メタルスラッグ6

【めたるすらっぐしっくす】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード(ATOMISWAVE)
発売・開発元 SNKプレイモア
稼働開始日 2006年2月
判定 なし
ポイント やはり難しいが理不尽が減りマトモになった難易度
演出の総入れ替えは賛否アリ
』からラルフ&クラーク登場
イージーではミッション4まで
メタルスラッグシリーズ


概要

  • 人気アーケードゲーム『メタルスラッグ』のナンバリングタイトル7作目。現時点でアーケード版が登場した最後の作品でもある。
  • 基板がこれまでのMVS(ネオジオ)からサミーの「ATOMISWAVE」に変わり、演出などに大幅な変更がされている。
    • 本作は、日本国内における、ATOMISWAVE基板が最後に使われた作品となった。

ストーリー

3度に渡るモーデン元帥の野望は全て打ち砕かれた。
しかし、その生死は未だ確認されていない。
束の間の平和に人々が酔いしれる中、以前にも増して強化された情報部へ、このところ頻繁に入ってくる信じがたい情報があった。
未確認飛行物体、宇宙人、大型生物の目撃情報である。
幸いな事に被害は報告されていないが、その背後にはマーズピープルやモーデンの影が感じられた。

そしてしばらくした後、決定的な一報が正規軍にもたらされる。
モーデン軍らしき一団が兵器を集め、集落を作り、山岳地帯に潜伏しているというのだ。
ただ、一団の中にモーデン元帥の姿は確認されておらず、その目的もはっきり賭していない。
現時点では、モーデン軍であるという確証すら得られていないのだ。

だが、参謀本部は決断を下し、直ちにあの4人を召還した。
PF隊のマルコとターマ、スパローズのエリとフィオ。
前の戦いから間もないだけに、誰も口を開こうとはしなかった。
しかも、その場には見慣れない2人の兵士が・・・。
「君たちを信頼していない訳ではないが、上層部の命令により、今回の作戦には傭兵部隊より2名が同行する」
「ラルフ・ジョーンズだ。バシッといこうぜ!」
「クラーク・スティル。皆さんのお力添えになれれば光栄です」

