このページではOne/Win用ソフト『DEAD RISING 4』と、完全版であるPS4用ソフト『DEAD RISING 4 Special Edition』を紹介しています。



DEAD RISING 4

【でっどらいじんぐふぉー】

ジャンル ゾンビパラダイスアクション

対応機種 Xbox One
Windows 7~10(64bit)
発売元 【One/Win(Xbox公式)】日本マイクロソフト
【Win(Steam)】カプコン
開発元 カプコンバンクーバー
発売日 【One/Win(Xbox公式)】2016年12月8日
【Win(Steam)】2017年3月15日
定価 【One】3,888円
【Win(Xbox公式)】6,900円
【Win(Steam)】2,990円(全て税8%込)
プレイ人数 1人(ソロプレイ時)
1~4人(マルチプレイ時)
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 シリーズファンから不評
ポイント 我らのフランクさんが帰ってきた…はずが
シリーズのお約束尽く削除
主人公の性格大幅改悪に加え真のEDはDLC
劣悪と化したバグと新要素の不備
ゲームそのものは凡庸なゾンビドンパチゲー
DEAD RISINGシリーズ


ゾンビ狩りパーティーの始まりだ



概要

『DEAD RISING』シリーズのナンバリング第4作。
第1作の主人公であるフランク・ウェストが(IF除く)久し振りに本編の主人公として返り咲き、ウィラメッテが再び舞台になる為、発売前は期待されていたが…。


あらすじ

ある日フランク・ウェストは弟子のヴィックに真夜中にミニゴルフに誘われる、がそれはヴィックの嘘でウィラメッテにある軍事施設で人体実験が行われているという情報を調べるためだった。
そこで2人は実際に研究設備内でクローンやゾンビを使って実験している場面を目撃したが、それを見たヴィックはパニックになり、その時に起こした行動が原因で2人は見つかってしまう。
ヴィックはフランクを見捨て、フランクは拘束されてしまう。

そして4ヶ月後、ウィラメッテに再びアウトブレイクが起こる。ZDCの捜査官ブラッドはフランクにヴィックが行方不明になったことを伝えフランクは再びゾンビだらけのウィラメッテに殴り込む。


特徴・評価点

  • 様々なロケーションのウィラメッテ
    • 第1作のウィラメッテはショッピングモールだけが舞台だったが、今回はかなり広く探索し甲斐がある。
  • ゾンビを吹っ飛ばす快感は健在
    • 前作同様コンボ武器や車両はどこでも作れる。舞台がクリスマスシーズンということもあってか、全体的にクリスマスを意識した武器などが多め。
  • 無線も快適
    • 攻撃を受けようが落下しようが勝手に受信して勝手に会話してくれるため、非常に快適。というかこれが普通なのだが。
  • 運転時のQTE削除
    • 前作は車で何かをするたびにQTEを要求されたが削除された。
  • 生存者が救出したら勝手に帰るようになった
    • システム的には『2』のDLCシナリオと似たようなもの。
    • 過去作では「AIの頭が悪く介護状態になっていた」「AIが改善されたが攻撃的すぎて遅い」といった面倒くささが存在していた。
      • わざわざセーフハウスまで戻すのが面倒だという人には朗報だろう。

変更点・追加点・賛否両論点

  • 時間制限完全撤廃
    • 今まではメインシナリオに時間制限があったが*1、本作では完全撤廃され自由度が大幅に上がった。
      • 緊迫感が無くなったとの声もある。
  • 新要素エキゾスーツ
    • 着ることで強靭なパワーを手に入れることができ、エキゾスーツでしか使えないコンボ武器や武器もある。
      • だがエキゾスーツが武器の近くに無く、そこまで持っていこうにもその前にバッテリーが切れることが大半。
    • バッテリー式だが一部の場所では無限に使うことができる。
      • しかし、チュートリアル時にその場所を探せと言われるが実際はイベント時以外無限に使うことはできない。
  • 日本語吹き替え対応
    • 今回は今までと違い吹き替えにも対応している。ローカライズの質も、主に翻訳面が指摘されていた『3』とは違い良好。ただし、やや直訳気味。
    • 『DEAD RISING』のキャラが日本語で喋るのは違和感があるという批判もある。英語音声+日本語字幕に切り替え不可なことも、その批判に拍車を掛けている。
      • オプション画面でも音声は日本語固定なっているなど、英語音声+日本語字幕にできない本作の仕様は、カプコンのゲームとしては非常に珍しい。
    • フランクの吹き替えを担当するのは『マヴカプ3』と同じ小山力也氏…ではなく何故か咲野俊介氏。演技も悪くなく声質も小山氏に寄せているが、どうしても違和感がある。
    • ちなみに、海外版におけるフランクの声優も今までのTJ・ロトロ氏*2から変更されている。声優兼モーションアクターの変更は告知などが一切無く、海外では大きく批判された。
      • 演技に関しても元々声質及び演技が全く似ていないため違和感が大きく、これらは後述するフランクの別人化を助長している。
  • 探索要素
    • ヴィックがフランクのカメラを改造して付けた機能によって探索する場面がある。見つけるのが少々難しいため、人によってはダルいと感じることも。
  • 武器ストックの仕様変更
    • 今作では「近距離武器」「遠距離武器」「投てき武器」「回復アイテム」に分別されるようになり、自分で整理せずとも管理が楽になった。
      • ただし、この分類により直に投げることができるのは「投てき武器」に分類される武器のみになり、これまでのように斧やバット、食料アイテムなどあらゆる物を投げることは不可能になっている。

