悪魔城ドラキュラ黙示録

【あくまじょうどらきゅら もくしろく】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 96MbitROMカートリッジ
発売 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント神戸
発売日 1999年3月11日
レーティング ESRB: T(13歳以上対象)
価格 7,800円
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント ダブルヒーロー制による異なる主人公達の物語
3D化による自由度の高さとアクション、さらに探索要素も詰められた手堅いゲーム性
過去のドラキュラシリーズらしい難易度の高さは健在
3Dアクションとしては及第点なレベルだが、粗削りな面も多々あり
悪魔城ドラキュラシリーズ

概要

コナミの硬派なアクションゲーム、『悪魔城ドラキュラ』シリーズの一つで、シリーズ初の3D作品。
3Dならではのアクションの自由度の向上に、ドラキュラらしいゴシックホラー的な演出等も加えられた意欲作でドラキュラシリーズに新風を巻き起こした。

後発の3D作品とは一味違うやり応えのあるシンプルなアクションゲーム性や、魅力的なキャラクター等の存在により、一部のファンから隠れた人気を持つ作品。


ストーリー

19世紀中期 トランシルバニア、ワラキア地方…。

数々のドラキュラ伝説を生み出したこの地に、再び漆黒の闇が訪れようとしていた。
堕落した人々の魂が、邪悪なる者を封印による100年の眠りから揺り起こしてしまったのである。

蝙蝠に、狼に、霧に姿を変え行動する…。
闇夜を好み、日の光を嫌い、神々を呪う…。
若い女性の血を吸い、永久の生命を保っている者…。
悪魔城の城主、邪心の神『ドラキュラ伯爵』の復活であった。

人々の繁栄と平和は、跡形もなく踏みにじられた。暗雲がたれこめ、
絶望の闇で覆い隠していく。街には魔物が徘徊し、邪神に忠誠を誓わぬものは尽く悲惨な最期を遂げていった。

そしてここに数奇な定めに誘われ、魔王討伐のため2人の戦士が立ち上がった。

(※悪魔城ドラキュラポータルサイトより引用)


本作の特徴

通しプレイによるステージクリア形式の箱庭型3Dアクションであり、『血の輪廻』と同じく二人の主人公を選んで操作することになる。 選んだ主人公によって能力はもちろん、ストーリー展開や遊ぶことができるステージは一部異なっており、それぞれ違った楽しみが味わえる。

ラインハルト・シュナイダー

  • 主人公の一人。ベルモンド家の血を引くバンパイアハンターの青年で、シリーズ伝来の鞭で戦う。
    • ファミコン以来シリーズ伝統のベルモンド家の主人公を意識した強面の精悍な男性であり、まさしく正統派な主人公といったワイルドな風貌。
      • 続編の『レジェンドオブコーネル』では多少すっきりした顔つきになっている。
    • 性格自体は至って真面目で礼儀正しく信仰心もあり、魔物であっても無抵抗の相手は攻撃しないという一面もある。

キャリー・ヴェルナンデス

  • 主人公の一人。『悪魔城伝説』でベルモンド家と共に戦ったヴェルナンデス一族の末裔である12歳の少女。
    • 『血の輪廻』に登場したマリア・ラーネッドを意識したような少女キャラクターだが、性格は正反対で12歳とは思えないほど非常に大人びている。子供扱いされると怒ったりするなど年相応に子供らしい一面はある。
    • それでも軟派な雰囲気だったマリアとは異なり非常にシリアスであるため、本作のダークな雰囲気を壊してはいない上に独特の可愛さもあるので批判は少なくむしろ好評。
    • マリアと同じくシリーズ最年少の主人公だが魔法使いの末裔だけあり、強力な退魔の魔法を操り敵を蹴散らす等、歳に似合わずその強さは本物。
  • 掛け声やダメージを受けた際の悲鳴程度ではあるが、主人公達や一部の敵はボイスも発する。
    • 音声は英語でありオープニングでのナレーションやゲーム開始直後のみ主人公は一言だけセリフをボイス付きで喋る。
      • キャリーの声はとても可愛らしいと評判。
    • ただし、ラスボスのドラキュラのみセリフはフルボイス。

ゲームの流れと基本システム

  • 全10ステージ、主人公毎による分岐も含めると13ステージの構成となっており、ゴール地点にまで辿り着くとライフが全回復して次のステージへと移行する。
    • ステージクリアまでに襲い来る敵を倒したり、トラップを回避するなど従来のドラキュラでお馴染みの流れを継承しているが、エリア内で様々な物を調べたり探索をすることで攻略に必要なアイテムを入手したり仕掛けを解いて道を開くアドベンチャー要素も含まれている。
    • 探索中の小部屋等では強制的に敵と戦闘を行う場合もあり、その部屋にいる敵を全滅させなければ部屋から出られなくなる。この要素は後の3D作品でも受け継がれた。
  • ステージの各所に置かれるホワイトジュエルというオブジェを調べることでセーブをすることが可能。探索中に操作キャラクターがやられた場合、最後にセーブした地点からの再スタートができる。
    • 危険なポイントやギミック等がある場所の手前やそれらが連続している地点を切り抜けた先の休憩所として設けられていたりと、セーブは頻繁に行える。
    • また、コンティニューをせずにステージの頭からのやり直しも可能となっており、アイテムを取り逃がしたり気に入らないゲーム進行になった場合などにそれまでの進行で培った技術や知識でもう一度リベンジして万全の状態の進行状況に変えることもできるようになっている。
  • エリア内に落ちていたり敵が落としたアイテムは拾って一定数までストックすることができ、メニュー画面で使用することが可能。シリーズ伝来の肉やステータス異常の治療による回復などが行える。