新しく支給された銃を手に、6人の兵士はパラシュート降下を開始した。
これが最後のミッションとなることを祈りながら。


基本システム及び追加点

  • これまでのシリーズとは少し異なり8方向バー+5ボタン(射撃、ジャンプ、手榴弾、メタスラアタック、ウエポン切り替え)で操作する。
    • 前作の「スライディング」は廃止された。
  • 難易度を「イージー」と「ハード」から選べるようになった。
    • 「イージー」は初期武器がハンドガンからヘヴィマシンガンとなり、強化銃の弾薬量が2倍になる。攻略しやすくなるがミッション4で終了する。
    • 「ハード」はいつも通りの難易度であり、最終ミッションまで進行可能。
  • 『怒』からラルフ・ジョーンズとクラーク・スティルがプレイアブルキャラとして追加。デザインや設定は『KOF』に準じている。
    • 後述のキャラ毎の性能差分化を2人にも施されており、また『KOF』で使用する必殺技が使える。
    • ミッションクリア時のリアクションも、『KOF』での勝利ポーズを再現している。「イェーイ!任務完了!」
      • 登場元の『怒』はスクロールの方向こそ異なるが本シリーズと同じ戦場を舞台にしたアクションシューティングであるため、ある意味で古巣に戻ったといえる。
  • キャラクター毎に性能が差分化され、特徴づけがより強調された。
    • 「マルコ」は『ハンドガン*1の威力が2倍』
    • 「ターマ」は『メタルスラッグの性能が上昇*2する』
    • 「フィオ」は『強化銃の弾数が1.5倍かつミッションスタート時ヘヴィマシンガン*3所持』
    • 「エリ」は『ボムの所持数及び補給量が2倍+ボムの投げる方向を調節可能』
    • 「ラルフ」は『接近攻撃の速度が2倍+生身状態で1度だけ被弾を耐えることが出来る*4+バルカンパンチを放てる*5。ただし、強化銃の弾薬補給量が他のキャラの1/2になるデメリットがある』
    • 「クラーク」は『スーパー・アルゼンチン・バック・ブリーカー(以下SAB)』を放てる*6
      • ラルフとクラークの必殺技は共通して「↑+D+A」のコマンドである。
      • また、全キャラ共通で「A+D」のコマンドでどの状況でも近接攻撃を出す事が出来る。
        このコマンドで出した近接攻撃のモーションは、生物系のザコ敵に接近してAボタンを押した時とは異なる専用のものとなっている。
        「マルコ」、「ターマ」、「エリ」、「フィオ」の4名は『2』と『X』にて特定条件下で発生していた体術になる。
  • 新強化銃「ザンテツソード」
    • 剣を振って射程の短い三日月形状の衝撃波を飛ばす。威力が高く、衝撃波は弾を打ち消す効果がある。*7
      • 武器名や性能からも分かる通り、使い勝手は近接攻撃に近い。強化"銃"というよりナイフ系の刃物の一種とも言える。扱いこそ強化銃だがこれを装備している間はナイフ攻撃に切り替えることが無くなる。
        ちなみに、過去にはNGP「2ndミッション」やGBA「アドバンス」といった家庭用オリジナル作品で近距離専用の高威力武器が登場していたが、ザンテツソードは実質的にそれらのACへの逆輸入武器になる。
  • 新システム「ラッシュブラスターメーター」
    • 攻撃し続けると上昇するメーターで、上昇するごとに敵を撃破した際の点数に倍率が追加でかかる。
    • MAXまで溜まると16倍となり、メーターが減少する代わりに敵撃破時にコインが出現する。連続で取得すると最大6400点まで増加する。
  • 新システム「ウエポンストックシステム」
    • 初期武器のハンドガンのほか、強化銃を2つまで別々に所持できるようになり、また状況に応じてEボタンで強化銃を切り替えることが出来る。
      • 2つ強化銃をストックしている状態で新たな強化銃を取得した場合、強化銃を装備していた場合は装備してない方が、ハンドガンの場合は右側の強化銃が押し出される形でウエポンストックが更新される。*8
    • 一定以上の弾数がある強化銃を装備している時に「C+D」のコマンド装備している強化銃を捨てる事が可能。捨てた強化銃はアイテムに戻り、再取得可能。
      • これを利用することで特定の強化銃を先へ持ち込みたいが、別の2つの強化銃を使う必要がある状況においても持ち込みたい強化銃を保持する事ができ、攻略する上で重要なテクニックとなる。
  • その他変更点
    • ビッグ系強化銃の火力が通常版の1.5倍に上昇。強化版の位置付けが強くなった。*9
    • ヘビーマシンガン系に加えてレーザーショット系も斜め撃ちが可能になった。
    • 自キャラのデブ化やゾンビ化等の「状態異常」が廃止された。

評価点

  • スライディングの廃止
    • 前作で大きく批判されていた要素であったため、当然ながら今作以降廃止された。
  • 難易度のバランス調整の改善
    • 特に問題視されていた「絶対に避けることが出来ない弾幕」は全く無くなり、弾幕量が減ったほか破壊できる弾も出てくるようになった。
    • 上記のキャラ毎の性能付けはラルフの一部デメリットを除き基本性能にプラスされる内容であるため、操作する側として強みを実感できる。
      • ただし一部キャラでクリア、スコアアタック面の両方に大きな優劣差が生まれている。
    • 「ウエポンストックシステム」の導入により実質的に持ち込める強化銃が増え、ボスに対して強化銃を存分に使えるようになった。
      ボスの耐久力が据え置きなため、貯めに貯めておくと今までの作品よりも素早く撃破可能。当然、それを許すほど道中がヌルいわけではないが。
  • 音質の向上
    • 前述の通りATOMISWAVEへ移行したため(2D描画は苦手ではあるが)、音質の向上に役立っている。
      • 今作の楽曲制作は「有限会社ベイシスケイプ」*10が担当。メインが並木学*11氏、一部楽曲を金田充弘氏が手掛けている。この2人はそれまでSNK作品を担当していた訳ではなくSTGを担当することが多かったため、やや曲の雰囲気は違うがそれぞれの曲のクオリティは高い。
      • 後述の「Final Attack[MS6 version]」のように賛否が分かれる曲もあれば「Asian Impact」や「Bridge 256」のように好評な楽曲もある。
        最終ミッションでのみ流れる「The Survivor」は(難易度と)展開も併せて達成感が大きい。
      • 基板の変更やシステム面で大幅なてこ入れを入れた初の作品であるためか、『1』を意識させる要素が多め。
  • ストーリー、演出面の改善
    • 前作ではステージの繋ぎ目がおかしかったりラスボスが超展開であるなどストーリーが理解しにくい問題点があったが、今作ではミッション2クリア後にモーデン元帥とマーズピープルが登場し、「モーデン軍がマーズピープルと再度手を組んだが別のインベーダーから襲撃を受けた」ことが分かるデモが流れる。
      • 以降の雑魚敵及びボスはそのインベーダーとの戦いとなる。ルート次第では『3』のラスボスであるルーツマーズを操作して進むシューティングパートも。
        ズームインアウトによってルーツマーズの迫力が誇示されるため、インパクトは大きい。
    • 最終ミッションでは冒頭からモーデン軍との共同作戦が展開され、『3』の最終ミッションの宇宙船内部同様にモーデン兵が加勢してくれる他、中盤以降はマーズピープルも捕虜として救出することが可能。中には百太郎のように援護してくれる者も。
      • 『4』以来となるエンディング分岐を搭載。今回は進んだルートで変化し、どちらのルートでも過去作ラスボスの見せ場が用意されている。

