ポップンミュージック peace

【ぽっぷんみゅーじっく ぴーす】

ジャンル 音楽ゲーム
対応機種 アーケード
販売・開発元 コナミアミューズメント
稼動開始日 2018年10月17日
判定 良作
ポイント これまでとは一転して保守的な方向性にシフト
あらゆる点での原点回帰
ロングポップ君の本格導入
ヘビーユーザー歓喜の超高難易度楽曲ラッシュ
低迷を続けていたシリーズを持ち直した立役者
ポップンミュージックシリーズ


概要

アーケード屈指の長寿音ゲー「ポップンミュージック」のシリーズ25作目。シリーズ20周年記念作品でもある。
今作のテーマは「原点回帰」。キャッチコピーは「みんなでポップなエブリデイ!」。

特徴・変更点

システムの根幹面は全て前作『うさぎと猫と少年の夢』同様となっており、ゲームに影響を及ぼさない部分にのみ変更が加わっている。

キャラクターデザインの再変更

  • Sunny Park』までのデフォルメデザインをベースとし、これに『ラピストリア』の鮮やかで艶のある色彩を施しつつ、線を細くしたデザインに変更された。
    • デザイン的には『ハロー!ポップンミュージック』にも近いが、より線が細めになっている。
    • プレー画面でのアニメーションは従来同様となっている。

前作のプレーデータをほぼそのまま全て引き継ぎ

  • 今作ではこれまでのシリーズ稼働開始時に恒例であった「前作からのデータ引き継ぎ」の設定が存在しない。
    • 代わりに、前作までのほぼ全てのプレーデータが今作でもそのまま継続して使用されるようになっている。
    • これにより、これまでは新作に切り替わる毎にリセットされていた各曲や各モードのプレー回数等も残っているため、今作での数は前作から合算したものとなっている。
    • 流石に「ナビくんの成長」など今作で廃止されている要素については引き継がれないものの、後述の事情により内部的には残っている模様。
  • 内部的な仕様は前作とのデータの共用となっており、前作のe-amusementサイトにアクセスしても今作のプレーを含めたデータが表示される。
    • 本作と同時期の他のBEMANIシリーズについても、タイトルが変わってもデータ引き継ぎの際に新バージョン用のデータを作成しない形式を多々採用しているのだが、それらは一応引き継ぎ作業を経てからのデータ移行であるため、前作のプレーデータそのものを丸々共有しているのは珍しいケースである。
    • この仕様はその後のpop'nシリーズでも受け継がれていくことになる。

UPPER譜面

  • 一部の楽曲に関して、通常よりも高難易度の追加譜面が実装された。
    • 楽曲バナーに「UPPER」と書かれており別楽曲という扱いにはなっているものの、楽曲・ジャンル名に関しては通常譜面と同じになっている。
    • 同じ楽曲で全く異なる譜面というシステム自体は『11』に登場した「ウラ譜面」として存在している。その点で考えた場合、実に14年越しに旧来のシステムが復活した事となる。
      • 基本的にはEX譜面に続く第4の譜面を追加する目的ではあるが、あちらと違ってNORMAL・HYPER譜面も存在している。
    • また、上記に挙げた「ウラ譜面」についても今作の隠し要素として一部復活している。

ポップンタイムトリップ プロローグ (ポプローグ)ポップンタイムトリップ

  • 本作における楽曲解禁イベント。当初は「プロローグ」付きで略して「ポプローグ」となっていたが、2019年3月7日よりタイトルから「プロローグ」が外れ本格始動した。
    • 「ポップン20周年」のお祝いの為に「ミミニャミ channel」という動画を配信しようと考えたMZD。動画の企画として過去のポップンワールドへタイムスリップし、その様子を中継する事をMZDから丸投げされたミミとニャミが、過去のバージョンの時代で会う人々にインタビューを行ってゆく。
    • 行く先のバージョンをモチーフにしたスタンプカードが与えられる。ゲームをプレーする度に、このスタンプカードにスタンプが捺されてゆく。決められた数のスタンプが捺されればデコパーツや楽曲を解禁できる。
      • 必要なスタンプの個数はバージョンによって5~10個。1ゲームにつき1個、1日最初のプレーでボーナスとして2個スタンプが貰える。途中からイベントフォルダが追加され、ゲーム中そこから1曲でも選曲していれば更に1個が貰える。
      • ポプローグ時代は期間限定で行われるバージョンも存在していたが、ポップンタイムトリップとなってからは常駐している。
    • イベントは2019年10月3日に「スペシャルなエンディング」としてイベントボス曲とエンディング曲が追加されたことでエンディングを迎え、その後2020年2月19日に終了。解禁イベントは後述のイベントアーカイブに引き継がれた。

ポップンイベントアーカイブ

  • ポップンタイムトリップに続く解禁イベント。
    • 「過去にクリアした解禁イベントにおいて新たな隠し要素が発見され、プレーヤーがその要素を発見するため再びイベントに参加する」という設定。
    • 設定どおりに過去の解禁イベントを忠実に再現しており、開始時のタイトルコールや進行演出、そして流れるBGMやSEも過去のイベントを忠実に再現している。
      • ただしあくまでイベントを再現しているだけであり、ランダム要素が含まれるイベント(ポップンツーリスト等)では進行状況は決まった数値だけ進み、プレーヤーが操作に介入したり任意で進めるイベント(ポップンウォーカー等)は強制的に操作されるようになっているためあくまで再現という形に留まっている。

クリアメダルのデザインの再変更

  • 前作でテーマに合わせた歯車のデザインに変更されていたが、再び『eclale』までの丸型・菱形・星型のデザインに戻された。
    • 例外的にEASYクリアメダルのみ前作に近いデザインがそのまま引き継がれている。

ポップンクラスの名称変更

  • これも前作ではスチームパンクのテーマに合わせたものだったが、特定のテーマを持たない本作のコンセプトに合わせて変更された。
    • 新名称は過去のNET対戦のレベル別部屋名から取られており、一部のユーザーには懐かしいものとなっている。

モード・キャラクター選択の制限時間の見直し

  • 2019/03/05アップデートにて、これまでモード選択がNORMALとBATTLEを選ぶだけなのに90秒もあるのに対し、膨大なキャラクター選択が25秒しかないとあまりにアンバランスだったものが、「モード選択が10秒、キャラクター選択が40秒」と大きく改善された。
    • ただし、当初はカウントが始まると一気に数値が飛ぶ(表示にズレがある)など、プログラム変更のチェックが追いついていない様子が見て取れた。

