レナスII 封印の使徒

【れなすつう ふういんのしと】

ジャンル RPG
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売元 アスミック
開発元 アーケイディア
イメージワークス
フィルインカフェ
ミント
発売日 1996年7月26日
価格 9,800円(税別)
書換 ニンテンドウパワー
1997年12月1日/1,000円/F×3・B×4
プレイ人数 1人
セーブデータ 3つ
判定 良作
ポイント 前作から大幅に進歩
溶岩はトラウマ
レナスシリーズ : I - II


概要

レナス 古代機械の記憶』から3年以上ぶりに発売された続編。前作から数年後の世界が舞台。
前作からストーリー、演出ともに大幅な進化を遂げている。また、前作を知らない初見プレーヤーが始めても良いようになっている。
パッケージは、緑地に龍が描いてあるだけの簡素なデザインであるが、そこからは想像も付かないような壮大な世界が構築されている。


特徴

登場人物

  • ファルス
    • 本作の主人公。光をもたらす「神」として目覚めた少年。「大統一」の儀式を行うべく4つの秘宝を集める旅に出る。
    • 万能キャラ。すべての装備アイテムを装備可能。前作の主人公チェズニでは装備出来ないものがあったが、ファルスは全て扱う事が出来る。しかも、パラメーターの成長のバランスも良く、全ての精霊を使えるようになる。
  • サイン爺さん
    • 序盤でファルスにサインをねだる。エンディングでは……
  • 巨人イグレス
    • 元々は巨人だったが変なものを拾い食いして分裂してしまったのが悩みの種。ははははは…が口癖で優しい巨人。
  • 死神フォルガ
    • どこかのダンジョンに潜伏しながら、毎日のように人々の命を奪っている。シナリオ・戦闘バランスともに序盤最凶のボスとされており、経験値ゴールドともに最高値。
  • ペトロ
    • ニグレンの長城の主。今はニグレンの護民官として人々を治めており人望に厚い。その正体は…。
  • ミディア
    • 前作のヒロイン。幻影城の主。

邪悪なる者達

  • グラナダ
    • 惑星ライガにおける破壊を司る神。4天使を従えて世界を滅ぼそうとしている。
  • 4天使
    • その力は凄まじく、4人で1つの首都も簡単に滅ぼしてしまう。
    • 前作の逆恨みから街の破壊や人命を奪うといった行為を平然と行い、もっともらしい詭弁を振りかざしながらトラウマをえぐってくるのだが、論破された際は、武力行使に出る。
    • ボス戦の曲も4天使用があるが、4人とも同じではなく、それぞれに違う曲が用意されているという力の入れっぷりである。
    • その他の部下もグラナダ自身も、世界を滅ぼす過程で多くの命を平然と奪ったり弄んだり、人質を取ったりと、やることは全員例外なく外道の極みである。
  • 4天使の他にも、凶悪な者たちがグラナダの忠実な部下として、ファルスたちに牙を向いてくる。

非常に広大な世界観

  • 前作では1つだったワールドマップが3つまで増加された。
    • 本作は地底世界アンデル、地表のエルツ、前作の舞台だったレナスという区切りで成り立っている。
    • 時列は前作から数年後であるため、前作のキャラクターも登場するが、レナスへ行けたりするのはかなり後の話になる。

システム

  • 前作のシステムは健在。それに加え、新たな仕様が実装されている。
  • 傭兵
    • 酒場を訪れると傭兵が点在。一定金額を払うと共に戦ってくれるようになる。
    • 一度雇ったことがある傭兵を呪文や酒の匂い(というアイテム。450G)でいつでも呼び出すことができ、エンディングにも登場するのは前作と同じ。
    • 前作では主人公、ヒロイン、傭兵2人だったが、本作は最初から最後までファルスと傭兵3人で戦っていく事になる。
    • パーティ内で装備を変更して使いまわすことも可能となり、編成の自由度が向上している。
  • ロボットのメカニードスは今回も登場するが加入条件が変更された。
    • 前作ではダンジョン内で話しかけるだけで加入したが、今作ではメカニパーツとメカニハートをDr.リュウの研究所に持って行って製造してもらうことで加入可能になる。
      • 製造時に持ってきたメカニパーツによってメカニードスの装備とパラメーターが変化する。
    • また、やはり通常の方法ではHP回復が出来ない点は前作と同じだが、今作では専用のHP回復手段として「メカニエナジー」というアイテムが新たに登場する。
  • 十字ボタンによる片手操作
    • 戦闘、メニュー画面、選択肢の選択も片手で行えるようになり、戦闘以外でも空いている右手で攻略本を見たり、メモを見たりすることができる。