アイテムの購入

  • とあるステージ以降に落ちている契約書というオブジェを調べることにより悪魔のセールスマン「レノン」と取引をすることが可能。所持しているお金によってアイテムを購入できる。
    • 肉などの回復アイテムから、攻略に必要なアイテムなども購入できる。中には滅多に手に入らない希少なアイテムも高額だが存在する。
    • しかし、この人物からあまりアイテムを買いすぎてしまうと……。*1

時間の概念の導入

  • 本作では時間の概念が存在し、イベントやメニュー画面以外で操作している最中は常に進行している。*2
    • 時間経過によって昼夜が変化し、ステージ内の明るさや雰囲気が変わるだけでなくそれによってエリア内の仕掛けや敵の能力が変化したりもする。
      • 特に吸血鬼系の敵は夜だと強いが昼間だと著しく弱体化する。
    • アイテムの「太陽のカード」「月のカード」を使用することで時間を一気に次の昼夜の始まり(6時)へと進ませることも可能となっており、特定の時間にならなければ発生しないイベントや扉が開くのを待つ時間を短縮できるので無駄に過ごす時間やストレスの軽減となっている。
      • これらのアイテムは落ちているのを拾ったり、上記のレノンから手軽に購入できる。
    • この時間経過はエンディングの分岐にも影響しており、あまりにも長くかかり過ぎるとバッドエンディングになってしまう。

ドラキュラらしいステータス異常

  • 本作では毒などのステータス異常が存在するが、中でも印象的なのは「半吸血鬼化(VAMP)」。
    • 簡単に言うと吸血鬼になりかけている状態である。
      • この状態だと一部のアクションが制限される他、体力の回復さえも行えなくなってしまうが、専用の治療アイテムで治すことができる。
    • さらにこの状態で深夜の12時になると完全な吸血鬼となってしまい、体力に関係なくゲームオーバーとなってしまう。
    • また、これらステータス異常は重複する他、発生しているとキャラクターの肌の色が吸血鬼化なら青白く変化するのも特徴で分かりやすくなっている。
      • 完全に吸血鬼化した際は表情さえも恐ろしいものに変化しており結構リアル。

アクション、戦闘システム

  • スーパーマリオ64』や『がんばれゴエモン』同様、ジャンプやスライディング等の3次元移動により、それまでの2Dドラキュラシリーズとは違った操作感覚となる。
    • 崖の淵など、ジャンプでギリギリ届かない場合はジャンプボタンを押していれば自動的に捕まれる他、そのままぶら下がったままゆっくりと淵の移動もできる。
    • 基本的に操作キャラクターは走ったり歩いて移動するが、足場が細かったり悪い場所ではしゃがみながらゆっくりと移動することもできるので慎重な行動も可能。
  • 崖の上から谷底など高すぎる場所から落ちた場合、高さに応じてダメージを受けることになる。しかし、あまりにも高すぎる場所から落下した場合は地面に激突する前に暗転してゲームオーバーになる。
  • エリア内の所々には川や水路などが存在するが、それらは泳ぐことができずそのまま沈んでゲームオーバーとなってしまう。これは川の水が猛毒であったり酸であるという設定のため。
  • 敵との戦闘では「隙は小さいが範囲が短い弱攻撃」と「隙は大きいが中距離を攻撃できる強攻撃」の二つをメインに行う他、ジュエルポイント(従来のハートと同じ)を消費することでサブウェポンによる攻撃も行える。
    • また、強攻撃は敵が落とすパワーアップアイテム(旧シリーズの鞭強化に近い)を拾うことで性能が上がり、攻撃力や攻撃範囲が広がる。性能強化は初期も含めて三段階。
      • なお、この性能強化はセーブデータに反映されないため、ゲームを再開したりすると初期状態に戻ってしまう。
  • 戦闘では基本的に移動したまま各種攻撃が行えるので、走りながら敵にすれ違いつつ攻撃を加えてヒットアンドアウェイをしたり、手軽な操作でバックステップやサイドステップ移動等で素早く攻撃を回避するといったスピード感溢れるアクションが行えるため、爽快感がある。
  • ラインハルトとキャリーはそれぞれ違った武器を装備しており、攻撃アクションが異なるので各々に合った操作が必要となる。
    • ラインハルトの弱攻撃はダガーナイフ、強攻撃は聖なる鞭。パワーアップアイテムを取ると鞭の長さが変わり、残像がつく。
      • それぞれワンボタンで手軽に出せるので連続攻撃に長けている。
    • キャリーの弱攻撃はリング、強攻撃は飛び道具のエネボール。ボタンを押しっぱなしにするとチャージが行え、溜めると弾速は下がる代わりに敵をホーミングするようになる。
      • パワーアップアイテムを取るとボールの色が変わり攻撃力も格段に上がるがラインハルトの鞭と違って連射ができず、画面内には一発しか撃てない。
      • また、一部の敵はこのボールに反応して回避行動を行うこともあるので適当に連射していてもかわされたりもする。
    • なお、これら強攻撃は聖なる力を持つ攻撃であるためか半吸血鬼化状態では使用できない。

