ガチャメカスタジアム サルバト~レ

【がちゃめかすたじあむ さるばと~れ】

ジャンル アクションゲーム

対応機種 プレイステーション2
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日 2004年7月1日
定価 6.264円
レーティング 全年齢対象
判定 良作
ポイント ゲッチュ製から対戦系に変わった意欲作
動かして楽しい操作
主人公以外も大暴れ
ポップな前半とダークな後半
サルゲッチュシリーズ
SIEワールドワイド・スタジオ作品


概要

サルゲッチュ』シリーズの外伝作であり、御馴染みのキャラクター達を操作して様々な競技に挑戦するアクションゲーム。
本作ではピポサルをゲッチュする事はほぼ無く*1、そのためかタイトルにも「サルゲッチュ」の文字が無い。
カケルを始め、チャルやヒロキと言った『1』の登場人物がメインとなっており、『サルゲッチュ2』のヒカル、ピポッチは登場しない*2


ストーリー

ハイテクオリンピア!
それは、「バーチャルワールド」で開かれる熱いバトル大会!
サルゲッチュのメンバーたちも、優勝をねらって参加するぞ!
ニューカマーも登場して大会は波乱の予感!
さまざまな競技を勝ち抜き優勝をめざせ!
さあ、激しいバトルのはじまりだ!
(説明書より引用)


特徴

  • シリーズに登場したガチャメカや乗り物を使い、バトルとレース、コイン集めの三種に分けられる競技に挑戦、ハイテクオリンピアでの優勝を目指す。本家の操作性でピポサルだけでなくナツミ、ハカセといったようなサポートキャラクターも動かす事が可能。
  • ストーリーモード
    • プレイヤー1~2人向けのモード。予め用意された順番に従い用意された各種ステージに挑戦する。前半のステージは必ず4人参加で行われ、プレイヤー以外のキャラクターはCPU操作となり、2人プレイの場合は1Pと2P同士もライバルとなる。後半のステージやボスステージはプレイヤーのみで挑戦する事となり、2人プレイの場合は協力プレイとなる。
    • ストーリーモードの前半は3,4つのステージを一括りにしたフェイズで区分されており、始めに決められた4人のプレイヤーでフェイズ内のステージに連続して挑戦。全てのステージが終了した後、各ステージで稼いだポイントの合計が一番多ければフェイズクリアとなる。最新のフェイズをクリアすると次のフェイズが解放され、クリアしたフェイズ内のステージにも自由に挑戦可能となる。
      • 赤・青・緑・黒・水色パンツのピポサルが一組となった「サルチーム」、及び赤、青、黄色の三匹で一組の「ピポトロン」はステージ毎に挑戦する個体を選ぶ事となる。各ピポサルには得意なガチャメカの強化等の長所があるものの、一度使用すると残りの個体を全て使用するまで出場不能となるため、ステージや相手に合わせて戦況を見極める必要がある。
    • 後半はバトルステージが中心となり、手強い相手との戦いが続く。
    • ストーリーモードの序盤は使用出来るガチャメカが一種類のみに制限されたステージが続く、チュートリアルも兼ねた仕様となっている。
    • 中盤以降のステージは乗り物ステージ以外ガチャメカの制限が無く、さらに必殺技も解禁。自由度の高い構成で挑む事になる。
    • フェイズの合間にボスステージが挟まる事もあり、そういったステージでは複数のガチャメカを用いてボスを撃退する事となる。
  • VS.モード
    • ストーリーモードの前半でクリアしたフェイズに含まれているステージの中から好きな物を好きな順番で選び、ストーリーモードのフェイズと同じように進めるモード。4人まで同時にプレイ出来るが、足りない分のプレイヤーはCPUに操作させる事も可能。
  • 各種競技
    • バトル
      • ライバル全員を倒すというシンプルなルール。序盤のメカボー単体とパチンガー単体、タンクやミズメカステージも該当する。
    • ゲッチュルール
      • 狭いフィールドで制限時間内に、または強制スクロール面でゴールに辿り着くまでにフィールド中にばら撒かれているコインをライバルよりも多く入手するルール。序盤のトビトンボ単体とダッシュフープ単体、メカヨンク単体ステージも該当。画面外に落下したりスクロールに置いて行かれると所持コインが大幅に減少し、相手の攻撃によってダウンするとその場でコインをばら撒き奪われるため、慎重な立ち回りが要求される。さらに体力が無くなった場合は即リタイア扱いとなり、ビリが確定する。その性質上、プレイヤー同士の妨害や殴り合いも多発する。
    • レースルール
      • ライバルよりも早くゴールへ到達する事が目的。ボートステージも該当。ボートステージ以外は分岐や足止め用のギミックも多々ある長めのコースが用意されている。キャラクター別で機動力に開きがあるため、ただ早い道を選ぶだけでなく如何にライバルを妨害するかも重要となる。
  • キャラクターエディット
    • プレイアブルキャラクターの中から1人を選びエディットキャラクターとして作成、そのキャラクターの服や装備を変更する事が出来るモード。
    • エディットキャラクターを使いストーリーモードのステージで高いスコアを残すと、ステージに応じたピポサルがサルファンクラブに入会し、ファンレターやプレゼントを送ってくれる。このプレゼントが上記の変更要素で使う物となるため、基本的には各ステージでただ一位を取るだけでなく、素早い勝利やゴール、多数のコインの収集を狙う事となる*3
    • 試合中にピポサルを呼び出す「サル召喚」の助っ人の設定もここで行う。
    • メモリーカードが無い場合でもゲームを進めることは出来るが、ゲスト扱いとなり上記のエディット要素は使用不可能。
      また、1つのデータにつき1人のキャラであるため他プレイヤーとの使い回しも不可能(進行状況は1P側が優先される)。
  • その他
    • 記号ボタンへガチャメカを割り当てるセッティングは試合前に行う他、往来と異なりゲーム中に配置を変える事は出来ない。
    • ライバルを攻撃したりダメージを受ける事で蓄積されるゲージが一本以上溜まっている状態で斜め方向に隣接した記号ボタン2つを同時押しする事で、ゲージを一本消費して必殺技を発動可能。記号ボタンに配置されているガチャメカのどちらかにキャラクター毎に指定されたガチャメカが配置されている場合、もう片方のボタンに配置されたガチャメカとの組み合わせに応じた必殺技を使用し、指定ガチャメカが無い場合はサル召喚を行う。
      • その性質上、一度の試合で使える必殺技は0or2種類+サル召喚のみとなる。

