続・ボクらの太陽 ~太陽少年ジャンゴ~

【ぞくぼくらのたいよう たいようしょうねんじゃんご】

ジャンル 太陽アクションRPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメントジャパン
発売日 2004年7月22日
定価 5,229円(税込)
プレイ人数 1~4人
判定 良作
ポイント シリーズの世界観を大きく掘り下げた一作
前作よりもRPGとしての側面が強い
ボクらの太陽シリーズ
ボクらの太陽 / 続・ボクらの太陽 /新・ボクらの太陽 /ボクらの太陽DS


概要

現実世界の太陽光を利用する太陽アクションRPG『ボクらの太陽』シリーズの2作目。
当然ながら太陽センサーは引き続きカートリッジに搭載されている。
前作とは世界観が完全に地続きであり、時系列的にも前作の冒険を終えた直後の物語である。

ストーリー

死の都「イストラカン」での冒険を終えた太陽少年「ジャンゴ」は、太陽の使者「おてんこさま」と共に、自らの故郷、太陽の街「サン・ミゲル」に舞い戻る。
しかしそこは、未だ「アンデッド」の彷徨う死の街であった・・
すべての生命種をアンデッドと化す闇の呪い、闇の一族「イモータル」による「吸血変異」・・
太陽の街が浄化されないその理由とは?
はたして彼は、死の街に人々の笑顔を取り戻すことができるのか?
そして・・自らの「太陽」を取り戻すことができるのであろうか?

(公式サイトより引用)

特徴

  • 基本的なゲームシステムは前作を継承しており、イモータルダンジョンを攻略→最奥でイモータルとのボス戦→棺桶を引きずってダンジョンを脱出→現実の太陽光を用いてバトルドライブ(ボスの浄化)の繰り返しでストーリーは進行する。

新要素

  • 黒ジャンゴ
    • 本作の目玉要素。ゲーム中盤でジャンゴがヴァンパイア化してしまい、のちにスペシャル魔法「トランス」によりいつでも通常状態(通称:赤ジャンゴ)とヴァンパイア状態(通称:黒ジャンゴ)を切り替えられるようになる。
    • 黒ジャンゴは暗黒魔法が使用可能で、通常攻撃の速度が1.5倍になる上に吹き飛ばし効果がつくが、代わりにエンチャント・ダークを除く全ての月光魔法・太陽魔法が使用不能で、太陽光の下ではダメージを受けてしまい、さらにライフやエナジーを回復する太陽の果実も効き目がなくなってしまう。また一定条件下でダメージを受けると暴走し、画面内の敵に大ダメージを与える代わりにライフが半減してしまうなど、赤ジャンゴとは使い勝手がかなり異なってくる。
  • 新たなる武器
    • 前作で終始ジャンゴと共に戦った太陽銃ガン・デル・ソルに代わり、新たに万能型のソード(剣)・リーチの長いスピア(槍)・威力重視のハンマー(槌)の3種類の武器、そしてそれらに属性魔法を付加する太陽機ソル・デ・バイスを用いてイモータルに立ち向かう。
      よって本作は前作と異なり、基本的に近接戦闘がメインとなる。
    • また、いずれの武器も用いない素手(徒手空拳)も攻撃手段の一つとして確立されており、終盤には前作と同様のガン(銃)系統の武器も使用可能になる。
  • レベル制の導入
    • 前作では太陽銃レンズをレベルアップさせることで間接的にジャンゴを強化できたが、本作ではジャンゴ自身にレベルの概念が存在し、レベルアップにより得たスキルポイントをカラダ(ライフ)、ココロ(エナジー)、チカラ(攻撃力)、ハヤサ(移動速度・防御力)の4種類のステータスに自由に割り振り、強化することができる。ちなみにレベルを最大まで上げても全てのステータスを最大にすることはできない。
  • 各種施設の登場
    • 前作では通貨や店の概念がなく、アイテムはダンジョン内で回収するか太陽プラントで増やすことが主な入手手段であったが、本作では通貨の概念が存在し、併せて本拠地となる太陽の街サン・ミゲルの住人達が運営する果物屋・武器屋・鍛冶屋など様々な施設が登場する。
  • 全体的にRPG寄りになったゲーム性
    • 上記の新要素に加え、防具の概念の登場や、ダンジョンクリア時のリザルトが廃止されたことでクリア時間や被発見回数の要素が重要ではなくなったことからわかるように、前作と比べるとアクションよりもRPGへの比重が大きく増したゲーム性となっている。
  • ロックマンエグゼシリーズとのコラボ
    • 前作と本作との間に発売されたロックマンエグゼ4にて本シリーズのジャンゴやおてんこさまが友情出演したが、本作では逆にクリア後のイベントでエグゼシリーズのロックマンが登場し、こちらの世界に侵入したエグゼシリーズの敵役ナビ、シェードマンを撃退するイベントが始まる。*1
    • さらにメニュー画面で隠しコマンドを入力することで、本作の約半年後に発売されたロックマンエグゼ5との通信対戦ができる「クロスオーバーバトル」というモードが解禁される。制作会社が異なる全く別物のゲーム同士で通信対戦ができるという前代未聞のモードである。