評価点

ドラキュラらしいゴシックホラー的な世界観と演出

  • 全体的に最初期のドラキュラ作品のダークで硬派な雰囲気を受け継ぎつつ、『血の輪廻』や『月下の夜想曲』等の荘厳な雰囲気も一部取り入れた独自のゲームデザインとなっているのが特徴。
    • ホラー映画さながらのおどろおどろしくリアルな雰囲気はそれまでの2Dドラキュラ作品には無い緊張感をもたらしている。
    • いきなり雷が大木に落ちてきて目の前に倒れるなどの脅かす要素もあったりするので初見だとかなりびっくりする。
  • 3D化されたことで豊富となった表現により2D作品では不可能だった演出がふんだんに使われ、イベントシーンではさながら映画のような演出やカメラワークが使われていて迫力がある。
  • 3Dポリゴンも割と丁寧な出来であり、一部の敵の表情が変化したり、ステージ内に使われているオブジェの出来も細かい。
    • 時計塔や機械室で動く歯車やベルトコンベアの丁寧なギミック、先が見えない霧の表現などは逸品。
      • ステージギミックの歯車等に挟まれてしまうと一発でアウトになってしまったりとかなりリアルかつエグい描写もある。
    • また、死体や墓などのオブジェを調べるとコメントが出ることもあるため、攻略のヒントとなったり、作品の背景などを想像するのに一役買っている。
  • ステージ構成やバリエーションは豊かで落雷と雨が降りしきる不気味な夜の森に始まり、トラップを掻い潜りながら上り下りする城壁、洋館、庭園、地下水路とそれぞれが異なる風景や雰囲気の変化も楽しめ、新しい場所を探索できる期待と緊張感も湧き上がる。
    • 単純に戦闘ばかりでなく探索が主体のステージであったり、縦横無尽にアクションで移動できるアスレチック的なステージもあったりとどれも豊富であり、しかもそれがステージの雰囲気に合うものばかりで飽きさせない。
  • BGMは派手さは無いが、ドラキュラの世界観に合った物静かで重厚な雰囲気のものが多く各ステージに合っている。
    • 中には『血の輪廻』のボス戦や、ドラキュラ戦のメインテーマ「幻想的舞曲」のアレンジ版も使われている。タイトル画面のBGMに至っては「乾坤の血族」のアレンジでバイオリンによる演奏が独特。
  • 舞台は19世紀の近世の時代であるためか、ファンタジー要素を残しつつもやや近代的で科学的なオブジェなどが多く、それがステージギミックにも存分に活かされている。
    • 中には当時の時代ではまだギリギリ無かったバイクに乗った敵やチェーンソーを振り回す敵までもが出てきている。
      • それでも作品の雰囲気は壊されていないのは評価できる(一部理不尽ではあるが)。
  • 登場する敵も個性があり、シリーズでお馴染みのスケルトンやメデューサヘッドはもちろんのこと、パワフルな攻撃を行ってくる獣人やドラキュラとは違う下級の吸血鬼などとバリエーションに溢れ、3Dであることを活かした巨大で迫力のある敵も多々いる。
    • 攻撃手段も単調なものばかりでなく、炎を吐いてきたり、ジャンプで縦横無尽に襲い掛かってきたり、こちらを掴んで投げ飛ばしてきたりと多種にわたるので油断できない。
    • ちなみに吸血鬼系の敵はシリーズでは珍しく、『バイオハザード』のゾンビのごとく設定通りに噛みついて吸血をしてくる厄介な敵。しかも体力を回復してしまい、主人公を吸血鬼状態にしてしまうなど、細かい点もある。

二人の主人公による差別化されたストーリー展開、手応えのある戦闘アクション

  • 上記の通り、ラインハルトとキャリーはそれぞれ性能が異なり違った立ち回りが要求されるので違う雰囲気で二度楽しむことができるために長く遊べる。
    • 総合的に見るとラインハルトよりもキャリーの方が強く、初心者向けの性能となっているのも『血の輪廻』のマリアを意識していると言えるが、マリアほどの尖がり過ぎた高性能さは無く、ラインハルトが有利な要素もあるのでバランスは取れている。
  • また、ラインハルトとキャリーでは遊べるステージや登場するボスに一部違いがあり、例えばラインハルト編だとシリーズでお馴染みの死神が中ボスとして登場し、キャリー編の場合は本作オリジナルの魔女・アクトリーセというボスが死神と同じ立ち位置で登場する。
    • どちらも異なる能力と強さを誇り、主人公毎に違った立ち回りや駆け引きが要求されるので非常に手応えがある。
  • 使用できるサブウェポンも隙が大きくなる主人公の強攻撃のサポートに使えるのはもちろん、特定の敵に対して有効となる場合や威力が低くても役に立つ場面もあるため、使い道が無いということはない。
    • ナイフは文字通りに直線的に高速で投げつけるため、素早い敵に対する牽制として有用。
    • 斧は放物線を描きながら飛んでいき、高い地点にいる敵に当たりやすく攻撃力も高い
    • 聖水は投げつけた地点を中心に広範囲に炎を撒き散らして敵を足止めしつつ持続ダメージを与えるため、近距離では絶大な威力を発揮する。
    • 十字架はブーメランのように投げつけ複数の敵をホーミングして一度に攻撃でき、攻撃力も高いので広い場所で複数の敵を相手にするのに有効。

