GITADORA Matixx GuitarFreaks / DrumMania
【ぎたどら まてぃっくす ぎたーふりーくす/どらむまにあ】
概要
GITADORAシリーズにモデルチェンジしてから5回目のオンラインリニューアルアップデート。
今作ではシステムの重要な基幹となるスキルに大幅な仕様変更が施された。
特徴
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フレーズ判定の導入
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従来の判定係数とMAXコンボ率とは別に、フレーズ単位で判定されるフレーズコンボシステムが導入された。
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フレーズコンボは、曲ごとの区切り毎のフレーズをノーミス(=そのフレーズをフルコンボする)で演奏出来た分だけ、達成率にボーナスが入る仕組みとなっている。
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加えてフレーズコンボを成功するたびにエキサイトゲージが一定量回復する。
各曲に設定されてあるSpecialフレーズ(大体がサビパート)ではノーツごとのゲージ回復量もアップする他、Specialフレーズコンボ成功時はゲージが大幅に回復する。
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近年のpop'n musicシリーズで導入されている「ハイライト」システムをGITADORA向けにアレンジして実装した物と言っても過言では無いだろう。
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なお、pop'n musicシリーズでは過去にはハイスピードの仕様やオプションプレビューなどGF/DMシリーズのシステムを独自にアレンジして実装することが多いが、その逆のパターンとなるフレーズコンボの存在は珍しいケースと言えよう。
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また、新曲登場後一定期間内にフレーズコンボを達成することで解禁要素が発生する「フレーズコンボチャレンジ」が一般配信曲とPREMIUM ENCORE専用曲でそれぞれ開催された。
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前作での「PREMIUM ENCORE入れ替え時における目標PERFECT率リセットの廃止」が、PREMIUM ENCORE専用曲でのフレーズコンボチャレンジにおいて「入れ替えが行われるまではENCORE止まりにして目標PERFECT率緩和を積み上げ、入れ替えとともに開催されたチャレンジを緩和にあかせて一気に終わらせ、翌日以降は次回のチャレンジに備えてENCORE止まりのプレーを繰り返す」といったスタイルを可能にした点で評価されることにも。
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なお、前作までの達成率は「判定係数:85% MAXコンボ:15%」だったが、今作から「判定係数:85% MAXコンボ:5% フレーズコンボ:10%」に変更されている。
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今までは楽曲中間で1ミスしただけで達成率=スキル更新に大きな影響が出ていたので、後述する問題はあるもののコンボの影響は実質的には緩和されている方である。
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難度値表記の再調整
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前作で猛威を奮ったExclamationやRAISE MY SWORDといった詐称譜面が大幅に難度値アップ。
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さらに高難易度のBASIC譜面やADVANCED譜面に大幅な調整が入った。
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イベント熟練度システム
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イベントによっては難易度が設定されており、進捗に応じて各イベントの熟練度が算出される。
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計算式がなぜか「難易度/1.5×達成率の%数値」となっている。
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熟練度上位15枠の合計で各プレーヤーのイベント熟練度を競うランキングもあるが、上位の特典はない。
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そもそも過去のものも含めて全イベントを制覇していれば自然と1位になる。
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ランキング自体に特典はないが、集計対象を7枠および15枠埋めることで解禁される楽曲はある。
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その他システム面
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本作では新たに「ムービー表示」「フレーム表示」「詳細情報表示」の計3種類のカスタム設定が追加された。
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本作におけるムービーはフレーズ判定導入に伴い従来のGITADORAシリーズで採用されていた全画面から初代XGを彷彿とさせる全画面+小窓という形式になっている。
なお、ムービー仕様に関してはオプションの「ムービー表示」で調整可能。
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詳細表示の実装によってか、選曲画面での詳細情報表示とプレー中の判定数表示におけるON/OFFが連動しなくなった。
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ムービー仕様の変更により、演奏画面のレイアウトもGITADORA以来の大幅なモデルチェンジを果たしている。
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選曲画面では待望のアーティストカテゴリが追加。