新しい仕様

  • チュートリアル
    • 序盤では人々がゲーム内の仕様を懇切丁寧に説明してくれる。呪文の解説や新しい仕様のBダッシュなど非常に分かり易い。
  • Bボタンによるダッシュ
    • 町、ダンジョンでダッシュ移動ができるようになり、移動が快適になった。
    • 本作は巨大な街を多数行き来する機会も多いので、その有難味を実感するだろう。
  • セーブはどこでも可能になった
    • 前作は宿屋のお姉さんや神々の御座のロボットに話しかけて行ってセーブを行っていたが、今作は町・フィールド・ダンジョン問わずいつでもどこでもデータのセーブができる。
    • それに伴い、持っているGを半分にして出口にワープするコマンド「おたすけ」が実装された。
    • 一部、セーブ禁止のエリアも存在しており、これが後述する問題点へとつながっている。
    • また、プレイ時間の経過も表示されるようになっている。
  • 新システム「精霊狩り」
    • 前作では戦闘中に呪文を唱えるだけで精霊習熟度が上昇したが、本作では倒した敵の属性精霊を取得することで上昇するように変更されている。上昇の対象となるのは、装備している属性精霊のみ。
  • 精霊入手方法
    • 前作では各町の学問所で精霊の書を購入する事で精霊が入手可能だったが、今作ではワールドマップ各地にある神殿と、エルツの海を泳いでいるゾルバン体内に潜んでいる精霊を倒すと入手できる。
      • 入手した精霊は各町の精霊交換所で装備する必要がある。
  • ミニゲームも追加
    • 川で制限時間内にアイテムを集めたり、レースが開催されたり色々と用意されている。

評価点

壮大な世界観

  • 3つの世界
    • 前作では1つの世界であったが本作では3つの世界が用意されている。前作のレナスへいく事も可能で、新しさと懐かしさを感じるだろう。
  • 全体的なグラフィック向上
    • 前作のグラフィックはどちらかといえば、ファミコンに近い水準だったが、今作のグラフィックはスーパーファミコンソフトの中でもかなり高い水準に達している。前作を知っていれば、その違いに驚愕すること請け合い。
    • 前作のフルアニメーションバトルもさらにパワーアップ。
      • 32MbitのROMカートリッジ容量を生かし、前作よりさらにド派手な戦闘となり、臨場感がさらに味わいやすくなった。
    • 空飛ぶ乗り物も健在であり影の大小という仕様はないが、広大な世界を飛び回れるのは良い。
    • SFC末期だけあって、スクエニ大作にも引けを取らない。「むしろ上回ってる要素も数多い」という反応もある。
  • 田中公平氏による作曲は今作でも健在。
    • 前作のBGMをアレンジしたり、新曲も作曲しており、さらに評判が高くなった。
    • 地表のエルツのフィールド曲は、氏が後に手掛ける『アランドラ』のフィールドの曲と似ていたりする。
  • 文章のフォントも大幅に向上
    • 従来は平仮名ばかりのフォントでファミコンと大差なかった文章面も、本作では漢字も多用されていて綺麗に読みやすくなっている。
    • また、Aボタンを押しっぱなしで会話をスキップしていても、選択肢が発生したらそこで止まるようになっている。
  • アイテム
    • 1つ1つのアイテムに詳細な解説がついており、読みがいがある。
    • 整頓機能が付いた事でアイテム一覧をより快適に使えるように。
    • 武器防具屋で購入する際、装備前と装備後のパラメータ比較が出るので、どの武器防具を買い揃えればよいかがわかりやすい。
  • 個性豊かな兵士団
    • 登場する傭兵も皆個性があり、ダンジョンで協力のお礼に追加料金を要求してきたり、 「あなたのファンなのでG出しますから加入させてください」 と言ってくるキャラもいる。
      戦闘以外でも店で値切り交渉してくれるキャラもいれば、「あいつがいるからお前たちとは組まない」と言ってくるキャラもおり、前作では子供だったが鍛えて強く成長したキャラも登場…など実に多彩である。
    • コンシストではキーナは今作では仲間になってくれない。10年以上経っても似たような事をやっているのでかなり痛いところ。代わりにゼーンが1680Gで雇えたりする。
  • 中には意外なキャラが優秀な戦力になったりするので、パーティ編成に奥深さを与えている。
  • 戦闘
    • 戦闘前に味方キャラクター達の背後が表示されるようになった。
      • 一瞬ではあるが等身大グラフィックで臨場感が向上している。
      • エンディングではスタッフロールが流れる中、敵の猛攻に立ち向かう主人公達が表示され、感慨深い。
  • 敵キャラも豊富
    • アニメーションは健在で、攻撃や回復など多彩な動作を見せる。
    • バリエーションも豊富であり、分裂するザコ敵、遠い場所から人々を絶命させる者、ヨッパライ、良心に苦しみながら牙を剥いて来るボス、こちらを回復させてくる敵など『イデアの日』ばりである。
  • ボス関連
    • ボスがいるフロアではBGMが変わり嵐の前の静けさを表現。ボス戦の曲も種類が多い。
    • ボス撃破の際は通常戦闘とは違ったファンファーレまで流れて来る。