賛否両論点

初心者には辛い難易度の高さ

  • ドラキュラシリーズらしい難易度もそのまま引き継がれているため全体的に気楽には遊びづらい。
    • 最序盤からいきなり巨大な中ボスと戦うというシチュエーションもあり、ザコ敵などで戦闘の練習があまりできないため、ここで躓く人もいるほど。
      • 回復アイテムも手軽には手に入らない上に値段も高いのでダメージを受けたら気楽に回復できないのも難易度の高さに拍車をかけている。
  • 自動ロックオン機能が実装されているため攻撃を外すことは滅多に無いものの、3D化された本作では全方位から敵が襲い掛かってくるので立ち止まったままでいると滅多撃ちにされてすぐやられてしまう。
    • よって常に動きながらの戦闘を強いられるのだが、アクションに慣れない内は非常にとっつき辛い。
  • しかし、何度もプレイしていけば自然と慣れていけるゲームバランスにもなっており、敵の攻撃パターンを見切りながらのヒットアンドアウェイ、そして弱点や隙を見つけ次第一気に畳みかけることによる各個撃破が爽快へと繋がっていくようにもなっている。

異なる主人公によるストーリーの矛盾

  • ストーリーのあらすじではいかにも二人の主人公が力を合わせて戦うような内容となっているが、実際はゲーム開始時に選んだ主人公でのみしかプレイができず、さらにもう片方の主人公は一切登場しないために完全に主人公毎による個別のストーリーとなっている。
    • ラインハルトとキャリーの活躍自体それぞれ別個になっているため、『悪魔城伝説』や『血の輪廻』と違って異なる主人公が力を合わせたり最終的には合流したといったフォローも一切ない。
    • そのため、ラインハルト編ではキーマンとして登場するキャラクターがキャリー編では単なるメッセンジャーとして登場してすぐに退場してしまうので印象にも残りづらい。
  • また、上記のように主人公毎に遊べるステージやボスも一部違うため、一人のキャラクターを使って全てのステージやボスを楽しむことはできない。
    • ただし、あるボスのみラインハルト編の中ボスのコンパチ性能なので一応キャリーで楽しむことは可能。

広大で迷いやすいマップ

  • 3D化によってステージが広くなったため無駄に移動する範囲や距離が長くなったため、『マリオ64』等と同じく、初めはどこへ行けば良いのか解らず迷いやすい。
    • 一本道だった2Dドラキュラシリーズやマップを見ることができる2D探索型のドラキュラ作品と違い、本作には地図なども無いので余計に迷いやすく不親切。
    • 探索要素もあるためか1ステージ自体もゴールまでが全体的に長く、テンポも悪いのも気になるところ。
  • さらに序盤の終わり頃には迷路の庭園を凶悪な攻撃力を誇る敵とその足止めをしてくる敵に追われながら逃げるという場面があるのだが、マップが無いためどっちへ行けば良いのか分からずにすぐ追いつかれ、最初の内は斬り殺されるのは必至。
    • なお、この敵は不死身で完全には倒せず気絶させることしかできないが、倒せば回復アイテムやお金などを頻繁に落としてくれるので慣れてしまえば絶好の稼ぎポイントとなる。

イージーモードが途中までしかプレイできない

  • 本作ではゲーム開始時に難易度を選ぶことができ、イージモードの場合は敵から受けるダメージやサブウェポンの消費が少ない、お金を無限に使えるなどの特典があるので初心者でも遊びやすい。*3
    • しかし、ストーリーが中盤で終わってしまい、最後まで遊ぶことができないので完全クリアにはノーマルモードのプレイを強制される。
    • その難易度イージーでもステージギミックや戦闘のとっつき辛さは変わらないので、やはり慣れない内は辛い。

演出による音楽面の弱さ

  • 『血の輪廻』のアレンジ群こそ素晴らしくファンなら必聴ものだがステージ曲が基本無音か環境音に近いものが多く、耳に残りづらい。
  • 悪魔城シリーズといえば音楽の評価が高いが「三大名曲」(ファミコン版三部作のそれぞれの代表曲)のようなキャッチーなフレーズのあるBGMを期待して遊ぶと肩すかしをくらってしまう。
  • とはいえこの静寂感がホラー映画のような雰囲気造りに貢献してる上、敵と遭遇すると非常におどろおどろしいBGMに切り替わる(曲名・戦慄)。この演出がまた、非常に臨場感を出すものになっている(悪魔城同様探索型で評価されているメトロイドシリーズの演出に近い)。
  • 演出上仕方ないとはいえ、後発作品で何度もアレンジされるような曲を排出できなかったことも、本作の知名度が低い一因かもしれない(一応『Circle of the Moon』で本作初出のBGMが何曲か使われている例があるが)。
  • 流石に寂しいと感じたのか、続編の「レジェンドオブコーネル」では本作の演出を基本続けつつも、時折道中でシリーズの人気曲のアレンジを流す等、いくらか音楽面の強化がなされている。

問題点

カメラワークの悪さ

  • カメラワークが非常に悪く、その操作性も自由度が低い。そのため、ステージのギミックなどがよく見えなかったり、距離が測れなかったりするのでトラップに引っかかったり、転落死しやすい。
    • 一応、立ち止まった状態で視点を目線中心に周囲を見渡せるようにして様子を探ったり、動いているカメラワークを正面に修正するといったことはできる。
    • 走ったりしている最中のカメラワークも場面に応じて三種類に切り替えが可能となっているのだが大して変化がある訳でもないためにあまり意味がない。一部のボス戦では専用のカメラワークになり、操作自体もできなくなってしまう。
    • このカメラワークの悪さから本作を敬遠してしまう人も多い様子。

