暁の護衛
【あかつきのごえい】
ジャンル
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お嬢さまお守りADV
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※初回限定版
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※パック版
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対応機種
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Windows 2000/XP/Vista
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発売・開発元
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しゃんぐりら
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発売日
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2008年3月27日
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定価
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【初回版】8,800円 【通常版】7,800円
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レーティング
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アダルトゲーム
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配信
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FANZA:2010年1月22日/4,937円
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判定
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なし
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ポイント
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俺TUEEE系主人公 未完な点が惜しまれる
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概要
有限会社AKABEiSOFT2のブランドの一つ「しゃんぐりら」の2作目。
ストーリー
舞台は近未来の日本。
警察機関は半分麻痺し、膨張していくばかりの犯罪社会。霞んでいく理想の未来。
優秀なボディーガードを育成すると共に、一流の資産家令嬢たちが通っている『憐桜学園』。
そこへ入学した主人公・朝霧海斗は、ボディーガードとしての厳しい訓練期間を経て
晴れてボディーガードの仲間入りを果たした。
周囲の仲間は新たな門出に胸を弾ませるが、ただ一人海斗だけは違っていた。
始業式、海斗は想いを胸に秘めたまま、忍ばせた退学届けに手を伸ばす。
それは今日……学園へと提出されるはず……であった。
一人の少女に出会わなければ……。
一陣の風が吹く。
「気に入ったわ、喜びなさい」
まるで相手を思いやらない口調で、一人の少女は呟いた。
「……なにをだよ」
短く返した海斗の言葉は、僅かに熱を帯びていた。
それは、今までに想像もしたことがなかった、守りたいと思わせる魅力を持った少女。
(公式サイトより引用)
特徴
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テキストウィンドウに文字が表示される一般的なノベルゲーム
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ヒロインは6人おり、道中の選択肢により個別ルートに入る。
評価点
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掛け合い
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本作の魅力として真っ先にあげられるのが、おちゃらけた主人公とそれを取り巻くキャラクターとの掛け合いである。
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うんちくやパロディを交えたテンポの良いギャグの応酬は、ツボにはまった人からは高く評価されている。
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下ネタが多いのも18禁を生かしており、アダルトゲームらしいと言えるだろう。
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キャラクター
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男主人公の「朝霧 海斗」は魅力的な人物だとしてヒロインと同等かそれ以上に人気がある。
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普段はおちゃらけていながらも頭脳身体ともに優れた人間であり、ここぞという場面での活躍は大きな見所。
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毒舌メイドのツキやアホの子として場を盛り上げる妙といったヒロイン勢もそれぞれ人気がある。
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グラフィック
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トモセシュンサクが担当した原画は当時の基準で頭一つ抜けており、安定して高い評価を得ている要素である。
問題点
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起承転結とは言いがたいストーリー
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結の部分がかなり性急で、とりあえず終わらせた感が強いため不完全燃焼になりやすい。
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一部のヒロインは重大な設定が明かされた直後に終わってしまう。
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下記の「禁止区域」や主人公の過去などの掘り下げが浅いことが惜しまれた。
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サブも含めたキャラ数は多いが、その分ヒロイン一人一人の描写が割を食っており、馴れ初めの描写などが薄い。エロシーンがあまり評価されていない一因でもある。
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舞台設定の甘さ
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危険人物が集う「禁止区域」が存在するのだが、一般人の生活区域との境目が非常に緩い。
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一般人でも簡単に出入りできてしまう点が問題視され、「一般人は見て見ぬ振りをしている」という描写に違和感を抱きやすい。
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その他にも本作だけでは謎のままの要素は多数ある。
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人を選びやすい
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俺TUEEE系であることや、男のサブキャラをコケにして笑いを取る点などは、肌に合わない人も多い。
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エロシーンの扱い
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個別ルートの最後に「Aパート」「Bパート」(原文ママ)と表示されるが、これは2種類のエロシーンからどちらを見るかの選択肢である。
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仮置きの選択肢をそのまま表示したとしか思えないような選択肢である事や、最後にとってつけたように入れたシーンである事が非難されている。
総評
キャラクターや掛け合いの面白さを重視し、俺TUEEE系主人公を好む人にはうってつけである。
反面、ストーリーの整合性や舞台設定等を重視する人からは低評価を付けられやすい。
ストーリーが不完全な点はファンからもアンチからも非難されており、続編での補完が期待されていた。
……が、禁止区域関連の不可解な設定はどうにもならなかったのか、さらに謎を増やすばかりでまとまることはなかった。
関連作品
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暁の護衛 ~プリンシパルたちの休日~(アダルトゲーム)
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2008年12月25日に発売されたファンディスク。
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FDらしくヒロインとのちょっとしたエピソードがメインだが、1ルートのみ主人公の過去が掘り下げられる。
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暁の護衛 ~罪深き終末論~(アダルトゲーム)
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2010年4月22日に発売された完結作。
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話のスケールが大きくなり膨大な数のキャラクターが登場する。
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しかし存在意義の分からない新キャラや不快なだけでカタルシスのない新キャラ、禁止区域を含めた物語全体の結末がほぼ丸投げで終わってしまったこと、何より発売当初はバグが多発してまともに遊べなかったことなど、大きく期待されながらも応えられない作品であった。
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有終の美を飾れなかったことが暁の護衛シリーズ自体の不完全燃焼にも繋がっている。
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暁の護衛 トリニティ(プレイステーション・ポータブル、プレイステーション3)
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PSP版は2012年9月20日発売。本作含む3作をセットで移植。
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主題歌・オープニングムービー等が新規収録されている。
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5pb.が移植を担当している。後にPS3にも移植された。
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暁の護衛 トリニティ(アダルトゲーム)
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2014年2月28日発売。コンシューマー版の要素を加えた再移植版。ダウンロード販売もされている。
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下記のブランド統合の関係で「あかべぇそふとすりぃ」ブランドから発売された。
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レミニセンス(アダルトゲーム)
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レミニセンス Re:Collect(アダルトゲーム)
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レミニセンス -コレクターズエディション-(アダルトゲーム)
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本作と同じ原画家・シナリオライターが製作。舞台や人物に繋がりがある。
余談
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あかべぇそふとつぅグループはクリエイター等によってブランドを分けており、多くのブランドを抱えていた。
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しかし、増やしすぎてかえって分かりにくいという意見を受けて、細かいブランドは統合されることとなった。
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そのため「しゃんぐりら」ブランドは「あかべぇそふとすりぃ」ブランドに統合され、サポートも「あかべぇそふとすりぃ」が行っている。
最終更新:2023年03月10日 18:03