きれいずきん生活
【きれいずきんせいかつ】
ジャンル
|
アクションアドベンチャー
|
|
対応機種
|
ニンテンドーDS
|
メディア
|
DSカード
|
発売元
|
コロムビアミュージックエンターテインメント
|
開発元
|
サンエックス、インフィニティー
|
発売日
|
2010年4月22日
|
定価
|
5,040円(税5%込)
|
プレイ人数
|
1人
|
セーブデータ
|
2個
|
レーティング
|
CERO:A(全年齢対象)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
奇奇怪怪な屋敷でお掃除&お宝さがし 手軽だが省略できないミニゲーム群
|
サンエックスキャラクターゲームリンク
|
ゲームの概要
本作は2009年2月発表されたサンエックスのアライグマをモデルとしたキャラクター「きれいずきん」が活躍するミニゲーム集(公称はアクションアドベンチャー)である。
一日の大半を寝て過ごしながらホコリたちと戯れる「ぐーたらのまー」は、赤い掃除頭巾をかぶるときれい好きの働き者「きれいずきん」に早変わりする。
ぐーたらのま一が、彼の隣人兼世話人のもぐら先生と森で散歩していると、怪しい屋敷を発見。
そしてその屋敷には、お宝と引き換えに掃除をしてくれるそうじのプロを募集する立て看板があった。
かくして、ぐ一たらのま一はきれいずきんに変身し、もぐら先生と共に屋敷に突入。
お金はあるがどこかさびしい屋敷の住人の悩みを解決し、不可解に湧き続けるほこりを食い止めるべく奮闘するのであった。
システム
ゲームの進め方
-
プレイヤーは主人公の「きれいずきん」および「ぐーたらのまー」を操作。絵のように描かれた3Dの見下ろしマップを歩き回らせ、屋敷の掃除をしたり、プレイルームでぐーたらに過ごさせたりできる。
-
NPCとの会話、物の交換・売買、ミニゲームが本作での主な出来事である。
-
ゲームの進め方
-
屋敷の中のNPCと会話し、指示された場所に湧くホコリフレンズを掃除する、もしくはホコリフレンズから入手したホコリのカタマリから得たおたからを渡すことで、シナリオが進む。
-
最初期は箒と雑巾しか持っていないが、シナリオを進めることで新しい掃除道具が入荷されるようになり、その道具を使わないと除去できないホコリフレンズも出現するようになる。
-
セーブ
-
「まーの部屋」の机に置いてある日記帳を調べてセーブ可能。
-
シナリオの節目に到達するごとにセーブするかどうかを聞いてくるパターンもある。
操作について
-
主人公操作
-
タッチペンか方向キーでキャラ移動。Bボタンを押しっぱなしにすることで移動速度が上がる。
-
近づいた対象物や人物をタッチしたり、Aボタンを押すことで調べたり話しかけたりできる。
-
きれいずきんのモード切替
-
下画面左には2つアイコンがある。左上の方は持ち物を確認できる。左下の方は頭巾の着脱をし、「きれいずきん」モードと「ぐーたらのまー」モードの切り替えができる。
-
2つのモードの間では、歩行速度とNPCに話しかけたり、ホコリフレンズを調べた時の結果が変わる。また後者のモードのみでプレイできるミニゲームがある。
-
掃除のミニゲーム
-
屋敷中に散らばっているホコリフレンズを調べると、彼らを掃除するためのミニゲームが始まる。
-
屋敷を探索するときと同様の操作できれいずきんを移動したり、掃除アイテムをタッチペンで操りながらゴミをかき集めたり除去したりする。
-
制限時間内にすべての汚れやゴミを除去する、もしくは一定時間内に一定量のミスをしなければホコリフレンズがいなくなり、ホコリのカタマリが手に入る。
-
掃除のミニゲームは大きく分けて4種類。歩き回ってゴミ等をしらみつぶしにするもの(おかたづけ、モップ掃除、芝刈り、掃除機)、タッチペンで特定の場所にゴミを追い込むもの(ちりとり、掃除機でシーツや狭い所を掃除する)、ひたすら特定区画をこすりつけるもの(雑巾、窓ふき、コロコロ、洗濯板、煙突掃除)、リズムゲームの要領で落ちてくるホコリをタイミングよくハタキでキャッチするものがある。
-
一部例外こそあるが、どの掃除をすることになるかはホコリフレンズをタッチしてみないことにはわからないようになっている。
-