評価点

キャラクターデザインの原点回帰

  • ラピストリアにて行われた少女漫画風のデザイン変更(通称:ラピス絵)はシリーズのマンネリ打破に成功、新風を吹き込み新規層の開拓にも大いに貢献した「ラピス絵」であったが、今作では以前のポップな画風のオリジナリティは明確にしつつも、ラピス絵の塗り方も取り込んだ良いとこ取りのデザイン(通称「peace絵」)となった。
    • そもそも「ラピス絵」は、ラピストリアという世界観の設定ありきでの挑戦的なデザイン変更だったはずであるが、次作・次回作とシリーズ展開が行われていくと同時に特に理由もないまま絵柄だけが続投し設定が形骸化していたため、「絵柄だけが一人歩き」しているのも同然の状態であった。 そのような「設定・コンセプト変更に関する疑問」が解消されたことも大きいだろう。
    • もちろん、過去作のデザインも旧ポップン絵・ラピス絵ともに従来通り残っているため、カラー変更で引き続き使用できる他、版権曲や移植曲の担当キャラクターとしては過去の流用のまま続投している。また、peace絵の新規デザインの中にもラピス絵での特徴を多少継承したものが存在している。

20周年記念に相応しいデザイン・解禁イベント

  • UIなど各所に過去バージョンを意識したデザインが見受けられる。
    • モード選択や楽曲・オプション選択画面の背景は、白い下地にカラフルなデザインという、記念すべき第1作をリスペクトしたものとなっている。
  • タイトル画面においても、第1作から本作までのミミとニャミおよびタイトルロゴが代わる代わるに表示されていくというファンサービス。
  • イベントの内容もこれまでの振り返りという、記念作品に相応しい内容は好評であった。
    • インタビューは各作品のテーマに合わせた人気キャラクターやネタがモチーフになっており、スタンプもインタビューに登場するキャラクターのアイコンとなっている。
      • イベント画面内では、そのバージョンのシステムBGMも流れるというオマケ付き。
    • CS移植枠は「家庭用編」として一括りにされている。特定のテーマを持っていない為にオリジナルの展開が繰り広げられる。
    • メインの解禁イベントという都合もあり、KACでお披露目された楽曲の解禁も特別枠として行われた。
  • 初期の楽曲の追加譜面が多数登場
    • 初期シリーズから人気を博していたものの、低難易度譜面しか無いことを惜しまれていたコンポーザー「NAKATEK」の楽曲群に、一斉に追加譜面が登場したことが話題となった。
    • さらに、その後のイベントでそれまで低難易度しかなかった歴代シリーズの人気曲にもHYPER・EX譜面が次々と登場した。
    • これらの楽曲はデータが古いためこれまで何度も希望がありながらも追加譜面を作れず断念していたという経緯もあり、「キー音ありの本来の譜面に重ねる形でキー音無しノーツを新たに追加する」という初の手法が行われている。
    • 「レッスン / POP-STEP-UP」のEX譜面に至ってはキー音の配置をがらっと替えて高難易度を実現するという手段を取っており、「最上級譜面へのレッスン」ともいうべき譜面になっている。

BEMANIお馴染みのアーティストによる大量の新曲群

  • デフォルト楽曲では「PON*1」「M@sumi」「阿部康広」「常盤ゆう」「sei☆shin」が参加。イベント隠し楽曲においては「ウッチーズ」「上野圭市」「kors k」「劇団レコード」「U1 overground」「あさき」「Mutsuhiko Izumi」「VENUS(Sota Fujimori、DJ YOSHITAKA)」「moimoi×Xceon×Dai.」「School(すわひでお、good-cool)」「猫叉Master」「Akino」「ブタパンチ」「Des-ROW」「dj TAKA」「Akhuta」「onoken」「OSTER project」といったBEMANIシリーズおなじみのアーティストが次々と登場。移植曲ではあるが「ota2」「佐々木博史」「Handsome JET」「Yuei」も登場。
  • そしてKAC決勝大会でのお披露目となった課題楽曲ではなんとポップン最古参アーティストであるサイモンマンこと「杉本清隆」が再臨し、実質的な「パーカッシヴ3*2」とも呼べる「西馬込交通曲」を提供。さらには担当キャラクターとして「Mr.KK」が新規描き下ろしで登場するという豪華ぶりでファンを喜ばせた。
  • 杉本清隆以外にも「Sana」「平田祥一朗」「くまのきよみ」「藤野マナミ」「HIRO総長」とポップンシリーズ古参アーティストが続々と参加しており、年季の入ったファンを大喜びさせている。
  • イベントにおいてはCS移植楽曲も多数存在している。

独自性を発揮しつつも人気曲を揃えた版権ラインナップ

  • 「おねがいダーリン」「POP TEAM EPIC」「ロキ」「一触即発禅ガール」等を他機種と同時収録。
  • 後のアップデートでU/M/A/Aから「sasakure.UK」「DECO*27」のボーカロイド版権曲が追加。
    • これらのいくつかは動画サイトで数百万再生を記録している有名楽曲でもあり、古めながらも定番のラインナップと言える。中でも「モザイクロール」はちょうどポップン収録から2週間後にニコニコ動画で1000万再生を達成し、「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」「メルト」「千本桜」「マトリョシカ」に続く5曲目の「VOCALOID神話入り」曲となったほどの有名曲である。
    • また、BEMANIでのボーカロイド楽曲はそれまでEXIT TUNESからのライセンスがほとんどでどの機種も似たようなものだったが、今回はU/M/A/Aからの版権曲のため「或る街のギギ」のようにBEMANIひいては音ゲー業界初収録のものもある。
  • もはや説明不要の超人気ボーカロイド楽曲「千本桜」も本作にて堂々のポップンデビューを果たす。しかもありきたりな原曲ベタ移植ではなくカバー音源*3での収録。
    • 基本的に版権曲にキー音非搭載となった『Sunny Park』以降の楽曲では、BEMANI×東方Project楽曲以来約4年ぶりのキー音搭載版権曲となった。
  • おなじみの東方アレンジ楽曲では大人気楽曲にもかかわらず長らくポップンには未収録だった「Bad Apple!! feat.nomico」「ナイト・オブ・ナイツ」「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」の3曲が満を持して登場し、ファンを喜ばせた。
    • いずれも10年以上前の古い楽曲だが、かつてのポップンは「若干古めの版権曲を収録する」という方針であったことや、開催中のイベントが「タイムトリップ」であることを考えると、この点に関しても「あえて時機を逸したところで収録するという原点回帰」と考えられる。
  • 上記に挙げた超有名な定番版権曲以外に、「Marmalade butcher」や「Serph」といった知る人ぞ知るマイナーどころのアーティストを発掘した楽曲も収録されており、さらに彼らは本作書き下ろしの新曲も同時提供している。
  • 現行音ゲーの版権ラインナップの多くが話題性を重視するがゆえにリアルタイムで話題となっている人気曲に偏りがちでどうしても似たり寄ったりなラインナップになりがちな中、ポップンはある程度の独自性を発揮していると言えるだろう。