呪文の仕様を改善

  • 本作では簡単な解説が見ることができ、使い方を人々が教えてくれるので非常に分かり易くなっている。
  • 「ナンエネミ」の効果変更
    • フィールド、ダンジョンでは、エンカウントなしで一定歩数を移動出来るように効果が変更された。
  • 呪文「ダデグレト」の追加
    • 戦闘で気絶(きぜつ)した仲間を復活させる効果があるため、戦闘中の復帰が容易になった。

その他

  • 宝箱の仕様も改善
    • 一度開けた宝箱は空いた状態で表示されている。RPGにおいては当たり前の仕様と言われるが、前作にはそれがなかったため、不満点として挙げられていた。
    • イベント関連では、エルツの最初のシーンで、メッセージと共に必須アイテムが手に入る場面も用意された。
  • イベントアイテムの買い取り屋がある
    • 使わなくなったイベントアイテムは、その後捨てる事も出来ず、アイテム欄を圧迫すると思われがちだが、本作では買い取り屋が用意されている。使い道のなくなった笛やマイラのかぎまで買い取ってくれるようになっている。
    • これにより、必要な時はうっかり捨てないようになっており、使い道が無くなった後のアイテム欄解消にも貢献。
      • 贅沢を言えば、能力アイテムを高く買い取ってくれる人もいれば面白かったという意見もある。
    • しかも、終盤にはこれに関したネタが用意されており、ラスダン入口の隠し宝箱に『ギャラクシーロボ』のソフトと思われるものが入っており、長い道中を引き返して買い取り屋へ持って行くと、店主がこれについてスタッフの熱意を代弁するように熱く語ってくれる。
      買い取り額は安いので実用性は無いが、ぜひ一度見てほしい。
  • 本作では鬱展開も多いがユニークな要素があるので、辛いだけのものではないようになっている。

賛否両論点

  • セーブ仕様
    • どこでもセーブ可能になっており、所持金が半減するとはいえ出口に戻れる「おたすけ」コマンドがあるので詰むという事は無い。
      • その「おたすけ」コマンドも、店売りしている安価なアイテムで解決できるので有難味が薄い。
      • ただし、ロクに買い物も出来ないような状況で、強いボスへ挑むしかないというときに、仲間を解雇したりすると本当に詰むので注意。
    • どこでもセーブできる一方、セーブ先はプレイ中のセーブデータへの上書きしか選べず、任意のデータに保存することができない。
      • タイトルメニューでセーブデータをコピーすれば、一応やり直しがきくようにはなっている。
  • パラメータ「幸運」の廃止と「知性」の新設
    • 新設された「知性」は、精霊の習熟度に関係なく呪文による敵へのダメージに影響する。
      • 一方で、攻撃の命中率や逃走成功率に絡んでいた「幸運」が廃止された。
      • パラメータ面で言えば物理攻撃重視と呪文攻撃重視の性格分け的なものができたとも言える。
  • 全ての傭兵が永久離脱しない
    • 全ての傭兵と別れても後で再加入することはできるが、外すことができない傭兵は相変わらず。
      • チェチェとシロッコとメカニードスは「気絶」で戦闘後にパーティから外される事は変わらないが、メカニードスのみメカニパーツを集め直して再びDr.リュウに製造してもらえば再加入可能。
  • 敵は色違いが多い
    • 新しい場所に行っても以前のザコ敵の色違いでパラメーターを上げただけの敵キャラしか出てこず、似たようなバトルが展開されるで飽きやすい部分はある。
    • 8つの精霊に関しても、外見が色違いであり、やってくる事もあまり変わりはない。
      • 実は精霊を無視して進行してもエンディングでは精霊が登場している。ゲーム開始前から既に精霊を倒していたのだと考えれば辻褄は合うか。