このカテゴリでは他機種同様にアーティスト名で楽曲を絞る事が出来る他、コナミ社員の楽曲のみに絞れる「BEMANI Sound Team」フォルダも存在。
近年のBEMANIシリーズにおけるコナミ社員の楽曲は「BEMANI Sound Team」に統合される方針があり、楽曲をBSTのみに絞れる機能は非常にありがたい。
評価点
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Deluxeモードによる解禁救済処置
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以前から問題になっていた解禁曲の救済無しに対し、Deluxeモードによる救済処置がようやく設けられた
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料金はSTANDARDの1.5倍と少々割高であるが、DX解禁チャレンジフォルダ内にある未解禁曲をプレーするだけでモード関係なくプレー可能となる。
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かなり前のOverDriveである『BEMANI遺跡』、前々作Tri-Boostの『BEMANI SUMMER DIARY』『GITADORA ROCK WAVE』等、終了済みイベントの楽曲がDeluxeモードの解禁対象に。
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前作のRe:EVOLVEにおける隠し曲はThe 7th KAC終了後より対応。約2/3が対応しており、その他にもRe:EVOLVEのENCORE専用曲が2018年2月及び3月に無条件解禁移行しており、EXCHAIN現在常設の救済がないRe:EVOLVE隠し曲は連動イベント3曲のみ。
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ちなみに本作のイベント曲は、「SWEET SMILE HEROES~ビターでスイートな七人の勇者~」の7曲に限りThe 7th KAC終了以降DX解禁チャレンジで救済されている。
賛否両論点
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フレーズコンボの良し悪し
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今作で導入されたフレーズコンボは、フレーズの序盤・終盤でも容赦なくそのフレーズ全体のコンボ判定に入る。これはフレーズの区切りをまたいで2個のノーツをミスした場合、一気に2フレーズが失敗と判定される可能性があるということでもある。
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また前作と同じようなプレーでも、達成率が変動する場合もある。
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このシステムでは中盤で1ミスしても判定係数次第ではSS判定に到達する可能性が残る反面、序盤・終盤の2箇所でのミスに厳しい傾向がある。
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特に設定された総フレーズ数が少ない曲(本作における最小総フレーズ数は4)で悪影響が強い。これらの場合は1ミスでの達成率低下が今までと殆ど変わらない場合が多い。
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一方、総フレーズ数が多めに設定されている曲(LONG曲など)は、ある程度フレーズコンボを取れれば前作より達成率を稼ぎやすくなっている。
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フレーズコンボ自体は、元々MAXコンボへの依存が大きかったこのシリーズに於いて「一度のミスで記録更新の機会を早々に失い、それによるプレー意欲の低下を防ぐ」という意図から導入されたものである。フレーズの名の通り、曲の構成にも起因する問題でもある為止むを得ないところもあるが、『pop'n music』のように局所的な設定をしていればより問題を緩和できていたのかもしれない。
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新曲譜面の大幅難化
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今作の新曲では中難易度でも露骨な難所が存在していたり、明らかにコンボを切らせる譜面が目立つようになった。
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まだフレーズコンボを導入して最初の作品だったゆえ、譜面の方向性について手探り状態な事も見受けられるが、それを考慮しても過剰に難易度を上げ過ぎではある。
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GF側では、低中難易度でも小指やスライドを使わせる配置が多い。
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DM側では、従来だとオートチップが使われるようなフレーズに高密度な配置が降ってくる。
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特に、立ち入り禁止やSUPER SUMMER SALEのドラムMASTER譜面(Lv8.20)のように、そこそこ高難易度の譜面(Lv7~8台)にも片手ゴリ押しを強要させられる配置が多く見られた。
問題点
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フレーズ演出による視認性の悪化
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フレーズコンボを達成すると画面が光る演出になっているが、この光る演出が演奏レーンにまで被ってしまう。
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プログレスゲージを非表示にするオプションはあるものの、フレーズ成功時の演出を表示しないオプションは存在しない。
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また、Specialフレーズ中は判定エフェクトが派手になるが、通常時のエフェクトは前作と比べてかなり大人しい為、Specialフレーズになると極端に演出が派手になったように見えて視認面を妨害されやすい。
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いずれも稼働初期から批判が多く、公式ツイートにも改善要望が多く出ているが、結局Matixx稼働中に改善はされなかった。