賛否両論点

  • システムや操作面での複雑化
    • 「各キャラクターの性能差の明確化」や「ウエポンストックシステム」「ラッシュブラスターメーター」の新システム導入により、システム面で大きくてこ入れされた一方でこれまでと比べて複雑になり、とっつきにくくなった感は否めない。
      「キャラクター毎にパターンを構築していく楽しみがある」「強化銃を持ち込みやすくなったおかげで戦略性が増した」「ラッシュブラスターゲージがMAXになった時のコインのジャラジャラ感が楽しい」という意見もあれば「細かい事を抜きにして遊べるいい意味でのシンプルさが薄れてしまった」という意見も見られる。
      • 操作の方も「8方向レバー+5ボタン」と『5』から更に1ボタン増えており、アーケード向けのアクションゲームとしてはボタン数が多い方である。過去に『4』にてそれまでの3ボタンから4ボタンに増えた事があったが、追加されたDボタンには普段使うことのない「メタスラアタック」が割り当てられていたため、そこまで問題にはならなかった。
        一方本作で追加されたEボタンは「ウエポンチェンジ」となっている関係でゲーム中頻繁に使うことになる上、特定のコマンドによる特殊動作も存在するため操作の煩雑さはシリーズでもかなりのものとなっており、この点でもこれまでと比べてハードルが上がっている。
  • SEの入れ替え
    • 『X』以降の「ヘヴゥィマスィンガン!!」やモーデン兵の「ヴエッ!」等といったボイスと小気味いいSEがほとんど入れ替わった。
    • 攻撃のヒット音を除いて新しいSEのクオリティが悪いわけではないが、前までのSEに慣れ親しんだ古参プレイヤーからは戸惑いの声が多い。
      • 攻撃のヒット音は「バシッ」ではなく「ピチュン」と軽くなっており、爽快感を削ってしまっている。これに関しては批判されている。
    • 『7』では元に戻されたが、『XX』では再び新しいSEになっている。
  • BGM「Final Attack」の扱い
    • 『1』の最終面の道中&ラスボス曲としての登場以来『4』を除いたシリーズ恒例のラスボス曲であり人気が高く、今作では久々に最終面の道中曲に戻ったが従来の決戦にマッチした勇ましく盛り上がるメロディから、インベーダーの不気味さを強調したドラマ『X-ファイル』のテーマのような所謂「原曲破壊系」の大幅なアレンジが加えられており、開幕や途中で元の断片を感じさせる以外ほぼ別物といっていいほど。またラスボス戦も別の曲となっている。
      曲自体は決して悪い出来では無く、最終面は結構な長丁場であるため最初から盛り上げることは出来なかったのかもしれないが、『1』の思い入れがあるためファンからは否寄りで比較されてしまっている。
    • 因みに最終ミッションはボスを含め全体的にシリアス要素の多い曲揃いである。
  • 背景の高解像度な(ドット絵ではない)一枚絵化
    • メタルスラッグといえば背景を含めた高品質なドット絵のグラフィティが魅力であったため、それが失われてしまったとして不満が挙がっている。
      また、キャラクターのドットと質感が違うためやや違和感が生まれている。
      • しかし背景の質感は変わっているがクオリティが下がっているわけではない。個人の好み次第でもある。

