本稿はDLC課金型のアプリゲームが原作ですが、現時点ではSwitch版に限定したものとなっています。


DEEMO

【でぃーも】

ジャンル ファンタジーリズムゲーム
対応機種 Nintendo Switch
メディア ゲームカード
ダウンロードソフト
発売元 フライハイワークス
開発元 Rayarks Inc./Esquada
発売日 ダウンロード版 2017年9月21日
パッケージ版 2018年10月25日
定価 ダウンロード版 3,000円(税込)
パッケージ版 3,888円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント 多くを語らずも切ない世界観
本物のピアノを弾くように操作可能
DEEMOシリーズ
DEEMO / DEEMO -Reborn-


あらすじ

『さよならも言わずに消えてしまわないで。』

主人公・Deemo(ディーモ)は、城で独りピアノを奏でる謎の存在。
そんな孤独な彼のもとに、ある日突然、空から記憶喪失の少女が舞い降りた。
少女を上の世界へ帰してあげたいと悩むDeemo。
その時彼は、ピアノを弾き、曲を聴かせると成長する不思議な芽があることに気がついた。

その芽が木となり、天井の窓まで届くほどに育てば、
少女を元いた世界に帰すことができるかもしれない。

少女との触れ合いの中、人の温かさを知ったDeemoと
記憶を取り戻した少女が迎える結末とは?

これは2人の、不思議で少し切ない物語??。

(※公式HPより)


概要

原作は台湾のRayarkによって開発・製作されたスマホ用音楽ゲーである。
音楽を演奏して木が一定量生長するごとに物語が進むという、やや珍しい形式をしている。


システム

  • 音ゲーの操作システム
    • 音楽が流れている最中に、画面奥から手前に向かってピアノの鍵盤のようなシンボルが流れてくる。
      • シンボルは「塗りつぶされた線」「枠線のみの線」「白く光る楕円」の3種類あるが、前2つは見た目のみでプレー上の違いはない(赤及び青の着色については後述)。
    • 画面手前には黒い横線が引かれており、このラインと重なったタイミングでシンボルにタッチすることが求められる。
      • 「白く光る楕円」のみ線をなぞるようにしてタッチしてもいい。グリッサンドやトリルという形で使われている。
    • 連続で成功することでコンボ。5コンボ以上のときはタイミングが特にいいとコンボ数の下に「Charming」と表示される。
      • Charming評価自体は4コンボ以下でも発生しており、リザルト画面で表示されるCharming率の分母はコンボ数と同じく総ノート数である。
    • 打鍵操作が早すぎるか見逃してしまうかして、タイミングが大きくずれるとコンボが途切れてしまう。
  • スイッチならではの操作にも対応
    • コントローラーのボタン操作にも対応。タッチするかわりに正しいタイミングで対応したボタンを押す必要がある。
      • 流れてくる鍵盤のタイミングは据え置きだが、黒いシンボルが青と赤で着色されるようになる。
        青は左手側のボタンで、赤は右手側のボタンでないと処理できない。青と赤の両方で着色されているもの(設定で緑色に変更可能)はどちらで処理してもよい。
      • 白く光る鍵盤はL/R/LZ/RZの押しっぱなしで対処可能。
    • NINTENDO LABO バラエティキットのピアノToy-Conでプレーする専用のカテゴリも存在する。
      • こちらは鍵盤のシンボルが降りてきた場所をタイミングよく弾けば成功判定。
      • 譜面は専用のものが用意されており、ランク変更不可。
      • 判定ラインもこれに限りピアノを模したものになる。
  • 曲の解放
    • シナリオの進捗や、曲のプレイ状況に応じて逐次新しい曲が開放されていく。収録曲の総数は300曲以上。
    • Deemoたちが暮らす世界にある物体を、画面タッチやAボタンで調べて回ることも出来、そこから入手できる新規楽譜もある。
    • なおキャラクターに触れると何かしらしゃべってくれる。場合によってはシナリオの伏線となる情報をしゃべることも。
  • 課金要素について
    • 課金要素は基本存在しない。原作では追加楽曲をプレイできるようにしたりシナリオを最初から楽しみたい場合は課金が必要であったが、本作では最初からデータに収録されている。
    • なお、2020年11月末に配信開始となったDJMAXとのコラボ楽曲パックがSwitch版初の有料DLCである。

