ロードモナーク

【ろーどもなーく】

ジャンル リアルタイムシミュレーション

対応機種 PC-9801以降
FM-TOWNS
メディア フロッピーディスク
発売・開発元 日本ファルコム
発売日 【PC98】1991年3月1日
【TOWNS】1991年11月29日
定価 9,800円
配信 プロジェクトEGG/900円(全て税別)*1
 2007年4月9日
 Win10対応版:2017年8月29日
判定 良作
ポイント シンプルで戦略性の高いRTS
マップごとに違う世界観
ドラゴンスレイヤーシリーズリンク


概要

日本ファルコム創立10周年記念作品にして『ドラゴンスレイヤーシリーズ』の第7作目にあたる作品。
アクションRPG(or RPG)が基本である同シリーズの中では異例のRTSで、聖剣ドラゴンスレイヤーも退治すべきドラゴンも登場しない異色作。

特徴

  • 箱庭型の半リアルタイムストラテジー。4つの勢力が覇権を争う数々の世界を舞台に全52ステージを攻略していく。なお、ストーリーは存在しない。
  • 操作はマウス、キーボード、ジョイスティックで可能。どの場合もカーソルを動かしている間は時間が止まるので、落ち着いて操作できる。

基本ルール

  • 基本は陣取り合戦で、4つの勢力のうち一つを操作して他の勢力を全て倒すとステージクリアとなる。
    • 勢力が滅ぶ条件は王様ユニットの死亡、もしくは王様以外のユニットと拠点が共にゼロになった場合の2つ。
    • ステージによってはお邪魔キャラも登場し、陣地を荒らしてくる。お邪魔キャラが湧きだす拠点を潰せば抑止できる。
  • ゲーム全体を通して日数(ターン)制限があり、初期は3,200日*2与えられ、リアルタイムで減っていく。
    • 自国が滅ぼされるか残り日数がゼロになるとゲームオーバー。
    • ステージをクリアすると占領率と残り日数から算出された繰越日数が持ち越される。繰越日数がゼロになると次のステージには挑戦できない。
    • 次のステージでは繰越日数+3,200日が与えられるので、ゲームが進むにつれ猶予は増加していく。以前のマップに戻ってクリアし直すことで日数を増やすことも可能。
      • 日数の上限は65,535日。繰越日数が上限を超えた場合、オーバーフローしてマイナスの値になってしまうが、次ステージは上限日数で問題なくプレイできる。
  • ゲーム開始前に初期拠点数が自国以下の国が存在すればその一つと同盟を結ぶことが可能。
    • 同盟を結んだ場合は他の2国も同盟を結んでくる。
    • 同盟している2国間では拠点、部隊同士の戦争は当然起きない。ただし拠点防衛している同盟国部隊を通り抜ける事はできない。
    • 敵が全て滅ぶと自動的に同盟が破棄されるので、最後には戦う必要がある。

ユニットについて

  • ユニットには「王様」と「部隊」の2種類のユニットが存在する。
    • 王様はその名の通り各勢力の王様。将棋で言えば王将にあたる。移動させることは出来、移動経路の敵ユニットや敵の拠点を破壊することは可能だが、それ以外の指示は行えない。
    • 部隊ユニットはその他の一般兵。ゲーム中は主にこちらに指示を与えていく。
      • 基本的にオートで行動するが、カーソルで捕まえることで部隊を生産する「拠点」や敵の進行を阻む「柵」、川を渡る「橋」の建造、それらの破壊、指定位置での防衛行動など様々な命令が出せる。
      • 建造系の命令には軍資金が必要となるが、破壊系の命令は無料で行える。
  • ユニットはHPにあたる構成人数によって戦力が決まる。人数は移動中や戦闘でリアルタイムに減っていく。
    • 王様は各拠点の人口を合算した総人口の影響を受けるため、簡単に大人数になれる。城に戻れば自動的に回復する。
    • 部隊は拠点の人口を消費して生産され、拠点の上に待機させても回復はしないが人数は減らなくなる。
    • 自軍のユニット同士が重なると自動的に合流し、人数が合算される。部隊の場合、2000人を超えると維持費がかかるようになる。
      • なお、部隊は人数が一定数を超えると見た目が変化するが、やれる事に違いはない。

