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BEYOND: Two Souls

【びよんど つーそうるず】

ジャンル アドベンチャーゲーム

対応機種 プレイステーション3
プレイステーション4(ダウンロード専売)
Windows(Epic Games Store/Steam)
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
【Win】クアンティック・ドリーム
開発元 クアンティック・ドリーム
発売日 【PS3】2013年10月17日
【PS4】2016年6月1日
【Win】
 2019年7月23日(Epic Games Store)
 2020年6月18日(Steam)
定価 パッケージ版:5,695円(税別)
ダウンロード版:5,292円(税別)
PS4版:3,148円(税別)
Windows版:1,990円(税込)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 良作
ポイント 少女と霊体、「2つの魂」を導くサスペンスADV
Quantic Dream製ADV
Fahrenheit / HEAVY RAIN 心の軋むとき / BEYOND: Two Souls / Detroit: Become Human
SIEワールドワイド・スタジオ作品



二つの魂が生きた、15年の物語。



概要

HEAVY RAIN 心の軋むとき』(以下「前作」)などで知られるクアンティック・ドリームによるサイコスリラー・アドベンチャー。
基本システムは前作から受け継がれているが、ストーリー的には独立した新作である。
PS4版はHDリマスターでダウンロード専売、『HEAVY RAIN』とのセット版も有る。

ストーリー

幼少期に親元を離れ、研究所での生活を余儀なくされたジョディ・ホームズ。
その理由は、彼女と特別な繋がりをもった霊体「エイデン」の存在にあった。

エイデンは超人的な能力を持ち、幾度もジョディの生活に介入する。
時には、ジョディを困らせようとする無邪気な子供のように。
時には、ジョディを危険から護る守護者のように。

エイデンとコンタクトがとれるのはジョディのみ。
周囲の人間は、この「見えない力」に畏怖を抱いた。
ジョディに敵意を向ける者がいる一方で、
その力を利用しようと近づく者も入る。

ジョディは自身を取り巻く異質な環境に抗えず、
同時代が満喫している平凡で幸福な日々とは
程遠い運命を課せられるのだった――

(説明書より)

特徴

  • 基本は3Dのフィールドを歩き回り、特定の箇所を調べたり選択肢を選んで物語を進めていくアドベンチャーゲーム。場面によってはQTE的なアクション操作も求められる。
    • マルチエンド形式であり、重要な場面でアクションなどを失敗してもゲームオーバーにならずそのままストーリーが進んでいくのも特徴。説明書には「気負わずにジョディとエイデンの行く末を見守りながらプレイをしてください。」とある。
  • プレイヤーが操作するのは少女「ジョディ」と、彼女にだけ存在が感知できる霊体「エイデン」。ジョディを操作中に△ボタンを押すとエイデンの操作に切り替わる。
    • エイデンは霊体であるため壁などをすり抜け自由に移動することが可能。また特定のポイントでは操作によってオブジェクトを動かしたり、他人に憑依して体を操ったり、バリアを張ってジョディを守ったりすることもできる。このエイデンの力を活かして、ジョディだけでは対処が困難な場面を乗り越え先に進んでいくことになる。
    • また本作はADVとしては珍しく2人同時プレイ(デュオモード)が可能で、ジョディとエイデンをそれぞれ別のプレイヤーが操作することができる。専用のスマホアプリをコントローラーとして使うことも可能。
  • 難易度は「コアゲーマー」と「カジュアルゲーマー」の2種類がありいつでも切替可能。
    • 「カジュアルゲーマー」にするとエイデンが調べられるポイントが光ってわかりやすくなったり、QTEが簡単になるなどプレイがしやすくなる。