高難易度譜面の大幅拡充及び早めの投入ペース

  • ポップンシリーズは長らく続いた影響もあってプレーヤースキルの大幅な向上、というよりインフレが激烈に進行していることから、Lv47~48以上の所謂「高難易度譜面」の追加が強く求められているが、本作ではそういったヘビーユーザーの意見にお応えしたのか容赦なく超高難易度譜面を続々と投入している。
  • 本家CS11の譜面を無修正で移植した「カウボーイ(UPPER)EX」、ロングノーツを加えてさらに難易度を跳ね上げた「ふること(UPPER)EX」とLv50譜面を2曲も投入、そしてLv49ながら実質Lv50弱~中近くとされている「BabeL ~MODEL DD101~EX」「西馬込交通曲EX」と稼働間もない期間で既に4曲もの超高難易度譜面を投下するという、前作以上のインフレぶりを披露し、往年のファンや上級者を歓喜させた。
    • 前述の面々には劣るものの「Mirage Age(EX)」「焔華(EX)」「祭ノ痕、君ヲ憶フ。(EX)」「Timepiece phase II(EX)」「六花美人(EX)」「ドラムンフライ(EX)」「Vinculum stellarum(EX)」「限界食堂(EX)」「レッスン(EX)」「バトルダンスUPPER(EX)」「ヘビーメタル(EX)」「少女と時の花(EX)」「ラメントUPPER(EX)」「最小三倍完全数(EX)」「Zeeros(EX)」といった高難易度楽曲・追加譜面も存在し、歯応えのある楽曲が勢揃いとなっている。
      • 更に2019年6月6日にて『CS pop'n music 8』にて魔王地帯で猛威を振るった「クラシック8(Line Times)」のEX譜面が遂に登場した。勿論譜面自体は元の譜面そのまま*4
      • そしてAC13にてボス曲として登場したにもかかわらず肩透かし感の否めない難度であった「コアダストビート」が「コアダストビート(UPPER)」として再臨し、ありとあらゆる面が超強化され堂々のLv50として逆襲を果たした。
      • コアダストビートと同様にAC18にてボス曲として登場したにもかかわらずLv42(現Lv48)という低難易度でユーザーをガッカリさせた「ふること」も「ふること(UPPER)」としてLV50で再登場し、リベンジを果たす。
      • 解禁イベント「ポップンタイムトリップ」のボス曲「25 o'clock the WORLD」も当然の如くLv50として登場。イベントのラスボスに相応しい超高難易度譜面として超上級者の前に立ちはだかる。
      • The 9th KAC pop'n女性部門決勝課題曲として登場した「Popperz Chronicle」も堂々のLv50。内容も過去作のボス曲メドレーとなっておりシリーズファンには懐かしさを感じさせる内容。
      • そして男性部門課題曲として登場したのは「Popperz Chronicle UPPER」という、Lv50の譜面にさらに強力なアッパー版を投入するという前代未聞の試みが披露された。内容も通常譜面で簡略化されていた難所が一切弱体化されることなく投入されている。
      • 第二の解禁イベント「ポップンイベントアーカイブ」の実質的なラスボス曲はまさかの移植曲「perditus†paradisus(UPPER)」。移植元での凶悪さに引けを取らない極悪な難易度に仕上がっている。
  • 今までであれば、Lv50というのは1作に1,2曲、3曲も来れば「今作は50多いな」と語られるほどの頻度でしか追加されない難易度である。それがどうみてもまだ今作序盤の頃に実質50の譜面がいきなり4曲も追加されるハイペースぶりで、最終的にはLv50が7曲、Lv49が15曲*5も追加され、超高難易度譜面の大幅な拡充が行われることとなった。
    • また、初期収録ラインナップの楽曲が最高難易度でもLv47止まりであった事から、逆にヘビーユーザーが物足りなさを感じてしまっていた。前作が最終的に相当なインフレを起こしてしまっていた反動でもあり、あくまでも追加ペースの問題である。
  • とはいえ、高難易度楽曲の投入ばかりが目立つが初心者や中級者向けの豊富な難易度の譜面を取り揃えているため、一部の超上級者にだけ媚びているということもない。新規向けのEASY譜面ももちろん搭載されている。

過去曲へのEX譜面追加

  • 前述のUPPER譜面やこれまでEX譜面が存在しなかった楽曲へのEX譜面追加は当然ユーザーから手放しで喜ばれた。
    • 各譜面が追加された楽曲も「ハイパージャパネスク」「ドラムンフライ」「ワールドツアー」「フレンドリー」「モダン80」「レイニー」「ダークネス2」「J-ガラージポップ」「ヴィジュアル3」「ネオアコ」「ヘビーメタル」と分かっているラインナップ。