制限時間が来るとやり直し。ふたたびその場にいるホコリフレンズを調べればリトライできる。ただしリトライ時に前のプレイ状況が反映されるわけではなくランダム。そのため、ゴミが前より増えていたり減っていたりする。
-
スタートボタンで中断可。苦手なミニゲ一ムであれば後回しにしてしまって良い。
-
ホコリのカタマリをみがくゲーム
-
ホコリフレンズから入手したホコリのカタマリは「まーの部屋」でみがくことができる。
-
制限時間内に下画面に表示されるホコリのカタマリを鉄たわし、たわし、布と磨きの強度を切り替えながらスライド操作で削っていくことができる。大部分のホコリを取り除くことができれば、中に埋もれたピカゴージャスなアイテムを取り出すことができる。
-
しかしホコリのかかっていないところをみがきつづけると、中に埋もれたアイテムが壊れてしまう。壊れそうになっても視覚的な異常はない。その代わりにモグラ先生が入れてくる警告を参考にする必要がある。
-
その他に、消費アイテムとしてボフオ雑貨店から購入したクレンザーを購入して、一瞬できれいにすることも可能。
-
茶色、灰色の物体にほこりがこびりついていると、どこにホコリが残っているのかわかりにくいことがある。また制限時間は据え置きなので、大きいホコリのカタマリほどみがくのが難しい。
-
プレイルームのゲーム
-
「ぐーたらのまー」モードでないとできないミニゲームがある。輪投げや、塗り絵、リンゴの実を突いて落とすゲーム等を収録。
アイテム
-
ボフオとミシェルあらいの掃除道具
-
シナリオが進むと、ボフオが経営する雑貨店に新たな掃除道具が入荷する。このタイミングでミシェルあらいというカリスマ主婦が出演するCMが挟まれる。
-
ミシェルあらいが紹介する掃除道具以外にも、クレンザー(ピカみがきの際に、瞬時に万遍なくホコリを除去したり壊れたアイテムを修復したりできる消費アイテム)、ガラクラぶくろ(ひとつ買うごとにホコリのかたまりの最大所持可能数が2つずつ増加する)を売ってくれる。
-
その他アイテム
-
ピカゴージャスなアイテムは家具としての使い道があり、ジイヤというNPCに売って屋敷に飾ってもらえる。
-
ホコリを完全にとりきる必要はないが、ピカゴージャスの値が最大値100から減ると、買い取り金額が落ちる。また一度売った家具と同種類の物を売りつけても、問題なく買い取ってくれる。
-
みがいたピカゴージャスなアイテムは150個までストック可能。これ以上は持てないので、150個持っている時にホコリのカタマリをみがくことはできない。
-
その他
-
ピカゴージャスなアイテムをそろえた部屋のホコリフレンズを駆逐すると、部屋が輝きだす。
-
金銭面の配慮のため、かつて訪れた部屋にはホコリフレンズが際限なく湧く。
-
シナリオ上必要なピカゴージャスなアイテムは、みがきに失敗して破損してもすぐさま同じアイテムがどこかに再出現するが、そうでもないものは基本ランダム出現。
評価点
-
ゆるい雰囲気
-
ステージとなるお城、BGMはどれものどかなので息抜きには適している。
-
ミニゲーム中のきれいずきんの表情が多彩。ごみを狙って片目をつぶったり、きれいになったらやや恍惚気味の満面の笑みを浮かべたりとかわいい。
-
ゲーム中の誘導が丁寧
-
作中にて、どこで何をすればいいか困る場面が基本的にない。何かを成し遂げるたびにもぐら先生といったNPCに話しかけると、ヒントとなる話をしてくれる上進捗に逐一対応してくれる。簡単なテキストだが、子供がプレイしても詰まないような配慮が行き届いていると言えるだろう。
-
終盤までの物語構成
-
ありきたりに感じるプレイヤーも一定数いるだろうが、基本的な部分はしっかりつくってあるシナリオ。
-
子供相手のゲームにありがちな登場人物の使い捨て等はなく、きちんと登場人物を万遍なく活躍させている。お金持ちになって周りが見えなくなってしまった屋敷の主人に、ひとつ大切なものを気づかせるような流れ自体は良い。
-
屋敷がだんだんにぎやかになっていくシステム
-
ホコリの塊と化してしまった家具を、みがいてかつての姿によみがえらせることで、飾りつけできる。最初は殺風景な部屋であっても、家具の有無によって雰囲気が変わる。
問題点
-
総じて単調
-
簡単に作ったため仕方のないことかもしれないが、やれることは限られている。
-