評価点

  • 高い操作性
    • 『2』同様に、操作方法は左スティックで移動、記号ボタンでガチャメカを選び右スティックで使用となっている。大抵はわざわざ相手のいる方向へ向きなおらずに攻撃出来る他、硬直が発生するモーションも全体的に硬直時間が短いのでストレスフリーな行動や滑らかな移動が出来る。
      • ただし、乗り物搭乗時は一転して操作性が悪くなる。特に、本家と比べて劇的に遅くなっているミズメカは常時立体的な移動を行うのに加えて遠距離の敵をミサイルで攻撃したり弾丸を拾って補充しなければならないため、慣れても苦労する。
      • 二段ジャンプの上昇距離は『2』と比べてかなり高くなっており、大抵の段差は軽々と乗り越えられる。
      • ダッシュフープは右スティックを回し続けていれば加速状態を維持出来る仕様となっているため、やろうと思えば段差に躓いたり攻撃を受けるまで延々と加速し続けられる。加速状態になるまでの時間も非常に短く着地直後に即加速状態へ移行する事も出来るため、文字通りダッシュ用の装備としても手軽に使用可能。その移動性能はシリーズ全体を見ても随一である。
      • 地上で受けると怯む攻撃を空中で受けた場合、トビトンボを使用する事で即座にダウンを解除して飛行する受け身が取れる。そのため、飛行中に撃ち落とされる状況はあまりない。
  • 常に緊張感のある試合
    • 基本的に複数人(+複数匹)同時対決の乱闘形式で試合が行われるため、大抵は他のライバルの動向を探りながら戦う事となる。上記の操作性により素早い接近からの連撃や必殺技一つで容易に体力の数割を削られるバランスであるため、常々気を抜けない。
      • 特にゲッチュルールでは一度のダウンであっさり逆転される可能性もあるため、バトルルール以上に警戒する必要がある。
      • アイテムも色とりどりで1位のプレイヤーに文字通りミサイルを落とす「トップバスター」パチンガーに10発のミサイルを撃てる「パワーショット」等うまく取れば逆転のチャンスを取れるものばかり。
  • 種類豊富なステージ
    • 全体的に見てギミックに乏しい、もしくは存在しないステージは少なく、大抵のステージには何らかの仕掛けや特徴が用意されているので中々飽きがこない。
    • バトルルールのステージは全キャラクターを同時に映す俯瞰視点型の狭い物とプレイヤーキャラを中心に映す主観視点の広い物の二種類に分けられ、前者は必殺技による複数人への同時攻撃、後者はダッシュフープによる当て逃げやパチンガーでの不意打ちなど異なる戦法が使える。
    • ゲッチュルールの強制スクロール面やレースルールで使用されるステージはかなり長いうえに分岐やギミックも多く、繰り返し挑戦する事による地形の把握が苦手でなければ攻略のし甲斐がある。
    • ボスステージに関してもスペクター戦は中々に凝っており、戦闘する度に地形と相手の戦法が大きく変わるので毎回違う立ち回りを要求される。
  • 個性的なキャラクター
    • お馴染みのカケルやピポサルに加え、今まではサポート役だったナツミ、ハカセも参戦。過去作では出番が少なく『2』では写真にしか出なかったチャルもプレイアブル化してストーリーに関わるようになり、『1』以外ハブられていたヒロキはまた操られてボス化する他、カケルのコンパチ仕様だが使用可能だったりなど、初代からのファンには嬉しい配役となっている。
      • どこか陰のある新ヒロイン・ハルカ、凶悪そうな外見と残忍な性格でただならぬ雰囲気を纏うピポトロン3人衆と、従来のサルゲッチュとは一風変わった新キャラ達も特徴的で、世界観に深みを与えている。
        いかにも悪役じみた外見で、実際それらしい行動をとる事もあるピポトロンだが、最終的にはカケル達と共に黒幕に立ち向かっていくという意外な役回りも見せてくれる。
    • 性能面で言えば、各キャラクターが使用するガチャメカや乗り物は「メカボー・トビトンボ・パチンガー・ダッシュフープ・メカヨンク」「ボート・タンク・ミズメカ」の8種類で固定されているが、キャラクター毎に見た目が大きく違うので同じ武器と言う印象は薄い。性能も大なり小なり異なっており、特に主なダメージソースとなるメカボーはリーチや連撃数といった分かりやすい形で差別化されている。
      • コンピュータプログラムのチャルは光の弾を投げたりダッシュフープで自ら光の玉になる等無機質な見た目のガチャメカが多く、さらに自身がプログラムである事とバーチャル空間が舞台である事を活かして他のキャラクターをコントロールする必殺技も持つ。
      • ピポサルに関しても、黄色パンツの「ピポサル」は棍棒や花など野性的な武器が多く必殺技も大勢の仲間を呼んで攻撃する等見た目のイメージ通りなのに対し、「サルチーム」はマシンガンやUFO、ゴリアックの召喚等シリーズのファンならば知っているハイテクな兵器を扱うといった具合に差別化されている。
    • 各キャラクターにはテーマ曲が導入されており、キャラクターエディットの装備画面、後述のエピソードムービーで聴くことが出来る。
  • サルファンクラブ
    • 登場するピポサルの多くは『1』や『2』に登場したステージに居を構えていたり、同作にて登場した個体である。ファンレターは一通毎に送り主の趣向が反映されたレイアウトとなっており、中には子供の手書きイラストと保護者の注意書きが同封された物や一枚絵風の物もある等バリエーション豊富で読んでいて楽しい。
  • 豊富なおまけムービー
    • ストーリーモードで特定のフェイズをクリアすると、使用キャラクターに応じたエピソードムービーを見る事が出来る。ムービーの趣旨はキャラクター毎に異なり、プリレンダリングムービーだけでなくアニメや着ぐるみを使った実写ムービーもある。ダークな雰囲気のアニメーションで描かれるピポトロン3人衆の前日譚や国外にまで出向き撮影されたサルチームのムービーは必見。
    • ハルカに至っては本作のストーリーの重要な部分を一足先に見ることが出来る。シンセサイザーを思わせるBGMもかなりシリアスで必聴。
    • 一方でチャルに至っては2番目のエピソードはかなり怖かったりする。