問題点

  • 大きいキャラクター間の格差
    • スコアアタックではクラーク1強
      • 必殺技のSABは1体でも1000点と敵撃破時の加点では最も高く、連続で投げることで最大16000点まで上昇する。
        本作の加点の中でもずば抜けて高く、当然これにも「ラッシュブラスターメーター」の倍率がかかるため、他キャラではクラークにはスコア面で追いつくことは不可能。
      • 早期に気づかれたこともありスコアランキングはクラークで埋まることになった。キャラクター別での集計であれば、まだマシだったのかもしれないが…
      • また、攻略面でもSABの「掴めれば耐久値に関係なく一発で倒せる」特性と、生物系の敵が中心の本作の敵配置との相性がよく、全体的に見て有利な方である。
    • クリア重視でもマルコやクラークは扱いやすいのに対してターマ及びラルフは不遇な点が目立つ。
      • ターマは先述の通りスラッグの性能がアップするのだが、今作のスラッグのうち「プロトガンナー」と「ルーツマーズ」はターマでなくともバルカン固定が可能
        またスラッグに乗る機会自体も従来に比べて少ないため、メリットを感じにくい。生身状態は実質無強化の状態であるため、他のキャラ以上に難易度が高くなる。
        ただし、ラスボスでは『3』以来となるメタルスラッグ*12に乗って戦うことが出来るため、その場面についてはターマの独擅場といえる。
      • ラルフは「一部の攻撃を除いて生身状態での被弾を1回だけ耐えられる」というこれまでのシリーズの常識であった「被弾即アウト」を覆す特徴を持つものの、弾薬面で大きな弱体化要素(後述)があるため、扱いやすいとはとてもいいがたい。キャラの特性を理解した上でパターンを構築しないとかなり厳しいだろう。
    • 『7』でもキャラクターバランスに変更は無く、やはりスコア稼ぎではクラーク1強。
  • 分かりにくすぎるルート分岐
    • 『3』からつづくルート分岐システムは今作でも健在だがそのいずれもがまず初見では分かる訳がない。
      • 実は乗れる足場に乗ると上にスクロールして分岐、実は道が二つに分かれており、しゃがめば別の道に行ける等々。
    • 「GO!」の表示、矢印看板も隠しルート用のものはなく、一方通行の様にしか初見ではまず思えない。
    • 特に4面の隠しルートは復活した『3』のラスボス「ルーツマーズ」と共闘するというアツい展開なのでもっと分かりやすくして欲しかったものである。
  • 『4』『5』よりはマシだが依然難しい難易度
    • ミッション1こそ敵の密度が薄くメタルスラッグもありステージボス「ブル・ドリル」も相応の弱さとなっているなど易しいものだが、ミッション2から急に難易度が上がる。
      • ミッション2では冒頭から耐久力付きの敵がワラワラ湧き、その後はマーズピープルとモーデン兵の波状攻撃をアニマルスラッグの「ドンキースラッグ」で処理させられる。対処が遅れれば上からのUFOレーザーや横から出て来るビースツ兵の餌食。
      • ミッション2及び最終ボスに関しては当たり判定が接近攻撃の当たらない位置にある*13ため、弾薬量が非常に少ないラルフでは撃破に時間がかかる。
      • ミッション3以降は敵がインベーダーへと変わるのだが、モーデン兵に比べて耐久力が高く度々ラッシュで数にものを言わせて襲ってくる。
        特に回転するインベーダーはM状に飛び跳ねたり、場面によってはプレイヤーに突進してくる。上手く位置取りが出来ないと攻撃に当たりやすい。
    • 当然ながらボスも強敵揃い。パターンを覚えれば概ね対処可能ではあるが、弾幕の多さに慣れるまではひたすら泣かされる。
      • ミッション2のミサイル搭載戦車「アイアン・センチネル」は、第2形態での弾バラマキ(破壊可能)が多く、放物線線状に落ちてくるため撃ち落としにくい。
        発狂モードに入ると、ミサイルの発射感覚が短くなる上に上記の弾バラマキと並行して飛ばしてくる。
      • 続いてミッション3のボス「ブレインロボット」は電撃ウェーブ弾やコンテナに乗らないと回避できない床への電気流しと、初見での対応が難しい攻撃が多い。発狂モードに入るとプレイヤー狙いの電球にウェーブ弾や車投げを同時に放ってくる。特にウェーブ弾は事前に乗れるプロトガンナー*14での「鬼避け*15」はほぼ必須といえるほど回避が難しい。
        また、プロトガンナーは前作のスラグガンナーと違いアニマルスラッグ扱いであり、乗車中でも被弾すると一発でアウトになるので、尚更鬼避けの重要性が高い。
      • 最終ボス「侵略者の王」は前述の通りメタルスラッグに乗れるためこれまでのボスと比べるとやや難易度は低い。逆を言えば生身だと最終ボスに恥じない強さとなる
        特にプレイヤー狙いの全方位カッターは鬼避け前提の弾幕であり、生身では(斜め上から飛んでくることもあり)非常に撃ち落としにくい。
        第3形態となると、最後のあがきで上からカッターを飛ばしてくるのだが、ほぼ横一列に敷いたように飛ばしてくる。メタルスラッグを維持していない(もしくは乗っていない2P等)では、ここで何度も被弾してしまう可能性がある。逆にメタルスラッグを維持していればもはやクリアしたも同然なのだが…
    • 今作の捕虜がくれるアイテムは得点アイテムの割合が大きくなっており、これまでは複数人いれば大抵武器アイテムや手榴弾補給が混じっていたのに対し、中には4~5人固まっているのにキノコやカエル等しかくれない集団すらいる。終盤になるほど顕著。
  • 従来作準拠の「ハード」モードではこれまでよりも弾薬量が半分になっている
    • 新システムとのゲームバランスの兼ね合いとも考えられるが、結局すぐに弾薬が切れてハンドガンだけで凌がなくてはいけない状況に陥りやすく難易度を高くしている原因の1つであるため不評。
      また、豊富な弾薬を駆使して自由自在に暴れまくるランアンドガン的なプレイがやりにくくなったため、爽快感や疾走感の面でもやや寂しい。
      • 上述のラルフを使用すると只でさえ少ない弾薬が更に半分となり、他シリーズと比べると4分の1まで減ってしまう*16。そのためラルフを使用した場合は多くの場面でハンドガンと接近攻撃に頼らざるを得なくなる。
    • 『7』からはイージーとハードの中間に当たる難易度の「ノーマルモード」が追加され、こちらでは弾薬量が従来作と同じ弾数に戻っている。
  • 「イージー」モードでは最終ミッションに挑めない
    • 初心者向けと言える難易度であり、上述の弾薬数や爽快感の問題も解消されているが、最終ミッションが出来ないため単純に予習にもならない上に本作の難易度自体高めなので、よりハードルが高くなっている。
      • 『7』では今作の「イージー」にあたる「ビギナーモード」でも最後までプレイすることが出来るようになった。