評価点

  • 更に向上したフォトリアルなグラフィック
    • グラフィックは新エンジンを使用したこともあり、前作から更に向上。特に人物の描写はPS3のソフトでも最高クラスであり、まさに映画の一シーンを自分で操作しているという感覚を味わえる。
    • キャラクターの動作は俳優をモーションキャプチャーしてリアルに再現されており、主人公のジョディを俳優のエレン・ペイジ氏*1、脇役の研究者ネイサン・ドーキンスも同じく俳優のウィレム・デフォー氏が担当している。
  • 興味を惹かせるシナリオ
    • 本作のストーリーはチャプターごとに時系列がバラバラで、ある程度読み進めていくことで「どのような経緯であのような展開になったのか」がプレイヤーに徐々に明かされていくという形式になっており、先を知りたいと思わせるプレイのモチベーションに繋がっている。
      • だがそれが、後述の賛否両論点にも繋がっている。
  • エイデンの操作
    • QTE以外のアクション性が生まれたことでプレイの単調さが軽減されている。
  • 操作面
    • 前作は「R2で前進」という特殊な操作方法だったが、本作では左スティックで移動という普通の形式になった。
    • 難易度を「カジュアルゲーマー」にするとオブジェクトがわかりやすくなり、行動可能範囲もそのオブジェクト周辺等に絞られる(行く必要のない場所には行けない)ようになるため、ゲーム初心者でも迷わないようにプレイしやすい配慮がなされている。
  • コレクション要素
    • ボーナスコンテンツとして設定資料集やPV、『Detroit: Become Human』の元となった映像作品KARAといったコンテンツが存在している。
    • それらをアンロックするには各チャプターに隠されたポイントをエイデンで見つけだす必要があり、なかなか探しがいがある。

賛否両論点

  • 時系列がバラバラ
    • 今作の時系列は前述の通りバラバラなのだが、そのせいで混乱し没入感を削ぐという意見が一定数存在する。
      • 例を上げると、子供編の話になったかと思えばいきなり大人編(その中でもCIA編と逃走編に分かれる)の話になり、それらが同時並行的に錯綜しながら進む。
        プレイするエピソードが時系列上どの位置にあるのか(前後のエピソードはどんな話だったか)把握しきれていないと混乱するという事が頻繁に起こる。
      • また、そのように時系列が激しく前後することにシナリオ的な必然性はほとんどない。
        何か理由があって回想シーン(子供編)に飛ぶなどではなく、ただバラバラに並べられている。
      • 一応、設定上は「ジョディが記憶障害を起こしているため時系列通りに自分の人生を回想できなくなっている」という理由があるのだが、その記憶障害という設定がシナリオ上において特に重要な役割を持つというわけでもないため、飽くまでプレイヤーに対する表面的な理由付けに留まっている。
    • 好意的に見れば、パズルのピースを組み合わせるようにジョディの人生が少しずつ明らかになっていく面白さはある。
      • 例えば、CIA編ではCIAの一員だったジョディが、逃走編ではCIAに追われることになる。
        その為、プレイヤーは「ジョディがなぜCIAに追われることになったのか」という興味を抱くことになり、ストーリーの続きを見たくなるように作られている。
      • もっとも、これは単に“隠されるから知りたくなる”というだけであり、ストーリー的な面白さとは直結していない。
        上記のジョディがCIAに追われる理由についても判明してみればさほどインパクトのある話ではない。
        ストーリー全体として「間が気になるので見てみるけども、予想の範囲内を出ない」という場面が多い。
    • 一応、PS4版ではゲーム開始前に時系列順にプレイすることを選択するか、いざとなれば途中で時系列順で最初からプレイすることも可能なので、時系列が分かりにくい・混乱しやすいという問題は避けることができる。
      • ただし、前述のとおりストーリー展開にはさほど意外性がなく、この手の海外ドラマや映画を多少見たことのあるプレイヤーなら容易に予想できうる内容である。そのため、時系列に沿ってストーリーを追うだけだと今一つ盛り上がらず、やはり没入感は得にくい。
    • また、子供編よりも大人編を先にプレイできるということは、過去のエピソードでどんな行動を取ろうとも未来のエピソードの展開が変わらないということを意味している。
      このゲームシステム自体がストーリーに分岐が存在しないことをプレイ開始前から明示しており、プレイヤーの選択がストーリーにほとんど影響を与えないことを表している(後述の問題点「プレイヤーの傍観者化」に繋がる)。
  • 基本的にゲームオーバーはない
    • QTEや銃撃戦などでは、失敗するとジョディがダメージを受ける。しかしそれは単に「怪我を負った」という映像的演出のみに留まり、実際にダメージが理由でゲームオーバーになることはなく、ストーリーにも影響しない場合が多い。
      • 仮にQTEをすべて失敗したとしてもジョディのビジュアルが傷だらけになるだけ。場面によってはエイデンの治癒効果を使用することで、その傷跡すら消すことができる。
    • また、時間制限によるゲームオーバーもなく、状況的には明らかに緊迫・逼迫しているような場面でもストーリーが進む行動をプレイヤーが選択するまで状況は変化せずいくらでも長考できる。
    • 初心者でもゲームオーバーにならず最後までプレイできるという利点はあるが、QTEや銃撃戦などの成功・失敗が実質的に無意味なものになっている。
      • そのうえ、QTEは入力方向が分かりづらく失敗しやすい、銃撃戦は簡単で単調なわりに長いといった傾向もある。つまりQTE・戦闘パートは頑張っても意味がないうえに面白味も少ない。特にエンディング回収のため繰り返しプレイすると退屈を感じやすい部分だろう。