経過日数の分かりづらさ

  • 基本的に画面上には現在の時刻と昼夜がどちらかが表示されているのだが、総合的に何日が経過したかまでは表示されないので体感で判断するしか無い。
    • 上記の通り、エンディング分岐は時間によって変わるので何日経過したのかが分からなければその分岐を判断することができない。
      • 基本的には時間をかけずに早く攻略することを心掛ければ良い。また、分岐条件の日数も普通にプレイする分には問題はなく、時間を進めるアイテムを乱用したりよほどゲームに慣れないまま死にもせず迷ったりしてずっと通しでプレイでもしなければかからないので気にはならない。
      • もしも1ステージの攻略に時間をかけ過ぎたと思ったならばコンティニューの際にステージの冒頭に戻ることでリセットできるので多少の救済にはなっている。

即死要素の多いステージギミック

  • ステージ内に存在するトラップやギミックなどはどれも凶悪なものばかりで、さらに即死する仕掛けが非常に多い。
    • カメラワークの悪さから足を踏み外し毒の川や溶岩、奈落の底や谷底に転落するのはもちろんのこと、歯車に巻き込まれてミンチになってしまったりとステージギミックやトラップに引っかかっての即死が多い。
    • 戦闘面ではラインハルトより有利に立ち回れるキャリーでもさすがにこのステージギミックの理不尽さから楽に攻略することはできない。
    • 逆に戦闘面ではシリーズでは珍しく回復アイテムのストックができるので体力がつきての死亡が起きづらい。中盤からはまとめ買いができるのでなおさら。
    • とはいえ買いすぎるとあるペナルティーがあるので抑止になっているし、ステージ上で得られるものも過剰すぎず絶妙なバランスで配置されているのでこの点がヌルゲーというわけではない。あくまで従来作と比べてのレベル。
      • 死にゲーとして有名なシリーズらしい難度ではあるが従来のゲーム性として「即死要素はあるにはあるがそれよりかは敵の密度が高い、よけづらい攻撃をいかに避けて体力を温存して進めるか」というのが多いのでこれと真逆な本作は異端である。GBの『ドラキュラ伝説』も本作同様即死要素が多いがやはり異端扱いされている。
      • 幸い、セーブポイントが多めに設置されているので中間ポイントからのリトライがしやすくなっているのは親切な所。当時基準の話ではあるがロムカセットゆえに当時多かったCDロムのような長いロードがなくリトライがそこまで苦では無かったという話もある。

恐怖のマジカルニトロ

  • ゲーム中盤でマジカルニトロというアイテムを運搬するという謎解きが存在するのだが、これが非常に極悪なものとして知られている。
    • このマジカルニトロはちょっとの衝撃で爆発するという設定があり、これを所持している状態で敵から一発でも攻撃を受けたりジャンプをしたりするとその場で大爆発し、ゲームオーバーとなってしまう。攻撃アクションやスライディングまでならばセーフ。
    • これを特定のポイントへ運ぶまでに敵の攻撃を掻い潜りつつ、トラップまでも回避しなければならないため、非常に慎重な操作が要求される。
      • しかも運搬する機会は2回あり、2回目はかなり遠くまで運ばなければならないので緊張感とストレスが溜まりやすい。本作最大の難関であり、批判点としてもよく挙げられる。
      • ただし、運搬中は厄介な強制戦闘がほぼ無く、敵の攻撃も激しい訳ではないため、邪魔になる敵さえ事前に排除してトラップの回避に集中していればすんなりとクリアできる。
    • 幸い、間違えて入手しても入手地点のすぐ近く等に廃棄できるポイントがあるため、いらない場合はそこに捨てることができる。

一部のグラフィックやモーションがおかしい

  • 例としてとあるシーンで登場する村人の両手が左右逆になってしまっている。
  • 掴みかかって噛みついてくる吸血鬼系の敵の動きに対してもがいている操作キャラクターのモーションが合っておらず、変な動きになってしまっている。
    • この動きに関してはキャラクターの向いている方角によって変化するようで、特定の方向ならしっかりとしたモーションになる。

総評

やや癖のある内容やカメラワークの悪さ等から当時は注目度や売れ行きは低かった(ただし海外での売れ行きは好調だった)。さらに本作の後に出た2D作品の『Circle of the Moon』が(ドラキュラシリーズとしては)非常に売れた影響もあってか、本作以降のドラキュラシリーズは再び2D作品が主流となっており、完全3D作品はあまり作られていない。
後発の3D作品は戦闘をメインにしたアクションが主流となり派手さが増していき、アスレチック的な要素が少なくなっていくが、ゴシックホラー的かつハードで堅実な3Dアドベンチャーは本作ならではのもの。

初の3D作品なことに加え初のニンテンドウ64での開発(ニンテンドウ64は開発が難しいハードとして知られる)故にノウハウを培っていなかったため、所々に粗削りな面や問題点はあれど、単発のアクションゲームとしては合格点に達しており、 難易度も慣れてしまえば旧来のドラキュラシリーズ同様、非常にやり応えのある一品として再評価されつつある。

2Dアクションや探索型のドラキュラシリーズに慣れている人にとっては慣れるまでが大変かもしれないが、それとは関係なしに硬派なアクションゲームが好きな人ならぜひ遊んでみると良いだろう。