総評

『4』『5』と2作連続して不安定な完成度であったため、当然本作でも不安視されていた。
SE関連の入れ替えや(改善されたとはいえ)高い難易度は問題視されているものの、それでも反省点を活かした作りはされており評価もそれに比例する形となっている。
一応「イージー+マルコ」というある程度手軽に爽快感が味わえる組み合わせも存在するが、これまでと比べて複雑化したシステムと操作やシリーズでもやや高い方の難易度から、どちらかといえば『更に歯ごたえのあるメタスラやアクションゲームをじっくりと腰を据えて遊びたい』という人向けの作品と言えるだろう。


家庭用移植

  • PS2単品
    • 概ね忠実な移植であり、オプションから難易度をレベル8まで上げることが可能。
      • ただし、AC版では数少ない旧作仕様のままだった捕虜のボイスが、こちらでは新規のものに差し替えられている。
    • PS版『X』以来のコンバットスクールモードが復活。ドジっ娘の『マリー』と冷静沈着な『リリー』が登場する。ただし階級は無くなっている。
      • ミス数によってミッション制覇後のEDが変化する。
  • コンプリート
    • ACの移植であるため、コンバットスクールは搭載されていない。また移植の中では本作のみ連射機能が無い。
    • PSP版はオプションの難易度の適用が行われない、中断セーブが不可能だったりするなど、他の収録タイトルと仕様が異なる点が多いので注意。
  • アトミスウェイブはアーケードアーカイブスのような移植シリーズに取り上げられてないためかシリーズ他作より移植に恵まれていない。