問題点

  • バッテリーが減るのが早い
    • 強化状態になれるエキゾスーツのバッテリーは減るのが早く、ゾンビ狩りを楽しみたい時に爽快感に関しては微妙。
    • 車のバッテリーが減るのも速いため、移動するごとに乗り換えが必要になる。
  • 回復アイテム関連の仕様改悪
    • 初代から存在していた「ミックスジュース」が削除された。
    • 本シリーズの過去作には、ピザや肉類、スナック菓子やジュース、酒類や野菜・果物といった多岐に渡る回復アイテムが存在していたが、回復アイテムの回復量が全て同じになったために没個性化。サバイバルでやりくりしている感が無くなった。
  • 過去作の体術技がほとんど削除
    • ダブルラリアットなどの範囲技が没収されたため、戦闘が恐ろしく単調なものになってしまった。今作は範囲攻撃に乏しい。
    • モツ抜きも無い。スキルムーブでそれっぽいのが出せるが、どちらかというと『2』のコンボ武器による特殊攻撃が近い。
    • エキゾスーツを着たり、コンボ武器を装備すれば強くはなれるものの、フランクさんといえば超人的な体力をもって素手でも無双できる強さが魅力の1つであったため、非力感が強い。
  • セーブ関連
    • セーブデータスロットは前作に引き続き1個しかない。最初から始めたい場合はセーブデータを消すしかない。
      • ただし、チャプター式なので好きなタイミングからプレイすることは可能。
    • 手動セーブが廃止され完全オートセーブとなってしまった。タイミングによっては変なところまで戻される。
  • ボリュームがかなり少ない
    • DLCと合わせて約90GB*3あるため、さぞボリュームがあるのだろうと思えばかなりあっさり終わる。
      • わざわざチャプタークリア時に総プレイ時間を表示してくれるため、本筋だけ進めていれば15時間位で終わることが分かる。その大半は移動時間。
  • ストーリー関連
    • ストーリーが短い上、すっきりしないままエンディングに突入する。
      • その後は、DLC「フランクライジング」で語られることとなるが、配信が遅かったこともあって批判を生んだ。
    • フランクが冒頭で見た悪夢については全く触れられることなく終わっているうえ、本作ではマルチエンディングが排除されている。
      • 生存者を救出する要素はあるものの、生存者に関するイベントや、生存者同士で何かイベントがあるわけでもなく、施設の要素が解放されるのみで一層キャラクターの印象の薄さが目立っている。
  • バグ
    • もはや『DEAD RISING』シリーズのお家芸であるバグだが本作はさらに悪化している。
      + 一例
    • 助けたNPCがオブジェクトに引っかかってその場に留まりゾンビに攻撃されなすすべも無く死ぬ。
    • 何故かゾンビがシェルターに侵入しNPCを攻撃するが、シェルター内では攻撃が出来ないためロードしてリセットするしか対処法が無い。
    • 人に近づいても「話す」アイコンが出ず進行不能になる。
    • 運転中にガードレールにぶつかると、突然車が横転して壊れる。
    • ムービーの音声が再生されない。
    • 突然フリーズ(アプリケーションエラー)が起きる。特にマルチプレイで頻発する。
      • フリーズに関しては突然のため対策のしようがない。本作がオートセーブのため大きく戻されにくいのが救い。
    • 無印(One/Win)では『OTR』のPS3版の様な致命的なバグが無いのが救いか。
    • 現在は多くのアップデートによりかなり改善された。それでもまだ残っている。
  • マルチプレイの仕様改悪
    • ストーリーをマルチプレイするのではなく、専用のモードのみでのマルチプレイとなってしまった。
      • よって、『1』『2』『3』のようにストーリーモードを友達と一緒にプレイすることができない。