賛否両論点

  • 前後半であまりに違う作風
    • ストーリーモードの内容はハイテクオリンピアの優勝前後で二分されるのだが、優勝前は一般的なパーティゲームらしい明るい雰囲気が続くのに対し、優勝後のストーリー「地球の危機編」は展開や雰囲気がサルゲッチュシリーズとしては非常に異質。
    • 話をかいつまんで書くと「ハイテクオリンピアの優勝トロフィーに隠されたディスクを奪い取った黒幕がディスクの力でサイバーテロを目論み、邪魔者と認識したカケルたちを幽閉。黒幕が産み出したモンスターを倒しながらその計画を食い止める」という物であり、歪なカラーリングの地形や歪んだ背景、不気味なBGMの中、形容しがたい形状のモンスターや金属メッキに身を包むのっぺらぼうの敵、異形の存在と化したボスと戦う事になる。そのため、落差に置いてきぼりになる人もいる。
      • ピポサル2001』『2』とコミカル一辺倒の作風が続いていた事もあり、その異質さは特に際立っている。その分、前二作のゆるい作風が物足りなかった人にとっては刺激的な長所になり得る。
      • 『1』に登場した、見た目に反して壮大な計画と軍事力を有していたスペクター軍団の設定や後作には無いどことなく薄暗い雰囲気を受け継いだような作風と言えなくもない。また、ハルカやピポトロンの存在、いつになくアグレッシブに戦いを挑んで来るヒロキやスペクターなど、ダークでシリアスな雰囲気自体は序盤から匂わされている。
    • ステージ内容自体はプレイアブルキャラクターを催した敵ターゲット1,2体+雑魚モンスター多数とのハンデ戦や雑魚モンスターが妨害してくるアスレチックステージの踏破等、それまでに登場したステージを発展させた物なのでゲーム的にはそこまで問題は無い。
      • 弾数制限が無くなりひたすら連射出来るタンクとミズメカに関してはむしろアクションゲームとしての爽快感が増す。ポイント制度が無くなるうえに後半は全ステージが単体でフェイズとして区分されているので、低性能な代わりに一位獲得時のポイントが倍加するサルチームの水色パンツは縛りプレイ以外だと用途がほぼ無くなるが。
    • このシリアス路線は実質的な次回作『ミリオンモンキーズ』に継承され、本編『サルゲッチュ3』やその他外伝作ではコミカル路線が引き続き取られるようになった。