評価点・特色

  • ピアノを弾いているかのように操作できる
    • 本作に求められる操作は流れてくる鍵盤型のシンボルに、正しいタイミングで触れるだけ。
    • プレイヤーが鍵盤に触れたタイミングに対応して、ピアノの音が鳴るようになっている。また画面右側に行く程高い音が出る傾向なのでピアノを引いている雰囲気が存分に掻き立てられる。
    • 特に白く光る鍵盤を操作すると、ピアノのグリッサンドやトリルを実際にやっているような気分になれる。
    • ピアノベースの曲が多く取り入れられているのも特徴で、ジャジーな曲、アップテンポな曲、バラード調の曲と幅広い。
      • さりとて決してピアノがメインの曲ばかりではなく、ボカロ風の曲も多めに収録されている。
  • スイッチならではの操作もある
    • スイッチコントローラーで操作する場合もあるが、タッチのときと根本的な操作方法は変わっていない。
      • キーコンフィグは各サイド5パターン(一方で統一、もしくは斜め区切りで2ボタンずつ(反転含む))のほか、自由設定も可能*1
    • 曲や譜面は限定されているが、ピアノToy-Conにも対応(上述)。
  • 物語が存在すること
    • Deemoたちが暮らす世界は、どこか暗くも暖かい雰囲気のある背景デザイン。木の生長によって徐々にその世界も変化していく。
    • シナリオは多くを語らないため、ゲームのテンポも大して損なわない。
    • かといって何も無いシナリオかというとそうではなく、周回の最後ではDeemoと女の子が何故この世界にいるのか、何故Deemoは女の子に優しくするのかという疑問について、核心的な情報が語られる。
  • 選曲メニューにまとめられている曲ひとつひとつにジャケット画像がつけられている。内容はDeemoをはじめとした登場人物をアレンジしたものである。
  • 追加課金不要な方式へのアレンジ
    • スマホ版では課金方法にもよるが全曲開放+全周回プレイ開放に10,000円以上の課金が必要であったが、本作はこれらの殆どが最初から遊べる状態なのでコスパはなかなか良い。

賛否両論点

  • 選曲について
    • 本作のために書き下ろされたオリジナルの楽曲が多く、馴染みづらい面はある。ただし曲のクオリティ自体は高いものが多く、オリジナルながらもファンから大きな人気を獲得している曲も存在する。
    • クラシックの曲もあるにはあるが少ない。妙に間延びしたアレンジの曲もある。
  • ボタン操作がもたらす難易度について
    • ボタン操作の場合、画面左側にきた鍵盤シンボルは必ず左手側のボタンでさばき、右側に来た鍵盤シンボルは右手側のボタンでさばかなくてはならない。
      • カスタマイズは可能。左と右で完全に分担してしまう設定を初心者向けとして扱っており、デフォルトもその形になっている。
    • 逆に白く光る鍵盤シンボルはRボタンを押しっぱなしでさばける。曲が流れている途中ずっと押していても特にペナルティがない。
    • タッチ操作と比較すると難易度は一長一短か。

問題点

  • 木が20mに生長したときのイベント
    • 木が20mに達すると、一度成長が止まる。しかし次のイベントは特定の場所を調べないと発生しない。今までのイベントが木の生長で自動的に発生するものだったのでやや混乱する。
  • 選曲時
    • プレイできる曲が増えていくと、アルバムを選択時に一瞬フリーズするようになる。
    • 曲を検索する機能が無い。上述の通り、曲はアルバム単位で分割されているため、好きな曲を演奏したくても、「その曲がどのアルバムにあったか」をプレイヤー自身が覚えておく必要がある。

総評

取っつき易さとピアノの弾ける感覚が両立された、絶妙な操作システムが特長。
楽曲は本作オリジナルのものが多いが、ピアノの音響が活きる良曲がそろえられ、切ないシナリオともかみ合い独自な世界観の形成に成功しているといえるだろう。


その他

  • さかのぼること2年、2015年6月24日にPS Vita版『DEEMO~ラスト・リサイタル~』が発売されている。
    • こちらはスマートフォン版と同様に楽曲パックがDLCとして販売される形式。その他にも、イベントシーンのアニメ化などのアレンジがある。
    • PS Storeではゲーム本体は「PlayStation ♡ Indies」カテゴリにあるのに対し、楽曲パックは普通にPS Vitaコンテンツの「ゲーム・追加アイテム」カテゴリにあるので注意。
  • 2019年11月21日、PS4にてリメイク版である『DEEMO -Reborn-』が発売。PS VRにも対応、こちらも追加楽曲はDLC販売。
    • アドベンチャーパートのフル3D化といったアレンジも。
    • 2020年9月3日にはWin版(Steam)*2、12月17日にはSwitch版及びスマートフォン版(iOS/Android)も発売。

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最終更新:2023年06月20日 15:50

*1 両サイドとも最低でも1つは割り当たっている必要がある。

*2 Win版もVRデバイス対応モードあり。