余談

  • 本作のストーリーは元々普通に悪魔城ドラキュラシリーズの一作として発売されていたが、2005年に作成されたストーリー年表には本作は記載されていなかった(ただし海外で2006年に発売された『ギャラリーオブラビリンス』限定版に同梱されたシリーズ20周年記念ストーリー年表には本作も記載されている)。これら年表は後から作成されていたものなので本作以外の作品においても年数などで作品内容と年表での記載内容に矛盾があったものだが、2017年に悪魔城ドラキュラ公式サイトがリニューアルオープンされてからは年表自体が消滅している。このようなこともあってか年表があったときに作られた別の作品では本作のキャラクターは登場せず(ただしそんなときでも「黙示録外伝」のコーネルは登場したことがある)、本作の主人公の一人であるキャリーは『血の輪廻』のマリアとは異なる薄幸の少女らしい独特の雰囲気と可愛らしさから非常に根強い人気を誇っており、再登場していないことを惜しまれるほど。
    • なお、本作には隠し要素としてコスチュームチェンジが存在しており、それによりキャリーの衣装を『血の輪廻』のマリア風の服にすることも可能となっている。*4
    • なお、カメラの視点位置によってはキャリーのスカートの中が見えてしまい、ヘッドスライディングをするともろに後ろから見えてしまう。
      • 通常のコスチュームだとパンストなのだがコスチュームチェンジをしていると…。
    • 薄幸の少女のような外見とは裏腹に企画段階には食いしん坊というキャラ付けが予定されてもいたようで、微笑ましいお遊びな要素もあったりする。
  • 本作に登場する悪魔のセールスマン、レノンは名前からキャラクター造形を含めて俳優のジャン・レノがモデルとされている。
    • 他にも登場キャラクターの名前は実在する俳優から取られているものもいたりする。
  • キャリー編で中盤に登場するボス、ヴェルナンデスの戦士は企画段階では『悪魔城伝説』のサイファ・ヴェルナンデスの成れの果てという設定が予定されていたがあえなく没となっている。
    • サントラにおけるこのボスとのイベントシーンの曲名が『サイファ』となっていることから名残があるのがうかがえる。
  • 『ドラキュラ3D(仮)』として発表した当初はラインハルト・シュナイダーは「シュナイダー・ベルモンド」、コーネルは「コーネル・ラインハルト」だった。
    • 「苗字&苗字」「名前&名前」で変だという理由で無料配布冊子コナミマガジンにて2人の名前の公募が行われ、ニコイチした「ラインハルト・シュナイダー」が採用された。
    • しかし実は過去に発売している『血の輪廻』でも、主人公リヒター・ベルモンドが同じ類の名前だったりする。(リヒターは本来姓で使われる)
    • 同じKCE神戸開発の『悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon』も本作同様、開発途中の急な設定変更で主人公がベルモンドの名ではない作品、という扱いに変更されたという共通点がある。
      • 勘違いされがちだが、この名前がベルモンドでないことは開発時に既に確定されていた設定である
  • 本作の海外向けタイトルはサブタイトルなしの単に『Castlevania』である。
    そのためか、後に日本で2003年に『キャッスルヴァニア』というタイトルで発売された作品は『Castlevania:Lament of Innocence』という名義での発売となっている。
    • ただでさえ第1作と混同しやすい上に、国内外で完全に同一名義なのに全く違う作品を指すというややこしいことになってしまっている。 おまけに欧米版の悪魔城ドラキュラ Circle of the Moonキャッスルヴァニア共々あちらでは『Castlevania』名義であるため、異様にややこしくなっている。
  • 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』で悪魔城シリーズが参戦した際にラインハルトもスピリット(原作イラストを使用した収集要素)として登場している
    • 悪魔城シリーズ事態コアなゲームファンが「知る人ぞ知る」シリーズでスマブラ参戦まで知名度が高くなかったのに加えて本作がシリーズ中でもマイナーな作品なので全登場スピリットの中でもトップクラスにマニアックなキャラと言える。

悪魔城ドラキュラ黙示録外伝 レジェンドオブコーネル

【あくまじょうどらきゅら もくしろくがいでん れじぇんどおぶこーねる】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 128MbitROMカセット
発売 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント神戸
発売日 1999年12月25日
レーティング ESRB: T(13歳以上対象)
価格 7,800円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント 前作の数々の問題点を改善
追加要素も多数で前作のストーリーも遊べるお得なボリューム

概要(黙示録外伝)

前作、『黙示録』の外伝的ストーリーが収録されている第二作だが、実際は前作のストーリーも同時に収録されており、新要素を加えて発売されたバージョンアップ版にあたる作品。


ストーリー(黙示録外伝)

蒼き三日月 コーネル

太古の呪術によって野獣をも凌駕する力と限りなく不死に近い肉体を手に入れた獣人族の戦士。
人間との共存を選んだ獣人たちはその強大な力を自ら封印したが、
コーネルは厳しい修行によって、封印された人狼の力を解放する術を習得する。

修行の旅に出てから1年、帰ってきたコーネルが駆けつけた時、
村はすでに魔物によって放たれた紅蓮の炎に包まれていた。

魔物によって連れ去られた、唯一の肉親である妹のエイダを救出すべく、
コーネルは鋭い人狼の能力でエイダの血の匂いを追った…。

ラインハルト・シュナイダー
キャリー・ヴェルナンデス
2人の若者が世界の存亡をかけて魔王と戦った時代より、舞台は8年の月日をさかのぼる。
暗黒の闇に隠された真実が、今明かされる!