ストーリー

  • ボリューム
    • 本作は3つの世界とある通りかなりボリュームがある。そのため普通にクリアするだけでも相当骨が折れる。
    • シナリオもどぎついが、難易度もどぎついので戦闘も毎回毎回苦戦すると考えた方が良い。
  • ストーリーは重い
    • 本作でもやはり多くの町が滅ぼされたり、人々が目の前で殺されたりしている。中にはバイオベースに匹敵するようなトラウマイベントも有り。
  • 地底世界アンデルについては…
+ ネタバレ閲覧注意
  • 4つの秘宝を集めて大統一を始めたら大陸がドッキングして人々が戸惑う中、主人公ファルスもまた訳のわからないまま地表エルツへ飛ばされる。
  • そこにはグラナダの手先がおり、実は大統一とは、グラナダの仕組んだ罠だったと告げられるファルス。人々の安否も気になるが戻る手段もなく、ペトロ勅命のもと大統一を阻止すべく8つの封印集めの旅に出て、紆余曲折の長旅を経て7つは何とか入手してくる。
+ 続き……
  • ペトロによると8つ目の封印はグワンデルにあると言われる。再訪するとそこには惨状が広がっていた。
  • あれから長い間、人々は炎と溶岩に苦しんでいたのだ、多くの命は失われ、中には気がふれておかしくなった者まで…あのダウンタウンが天国だと思えるくらいである。
    • 死神フォルガを倒さなかった際は居るのだが、戦闘かと思いきや終わりだと言っている始末。
    • 人々からも、あんたこそ死神ファルスだよ。あのとき殺しておけば良かったとまで言われる。
  • 洞窟は怪物の巣窟であり、道中の雑魚敵からしてフォルガよりも強いという。
  • 最深部では凶悪なボスを倒して封印は手に入れはしたものの、そこからは為す術もなく世界が滅亡していく様を目の当たりにする。しかも、それが(仕組まれていたとはいえ)ファルス自らの手で引き起こしたという事実を突きつけられるのだから本当にたまらない。
  • 前作でも序盤でマグマで壊滅しかけた町があったが、原因を片付ければ即座に町は元通りで万々歳だったのに対し、本作は真逆になっている。
    • もしかしたら、ペトロは前作ばりに解決するのを期待していたのかも知れない。
  • 本作、ひいてはRPG史上一、二を争うほどの後味が悪いイベントとされている。
  • わらしべイベント
    • 本作は街の方も広大になったのだが、そこでお使いイベントをするのは大変である。最短手順でも5分以上はかかり初見ではかなりの手間となるだろう。また、必須イベントでもあるので避けても通れない。