寄り道こそできるがゲーム構造は一本道。その間、そこらに無限湧きするほこりフレンズからホコリのカタマリを取り出して、みがいてジイヤに売りつける、時折ボフオ雑貨店からアイテムを買うの繰り返し。
-
ホコリフレンズの復活も早く掃除するためのミニゲームも同じようなことしかやれないので、続けるモチベーションになりにくい。
-
シナリオを進めると、ボフオ百貨店で新たな掃除道具を買わないと掃除できない類のホコリフレンズが出てくる。しかし上述のとおりホコリフレンズは無限涌きするので、そいつらを2つ3つスルーしたところで屋敷の景観に影響はない。やれるミニゲームが増えて楽しくはなるだろうが。
-
まどろっこしい会話・挙動
-
ミシェルあらいのCMの頻度がやや高い。にもかかわらず、紹介する掃除器具および解説のための数文が変わるだけで、それ以外の内容は全く同じ。さらに1回40秒以上もかかるうえにスキップ不能。
-
ピカゴージャスなアイテムもジイヤに対して1つずつしか渡せない。ジイヤに話しかけてから飾ってもらい、報酬をもらうまでの1サイクルにだいたい20秒かかる。
-
ミニゲーム時、掃除道具は細かく機敏に動かせる傾向があるのだが、きれいずきんの歩行速度や箒の動きが遅い。
-
マップ設計
-
音楽室に行けと言われても、どこが音楽室かは初見ではしらみつぶしするしかない。
-
きれいずきんが「どの部屋にいるか」しかわからない。部屋のどの位置にいるかまでは分からず、間違った扉を選んでしまうこともありうる。
-
部屋を仕切る扉や階段には「吸引力」があるため、少しかすっただけでも部屋を移動してしまうことが多い。場合によっては特定の方向キーした入力していないにもかかわらず、百度参りできてしまったりする。
-
説明書にしか書いていない説明がある
-
「ぐーたらのまー」になるとできるミニゲームは、本編中では2つ(ゴミ箱にゴミをなげるミニゲーム、リンゴの実を突いて落とすゲーム)絶対にやることになる。しかし、実はそれ以外にも存在するがゲーム中で説明がない。
-
同様に「ぐーたらのまー」モードでは、ホコリフレンズと会話ができる。最初は意味がないことだが、後半の特殊な掃除器具が必要なホコリフレンズは自分の弱点をペラペラしゃべってくれたりする。
-
ボフオ百貨店には、ミシェルあらいが紹介する掃除道具のほかにも売り物がある(クレンザー類、ガラクタぶくろ)のだが、その使い道が作中では分からない。
+
|
ゲームクリア時のネタバレにつき格納
|
-
ゲームクリア時の出来事
-
エンディングはまさかの夢オチ。プレイヤーがクリアまでやってきたことは全てぐーたらのまーが見ていた夢の中の出来事。
-
主人公のまーは基本はぐーたらにもかかわらず、自在にきれいずきんになってテキパキ働きすぎていたこと、ホコリが無限に不自然な発生をしていた事、オカルトな成り立ちをしている屋敷、家具といった大きな物体がありえない場所から当たり前のようにホコリに包まれて無尽蔵に出てくる事等、どこかおかしい…と思いながらプレイしていた人はいるかもしれない。ある意味、こういった超常現象に対して整合性はついたといえる。
-
ただし、エンドロール後何事もなかったかのように屋敷に戻されてゲーム再開となるので、プレイヤーに徒労感を与えてまで入れる必要があった展開なのかは疑問。
|
その他細かい問題点
-
屋敷の景観がなかなか良くならない
-
ホコリのカタマリから取り出した家具で屋敷が次第ににぎやかにはなっていくのだが、特定の家具を狙って出すことはできずカブることもある。ホコリのカタマリから「ホコリ」というハズレアイテムが出ることも(1円で売ることぐらいしかできない)。
-
クリア後、もぐら先生とジイヤ以外のNPCも家具を要求してくるのだが、ジイヤと違いピンポイントで欲しがる上に飾ってくれるわけではないので特にあげる意味はない。
総評
注意深く遊ばないと気づかなかったり、特にやる必要のないミニゲームが多いため、短時間で遊ぶには、同じことの繰り返しになりやすいゲーム性がネック。
コツコツとした作業が好きで屋敷が完成していく過程を楽しめることが本作の個性であり、これに意義を見いだせるなら手にとってみてもいいかもしれない。手軽さやギミックの多様さ、また致命的なレベルでのシステム上の欠陥や不快な登場人物等は登場しないので、子供向けのキャラゲーとしてはひとまず及第点である。
最終更新:2019年08月28日 21:44