(※悪魔城ドラキュラポータルサイトより引用)


主な変更点・追加点(黙示録外伝)

新たに二人の主人公が追加

  • 人狼の青年コーネルは本作のメイン主人公。時系列的には前作のストーリーの前日談にあたる。
    • 人狼というだけあって爪で斬りつけたり真空波を飛ばして攻撃するのでかなり強く爽快感がある。
    • さらに獣人に変身することでパワーアップすることができ、ボス相手でもまさに敵無しの驚異的な強さを発揮できる。*5
      • 変身にはジュエルポイントが一定数必要で変身中はジュエルがゼロになるかイベントが発生しない限り解除できないので、安易に発動することはできない切り札のようになっている。
  • 教会の兵士ヘンリーは、時系列的には前作のサブストーリーにあたるもので、さらわれた子供達を探索して救出するというもの。
    • 救出した子供によって隠し要素が解放されるようになり、前作のキャラクターやコスチュームなどが使えるようになる。*6
      • 救出対象を全員見つけ出すか制限日時が経過するとクリアになるため、ゲームの位置的にはおまけモードのようなものであり仕掛けやボス戦もほぼ無いのでさくさくプレイできる。
    • メインの攻撃手段はシリーズでは珍しい拳銃。数発撃つとリロード動作が必要になるので乱発すると大きな隙を晒してしまう。*7

サブウェポンの強化

  • 前作では同じサブウェポンを取り続けても変化は無かったが、本作ではメインの強攻撃と同じく性能が強化されるようになる。
    • 例えばナイフなら炎のエフェクトが追加されて攻撃力が上がり、斧は地面に落ちると雷による爆発が起きて追加ダメージが与えられるようになる。

新たなステージ、敵の追加

  • メインシナリオのコーネル編は全14ステージとかなり長く、専用で新たなステージが追加されている他、前作の流用ステージも新規にアレンジされており構成ががらりと変わっている。
    • ラインハルト、キャリー編でも本作用にアレンジされたステージを通っていく他、最初のステージもコーネル編と同じになっており全11ステージになった。
  • 登場する敵の種類もさらに豊富となり、ラインハルト編やキャリー編では単なる通過点でしかなかったステージの最後に新たなボスがそれぞれ登場する。
    • コーネル編のラスボスは凄まじい強さで獣人化していても生半可なことでは倒せないほどの強敵。
    • また、吸血鬼のメイドや執事など既存の敵キャラもデザインが変わっているものも存在する。

アクションの強化

  • 前作では遅めだったスライディングが、本作では助走をしていなくてもかなりの速さでスライディングするようになった。

ラインハルトとキャリーの性能、コスチュームが変化

  • ラインハルトの攻撃である鞭が皮の鞭→鎖の鞭→光の鞭とパワーアップするように変更されており、一目で強化されるのが分かるようになっている。
    • ただし、前作と違ってリーチはそのままで変化はない。
    • スライディング中にも鞭を振れるようになっており、動きながらのヒットアンドアウェイがしやすくなっている。
  • キャリーのエネボールは連射ができるようになった代わりに、ホーミング性能が低下しておりしっかり狙わないと当たらないようになった。
  • 二人のコスチュームも本作専用にアレンジされており、雰囲気ががらりと変わっている。
    • コスチュームチェンジを行うことで前作の初期衣装にすることも可能。

主な改善点(黙示録外伝)

カメラワークの改善

  • 本作ではカメラワークの操作の自由度が格段に上がっており、十字キー操作でカメラの距離を変えたりすることもできるようになった。
    • このため、前作の問題だったカメラワークの悪さによる視界の悪さもかなり改善されており、ステージがよく見えるようになっている。

モーションの改善

  • 前作では吸血鬼系の敵に噛みつかれている最中のもがきモーションがおかしかったが、本作では改善されておりちゃんとしたモーションを行うようになった。

サウンド面の強化

  • 全体的に無音や環境音が多かった前作に比べ、本作ではBGMが至る所で使われるようになったのでサウンドによる演出が強化されている。
  • 新規のBGMも過去のシリーズのアレンジがさらに増えており、『バンパイアキラー』の「THE SINKING OLD SANCTUARY」等はクオリティが高く好評。

主な問題点(黙示録外伝)

コーネル編のテンポの悪さ

  • コーネル編はステージ数が最大であるため全体的に冗長に感じられてしまう。
    • イベントも中盤の始まりまでと終盤に集中しており、それまでの間はイベントや謎解き要素のほぼ無い、アスレチックと戦闘がメインとなる塔のステージが七区画も連続しているのでさすがにマンネリ気味で飽きてきてしまう。
  • 特に美術塔というステージでは昼夜のどちらかでないと通行できない特殊な扉があり、開けるために時間を進めるアイテムを使用しなければならないのだが、扉を開けたすぐ先に別の時間帯でないと通行できない扉が連続しているために一々アイテムを使わないといけないためにとてもテンポが悪い。
    • 幸い、進行に必要なアイテムを持っていない状況であってもエリア内に出てくる敵を倒せば必ず該当アイテムが手に入るので時間を待たされるということはない。
  • また、ラインハルト・キャリー編と同じく序盤の終わり頃に迷路の庭園を不死身の敵から逃げ回るイベントがあるのだが、こちらではさらに子供を敵から守りながら進んでいかなければならないので余計にテンポが悪く、前作のマジカルニトロほどではないがストレスポイントとなっている。
    • しかもこの護衛する子供は非常に撃たれ弱い上に足が遅いため、少しでも目を離すと見失ってしまう上に自分から敵に突っ込んでいって勝手にやられてしまうことさえある。さらには敵の数もラインハルト・キャリー編より多いので強行突破もできない。