余談

  • 本作はキャラ間で性能が差別化されたからか、シリーズで唯一キャラ選択画面で「ATK(攻撃力)」「DEF(防御力)」「SPD(スピード)」の3つのパラメーターが表示される。火力の出しやすさを表すATK、一発耐えるラルフ、乗り物の耐久性が高いターマを引き立てるDEFは分かるのだが…
    • 全キャラ機動力は統一されているのでSPDは本当に何の参考にもならない要素と化している。
  • AC版では血の色が白色で固定となっている。本作のAC版のみであり、移植版や『7』以降は従来の赤色に戻っている。
  • ミッション1のある地点で条件を満たすと、モーデン兵が延々と大量に追加投入されるというネタがある(通称・百人兵士)。
    • 勿論得点に加算されるので、ハイスコア狙いには必須テク。言うまでもなく全員クラークのSABで投げられるので、色々ととんでもないことになる。
    • 同様の「条件を満たすと大量に兵士が出現」するネタは、次作『7』でも登場している。
  • 今回新たにプレイキャラとして登場したラルフとクラークだが、ラルフが初登場したとされる『TANK』の時代設定が第二次世界大戦なので、KOFのような設定がパラレル化した作品を除くと約1世紀以上の間、生存して軍人を続けている事になる。
    • なお、これに関してはメタスラ独自の設定として生年月日が新たに設定されているが、ラルフが1995年生まれで、クラークが1997年生まれとなっている。もはや何も言うまい…。
  • なお同時期に展開された『KOF MAXIMUM IMPACT 2』には本シリーズからフィオが参戦しており、ラルフ、クラークの衣装チェンジはそれぞれ本シリーズのマルコ、ターマのようなデザインであるという小ネタもある。
    • もっと余談だがこの作品でのフィオはラルフ、クラーク、レオナとの掛け合いがある。
      • ラルフとは「マルコさんに似てるっぽい」クラークとは「ターマさんと似てるかも」、そしてレオナとは「エリさんに…似てないわ」 全然似てないだろ
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最終更新:2024年03月10日 10:54

*1 イージーではヘヴィマシンガン

*2 バルカンの固定機能+バルカンの威力1.5倍+耐久力2倍

*3 イージーではビッグヘヴィマシンガン

*4 ただし1度被弾すると移動速度が遅くなる。また一部の攻撃は防ぐことは出来ずに1発アウトとなる

*5 前方へパンチの高速連打をお見舞いする技。出に若干隙があるが、技中は前後移動が可能で更に他の近接攻撃とは異なり戦車にも有効。

*6 小型の生物系のザコ敵を投げ飛ばすことが出来る技。1000点から連続して投げることで倍々となり最大16000点まで上がる。なおアルゼンチンバックブリーカーと名付けられているが、『KOF』と違いただ上に放り投げるだけの技。

*7 武器名と敵の弾をかき消す性能や衝撃波の形状からして、同社の格闘ゲーム『龍虎の拳2』やKOFシリーズに登場する如月 影二の超必殺技、斬鉄波が元ネタと思われる

*8 例として「HとS」をストックした状態でRを取得した場合、右側のSがなくなり「RとH」となる。

*9 従来のシリーズでは攻撃範囲か射程が広がるのみ。本作では廃止されてるがデブ化したときもビッグ系武器とは強化のされ方が異なるが、一部を除いて射程か範囲が広がる強化が施される仕様だった。

*10 「蒼穹紅蓮隊」、「レイディアントシルバーガン」、「ベイグランドストーリー」などの楽曲を手掛けた崎元仁氏が社長を務めるサウンド制作会社。

*11 主に虫姫さま等のケイブ製STGを担当することが多い。

*12 厳密には強化版のメタルスラッグ TYPE-R

*13 ミッション2ボスは第2形態であればナイフがギリギリ届く。

*14 『5』で登場したスラグガンナーの試作型という設定の乗り物。なお、シリーズでの時系列では本作は『4』、『5』より前の出来事となっている

*15 スラッグから降りた際の長い無敵時間を利用して攻撃を避けるシリーズのテクニック。

*16 例えばヘヴィマシンガンは他シリーズでは200発のところ、今作のラルフだと50発。