歴代キャラクターの大量登場

  • 今作は周年記念作品として位置づけられているらしく、「あゆむ」「フィリ」「睦月」「ナカジ」「スミレ」「おんなのこ」「MZD」「鹿ノ子」「モイモイ」「リエちゃん」「ロキ」「リゼット」「イア=ラムセ」「マリィ」「ジュディ」「ウオヲ」「メテオ」「ルーフ」「六」「オフィーリア」といった歴代シリーズを彩ってきたキャラクターの数々が新規楽曲と書下ろしハリアイイラストを引っ提げて再登場。
    • 今作の登場キャラには「オクターブ」や「ベティ」といった担当曲が既に削除済みだったり、「ライト」や「虹野ひかり」といった楽曲担当の数が1回きりだったキャラ達も勿論新規書下ろし楽曲を引っ提げて登場し、彼らにも再びスポットライトが当たる結果になった。
  • また、今作は新規書下ろしアニメの数こそ非常に少ないが、アニメの質自体はいずれも良質かつ丁寧に作られている。
    • 稼働直後にはシリーズの看板キャラである「ミミ」「ニャミ」が当然のように描き下ろしで登場。
    • 稼働から3ヶ月経った後のThe 8th KAC pop'n部門決勝課題曲の担当キャラとして「Mr.KK」が登場。そして稼働6ヶ月後の「ポップンタイムトリップ」Sunny Park編とラピストリア編で「鈴花」と「烈」が描き下ろしで登場(アクションや立ち絵では「風雅」と「氷海」も登場)、ポップン2編で「Deuil(ユーリ、アッシュ、スマイル)」と、計10名の新規描き下ろしキャラが追加されるという豪華ぶり。いずれも非常に人気の高いポップンの看板キャラ的な存在で、人選についても非常にわかっているラインナップ。
      • 特に「Deuil」の描き下ろしに関しては登場直後にツイッターにてトレンド入りをするほどの話題となる大成功となり、キャラデザ変更等でポップンを見限っていた引退勢を引き戻すほどの現象を巻き起こした。ポップンキャラの根強い人気を証明した形と言えるだろう。
      • また、「Babel ~MODEL DD101~」の担当キャラである「ザ・タワー」は相変わらず使用不可キャラだが、新規カラーで再登場した*6。イベントエンディング曲の担当キャラである「ニャミ」もセピア調の3Pカラーが用意され、一部アクションが変更されているという力の入れよう。
    • そしてポップンタイムトリップのラスボス曲にて、ポップンにおいては1年10ヶ月ぶりとなる完全新規キャラクター「ノルニル」が実装。キャラクター目当てのファンを大いに喜ばせた。
    • シリーズ中では二度目の開催となったThe 9th KAC pop'n部門決勝課題曲では前年に引き続き担当キャラが描き下ろされ、ポップンシリーズの主役キャラとも言える「MZD」が新規描き下ろしで登場した。

現行音ゲー屈指の緩くて新規に優しい解禁イベント

  • 解禁イベントである「ポップンタイムトリップ」は楽曲解禁分のスタンプ数までひたすらクレジットを積み重ねるだけというシンプル極まりないイベントであり、音ゲー初心者や新規ユーザーに対し非常に優しい仕様となっている。
    • 単純に必要なクレジット数も毎回イベントブーストを1曲選べば基本は最短で2クレジット、最多で5クレジットと非常に安上がりで解禁を済ませることができる良心的な仕様でもある。
    • イベントブーストの楽曲も基本的にはそのシリーズの楽曲全てが対象となるため、選曲の自由度も高め。
    • さすがにエンディング楽曲のイベントのみは総額50クレジット以上とそれなりの貢ぎを要求してくるが、それまでの解禁の緩さを考えれば決して厳しいといえるものではない。
    • ストーリー面もボタン一つでの全カットこそできないが、興味がないのであれば赤ボタン連打で一分もかからずに終わらせることが可能。
  • 後継のポップンイベントアーカイブも最低4クレジット、最多でも8クレジットというタイムトリップほどではないが良心的な設定となっており、相変わらずユーザーに優しい。
  • 他の音ゲーでは簡易的な育成要素やストーリー要素で面倒なシステムを実装、もしくは解禁条件として高度なプレーヤースキルを要求してくるような、新規や初心者を篩にかける・上級者向けにしか解禁をさせないといった何かと不便な解禁イベントが多く存在する中、ポップンの解禁イベントは時間や金銭的面でもユーザー寄りと言えるだろう。

ロングポップ君の本格導入による演奏感の向上

  • 前作では初導入作品ということもあってかロングポップ君を使用している譜面はそれほど多くなかったが、今作ではほとんどの新曲においてロングポップ君が実装されており、逆にロングポップ君の無い曲の方が少数派になっている。
    • ロングポップ君により片手で捌くノーツの割合が多くなったことで更なる演奏感(そして高難易度譜面の追加)が得られるようになった。
    • 前作同様に一瞬だけならボタンを離してもセーフという甘めの仕様があるため、慣れればこれを前提として素早く手を切り替えるという手法も使っていけるようになっている。特にロングポップ君譜面の多い今作ではこれを知っているか否かで難易度が大きく変わるだろう。

ファン待望の「ポップンミュージックカード」復活

  • AC19にて登場し、魅力的なキャラクターの描き下ろしイラストを売りにしたコレクション要素としてユーザーから支持を集めてきたものの、前作のACうさ猫にて人気低迷もあってか無念の打ち切りとなったポップンミュージックカードが本作にて復活。
  • 本作稼働中の2019/12/23よりカード発行に特化した新機種『カードコネクト』が稼働開始し、ポップンカードも描き下ろし新規レアカードが多数含まれる新弾がリリースされ、今後はそちらに完全移行されることとなった。
    • 従来のカードが予め完成したカードを排出するのに対し、カードコネクトはその場での印刷型となっている。SOUND VOLTEXの筐体排出カードとも異なりある程度厚みのある硬質カードが採用されているため、従来のものとサイズが多少異なるなどの違いはあるが違和感は少ない。
    • その場での印刷式になったことで店側のレア抜きも防止でき、別の筐体を使うことでポップン筐体の占拠も防げるなど従来のカードで発生していた問題も解決された。

賛否両論点

コインプレー・PASELIライトプレーの優遇

  • 前作までの作品におけるPASELIスタンダードプレーでは特典としてもう1ステージ遊べるEXTRA STAGE(EXTRAランプが5個必要のため、最短でも2プレーに1回)の他、イベントの進行速度が促される所謂「イベントブースター」の機能が追加されていた。
    • 過去の作品ではEXTRA STAGEでは解禁ポイントが余分に加算される関係で、効率良く楽曲解禁を行う場合はEXTRA STAGE込みの方が良い=PASELIスタンダードプレーの方が優位であった。
    • しかし、本作におけるPASELIスタンダードプレーでは、「ポップンタイムトリップ」「ポップンイベントアーカイブ」がプレーの内容にかかわらず獲得進行度が固定となっているため、EXTRA STAGEを出そうがイベント進行が早まることは一切ない。つまり、実質的なメリットは2プレーに1回のEXTRA STAGEで1曲多く遊べる点のみ
      • 本作で楽曲を解禁するにはコインプレーもしくはPASELIライトプレー(安い方)が最も効率的という事になっている。*7
    • ただし、元々pop'nにおけるPASELIスタンダードプレーは当初からメリットが少なく、コインプレーやPASELIライトプレーでも選曲制限が無い上に3曲保証と、他機種のようなデメリット要素がほとんど存在しないという、まるでコインプレーやPASELIライトプレーの方を推奨しているかのような仕様である。
    • このために「PASELIスタンダードプレーの特典が薄すぎて損」という問題も顕著になっている、という問題はある。
      リフレシアの方がまだマシ、いっそのことjubeatのように廃止しちゃえという意見も