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次回作のEXCHAINでは演出を完全にOFFにするオプションが追加された。
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ハイタッチキャンペーンが開催されず
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前作までは不定期に開催されていた「おすそわけハイタッチキャンペーン」が本作では開催されなかった。
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今までもマッチング相手が希望の曲を選んでくれるかわからなく解禁できるか不確定だったのに対して、本作では確実に解禁できるDX解禁チャレンジが実装されてはいるのだが、残り曲数が少なくなると「1~2曲のために5割増の料金を払えということなのか」といった感じで割高感が出てしまう。
そういったことから「開催されなかったことである種のありがたみを感じる」という意見も。
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また、BATTLEだとSTANDARDプレー必須だがセッションならLIGHTプレーでも受け取ることは可能。
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末期のMonthly Ranking課題曲の難易度暴騰
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Re:EVOLVEから継続して開催されたMonthly Rankingだが、Tri-BoostおよびRe:EVOLVEのPREMIUM ENCORE専用曲が無条件解禁に移行した以後の開催における課題曲に難易度が高いものがあった。
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5月の「Agnus Dei」(DRUM/BASICが4.95)や6月の「Die Zauberflöte」(DRUM/BASICが5.55)の時点で自重していないという評価も。
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本性をあらわしたのは7月以降。7月には「Sonne」、8月には「DAY DREAM」「Timepiece phase II」「Rock to Infinity」と高難度曲のオンパレード。
あまりの高難度に、全イベントのコンプリートを放棄する者も多数現れる事態となった模様である。
とはいってもイベント熟練度に関して言えば理論値には絡まず、この辺のイベントになると参加する価値と言えたのが8月の課題曲に含まれ1度クリアするだけで解禁された「DEADMAN'S BED」(これ自体はBASICではどのパートも2台前半までの部類)ぐらいだったのが幸いである。
総評
フレーズ演出の練り込み不足によってプレーしづらくなっているのはいただけない。
とはいうものの、新シリーズ突入から第5作目となるGITADORAシリーズに、演奏画面やムービー表示の変更、フレーズコンボシステムやDeluxeモードといった新要素の導入から、更なる改革に踏み込んだスタッフの姿勢を評価できる作品と言えるだろう。
その後の展開
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本作稼働から1年後の9月12日に、次回作『GITADORA EXCHAIN』が稼働開始となった。
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同作ではフレームやコンボ数などのプレー画面をカスタマイズする機能が搭載された。
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また、同作の稼働途中でGITADORAシリーズが20周年に突入。そのお祝いとして、他機種とのコラボレーション楽曲やクラシック譜面の復活といったスペシャル企画が行われる事になった。
余談
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指定ゾーン演奏ボーナスのシステムは、『ポップンミュージック』と『ミライダガッキ Ver.2』で導入されていたが、本作でフレーズコンボとして導入された後は2018年9月26日より稼働開始した『ノスタルジア Op.2』にも類似システムが実装された。
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同システムは相次いでBEMANI機種で実装されている事から、将来的には段位認定やスキルシステムの様に定番化する可能性もある。
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漏洩したバンめし♪曲
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「ひなビタ♪」の後継となるTOMOSUKEプロデュースのメディアミックス企画「バンめし♪」が2018年より始動したが、その第1弾楽曲である「ビター・エスケープ」の存在はイベント告知の不具合により明るみに出た。
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同時期に配信開始となった版権曲「無垢」のフレーズコンボチャレンジ開催時に、選曲画面に表示されるイベント告知が「無垢」ではなく「ビター・エスケープ」の物になっているという不具合が発生、これにより同曲の存在が判明した。
翌日のアップデートで修正される一方、ほどなくして「ビター・エスケープ」の配信及びフレーズコンボチャレンジも行われたため、2曲のフレーズコンボチャレンジ開催期間が重なっている。
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ちなみに「無垢」は1回でフレーズコンボチャレンジのノルマである10回を達成可能だったため、たとえLIGHTプレーであっても1プレーで双方のフレーズコンボチャレンジを達成することすら可能だった。
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次回作『EXCHAIN』が稼働してから半年以上も経過しつつあるのだが、本作のサントラは発売されていなかった。
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一応、2019年12月9日からサービスが始まったスマホ向けBEMANI作品『ULTIMATE MOBILE』で本作の書下ろし曲を全て聴く事が出来る。
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2020年7月にようやく『EXCHAIN』と同時に発売された。
最終更新:2024年02月20日 21:15