戦闘バランスの悪化

  • コーネルの獣人化によるパワーアップはまさに切り札で確かに爽快感があるのだが、ラスボス以外の中ボスもほとんど瞬殺できてしまうほどであるため、ややバランスブレイカー気味な性能となってしまっている。
    • 発動は完全に任意なので緊迫した戦闘を味わいたいなら封印をするのが良いだろう。
  • ラインハルトの鞭のパワーアップが威力だけになっておりリーチが変わらないため、前作よりも素早い敵に苦戦しやすくなった。
    • ただし、上記のようにスライディング中に鞭を振れるようにもなっているので一長一短ではある。
  • キャリーの場合は上記の通りエネボールの連射性能、近距離ロックオン性能が上がった代わりに、弾速が速くなりホーミング性能が落ちており、遠距離の場合はしっかりロックオンしないとまともに当たらなくなっている。
    • その上、男性陣3人は仕様変更によりスライディング中にムチや銃、サブウェポンなどでも攻撃できる一方でキャリーはリングでしか攻撃できないため、黙示録と比べるとかなり苦しくなっている。
  • 上記のようにサブウェポンも強化されるようになったのだが、基本的にはコーネル編の難易度に合わせた調整になっているので前作で続役していたボスを強化されたサブウェポンで攻撃するとすぐに倒せてしまい、歯ごたえが無くなっている。
    • ストーリーの時系列と設定的にはコーネル編のラスボスよりもラインハルト、キャリー編のラスボスの方が強いはずなのだがこれが理由であっさりと勝ててしまうので物足りなく感じてしまう。

グラフィックとサウンド面

  • 全体的に画面が暗くなっており、特に夜になるとそれが顕著になるので雰囲気は出るのだがやや見づらくなった。
  • ラインハルトのノーマルコスチュームがヘンリーとほぼ同じであるため、あまり新鮮味が無く手抜き感が漂う。
  • ヘンリーの顔は説明書などでは若い青年だが、ゲーム中ではフルフェイスの兜を被っているので見ることができない。
  • ラインハルト編、キャリー編でのイベントシーンでのドラキュラ、マルスのボイスが削除されている。
  • コーネル、ラインハルト、ヘンリーの断末魔(落下)が使い回しにされている。更にキャリーの倒れボイスも後半が切り取られている。
    • また、キャラクターが死亡した際の暗転も早くなっているためか断末魔や死亡アクションも最後まで続かず、途中で終わってしまうようになっている。
  • 本作はメモリー拡張パックに対応しており、通常画質モードと高画質モードをゲーム起動時に選択できるのだが高画質モードにすると画質が鮮明になる代わりにフレームレートが低下してしまうので動きがカクついてプレイし辛くなる欠点がある。

追加コスチュームの削除

  • 前作で使用できたラインハルトとキャリーの追加コスチュームが本作では使えなくなっており、そちらで遊びたい人にとっては残念なことになっている。

その他

  • 相変わらず、各主人公では全てのステージを遊んだりボスと戦うことができない。コーネルでラインハルトやキャリー編のボスを、またその逆をやりたくても不可能のまま。
    • ヘンリーに至っては遊べるステージが少ないので物足りなく感じる。
    • タイトル画面で放置しておくとデモプレイが見られるのだがラインハルトとキャリーのデモは本来、二人では遊ぶことができないステージのものになっており、こんなステージで遊べるのかと期待していると肩透かしを食らってしまう。
  • 中ボスとして登場する吸血鬼ジルドレ*8の扱いが死神やアクトリーセと同等の幹部格でありながら地味であり、しかもデザインも前作の吸血鬼執事と非常によく似ていて使い回し感が強い。*9

総評(黙示録外伝)

前作で顕著だった問題点をいくつも改善し初心者にも配慮されており、作品のボリュームに関してもこちらの方が上であるため文句の無い名作に仕上がっている。

逆に前作から削られた要素等もあるためボリューム重視で遊びたいなら本作を、多少の問題点には目を瞑ってラインハルトやキャリーらのストーリーを堅実なゲーム性で遊びたいなら前作をプレイすると良いだろう。


余談(黙示録外伝)

  • 本作のメイン主人公であるコーネルは後に『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』にて出演している。また名前だけ同じ人狼族キャラとして『ロードオブシャドウ』にも出ている。
  • また、本来コーネルは前作の時点で四人の主人公の中の一人となるはずだったが、もう一人と一緒に没になったという経緯がある。
    • なお、もう一人の没キャラの人造人間コーラーは、ゲーム中に登場するある敵キャラに似ており、没になった代わりにモーションなどは敵キャラとして流用したのではないかと推測される。

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  • タグ:
  • ニンテンドウ64
  • AADV
  • 1999年
  • コナミ
  • 悪魔城ドラキュラ

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最終更新:2023年11月29日 19:37
添付ファイル

*1 悪魔と安易に取引をするとどうなるかは言うまでもないが

*2 リアルタイム約35秒でゲーム内では一時間が経過する

*3 なお、隠し要素としてゲーム中で手に入るあるアイテムを入手するとさらに難しいハードモードが遊べる

*4 ちなみにラインハルトはシモン・ベルモンドのようなバンパイアハンターの衣装になる

*5 正確には真空波の攻撃力が三倍になり射程もアップ、サブウェポンの攻撃力も二倍でダメージを半減する上にステータス異常も無効化できる

*6 なお、隠し要素が解放されているかはセーブデータ画面にある蝋燭で判定できる

*7 ただしリロードの隙は、近接攻撃でキャンセル可能

*8 ちなみに実在する人物がモデル

*9 なお、このボスは前作にも登場しているのだがそちらでも扱いや存在感は非常に地味なもの