評価点

  • 個性豊かなキャラクターたちが活躍するシナリオ
    • 前作では味方側の登場人物が非常に少ないこともあり、物語にどこか寂寥感が漂っていたが、本作ではジャンゴを支える仲間たちが数多く登場し、シナリオを賑やかしてくれる。
      • 前作で宿敵として立ちはだかったジャンゴの兄、暗黒少年サバタは本作では終始味方として活躍する。
        一部のボス戦では前作のラスボス戦よろしくサバタとの共闘となるほか、ゲーム中で二度、なんと彼を操作キャラクターとして動かす期間がある。このとき、その圧倒的な性能の高さに魅了されたプレイヤーは数知れず。
        シナリオ面でも基本的に無口な主人公であるジャンゴや中盤から姿を見せないおてんこさまに代わって味方勢の意志を代弁してくれる場面が多く、非常に目立つ存在であり、実質的に本作のもう一人の主人公と言える。
      • 前述のサン・ミゲルの住人たちは単に施設を運営するだけの存在ではなく、ジャンゴが暗黒面に屈しかけた際にはエールを送ったり、終盤世界の危機に瀕した際には団結して立ち向かうなど、ジャンゴを支え、共に戦ってくれる頼もしい仲間たちである。
        個々のキャラクター面においても前作から続投のヒロイン・大地の巫女リタや、本作の物語の導き手となるひまわり娘ザジなど個性豊かで魅力的な人物ばかり。中には同じ小島秀夫監督作品のあのキャラクターとしか思えない人物も・・
      • 会話時の顔グラフィックが導入されたことや、多くのキャラクターに専用BGMが用意されていることも愛着が湧きやすい要因となっている。
      • 余談だが、サン・ミゲルの4名の女性キャラクター及びサバタには好感度の概念が設定されており、エンディングに影響する。
  • シナリオそのものについても、前作に引き続き独創的な「世紀末世界」を舞台に、一度暗黒面へ堕落するも仲間の助けを借りて太陽の力を取り戻す展開や、終盤のジャンゴにとってかけがえのないとある人物との別れなど、物語の起伏がはっきりしたストーリー展開で、プレイヤーも感情移入しやすい。
  • ゲームバランスの調整
    • 基本的なシステムは前作から継承しつつ、様々な点で調整が加えられている。
      • 前作ではエナジーを消耗して攻撃する太陽銃しか武器がなかったことからエナジーが枯渇しやすく、チャージのためにダンジョン攻略の際にも現実の太陽光を必要とすることが多かったが、本作の3種類の武器(及び素手)は属性を付加せずに攻撃することもできるため、エナジーを消費せずにダンジョン攻略がしやすい。よって、太陽の出ていない時間帯や雨の日でもプレイがしやすくなった。
      • 前作では太陽銃のレンズやフレームを切り替えるためにはいちいちメニュー画面を開く必要があったが、本作ではセレクトボタンを用いたクイックチェンジの導入により、あらかじめセットしておいた武器や魔法はポーズをかけつつもメニュー画面に入ることなく切り替えることができ、戦闘のテンポが大幅に改善されている。
      • 前作はシナリオ上でも難易度の高いパズルの攻略が必須である場面が数多く存在した。(同時に救済措置が用意されていることも多かったが。)
        本作ではストーリー上必須となる場面でのパズルの難易度はかなり抑えられており、苦手な人でも十分に攻略可能なバランスに調整されている。
        一方で様々な種類のパズルをふんだんに詰め込んだ「宝物庫」という寄り道ダンジョンが用意されており、レベルの高いパズルに挑戦したいプレイヤーへの配慮もなされている。
  • 豊富なやりこみ要素
    • 高難易度ランダムダンジョン「夢幻街」、シナリオ中の中ボスやイモータルとのボスラッシュに挑戦できる「闘技場」、前述の高難易度パズルダンジョンである「宝物庫」といったクリア後も楽しめる寄り道ダンジョン、武器・防具・ブロマイドといった各種収集要素、特定の条件下でアンデッドダンジョンに挑戦する依頼書など、シリーズでも随一のやりこみ要素を誇る。
      特に「夢幻街」は前作の「蒼空の塔」の流れを汲みつつも多くの理不尽な要素を撤廃したダンジョンであり、クリアの度に難易度は変わるもののフロア数は13階で固定となったため一度の攻略にかかる時間は抑えられている。
      攻略においても上手くアンデッドを誘導し、パネルを踏ませるというこれまでのダンジョン攻略で培った技術が求められ、総じて他のダンジョンにはない楽しさが詰まったダンジョンである。
    • これらのやりこみ要素は称号という形で達成を確認できる。あらゆる要素を極めた証であるグランドマスターの称号を手に入れるのは非常に困難な道のりだが、それだけに手に入れたときの感慨はひとしおである。