問題点

  • 使用出来るキャラの種類が少ない
    • サルチーム等のバリエーションを含めれば総計16種類とそこそこ多いものの、コンパチやマイナーチェンジを除けば実質8種類のみとなる。さらにバリエーションのうちの2種類は隠しキャラで、ストーリーモードには未登場。4人対戦が基本のゲームであるため、なおのこと少なく感じられてしまう。
      • 上記の通り『2』のピポサルやウッキーファイブが登場するにもかかわらず、『2』や漫画版の主人公であるヒカルは影も形も存在しない。新ガチャメカを扱えただけでなくウッキーホワイトのファンレターにはヒカルロボまで映っているのに…
    • ヒロキは使用できるのに同じボスキャラのスペクターは何故か一切使用する事が出来ない。今回の彼はラスボス、黒幕という訳ではないので、ヒロキが使えてスペクターが使えない道理はないはずだが…*4
      • ストーリーモード中ではピポサルに参加を命令しつつゴリアックを駆りカケル達に襲い掛かるが、彼自身が生身で戦う事は無い。しかしスペクター自身は『1』と『2』を含む多くの作品で直接戦闘する機会があるので戦えない訳ではない。そもそも『1』でピポサルに手も足も出なかったハカセとナツミですら戦えるようになっている本作では「普段戦わないから」という理由は通じにくい。
    • 結果としてハイテクオリンピアの出場キャラクターは全員初出場となるカケルの身内とピポサルを除けば前大会優勝者のハルカと今回初出場のピポトロンしかいないため、人口過疎の競技に思えてしまう。
      • スペクターに関しては、続編にあたる『ミリオンモンキーズ』にて主人公の1人としてプレイアブル化された。
  • 遠距離戦有利のゲームバランス
    • 今回は全体的にステージが広く、飛び道具を反射する手段もないため、どうしても遠距離戦になりやすい*5
    • 特に黒ピポサルはパチンガーをデメリットなしで7発打てるため、槍玉にあげやすい。サンダーやアイスと組み合わされると一方的にダメージを受け続けてしまい、そのまま脱落することもありうる。
    • パチンガーの攻撃が速いハルカや3段ある誘導弾を放つピポトロンイエローでも、アイスを付けてパチンガーを連発すればそれだけでコンボになる。
    • この点を踏まえてか次回作『ミリオンモンキーズ』ではガチャメカにゲージ製を導入し、さらにリフレク属性の追加やコロシアムモード専用のステージが全体的に狭くなったことで近距離戦の重要度が増加した。
  • 召喚サルの格差
    • 画面全体のライバルにガード不能のダメージを与えるウッキーレッドがとにかく万能すぎる。
    • 一応、この召喚サルを手に入れられるのは終盤*6であり、与えられるダメージも少ないのだが、トビトンボによる受身や場外転落をすると余計にダメージが増えてしまう。つまり、ウッキーレッドを出されたら実質行動不可能と同じである
      • さらに「地球の危機編」で登場するモンスターも一撃で倒すことが可能でアスレチック系でのプレゼントの入手も容易になる。
      • ウッキーレッドの説明文には「目立つためなら何でもする」とどんな攻撃をするかのヒントがまったくないため、初見で敬遠していたプレイヤーもいるはず。ただ入手時期を踏まえると「地球の危機編」での救済処置として用意されたと考えられなくもない。
      • 流石にやり過ぎと判断されたのか次回作『ミリオンモンキーズ』では攻撃範囲が狭くなり、地上にいるライバルにしか命中しなくなったそれでも十分強いが
    • 無論普通に使う分にはさほど問題点にはならない。対人戦でトドメを刺すときに使ったらリアルファイトになりかねないが。サル召喚の大きな問題点は、逆にウッキーレッド以外のサル召喚は癖が強く、攻撃がまともに当たらないものも多い点である。ウッキーレッド以外は役立たずだと見る声も少なくはない。
      • 役立つ存在として本作唯一の回復効果を持つウッキーピンクの存在が辛うじて挙げられるが、一定確率で召喚したプレイヤー含めて無差別に攻撃するギャンブル性があるので、初めからこれに頼るのは考えものである。
  • 対戦モード・ボス戦におけるチャルがあまりにも不遇
    • チャルの必殺技は対戦相手の操作を封じたり制限するというもので、攻撃技となる必殺技が1つも存在しない