CS移植曲の担当キャラについて

  • 本作ではCS作品より「イノセント2」「スライ」「クリスマスプレゼント」が移植され古参ファンを喜ばせたが、「イノセント2」と「スライ」はなぜか担当キャラが原作の「睦月(CS8)」「スーツvsモリー」ではなく「睦月(CS7)」「スーツ」を既存のアニメーションのままpeace絵柄の描き下ろしイラストで担当キャラに起用するという賛否ある形での登用となった。
    • ただこれに関しては、未登場のCS版キャラクターのデータが何らかの事情でAC版に移植不可能という可能性もあるので、一概に問題視はできない。
      古いシリーズの楽曲について、度重なる基板変更の都合でデータに互換性がないため新たなキー音を切り出しての移植が困難だという公式側からの回答があり、キャラクターも同様の事情による可能性はある。
    • その後「アスレチックミート」「クリアトーン」の担当キャラとして「ベンベン」「文彦さん」がそのまま移植されたため、完全に全てのCSキャラが移植できないというわけではない模様。
  • 「クリスマスプレゼント」の担当キャラはムービー形式の選択不能キャラ、かつ元々ACとCSのコラボ企画だったため内容自体はどちらも同じムービーなのだが、本来はACとCSで別々の曲に合わせてそれぞれアニメスピードを調整していた筈が、今作では既存のAC版のムービーをそのまま無調整でCS版の曲に流用したためタイミングズレを起こしている*8

今作における新キャラの数について

  • 今作の新キャラ(新アニメ・完全新キャラ含む)は前作の末期と比較して多く見えるのだが、それでも10人前後と数あるシリーズ作の中では非常に少ない部類。お世辞にも決して手放しで褒められる量では無い。
    • 特に、完全新キャラはこれまでの作品では毎作平均で10人以上も登場することがシリーズにおけるお約束として位置づけられていたのだが、それら過去の作品に対して今作の完全新キャラは「ノルニル」たったの一組しか存在しておらず、膨大なキャラをウリとしていたシリーズ全体で見ると非常に寂しい数である。
    • また、近年コナミアミューズメントの広報担当キャラクターとして宣伝動画や連動イベント等で度々登場している「いちか」を未だに新キャラとして描き下ろさず、いちかが歌唱を担当するテーマソングを全て既存キャラの使い回しで済ませている点はさすがに批判が強い。
    • 同社のスマホアプリ『ダンキラ!!!』とのコラボ企画の一環として追加された楽曲も、コラボ先がキャラを売りにした育成アプリにもかかわらず当然のように使い回し。
    • とはいえこれに関してはキャラクターの使い回しが深刻化し始めたサニーパークやラピストリアから散々言われているポップンチームのデザイナー不足、そしてKONAMIのアーケードゲーム事業縮小という「開発側の事情」によるものが大きく、この点で批判するのは酷とも言える。
      • また、本作での新規楽曲及び参加アーティストの充実ぶりから「今回は楽曲面に予算全振りしてる」とされることがある。実際過去2~3作のシリーズ人気低迷に伴いポップンキャラクターの人気自体も落ち込んでいることから、音ゲーとしてのメインである楽曲面に注力するというのは方向性としても間違ってはいない。

汎用背景が再び1種類のみに統一

  • 演奏画面の汎用背景は、eclaleとうさ猫では担当キャラの属性に合わせて5種類のバリエーションがあったが、本作では再び1種類のみに統一されてしまった。
    • ただしラピストリア当時のような無機質な背景ではなく、今作の汎用背景は前述のように白い下地にカラフルなものとなっており、全曲共通ではあるものの各曲の雰囲気に馴染まない等の違和感が出るケースは殆どない。
  • また、今作で追加されたCSからの新規移植曲やUPPER譜面では楽曲固有の背景が表示されなくなった。
    • 一方で旧作の追加譜面については従来通り楽曲のイメージに合った固有背景が表示されるため、同じ追加譜面なのに旧曲EXとUPPERで背景の使用・不使用の差がついている状態となっている。
    • UPPER譜面については元の楽曲の固有背景をそのまま流用できるにもかかわらず背景を使用していないため、意図が読めないものとなっている。

突然のイベント打ち切り

  • 2作前の『eclale』同様、「ポップンイベントアーカイブ」の開催中に突然新作の稼働が発表され、当該イベントは中途半端な形で終了することとなった。
    • ただし、メインイベントである「ポップンタイムトリップ」はきちんと完結しており、上記にある通りそれぞれのイベントでラスボスとして相応しい難易度の楽曲も登場していたため、『eclale』当時ほど物議を醸すことはなかった*9
    • むしろ、下記にあるように存続が危ぶまれていたシリーズの新作が無事発表されたことを歓迎する向きもあった。

問題点

前作のマスコットキャラ「ナビくん」の出番大幅減少

  • 前作で大々的にメインのマスコットキャラクターとして活躍していた「ナビ」だが、本作では出番が大幅に減少している。
    • 本作での出番らしい出番は、アドバタイズデモのちょい役や、新規プレー時のチュートリアル程度。「CV:村瀬歩」によるシステムボイスは継続されているが、全て前作からの流用であり、新録ボイスは一切なし
      • 解禁イベントにおいては、本作のメインイベントである「ポップンタイムトリップ」「ポップンイベントアーカイブ」共に一切出番なしとなっていた。
      • なお、稼働中期に追加された恒例の「ネットワーク対戦」では、こちら全て前作の流用だがボイス付きの挨拶スタンプで登場しており、インパクト自体は残している。
    • 前作では全ての解禁イベントで主要キャラクターとして抜擢され、声優ボーカル曲までも多数用意、独自の成長イベント&新規フォルムの要素まで用意されていた事を考えると、さすがに扱いの差が大きすぎると言えるだろう。
      • もっとも、『ラピストリア』のメインメンバーであった「つぎドカ!」等のように、ナビくん自体はシリーズ全体のマスコットではなく『うさぎと猫と少年の夢』限定のメインキャラクターだったと考えるなら、画風の大きく変わった『peace』に移り変わったことでその役目を終えたと考えると納得ではある。