税率

  • 拠点や橋などを作るために必要な軍資金は基本的に税収から得ることが出来る。税収は建設した拠点が多ければ多いほど増えていき、税率を操作することで徴収額を増やすことも可能。
    • ただし、税率はユニットの生産にも影響を与え、税率が低いほうが多数のユニットを生産できる。逆に高すぎれば一切ユニットが生まれなくなるので、状況に応じて税率を調整するのがポイント。
    • なお、王様が城にいない場合や城が孤立している時は税収を得ることは出来ない。これを利用して城の前で拠点防衛させることで収入を断つのは基本戦法である。

評価点

戦略性・中毒性の高さ

  • 基本は陣取り合戦という単純明快なゲームだが、柵や橋を利用して侵攻を防いだり、敵の領地を分断するシンプルな戦術で戦略的に進められる奥深いゲームとなっている。
    • ユニットは王様と合流してしまうと強制的に王様に吸収されてしまうので、上手に誘導してやる必要がある。橋の横に拠点を作り、その上で橋を壊し続けさせて敵の侵攻を阻止しつつ、反撃のために部隊を集める…など様々な戦略をとれる。逆に王様と合流して大兵力とし、敵地を荒らしまくる手もある。
    • ユニットは合流することで強くなっていき、戦闘などになれば多い方が圧勝する。だが大規模になると自然減が2乗に近い感じで大きくなり、拠点に居れば人数は減らないが金が減っていく。故に大規模部隊を維持するには、相応の資本が必須。
    • 陣地を建築しないと税収も兵力も得られないが、この建築費が数やると馬鹿にならない。単純な兵力のガチンコはむしろ避けて、敵の陣地を荒らし、建築させなおして金を消費させて疲弊したところに再度…という戦略も有効だし、逆に敵にいかにさせないかの戦略も大切。
    • さらに重要なのが税率の調整。序盤は低めにして部隊を増やし、領土拡大を狙いつつ部隊数が増えたら高めにして軍資金を貯めるのが基本。しかし、タイミングを考えて調整しないと部隊が全くいない状態になってしまったり、部隊ばかりいるのに軍資金がない状態になってしまうので、上手に調整していかねばならない。一気呵成に攻勢するためにあえて部隊を出さず軍資金を貯めるのも有効など、本作でもっとも重要な要素と言える。
    • 極めてシンプルなシステムながら、「戦力の集中」「強兵の前に富国」など孫子の兵法などにも通じる奥深さがある。
    • 他にも思わぬ方法で敵ユニットを消滅させることが出来るなど、多彩な戦法が存在する。マップデザインも練られており、攻略のしがいがある。
    • インターフェースも見やすく、使用頻度の高いコマンドをまとめて快適にプレイできるように配慮されている。
  • スコアにあたる繰越日数を稼ぐことが最終目的となるので、いかに短い日数でクリアし、占領面積を増やせるかを考えるのも面白い。
    • あえて最後の敵国の一部拠点を閉じ込めて占領面積を増やしてから敵国を滅ぼすのが基本だが、最初の頃は日数がかかってしまい繰越日数が赤字になる事も珍しくない。何度も挑戦して繰越日数が2,000日を超えた時には高い達成感を感じられる。
    • さらに上級者になると何度もセーブ&ロードを繰り返していかに占領率を高められるか試行錯誤するプレイになる。敵王様を倒した際に敵陣地が自国陣地化するアルゴリズムを利用することで占領率100%を目指すことも可能だが、ここまで来るには相当の知識と技量を必要とする。そこまで夢中になってやりこめるのも本作の魅力である。
    • ステージクリア時に一定以上の繰越日数を獲得すると認定証が発行され、段位認定が行われるのも面白い要素。当初は繰越日数が1,000日増えるごとに級が上がっていくが、昇段には1万日の繰越が必要となる。より高い段位を目指し、ステージ攻略を練るのも面白さのひとつ。
      • 本作では上限日数の関係もあって6段が最高段位だが、続編ではさらに上位の段位が用意され、最終的に名人位が用意された。