      • チャルの必殺技が役立つのは「地球の危機編」における最初のボス戦くらいのもので、それ以外のボスには殆ど効果が無い。また、ボス戦はスコアがタイムアタック制であるため、チャル単独で挑むとどうしてもボスを早く倒すのに苦労してしまう。2人プレイにして攻撃力の高い必殺技を持つ仲間と挑む方が良いがソロだとつらいところである。
    • 必殺技の大半は効果を短くしたり、発動されても抜け出す方法があるため、対戦モードに置いてプレイアブルキャラ相手に使ってもあまり役に立たない場合がある。無論全てにおいて不遇と言う訳ではなく、アスレチック戦においてチャルの能力は無類の強さを発揮するのだが、せめて1つくらいは攻撃技が欲しかったところである。
      • 続編ではチャルにも攻撃技が用意されるようになったうえ、リフレク能力のおかげで対人戦においては強力な性能と化した*7が、相変わらずボス戦に有効な攻撃技が存在しなかったりする。
    • 一応はサル召喚を攻撃技として代用することは可能だが、やはり有益な能力はかなり限られてくる。そのため、チャルを使うならウッキーレッドの採用は必須と言える。
  • メカヨンクが不遇
    • 後半は「メカボー・トビトンボ・パチンガー・ダッシュフープ・メカヨンク」の5つから4つを選んでステージに挑むことになるが、CPU戦、アスレチック戦、ボス戦いずれにおいてもメカヨンクをまともに活用する場面がほとんど存在しない。強いて挙げるならメカヨンク以外のガチャメカが低性能な水色ピポサルや強制スクロールとなりダッシュフープが使いにくいアスレチック戦か一部のキャラの必殺技に使用されるくらいだろうか。
      • 他の4つの有用性が高すぎるので、わざわざそれらを差し置いてまでしてメカヨンクを使う場面は存在しないのである。また、後半においてはメカヨンクが必要になるようなギミックも収集アイテムも存在しない。事前準備でしかガチャメカを交換出来ないため、後半は不要なガチャメカと化している。
    • 本作の必殺技は先に記した通り「特定のガチャメカ+隣接した他のガチャメカのボタンを同時押しする」ことで発動するが、殆どのキャラクターがメカヨンクと組み合わせた必殺技よりも有益な必殺技を使えるので、やはり出番は少ない。
      • しかし、ハカセに至っては唯一その「特定のガチャメカ=メカヨンク」となっているため、必殺技を使うにはメカヨンクを入れなければならない。その他のガチャメカの内どれか1つが使えないだけでもかなり厳しいので、元々の癖の強い性能もあってか操作難度は全キャラで屈指の高さと化している。
  • アイテム「ライトニング」やハルカの必殺技の1つ「ホーミングアロー」があまりにも弱い。
    • 「ライトニング」は自分以外に雷を落とすというもの。「ホーミングアロー」は敵全員を追尾する矢を放つというもの。しかし、どちらも歩いて簡単にかわせるため、これに気づけば一切恐れることはない(続編にあたるミリオンモンキーズでは改善される)。
  • 多少粗のあるCPU
    • 目標が無い場合は基本的にその場で待機する仕様のため、ゲッチュルールで画面内にコインが無く画面スクロールに置いて行かれたり落下しそうな状況でも無ければしばらくの間何もしなくなる。また、ゲッチュルールやレースルールではプレイヤーをアイテムと召喚済みのメカヨンク以外で狙わないため、やろうと思えば一方的に攻撃・妨害出来てしまう。地上にいる場合はきっちりガードするのだがそれでも相手を地形外へ押し出す事が出来、ガード不能なジャンプ中は完全に無防備となっているのでコインを奪いやすい。
  • 本作の黒幕である「謎の男」が正真正銘謎の男のままシナリオが終わってしまう。
    • 続編が出るまでは生死不明の状態で結局何者であったかが不明であったが、続編が出たところでその状態が変わることはなかった。
    • ちなみに取扱説明書ではシルエット状態で彼の存在が示唆されているが、本作における謎の男は素顔すら見せることはない。
  • パスワード制度
    • ストーリーモードをクリアした後は特定操作を行う事でパスワードの入力が可能となり、予選ステージのガチャメカ制限を無くしたりCPUが強化されたハードモードへの変更等を行える。だがパスワードの大半がゲーム内で明かされない*8ため、ソフト単体ではCPU操作のキャラクターの装備衣装やガチャメカをランダムで変更する術が分からず、相手をエディットキャラクターと対等の状態に出来ない。