問題点

仕様について

  • 傭兵の仕様
    • 顔グラのサイズは64×64だったのが、32×32になった。
    • 編成の利便性が非常に悪い
      • 序盤では5人揃っているので入れ替えやすいのだが、それ以降、離脱が始まってからは、再度仲間にしたいキャラのいるところまで足を運ぶか1つ450Gの「さけのにおい」を使うしかない。
    • 長期間離脱していたキャラはレベルがそこで止まったままなので、再加入後はパーティのレベルに合わせて経験値を稼ぐ作業を強いられる。面倒がって戦力外にしてしまうことも。
    • コンシストのゼーンは、4天使を憎む気持ちがあると言うが、バルモドではなくザウバーと言っており、討伐済みでも同じセリフを言っていたり、 ちなみにザウバーというキャラは本編中には一切出てこない。 (ザウバーとはバルモドの苗字なので間違えてはいない。が、製作者のブログでしか公開されてなかった裏設定であり、そもそも何で彼だけ苗字呼びなのかが謎ではあるが。)
      • また、4天使を全員討伐しないと行けない場所にいるモブが「4天使のベルツは火の呪文に弱い」などと今更のような情報をよこすなど、スタッフのセリフ編集チェックを忘れていたと思しき場面が。
    • シナリオと傭兵の接点が薄い
      • 自由にパーティを編成できるという点の裏返しか、傭兵たちは本編中においてはサブキャラ的な立ち位置で、加入当初こそ色々なセリフをしゃべってくれるが、イベントや本筋には殆ど関わってこない。たとえ主人公が殺されかけていたとしても、サブキャラの彼らには固有のセリフを用意してやれる余裕がなかったためか、終始無言というシュールな状況に。
      • ギルレイに復讐を誓った傭兵マイラを仲間にしていても、ギルレイ戦においても特別なやりとりはなく、討伐後は何事もなかったかのように離脱するとのみ。ただしこの一連のイベントをこなさないと、彼女を再度仲間にすることは出来ない。
      • とはいえ、石化が解除された時には感謝のセリフを言ったり、結婚イベントがあったり、エンディングでは会話など若干イベントが用意されていたりと、まったくの空気というわけではない。
  • 精霊は2つまでしか装備できない
    • 前作では主人公チェズニ以外のキャラクターが火以外の精霊の呪文を全て使う事が出来たが、本作では精霊を装備できるのが2つまでのため、使える呪文も装備した精霊の呪文のみに限られている。
    • 主人公ファルスはすべての呪文を使えるという言い方をされていたが、実際は精霊交換所の装置で交換して揃えなくてはならないので大変。
  • 戦闘中に会話の類は無い
    • 殆どが武器と魔法で殴り合うばかりであり、唯一のやりとりが人質のグラフィックが出て来る場面である。
    • ペトロ達の共闘もあるのだが戦闘中は会話は出ない。
  • セーブ仕様
    • セーブファイル数が削減
      • 前作では4つだったが本作では3つになったのは残念。また、はじめからを選びたい場合はセーブデータをどれか削除しなくてはならない。
    • セーブした直後にすぐ閉じるので、そのセーブファイルを見る事は出来ない。
      • 前作ではセーブした直後にファイルが更新されるとこが見れたが、今作ではすぐ閉じてしまい分からない。
      • 特徴の項で述べたセーブ禁止の区域でボスを倒した直後、セーブを選んでも実際はセーブされてないので、ここで電源を切ったりするとまたボス戦からやり直しとなる。
      • セーブ禁止区域についても手前には人物が一応説明してくれるようにはなっているが、どこでもセーブできる本作の仕様に慣れたプレーヤーを困惑させることに。

取り返しの付かない要素も多い

  • 序盤にとんでもない裏技がある
    • ファルス神殿の最上階で通れない地形があるがそこを調べると…隠しアイテムを手に入れたというメッセージが出る。これ幸いとセーブするとその時点で詰む事になるだろう。
    • それというのも、この隠しアイテム、チートレベルの性能を持った公式アイテムなのだが、手に入れるとアイテム欄の殆どを武器防具などで埋めてしまう現象が発生する。
    • これにより、イベントアイテムも置き換わってしまうため下手をするとそこでゲームが詰んでしまう。…これにより別の取り返しが付かない事を回避出来たのはここだけの話
    • 実用的なのは本当に最初にファルスと5人の仲間に最強装備をやらせるまでが良いだろう。それ以降は絶対に無視する事。
  • 精霊に関しても序盤で見逃してしまうと二度と取りに行けない
    • ただし、金の精霊については住民が精霊を取りに行くと良い事を教えてくれるようにはなっている。
  • 最初の5人の仲間
    • 予め5人とも一度外したり雇ったりしておかないと後々二度と仲間に出来なくなる。後でまた来られると思っていると、仲間にするチャンスはもう来ない。
    • このあたりはプログラムでフラグを予めやっておけば問題なかったところである。
  • 傭兵マイラ
    • ギルレイ戦に同行させておかないと、後々仲間に出来ない。
  • ジンバルの生死によるサブイベント
    • ハモンドの丘にあるジンバルの屋敷でサブイベントを発生させ、ダウンタウンにいるジンバルに特定のアイテムを渡したり…といったわらしべイベントをこなした結果、ジンバルが正体を表し、ファルスたちの敵になる。敵となったジンバルは倒すしかなく、救う事ができなかったという後味の悪い展開に。
      • ちなみにこのイベントを無視してラスボスを倒すとエンディングでジンバルが生存する。
    • このため、アイテムだけ手に入れて、後のイベントは無視・途中放棄した方がプレーヤーとジンバル双方にとって良い展開になる。