      • またソロプレイに比べて、フリーズなどのバグが多発するのもあって過疎化が急速に進んだ。
  • グラフィックの劣化
    • 何故かOneローンチタイトルであった『3』より劣化している。Win版及び据置機の性能向上版でも変化はない。
    • 全体的に貼り付けたようなグラフィックであり、光沢に欠ける。特に返り血の表現や髪の質辺りは絵の具で固めたような質感で、この辺りは『1』にも劣る出来。
  • 胸糞悪いキャラクター
    • 主人公であるフランクの性格が異常
      • 今回は何故か所構わず趣味の悪いジョークを吐くようになったり、生存者を煽ったりゾンビアウトブレイクを楽しんでいたりと、ストーリーを進めれば進めるほどおかしな所が目に付く。
      • 極め付きでおかしいのがストーリーで何故か敵地に捕らえられている一般人を放置する。別にフランクに何か危害を加えた訳でも無い。
      • 前述の言動や後述の要素により本作のサイコパスはフランクと呼ぶプレイヤーも多数。
      • PVや『マヴカプ3』などのゲスト出演ではゾンビに対して遊んでるようにも見える場面もあるが、それはあくまでも外伝の話。
      • 従来作の本編では人間味を持ちつつも要救助者を助ける正義漢であったため、特にシリーズファンから改悪として批判された。
  • 助手のヴィック
    • 元々スキャンダルのネタを持ってきたのはヴィックで、人体実験に関するネタで期待していた癖に、写真を撮ってズラかろうとしたフランクに「見捨てるつもり!? 酷い!(要約)」と言い放った挙句見つかるような行動をとりフランクを見捨てる。
    • 言動単体で見ればよくある物だが、流れと噛み合っていないために不自然。
    • 他にもフランクのネタを盗もうとしたり街の住人を情報のために売ったりと、ただただ胸糞悪い存在で終わっている。
    • 一応、謝罪はあるが何故か上から目線な上、その後フランクを軽く煽る。
  • 過去作のテーマに反する設定・追加要素
    • 中ボスに当たるサイコパスが削除
      • 似たような存在であるマニアックはいるが、ムービーシーンや登場シーンが無く、変なキャラクターがマップ上に出現していきなり戦闘が開始される。ボス扱いではないのかサイコパスに比べて弱い。
      • キャラクター面でも『1』のように、アウトブレイクのせいで狂ってしまった可愛そうな人や『2』のような極悪非道な狂人はおらず、印象に残るような強烈さは無い。
      • 一応、ストーリー上で戦うことになるトムがそれに近い存在にはなっているが…。
      • また、なりたてゾンビと進化型ゾンビが鬱陶しく、この2体は設定上異常な程素早く攻撃力も高いため、移動が多くなりがちな本作ではただの邪魔な存在である。
      • 『2』からゾンビが強化される傾向にあるが「一番怖いのはゾンビよりも狂った人間」がテーマのこのシリーズにおいて、この2つは明らかな改悪点と言える。本作におけるフランクの胸糞っぷりはそのテーマに沿っていると言えなくもないが。
  • DLC「フランクライジング」
    • 本編の最後でゾンビに襲われゾンビ化し人間に戻るために奮闘するストーリー。要はDLCで真エンディング。
    • 1,080円という値段に対し、本編とは違いマルチエンディングではあるもののボリュームは1時間30分しかなく割高感が強い。
      • そのマルチエンディングも少しシーンが違うだけでかなりあっさりした物となっている。
    • ストーリー上では「街が焼き払われる前に、人間に戻るための素材である「寄生蜂」を各所のポイントでミニゲームをこなして集め、ゾンビ化を治療する」という流れ。
      • プレイ内容としては『OTR』のサンドボックスモードで、時間制限以内に全てのミニゲームをこなす…という形に近い。
    • 本編と違う「ゾンビらしい」アクションができるのは好評。だが、逆に本編でできたアクションは何もできなくなっておりすぐ飽きる。