総評

ゲッチュ要素の無いゲーム性やシリアスなストーリーは『サルゲッチュ』シリーズとして異色の内容であるものの、本家の売りである操作性を受け継ぎ改良している事もあって対戦を主とするアクションゲームとしての出来は良好。
簡単な操作で手軽に楽しみたい方や、ピポサルで戦いたいというファンにお薦めの作品である。


余談

  • 海外名は「Ape Escape: Pumped & Primed」とApe Escapeの名を冠じている。
    • ちなみに「Pumped & Primed」を直訳すると「気分が高揚するほど酔う」という言葉になる。
  • 本作のCMには「ピポサルがカルメンの曲と共にカヌーをこぐ」「ピポサル達がリング上でバトルする」と2種類放送されている。
  • コロコロコミックで連載されていた『ウキウキ大作戦』では本作は特別編として取り上げられており、作中では実際には使用不可能のスペクターも選手として登場していた。ゲームもそうなれば良かったのにね。
    • 尚、本作に先駆けて同漫画の扉絵に突如ピポトロン3人衆とハルカが描かれたが、ピポトロン3人衆が後の特別編に登場したのに対してハルカはカラーページに一コマ出ただけだった。
    • また、チャルは同漫画ではそれまでほぼ出番が無かったが、この扉絵では本作のデザインで改められて描かれており、なんだかんだで以降はニュースキャスター役などでちょくちょく登場していた。
      • 余談の余談だが、漫画内ではチャルは一度も名前が出なかったため、最終巻のキャラ紹介で初めて名前付きで紹介された。…が、担当編集者の勘違いで、よりによってそこで「キャスターサル」と書かれてしまったという悲し過ぎるエピソードがある(参照)。一体どこをどう見たらサルに見えるというのだろうか…*9
  • その2年後(2006年)に発売された『ミリオンモンキーズ』は本作の続編にあたり、ストーリーは本作からの続きでキャラも続投、他にも各キャラクターの必殺技、シリアスな作風、前後半で雰囲気が大きく変わるステージ等、引き継がれている要素も多い。
    • こちらは競技制ではなく、純然たるアクションゲームになっている。クリアに必須ではないが、ゲッチュ要素も導入されている。
    • また、本作では使用不可だったスペクターはカケルと並ぶ主人公の一人となっており、カケルサイドとスペクターサイドの二つのシナリオが用意された。逆にヒロキは隠しキャラ化してストーリーに登場しなくなった。
  • アニメ『オンエアー』は『1』と本作(及び、『ミリオンモンキーズ』)のキャラや設定をベースにシリーズ作品を包括*10&オリジナル設定を挟んだ内容であり、本作に登場したハルカもレギュラーキャラクターとして登場しているが、ピポトロン3人衆も『オンエアー2nd』から登場していた。
    • 当初は感動的なシーンや教訓を盛り込んだ王道の児童向けアニメと言える内容だったのだが、『オンエアー2nd』に移行する頃からは骨子は変わらないものの、パロディやシュールギャグのオンパレードのカオスな内容と化し、第2期前半から登場したピポトロン3人衆もゲームとは打って変わって陽気でギャグ的な悪役となった。
    • このアニメではハルカはナツミ、チャルに並ぶレギュラー女性陣の一員を務めたばかりか、第2期の頃にはカケルと両想いになるという、女主人公かメインヒロインかの如き昇格ぶりであった。そして本来のメインヒロインであるはずのナツミはヒロキに言い寄られる役になった。なに?メインヒロインはチャルだろう、って?