キャラクター・世界観

  • ステージごとに世界観が異なり、中世ヨーロッパ風の「ロードモナーク」飲食店同士の争いの「フーズパニック」戦国武将たちが戦う歴史SLG的な「戦乱の陣」ロボットたちが戦う「メカニックテクノ」魔女同士が戦う「ファンタジーパステル」の五種類の世界がある。
    • やる事はどの世界でも同じだが、世界観ごとにユニットのグラフィックやコマンド、拠点などの名称が変わるなど細かい部分にもこだわっており、見た目も楽しめる。
    • 特に「フーズパニック」のステージでは柵にあたるのが生ゴミ、部隊のグラフィックに至っては歩くフライドポテトやたこ焼き、巻きずしなどコミカルな設定で笑わせてくれる。難易度も比較的易しめ。
    • エンディングで流れるビジュアルシーンのキャラクター達も可愛い。このビジュアルシーンには攻略のヒントも隠されており、芸が細かい。

エディットモードの存在

  • 自分でステージを作成できるステージコンストラクションモードが用意されており、作ったステージはユーザーディスクに保存して友達に貸すことが可能。
    • RPGツクール』のような感じでステージを描き、キャラクターを配置するだけというお手軽仕様。ルールとして、必ず4つの国を配置する必要があり、マップの周囲は移動禁止チップで埋まっている必要がある*3。この2点以外は自由にステージをデザインできる。メインモードのステージを改造することも可能。
    • ステージは本編同様、52ステージ保存できる。他人の作ったステージも入れれば長く長く遊ぶことが出来るだろう。

賛否両論点

  • 音楽はファルコムらしく良曲ぞろいで各世界観別に楽曲が用意されており、戦乱の陣では和風になったり、勝利目前になるとBGMが変化するなど演出も悪くない。
    • しかし、楽曲数は少なく、上記の勝利目前BGMはアレンジ違いのバリエーションなので余計数が少なく感じやすい。
  • 難易度はやや高め。
    • RTSというジャンルは難易度の高いタイトルが多いが、本作もやや高い傾向にあり、壁となるステージも少なくない。
    • 後半になるにつれて初期拠点数に大きな開きがある、地形的に不利…など不利な条件でプレイするステージが増えるため一筋縄ではいかない。
    • ただ、こういったステージもよく観察すると突破口が用意されているので、しっかりマップを把握することが重要になる。高難易度になるほどパズル的な思考力を試され、歯ごたえのあるゲームとなっていく。
  • 占領率100%達成の面倒さ
    • 占領率100%を目指すなら、最後の敵城の攻略にとりかかる直前から、ゲーム内容が全く違ったものになってしまう。この段階からは詰め将棋と言っても良い。
    • 最後の敵城の占領後、3×3マスの空き地ができる。これを、敵城陥落後のわずかな時間で、自軍の家と畑で埋めなくてはならない。
    • だがこの詰め将棋、パターンを覚えてしまえば別に頭を使うでもなく、ただ面倒なだけである。記録更新を狙ってマップをプレイしなおす度に、面倒な詰め作業が待っている。
      • 一部マップについては、4点置き、9点置きと言った比較的容易な技術で100%が取れるが・・・。
    • 占領率を100%としたところで、得られるボーナスはわずか。適切な詰めはそれなりに準備時間を要するため、よほどうまくプレイしなければ、赤字である。このため、多少気持ちは悪いかもしれないが、一般的なプレイヤーは98~99%台の占領率で進めて全く問題ない。