総評

フランクさんが主人公に返り咲いたということで期待も高まっていたが、シリーズの伝統要素を悉くオミットして魅力を失ったまま「凡庸なゾンビドンパチゲー」という評価に落ちてしまった。
バグやキャラ改悪等の改善点よりも改悪点が多いが、それを許容出来れはまともに遊べる範囲内ではある。
とはいえ、一世を風靡した人気シリーズの最終作としては非常に残念な結果となってしまった。


余談

  • 前述したように本作におけるフランクの性格は過去作とかけ離れているため、本作の世界は『2』のマイナーチェンジ版である『OTR』から派生したパラレルワールドではないかと憶測するユーザーも存在する。

DEAD RISING 4 Special Edition

【でっどらいじんぐふぉー すぺしゃるえでぃしょん】

ジャンル ゾンビパラダイスアクション

対応機種 プレイステーション4
発売元 カプコン
開発元 カプコンバンクーバー
発売日 2017年12月7日
定価 5,990円(税8%込)
プレイ人数 1人(ソロプレイ時)
1~4人(マルチプレイ時)
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 クソゲー
シリーズファンから不評
劣化ゲー
ポイント まさかのセーブデータ破壊バグ追加
開発元の対応の拙さで批判が続出
新要素のカプコンヒーローズは好評
不作でシリーズ展開が完全停滞

概要(PS4)

『DEAD RISING 4』に全てのDLC+追加要素(カプコンヒーローズ)を入れた完全版。
なお、Win(Steam)版と同様に発売元はカプコンとなっている。


問題点(PS4)

  • セーブデータ破壊バグ
    • 本作の最大の問題点。原因は元々デイワンパッチとして配信する予定だったアップデートパッチが後日に配信され、アップデート前とのセーブデータとの互換が取れなくなることが原因。
      • 無料だがDLCが何故か別途ダウンロードが必要だったのも原因の一部の模様。最初から収録しておけば…。
    • また、場合によってはPS4本体のシステムが壊れることがある模様*4
      • さすがにアップデートを重ねた現在は、本体のシステム破壊は報告されなくなったが…(余談参照)。
  • 元のゲーム性は良くも悪くもそのまま。つまり欠点もそのまま。

評価点(PS4)

  • 元のゲーム性は良くも悪くもそのまま。
  • マニアックの強化
    • 固有武器の所持及びAIの強化がされている。それでも弱いが。
  • 追加要素「カプコンヒーローズ」
    • フランクさんが「リュウ」「ダンテ」「アマテラス」「アダム*5」といったのカプコン人気キャラたちのコスプレをできるモード。
    • 中には「モリガン」「ジル」といった女装も存在する。やはり本作のサイコパスはフランクさん。気持ち悪いね。ただの衣装替えではなく、各衣裳に着替えると波動拳等を特殊技として使用できる。

総評(PS4)

1年も遅れて発売された完全版であるにも拘らず欠点が改善されていないどころか、本体のシステム破壊とセーブデータ破壊という致命的なバグが追加されたとんでもない代物である。
未だにセーブデータ破壊バグは残っているため、購入は決して推奨できない。
これと同じ内容がSteamにて約4,000円で販売されているため、今から遊ぶのであればOne/Win版の購入を強くオススメする。


余談(PS4)

  • カプコンの対応
    • DLCの配信を停止して間もなく「直すことが出来ませんでした。セーブデータが壊れた場合お手数ですが最初からやり直して下さい (要約)」と発表*6
      • お詫びとして制限時間の無いゼロのエキゾスーツが序盤から使えるようになった。なお、これは元々クリア特典であったため、クリアした際のご褒美が1つ減っている。さらに劣化させてどうする…。
    • 現在(バージョン 1.02)は本体のシステム破壊は報告されていないがセーブデータ破壊バグは報告されている。
  • 開発元のカプコンバンクーバーは本作のバグの酷さで炎上中の最中、呑気にクリスマスツイートをしていた。
  • PS4版独自の要素として宣伝されていた「カプコンヒーローズ」だが、後に他プラットフォームにも無料アップデートで対応された*7
    • 「カプコンヒーローズ」は散々な出来であるPS4版で唯一の長所だったが、これのアップデートよりPS4版の存在価値は一切無くなった。

その後の展開

  • 本作の売上が乏しかったことや開発中タイトルの開発中止などが響いたためか、2018年9月18日に開発元であるカプコンバンクーバーが閉鎖されることが明らかとなった(参照)。
    • カプコンはこの発表の理由に関して「主要タイトルを日本に集中するため」としているが、本作以降『DEAD RISING』の新作は発売されておらず、シリーズが途絶えた状態にある。
      • 一応、閉鎖前にはメキシコを舞台にしたシリーズ最新作『DEAD RISING: Dia de los Muertos』を開発していたようだが、当然ながらこれはキャンセルされている。
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最終更新:2023年12月25日 15:00

*1 『3』でも発売前は時間制限が無いと言われていたが実際は普通にある。

*2 『タツノコvsカプコンUAS』ではPeter Von Gomm氏が担当。『プロジェクト・クロス・ゾーン』では元々英語音声が無い。

*3 Win版では50GB以上の容量を必要とし、スペシャルエディションにおけるダウンロード版は80GB。

*4 ちなみに、これが原因でKOTYが審議を放棄している。

*5 『1』に登場したサイコパスの1人。

*6 DLCの配信は再開されている。

*7 時限独占だった作品の完全版における追加要素が無印にも配信されることはあるが、大幅に遅れて発売されたことを考慮してかそのほとんどが有料DLCとしての販売である。