  • ピポトロン三人衆は『P』『3』『ピポサルアカデミ~アシリーズ』『ミリオンモンキーズ』『ピポサルレーサー』『サルサル大作戦』『ピポサル戦記』『フリサル』にも度々登場している。
    • 『サルバト~レ』『ミリオンモンキーズ』『オンエアー2nd』ではカケル達と手を組んでいるが、他作品では邪魔キャラと言った見た目通りの役割が多い。
  • チャルは本作で髪型がポニーテールになっており、以降の『ミリオンモンキーズ』『オンエアー』『ウキウキ大作戦』でも同様の髪型で統一されている。
  • 初代ヒロインであるナツミ(夏)に対して、本作ヒロインはハルカ(春)であり、以降も『3』のアキエ(秋)、『フリサル』のトウコ(冬)と、シリーズヒロインの名前には四季が含まれている。
  • パスワードは『3』『ミリオンモンキーズ』『ピポサルレーサー』にも登場し、前者で特定のパスワードを入力すると本作に登場したカケルのコスプレをしたサルやピポトロン3人衆も登場する。
  • とある方法でCPUを操作できてしまうバグがある。この方法で操作した時のスピードはダッシュフープより速くバトル系は勿論乗り物までも実行可能である。乗り物に乗ったまま立ったりやられたりするモーションはかなりシュールである。また、必殺ワザを使用するタイミングで行うとフリーズするのでくれぐれもご注意を。
    • 流石にボスや終盤のとある敵には通用しないが。
  • 本作発売の公式サイトから本作の開発秘話が見られる『アナザーサイドオブ サルバトーレ2』が公開されたが、残念ながら現在では削除されている。アーカイブもまともにされていないので閲覧はできない。
+ タグ編集
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  • 2004年
  • PS2
  • ACT
  • ソニー・コンピュータエンタテインメント
  • サルゲッチュ

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最終更新:2022年10月21日 00:05

*1 一応、とあるキャラのムービーにサルゲッチュシリーズの看板ガチャメカであるゲットアミが登場する。

*2 『2』のピポサルやウッキーファイブはサル召喚として登場する。

*3 例え乗り物の火力が低いピポサルやナツミ、ハルカでも高い素早さとスペシャルショットを生かしたごり押しが求められる

*4 しかもヒロキは黒幕に洗脳・強化された「ブラックヒロキ」が別枠で用意されている。一方のスペクターも作中ではブラックスペクター化するが、使用できない事に変わりはない。

*5 広いステージのオススメガチャメカにもパチンガーが書かれる始末

*6 厳密にはハイテクオリンピア編での決勝戦

*7 例えば相手が必殺技を放った瞬間にこちらが必殺技のミラーフォースを発動させると、相手の必殺技のダメージをそのまま跳ね返せる。

*8 発売当時のコロコロコミックや攻略本には載っていた。

*9 作者の後藤英貴氏曰く、名前は手書きではなくちゃんと打ち込んで書いたにもかかわらず間違えられたとか。…それは「わざと」と言うのではなかろうか。

*10 第1期は『1』『ミリオンモンキーズ』。第2期は『サルバト~レ』『ピポサルレーサー』『3』『サルサル大作戦』の要素を取り入れている。