相変わらずのカテゴリ面

  • これは前作から言われている事なのだが、楽曲カテゴリについては新規の物が追加されることが少なかった。
    • 特に今作は旧曲追加譜面が多いにもかかわらずメインイベント「ポップンタイムトリップ」や「ポップンイベントアーカイブ」のカテゴリが用意されておらず、旧曲にHYPERやEXが増えた場合はpeaceカテゴリではなく該当シリーズのカテゴリに入ったまま(例えば「ヘビーメタル」H/EXはpeaceではなく「2」カテゴリ)、一方で独立した新規追加譜面であるUPPERバージョンは新曲扱いでpeaceカテゴリに入っているなどややこしい事態となっているため、イベント解禁された楽曲・譜面のみを一纏めにしたカテゴリの需要は大いにあったはずである。
    • 前作での開催からpeace稼働まであまり間が開いていた筈の「BEMANI SUMMER GREATINGS 2018」カテゴリや、今作でも未だ開催されている「FLOOR INFECTION」カテゴリが追加されなかったり、とっくの昔に稼働終了したりオフライン化が行われたにもかかわらずカテゴリが削除されていないBeatStreamやMUSECAカテゴリの方も相変わらず。
    • 今作では稼働中に全機種連動イベント「いちかのBEMANI総選挙戦2019」が開催されたのだが、イベントカテゴリの方は同イベントの物が用意されているにもかかわらず、BEMANIカテゴリにDANCERUSH STRADOMの物が追加される事がなかった。本来なら総選挙戦を通じてpop'nに初めて触れるダンスラプレーヤーも少なくはない筈なのだが…
      • その1年後に「いちかの超BEMANIラッシュ2020」のカテゴリも用意されたが、連動要素が今回もあるのにやはりDANCERUSHのカテゴリは未だに存在しない。
    • 今作のイベントカテゴリの一覧には何故か公募カテゴリが残っている。楽曲公募自体は前作、前々作で行われた物なのだが、とっくの昔に旬が過ぎている筈の公募イベントの楽曲カテゴリが残っているのはポップンの歴史から見ても違和感がある。
      • ちなみに似たようなカテゴリが存在する機種としてSOUND VOLTEXも挙げられているが、こちらは機種の方針自体が公募を主力としていることから問題視されていない。
      • ただし公募企画そのものは止まっているものの、eclale当時に「ポップンクリエイターズパーティ」公式サイトが立ち上げられ今も健在であるため、今後も公募企画が復活する可能性は考えられる。

取り逃したデコパーツの解禁方法は一切無し

  • 「デコパーツ交換所」が廃止されたため、前作に登場したデコパーツのほとんどは引き継ぎでしか使えない状態になっており、前作で取り逃したプレーヤーや新規プレーヤーは入手手段が一切存在しない。
  • 今作から新たに「ポップンタイムトリップ」追加されたデコパーツも登場したのだが、こちらも「ポップンイベントアーカイブ」に移行後は入手手段が無くなってしまった。

告知無しの楽曲削除

  • 2019/04/23アップデートより「恋は渾沌の隷也」が何の告知もなく削除された。
    • 同曲はおよそ6年前に収録されたため契約期限切れと推測されるが、他の版権曲は事前に削除告知が出されていたのに対し、本曲は突然削除された上にその後も告知も一切なかったため、この点について批判されることがある。
    • 事前の公式告知無しで楽曲が削除されるケースは『Sunny Park』の「空想メソロギヰ」以来となる。
  • 2019/08/27には「時の妖花」も告知なしで削除されている。
  • また、それら以前にも2018/11/27に「シュガーソングとビターステップ」がGITADORA収録のカバー音源に差し替えられている。こちらも予告はなかった。
    • この差し替え自体についても「GITADORAだから許されるアレンジであり、pop'nには合わずそのまま消える方がマシ」という批判もある。

再び発生したVOCALOID楽曲での不具合

  • 本作で新登場の版権曲「ぼくらの16bit戦争」において、「相対と絶対の~」から「65535のテトラと~」に飛ぶ形で音源がつなげられた結果、両者の継ぎ目により『そうたん5535のテトラ』と歌詞が変わってしまう不自然な編集がある。
    この曲は後に『SOUND VOLTEX VIVID WAVE』にもそのままの音源で収録されたため、少なくとも現時点では仕様となってしまっている可能性が高い。
    • かつて多くの機種で発生していた「セツナトリップ」の「ワカメを冷ませ(わか目を覚ませ)」と原理は同じである。ただし、こちらは2014年8月~9月に掛けてBEMANI全機種で一掃された。

「千本桜」EASY譜面のキー音割り当てミス

  • 「千本桜」では、上述の通り約4年ぶりのキー音搭載版権曲だったのだが、EASY譜面でキー音割り当てミスにより凄まじい不協和音となる不具合が発生してしまった。
    • この不具合に関しては配信翌日にすぐEASY譜面を一旦選択不能にし、数日後*10にキー音割り当て修正のうえEASY譜面復活という非常に素早い対応がとられており、その点は高く評価されている。
      • 一方で、上述の「シュガーソングとビターステップ」同様GITADORA版そのままだった点から「収録そのものを撤回(『jubeat』も真っ青の1週間未満レベルでの削除)すべきだった」という(ある意味)過激な意見すら……。

総評

ラピストリアで大胆な改革を敢行しマンネリ打破を図った新生ポップンミュージックシリーズだが、賛否が分かれたラピストリアはともかくeclale、うさ猫と2作品連続で評価の芳しくない作品が続き、急激な失速感が否めなくなってしまった。
そうした中でリリースされた本作も稼働時点では極端に少ない新曲と描き下ろしキャラ、停滞する解禁イベントと不穏な要素ばかりであり「どうせ今回もパッとしないまま終わるのだろう」と疑念の目で見られており、本格的にシリーズの進退が危ぶまれるほどの状況となっていた。

そのような厳しい状況であったが、前作とほぼ同じシステムや前作末期でも見られた過剰なキャラクター流用の存在はともかく、多種多様な改革を推し進め新規層開拓を目指してきた直近の過去作とは打って変わって「原点回帰」という保守的な方向性を打ち出したことで、従来の方向性を取り戻したキャラデザや初期の名曲への譜面追加、豪華アーティストによる楽曲群など20周年記念に相応しい要素の数々でこれらの不安要素をカバーし、古参ファンの呼び戻しに成功した功労者となった。


