」なので、実は「世界を回る」という内容自体意味不明。