問題点

  • 命令は個別にしか与えられない。
    • 自国領内に拠点を作成できない状況になると立ち止まるユニットが増えてしまうため、人数の大きなユニットを作ったり、離れた場所に陣地を広げていく場合などは一体ずつ命令を与えていかねばならず、煩雑な操作を強いられるため面倒くさい。
    • 続編では全体命令が追加され、改善された。
  • 税率を変える際にも時間が止まってしまう。
    • 操作上の仕様と思われるが、若干テンポを崩す要素となっている。後の続編ではリアルタイムに変更可能になった。
  • 戦略RTSである以上仕方ないが、地味。
    • 開始前にマップを確認して戦略を練り、立てた作戦に沿うようにユニットを忙しく動かす事自体は楽しいのだが、実際にプレイしてみないと地味で面白さを理解しにくい。
    • 陣取り合戦である以上、仕方のない事だがステージ終盤は占領率を稼ぐために最後の敵にトドメを刺さず、領地が広がるのを待つ事になる。前述のような上級者でもなければ退屈な時間になりやすい。
    • また、戦略を重視してプレイする場合は3段階ある画面の拡大サイズを最小状態にする事になるが、この時は各ユニットが「K」「S」「M」「L」という記号になってしまうため、せっかくの個性が潰れてしまう。PC98の解像度や視認性を考慮すると致し方ない点ではあるが…。

総評

当時アクションRPG主体だったファルコムがリリースした異色のジャンルながら、なかなかの出来で好評を博した良作。
一作目ゆえに詰めの甘い部分も見られるが、続編で改善されていき、コアなファンを生んだ。
現在はプロジェクトEGGでオリジナル版が、後述のWindowsリメイク版が無料配信されており手軽にプレイ出来るので、興味があればダウンロードしてはいかがだろうか。


移植・続編

  • PC98/TOWNS アドバンスドロードモナーク(1991年11月29日発売)
    • 2作目にしてバージョンアップ版。アルゴリズムの改善や戦闘効率の概念の追加などが施されており完成度が上がった。プロジェクトEGGで配信中。
  • SFC ロードモナーク(1992年10月9日発売、発売元:エポック社)
    • マップ構成はほぼそのまま移植されているが、新たに3つの世界観が追加されている。スーパーファミコンマウス対応。
    • 家庭用ゆえに処理速度が遅く、最高速にしても98版の最低速レベルでテンポが悪い。システムは改善面もあるが改悪点も存在する。
  • MD ロードモナーク とことん戦闘伝説(1994年6月24日発売、開発元:大宮ソフト、発売元:セガ)
    • PC版のマップに新たにストーリーモードが追加されている。マウス対応。
    • 中断セーブができないのが欠点。バーチャルコンソールで配信されていた。
  • Win ロードモナーク・オリジナル(1996年12月20日発売)
    • ファルコム自身によるリメイクでファルコム初のWindows向けタイトル。
  • Win ロードモナーク First(1997年3月14日発売)
    • 『オリジナル』の廉価版で面は独自、全20面。
  • Win ロードモナーク オンライン(1997年3月22日発売)
    • 『ファースト』の体験版で、「オンライン」と銘打たれているが、オンライン要素はない。配信先はこちら
    • 完全無料ながら15ステージとユーザー制作の追加ステージを遊べるので、これだけでも長く遊べる。現在でもステージを公開しているHPも多い。ただし、そういったHPの多くは初心者向けとは言い難い。
      • なお、Windows7以降の環境で遊ぶ場合、解凍したフォルダ内に「save」という名のフォルダを作ることで起動できる。
  • Win ロードモナーク Pro(1997年5月30日発売)
    • 『アドバンスド』の移植版。音楽にファルコムの他作品のものを使用している。
  • Win モナークモナーク(1998年10月30日発売)
    • ロードモナークのシステムをアレンジした続編にして派生作と言える複雑な立ち位置のタイトル。
    • クォータービューで立体的なマップになりパズル要素が高くなっている。かわいいキャラクターたちの動きも魅力。DL版あり。
    • ロードモナークとの大きな差異は部隊の自然消耗がない、王様が城から出られないこと。
  • PS ロードモナーク -新・ガイア王国記-(1998年12月23日発売)
    • PS移植版。完全新規マップでストーリーが用意されており初心者でも親しみやすい作風。ゲームアーカイブスで配信中。
  • Win ロードモナークスペシャル ~オリジナル&Pro~(2002年3月1日発売)
    • 『オリジナル』と『プロ』を同時収録した廉価版。DL版あり。
  • Win みんなのローモナ(1996年12月20日発売)
    • Win版『ロードモナーク』の全マップを3つにわけて販売した廉価版。壁紙やスクリーンセーバーなどのおまけが追加されている。
添付ファイル