余談

稼働時点の状況など

  • 本作はロケテスト等を行わずに前日にて稼働開始の告知と共に最新作を発表するという、BEMANIシリーズでも類を見ない超スピード稼働が良くも悪くも話題になった。
    • この直前から「20周年のカウントダウンと共にポップンミュージックの歴史を振り返る」という名目で、日々ポップンにまつわるイベントやグッズ、ゲームで使用される基板などの紹介が行われており、その最後として新作を匂わせる告知と本作の発表が行われた。
      • この経緯の為、そもそも新作というよりも「記念日に合わせたデザインチェンジの為のアップデート」だったのではとも言われていた。
    • 事実、本作のプレーデータは前作のものと共用となっている。引継ぎ処理やそれに伴うプレーヤーネームの変更やセキュリティ保護に関する同意も行われない。また、データが共用となっている為に本作で更新したスコアやステータスも前作でのプレーに反映される。
      • つまり内部的にはスキンをpeace仕様に変更した「うさ猫APPEND」のような状態であったと推測される。現に、従来なら新作ごとに更新されるはずのお邪魔「パニック」の数字が稼働当初はうさ猫と同じ「24」「2016」のまま更新されていなかった(稼働1ヶ月後に修正)。
      • これにより影響を受けたのが前作のイベントであった「ナビフェス」であり、該当の解禁曲は事前予告もないまましばらく解禁できない状況となってしまった。
        さすがに問題視されたのか、稼働翌週より「ナビフェス楽曲毎週無条件解禁」と銘打って該当イベントの楽曲が順次出現し、解禁無しでも全てプレーできるようになった。
  • なお、これまでのポップンシリーズは自乗となるナンバリング毎に節目となっているとも言われており、『4』および『9』はそれまでの過去作全曲収録を実現して温故知新を謳い、『16 PARTY♪』はシリーズ10周年記念作品だった。
    • 本作もナンバリングこそ無いが5×5で『25』作目に相当しており、意図したものかは不明だが、20周年記念作品かつ原点回帰を掲げるという前例に従った立ち位置となっている。

公式サイトの縮小化

  • 前作うさ猫の公式サイトでは途中から楽曲/キャラ紹介の更新が途絶えてしまっていたが、今作ではそもそも楽曲・キャラ紹介ページ自体を最初から用意していない。このため、今作の公式サイトは「お知らせ」「あそびかた」「プレーデータ」「ポプとも」「カスタマイズ」「ランキング」のみのシンプルな構造となっている。
    • 元々うさ猫の時点で更新が停滞気味だったことに加え、2018年10月のkonami.jpドメイン消失によりSunny Park以前のページがほぼ失われてしまったことも関係していると思われる。
    • 公式Twitterが関係者の告知ツイートのRT等を度々行っているため、今後も紹介専用ページは用意されない可能性が高い。

20周年記念グッズについて

  • 本作ではポップンミュージックシリーズ20周年を記念した公式グッズが多数リリースされることが発表されており、実際に多数のグッズがリリースされた。
    • しかし、グッズに使われているイラストが全て旧ポップン絵で、ラピス絵が一切使われていない*11前作うさ猫での主役的存在であったナビくんがグッズに一切使われていないという点がファンの間で物議を醸している。
    • とはいえ、DDRとの合同で行われた記念グッズ販売イベントは前評判とは裏腹に大盛況となっており、ポップン人気の根強さを証明した形となった。
  • また、グッズ販売と同時期にAC9以来となる「ポップンカフェ」が東京・大阪・愛知の三ヶ所で開催され、こちらも大盛況となっていた。

削除曲のフラグ処理の変更

  • eclale以降数度起きていた「版権曲削除の不発」と同様の現象が、2018/12/18~2019/11/25の削除曲全てで発生している。
    • 当初は削除当日朝にそのためのフラグが設定され当該曲が選択できなくなるという形式だったのだが、この期間中の削除曲では全てオンラインアップデート適用後に削除という形になっている。
      そのため、削除当日に配信されるアップデートが適用されるまでプレー可能な状態が継続する。
    • eclaleやうさ猫の当時は削除処理が筐体上で正常に行われないというものだったのだが、今作では正式に仕様としたものと推定されていた。
      • REFLEC BEAT 悠久のリフレシア』も同様の挙動となっており、手間を削減するためそもそもフラグ処理自体を設定していない可能性が高い。
        もっとも、pop'nには楽曲削除の影響を受ける要素は存在しないのだが(リフレシアはクラスチェックモードの構成も同時に変更されている)。
  • 2020年9月下旬*12に挙動がまた変更された模様である。
    • 10時ごろに「毎週!いちかの超BEMANIラッシュ2020」にてDANCERUSH STARDOMより移植された「Love 2 Shuffle」と入れ替わる形のフラグ処理が行われたのではないかという説も。
      実際、当該曲のスコアデータの閲覧は削除当日は引き続き可能だったという報告もある。*13
  • その後、2020/10/26の「にめんせい☆ウラオモテライフ!」削除時には当初の挙動に戻った模様。
    なお、この際に一部プレーヤーが「モード選択後ゲームが確定でクラッシュ、毎週!いちかの超BEMANIラッシュ2020が進行不能に陥る」という不具合に遭遇した
    • キャラクターとしてのうまるちゃんも削除されているが、不具合の発生条件にうまるちゃんを使用していたか否かは絡んでいない模様
      そのため、1曲+1名の削除以外に発生条件となる要素が不明という異常事態となった。
    • この不具合については一切の告知がなかったが、イベント終了後の10/30に修正された模様。

シリーズ終焉を思わせる要素

  • 本作の一部の要素からシリーズ自体が本作で終了するのではないかとも囁かれた。
    • タイトルの「peace」がCS版におけるスタッフロールの締めの文句「We present this game to the people who loves music and games. peace.」と重なっている。
    • メインビジュアルのミミ&ニャミが付けているバッジが卒業式のアレ(前作隠しのひなビタ♪曲「花のやくそく」のジャケットでまり花や一舞が付けている物)を彷彿とさせる。
    • 「ポップンタイムトリップ」のメインルート最後の隠し曲が「さよならのうた」。ちなみにこの曲のアーティストはSana、杉本清隆、HIRO総長というポップン最古参アーティストのコンビである。
  • これまでのシリーズにおいてナンバーが2乗の数値になっているものは総集編的位置づけとされており、それとの複合で10周年記念作品である16より後の作品の総集編ではなくシリーズ全体の総集編と解釈されてシリーズ終焉説が補強されてしまうことにも。
    • ちなみに現在のシステム基板は15でPCベースに入れ替えられたものなのだが、本作稼働開始の少し前にpop'nシリーズ20周年を記念して開催されたカウントダウンにおいて最終進化と言われてしまっている入れ替え後の期間を考えればリフレシアも真っ青のゾンビっぷり*14
  • 新作の稼働が発表された(後述)ことにより、結果的にこれらの懸念は杞憂に終わった。