賛否両論点

  • おてんこさまの扱い
    • 前作では終盤の一部期間を除き常にジャンゴと共に行動していた相棒であり、シリーズのマスコットと言えるキャラクターであるおてんこさまだが、本作においては中盤に差し掛かるころに敵に封じ込められてしまい、ラストダンジョン直前に復活するまで一切姿を見せないため、かなり影が薄い。
    • 公式ガイドによるスタッフインタビューによると、本作はサバタやサン・ミゲルの住人たちとの協力がテーマであるため、一歩引いてもらったとのこと。
  • 太陽銃の劣化
    • おてんこさまと並んで本シリーズを代表するアイテムである太陽銃ガン・デル・ソルだが、本作ではゲーム開始直後に奪われてしまうため、ストーリー中ではほとんど使用することができない。
      ゲーム終盤でようやく取り戻すことができるが、戦いによる損傷が激しいという理由で前作のようなレンズやフレームの付け替えができず、更に1発あたりの消費エナジーが著しく増えており、かなり使い勝手の悪い武器となっている。
      もっとも本作のメインは3種類の近接武器であるため、このような形であれ武器として使用できること自体が一種のファンサービスとも言える。また、消費エナジーの問題さえ何とかすればラスボス戦では正規の手順よりも効率的にダメージを与えることができるなど、決して使えない武器という訳ではない。
  • あまりにも使いやすい黒ジャンゴ
    • 特徴だけを見るといかにも癖の強い形態に思える黒ジャンゴだが、実際には攻撃速度の上昇だけでもほとんどのデメリットを上回れるくらいの利便性がある。暴走についても画面内の敵全体にライフ最大値の半分のダメージと非常に強力な見返りがあり、発動すれば得をする状況の方が多い。
      本作のダンジョン攻略ではわざわざエナジーを消費して属性を付加しなくても通常攻撃だけで十分攻略可能なバランスであることも相まって、道中は基本的に黒ジャンゴ、太陽チャージや太陽の果実で回復したいときのみ赤ジャンゴといったプレイスタイルになりがち。 もっともイモータル戦においてはほとんどの相手がダーク以外の属性攻撃が有効であるため赤ジャンゴで挑む方が有利となるなど、赤ジャンゴが不遇であるということは決してない。
    • なお、次回作ではこの形態はゲージを貯めることで一定時間変身できる必殺技のような扱いとなっている。