ゲームのバランス

  • 石化関連の難易度
    • エルツに到達してからみそぎの神殿であるイベントをクリアするまでの間の難易度が非常に高い。
      • 原因はエルツに飛ばされて早々にファルス以外のキャラクター全員が「石化(いし)」の状態に陥ってしまい、ファルス単独での戦いを強いられるからである。
      • 「石化」は「気絶」同様戦闘に参加することができず、クリアボトルや呪文でも治せない。勿論、戦闘不能扱いであるが、これ以降は誰も石化はやって来ない。
      • ファルス単体でボスを討伐しなければならないのだが、充分に成長させておかないと、みそぎの神殿までの攻略が苦しくなる。そもそも、その直前のイベントが楽しいものを期待したプレーヤー、登場人物にとっては騙し討ちみたいな展開なので十分な備えが無かった事もありうる。
  • 中盤の8つめの封印
    • ここは準備不足で来ると苦戦を強いられて、悪ければ「詰む」危険性がある。
    • 色々な意味で凶悪なボスが待ち構えているからである。攻撃もさることながら大回復で粘って来るため、火力が無いパーティーでは倒すのが困難である。
    • 武器防具屋も無くなっており、道具屋でも「さけのにおい」を売っていないので戦力を整えるのが難しい。フィールドに出る事も出来なくなっており…を手に入れて来る事も出来ない。出来たところで今度は別な理由で困ることになるが…
    • 「おたすけ」コマンドも意味をなさず、エルツへ戻って態勢を立て直す事も出来ない。
      • 傭兵についても5人の仲間との再会は出来ないし、クレイトンはこの期に及んで追加料金をせびってくる始末。断ると離脱してしまい、どう考えても運命を共にしたとしか思えないのだが、後にダンクの村へ行ってみると何事も無かったかのようにいるので、流れがおかしいと言える。
  • アイテムドロップ
    • アイテムの所持数が上限いっぱいだと戦利品のドロップは発生しないのは相変わらず。
    • 終盤のボスは低確率で強力な装備を落とすのだが、これのためにボス戦を繰り返すのは厳しい。当初は熱い戦いと思うが後は作業ゲーになりがち。
  • 船を地形の裏に停泊させると厄介
    • 船が手に入るのは良いのだが、この作品のフィールドには地形に隠れた場所が散見しているのでそこに停泊して忘れてしまうと探し出すのが大変な事になる。

総評

前作から長い月日を経て登場した続編は、非常に壮大な物語となり、グラフィックや音楽といった各要素も順当に進化を遂げ、ストーリーを盛り上げている。
数々の新要素も前作と比較して冒険の難易度を低くする方へ働いており、遊びやすさにつながっている。
SFC後期のためあってか大きく目立つ事は無かったが、RPG史に残る知る人ぞ知る名作となっている。
大作RPGを楽しみたいという人にはお勧めできる作品と言えるだろう。


余談

  • 本シリーズは『レナスIII』をもって完結する予定であったが、未発売に終わったため、シリーズは未完のままである。
  • ディレクターの柴尾英令氏のブログでは、傭兵や4天使のフルネーム等の裏設定や、没になったフィオルラ族の女傭兵の情報が載せられていたが、氏の急逝によりブログも削除され閲覧不可となっている。
  • 前作よりも生産本数が減り1万本しか生産されていないらしく、現在でも高値で取引されている事が多い。
    2021年現在においても箱、取扱説明書なしの状態で定価以上で取引されるまでになっている。
    • ちなみに同日に『スプリガン・パワード』が発売されているのだが、こちらもプレミア高騰ソフトとしてしられている。同日に発売された作品がどちらもプレミア高騰というのは非常に珍しい事と言える。

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最終更新:2023年12月15日 15:04