エイプリルフール関連

  • これまでのシリーズではエイプリルフールネタが定番となっていたが、本作では2019年、2020年と2連続で非開催となった。
    • ただし、2020年4月1日に「ハイパーロッケンローレ(エイプリルフールの唄)」のUPPER譜面が追加されている。曲名からこの日にこそふさわしいネタとも言えるが、同日限定配信ではなく真面目なイベント更新であるという点は余裕がないとも言えなくもない。
      • もっとも、2020年は新型コロナウイルスの影響もあってかゲームだけでなく実社会でもあらゆるイベント等が自粛されていたため*15、その流れに倣ったものとも言える。

その後の展開

  • 2020年2月のJAEPOで完全新規筐体の新作『NEWポップンミュージック Welcome to Wonderland!』が発表され、試遊が公開されていた。
    • 小型のボタンやスライドパネルを使用した新しい操作デバイス、3Dキャラクター等を導入しており、大幅にリニューアルが図られる作品であることが窺える。
    • 同作が発表された事や、当時のpeaceの解禁イベント「ポップンタイムトリップ」が綺麗に完結していた事、前述のシリーズ終焉を思わせる要素などから、この発表後に「現行の機種は本作で最終作となり、新筐体へ完全移行」という憶測が一部で広まっていたが、現状ではJAEPOでのお披露目以外に正式な発表が一切なされていないため、今後どうなるかは不明である。
      • 後に「ユーザーの反応を探るための試験展示である」との開発者証言があり、当該作のリリース時期や、正統続編・外伝作といった位置付けについては現段階で明かされていない。(参考記事)
    • その後、NEWポップンに収録予定だった版権曲がpeaceに収録され、さらに新たなイベント「ポップンイベントアーカイブ」が開始、そして同社のスマホアプリとのコラボを開催する等、peaceを打ち切るような展開は特に行われず、NEWポップンの動向は未だ不明であった。
      • ほぼ同時期に新筐体込みで新作が発表されたリブート版『jubeat』も同様の状況であり、JAEPOで先行発表されていた楽曲が現行作『jubeat festo』に収録されている。
    • 2020年11月に発表されたコナミホールディングスの決算発表資料において、2020年末~2021年にリリースするラインナップとして『NEW pop'n』と新『jubeat』のどちらも記載されていないことが確認され、少なくとも直近でのリリース予定は無いことが明らかとなった。
  • 2020年9月7日よりWindows PC版コナステで『ポップンミュージック Lively』の無料βテストが行われ、同年11月5日より月額正式サービスが開始された。
    • インターフェイスは新規だがシステムはpeaceのものをベースとしており、実質的に9年ぶりの家庭用版となる。
  • 2020年12月8日に公式Twitterで次回作『ポップンミュージック 解明リドルズ』の告知が行われ、翌日から稼働開始となった。
    • 本作と同様の流れで、ほぼ全てのデータを自動的に引き継いでのアップデートによる稼働となっている。
  • 本作のサントラは当初モバイルアプリの『beatmania IIDX ULTIMATE MOBILE』内のMUSIC PLAYERで聴けるのみだったが、2021年12月15日よりCD4枚組の『pop'n music peace Original Soundtrack』が発売。
    • コナステ特典として当時の解禁イベントストーリーを収録した「ポップンタイムトリップ おもいでBOOK」が付属。
    • 収録曲はオリジナル新曲に加え各種移植曲も網羅し、さらにKAC共通課題曲の「Catch Our Fire!」「ランカーキラーガール」、コナミ50周年記念の「50th Memorial Songs」シリーズ、いちかイベント書き下ろしの「ラブキラ☆スプラッシュ」「Sparkle Smilin'」「狂水一華」「Jetcoaster Windy」等の合同イベント楽曲も合わせて収録されている。
    • 加えて「Brand New Tracks」と銘打ち、前作のサントラと同様に完全新曲「天ぷらイントロドン!!」「Miracle 4 RELOADED」「パ・リ^ ^ピ・ポ」を収録。これらの楽曲は後にアーケード版『解明リドルズ』やコナステ版『Lively』にて実際にプレー可能になった。

+ ポップンミュージック peace 公式PV動画

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最終更新:2023年11月13日 05:45

*1 以下、KONAMI所属コンポーザーの「BEMANI Sound Team」名義は省略。

*2 KAC解説席からも堂々と「パカ3か?パカ3か?パカ3だ!」と呼ばれていた。

*3 『GITADORA EXCHAIN』で収録された音源の流用で、ボーカロイドではなく人間が歌唱している。ちなみに過去のBEMANI機種、特にGITADORA、ポップンシリーズではカバー音源での版権曲収録は珍しいことではなかった。

*4 200BPMの"魔王パート"にある12分連打が特徴。

*5 そのうち「西馬込交通曲」「BabeL ~MODEL DD101~」「クラシック8」「ヘビーメタル」の4曲が実質Lv50クラスという扱い。

*6 元のカラーをそのままネガ反転した白カラー。また、今回の担当曲にそぐわない一部の文字が削られている。

*7 最大効率はポップンカード排出+1曲プレーだが、カード在庫の関係上ほぼ不可能なので除外。

*8 歌唱シーンの口パクが思いっきりズレている、画面切り替えのタイミングがおかしい、等。

*9 そもそも「ポップンイベントアーカイブ」自体、前述の通り「過去のイベントに残された隠し要素を解禁する」のが目的のイベントなので、別にエンディングがなくても全く問題のないイベントと言える。

*10 フラグ処理の関係でアップデート翌日の復活ならともかくそのさらに翌日だった点については、過去にもノスタルジアの「ピアノ協奏曲第1番“蠍火”」EXPERT譜面化けの際に前例がある

*11 ラピストリア以降のキャラクターは使われているが、そちらは立ち絵ではなく作中のアクションを切り取ったものになっている

*12 この時に削除されたのはjubeatですら収録期間延長とならなかった「ようこそジャパリパークへ」のみ。この時点でBEMANIでの同曲の収録機種はDDR(Aで2017年末収録)とSOUND VOLTEX(2019年2月末のVIVID WAVE稼働開始時より収録)のみという状態であり、DDRでは12月中旬に削除されたため2020年末時点ではSDVXのみ残存している。

*13 以前不具合で削除以降もしばらくの間スコアデータ閲覧が可能だった曲が存在しているが、今回の削除分は翌日には閲覧不可となっている。また、過去には楽曲が残留しているうちからスコアデータの閲覧ができなくなったケースも。

*14 この発言を根拠とするなら、10年以上同じ基板で動き続けていることになる。だがjubeatやGITADORAのような長期稼働による基板の劣化が疑われる不具合は確認されていない

*15 BEMANIシリーズで例年開催していたSOUND VOLTEX(AC版)およびノスタルジアでも開催されていない。もっとも、GROOVE COASTERのように開催見送りの告知もなかったが。