問題点

  • セーブデータが1つしか作れない
    • 前作では2つまで作ることができたため、気になってしまうプレイヤーも多いだろう。
      さらに言えば本作は前作のような周回制ではなく、クリア後はラスボス戦直前の状態の世界のままであるため、再度ストーリーをプレイするにはセーブデータを消すほかない。
  • ダンジョン数の減少
    • 前作では20近く存在したアンデッドダンジョン(いわゆる寄り道ダンジョン)だが、本作では特殊なダンジョンである夢幻街や闘技場を含めても7つと大幅に減らされている。 その分他のやりこみ要素が充実しているとはいえ、探索が好きなプレイヤーからすると少々寂しい。
  • 武器間のバランス
    • 基本的に攻撃速度が早く範囲も広いソードが一番使いやすい。攻撃力や射程距離こそ他の武器に劣る点もあるが、それらを差し引いてもおそらくほとんどのプレイヤーが最も使うことになる、癖のない優秀な武器である。
    • スピアは横の攻撃範囲がやや狭いのが気になるが、その射程距離の長さからスピア以外で倒すことが困難なボスも複数存在している。攻撃力も高く、戦闘以外にも謎解きで利用する機会も多いため、ソードと比べても存在感は劣らない。
    • 一方でハンマーは一撃の威力こそ3種の武器の中で最大であるが、とにかく発生速度の遅さが足を引っ張り、特に赤ジャンゴ時には攻撃の都度大きな隙を晒す羽目になる。加えて攻撃範囲、射程距離ともにかなり短く、移動中の相手に繰り出すと空振りに終わることも多い。結局は速度・範囲ともに優秀なソードを振り回す方がダメージ効率はいいため、他の武器に比べて優先される場面はほとんどない。一応ブロックを破壊したり、錆び付いたレバーを動かしたりと謎解きで利用する機会はスピアと並んで多いのだが・・
    • 余談だが、次回作では太陽銃がメインウエポンに返り咲いた影響か、ソード以外の近接武器は削除されてしまっている。
    • さらに余談だが、世界観を一新したシリーズ4作目「ボクらの太陽 Django&Sabata」において、主人公の片割れであるサバタが本作のオマージュか3種の近接武器を使用するが、剣・槍は本作と同じであるのに対し、槌に相当する威力重視の武器は鎌となっている。
  • スキル上げが面倒
    • 本作の近接武器3種+銃・素手にはスキルの値が設定されており、敵を倒した際に取得する熟練度を貯めることで上昇し、最大値である99まで上げるとそれぞれの武器に対応した紋章が手に入るのだが、これがかなり困難な道のりとなっている。
      最も効率の良いスキル上げの手段は闘技場のブロンズランクに挑むことだが、上手くいっても1周につき6程度しかスキルを稼げないうえ、攻撃の機会が限られるサンドウォーム、ソード・スピア以外の武器で倒すことが難しいうえに足を滑らせると即死となってしまうサーペント、ラスボス以上の体力を持つうえに苛烈な攻撃、おまけに処理落ちが発生しやすいリッチ+など、周回するとなると一筋縄ではいかないメンツが揃っている。
    • 近接武器3種の場合は単なる収集要素という訳ではなく、紋章を獲得しないとそれぞれに対応する系統の最上位ランクの武器の作成を行うことができないのも問題。一応、3種のうち最初の武器だけはスキル50に達した時点で紋章をもらえるが、逆に言うと必然的に残り2種の武器はスキルを99まで上げなければ紋章が入手できなくなるため、むしろ使用頻度の低い武器ほどスキル上げを求められることになる。
    • ガンについては前述のとおりメイン武器である太陽銃のコストパフォーマンスが悪いのが悩みどころだが、前作の設定を反映してかガンのみ初期値が80もあるため、ブロンズランクを周回できる実力があれば最大値まで達するのはそう時間はかからない。
    • 最も達成が困難なのは素手である。恐ろしくリーチが短いうえに属性を付与することができないため、闘技場においても安定してダメージを与えることがかなり難しく、属性を付加した他の武器で弱らせてから素手でトドメを刺す、といった工夫が必要になってくる。こちらについては紋章の取得により解禁される要素も特になく、やりこみ要素の一つに留まっているのが救いか。

総評

現実の太陽光を用いるというコンセプトを引き継ぎつつ、様々な点で進化を遂げた一作。
シナリオ面においては多くの登場人物が追加され、シリーズの世界観を大きく掘り下げ、より魅力的なものとした。
システム面においても前作とは異なる角度からのアプローチを積極的に取り入れており、前作経験者も新鮮な感覚でプレイできるよう配慮がなされている。
加えて良質なシナリオ、やりこみ要素なども評価が高く、シリーズの中でも特に高い人気を誇る作品である。

余談

  • 本シリーズの世界観は西部劇をモチーフの一部としており、本作のタイトルも西部劇作品「続・荒野の用心棒」に由来する。ちなみにジャンゴというのもこの作品の主人公の名前である。
  • 夜の時間帯に黒ジャンゴで果物屋のリタに話しかけると、彼女が自らの血をジャンゴに差し出す覚悟を決めるイベントが発生することがある。 このとき、本当にチェンジ・ウルフ(吸血攻撃)を彼女に向けて行ってしまうと、不協和音とともに画面が真っ赤に染まり、ゲームオーバーとなってしまう。
    ・・正直かなりブラックなイベントであり、良くも悪くもプレイヤーの印象に残りやすい。
  • 翌年度にはGBAシリーズ最終作『新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ』が発売された。