問題点

  • 前作から続く分岐に関する問題点
    • 前作と同じく、セーブデータが1つでオートセーブな上、やり直しはチャプターのはじめからのみでムービー・イベントも飛ばせないため、再プレイがかなり面倒。
      • エンディング分岐のためのフラグを変更した場合、そこからエンディングまで通しでプレイしなければエンディングが変化しない(チャプター選択でエピローグに飛ぶのではダメ)ので、何度も同じ作業を繰り返す必要がある。
      • エンディングこそ数パターン存在するが、ストーリー展開自体は僅かな差異を除いて基本的に一本道。
      • 戦闘パートやQTEなど繰り返しプレイするには操作の煩わしい部分が多く、しかもそのほとんどが分岐に影響せず、失敗してゲームオーバーになることもない
      • またトロフィーの条件には「デュオモードで最後までクリア」というものもあり、ソロプレイではじめた場合は最初から丸々でやり直さなければ取得できない。
    • 「分岐が豊富に見えて展開に関わるものは実はそれほど多くない」という問題点もそのまま。
  • プレイヤーの傍観者化
    • 上記のとおり、大まかなストーリーはほぼ完全な一本道で、また、QTEや戦闘パートの成功・失敗もストーリーには影響しない。
      そのため、プレイヤーの操作・選択がゲームに与える影響がほとんどなく、ゲームをプレイしているというよりも映画を見ている(映画の続きを見るための再生ボタンを探している)ような立場になりやすい。
      • 特にQTEや戦闘に失敗してもストーリーが進むというのは初心者救済になっている反面、言い換えればプレイヤーがプレイによってジョディを助ける必要がないということでもある。
        今作はQTEの難易度がやや高いこともあり、プレイミスがストーリーに影響しないことを何度も実感することになるだろう。プレイヤーの助けを必要としないジョディの姿を見るたび疎外感が募っていく。
    • また、時系列がバラバラの順番でプレイできる今作では、当然ながら未来がどうなるか分かったうえで過去のエピソードをプレイする場面が多々ある。そのため、「何をやったところで結果は同じ」という点でもプレイヤーは無力感を覚えやすい。
      • 例えば、ジョディが敵に捕まることが分かっているシーンでは、プレイヤーにはその捕まるタイミングを多少遅らせる程度のことしかできない(しかもさっさと捕まったところで特にペナルティはない)。
  • 3D酔いしやすい画面
    • 演出面を重視しているからか、視点を自由に動かせない場面や画面がグラグラ揺れるシーンが多くカメラ酔いしやすい。
    • エイデンの操作は一人称な上、操作性が独特なので慣れないと動かしているだけで酔ってしまうことも。
  • エイデンによる攻撃・憑依が特定の相手にしかできない
    • 戦闘パートでの主なアクションとして、エイデンによる攻撃・憑依がある。攻撃は敵を直接殺傷することができ、憑依は敵の身体を乗っ取って警戒網の突破や同士討ちを行うことができる。
    • ただしこれができるのは一部の敵に対してだけで、攻撃できる敵・憑依できる敵・それらができない敵がいることに特に明確な理由がない。
    • そのため、敵の同士討ちを行いたい場合、憑依するのは大勢いる敵の誰でも良いというわけではなく、憑依できる相手を集団の中から探さなければいけない。
      • エイデン視点では攻撃できる敵は赤色、憑依できる敵は黄色、それ以外の敵は青色で見えるため一応見分けは付くのだが、探索可能範囲が広い場合もあり「敵が大勢いるのに憑依できる相手が見つからない」といった状況が少なくない。
      • 監視役の敵を排除したい場合、その敵を直接攻撃・憑依するのではなく、わざわざ別の部屋にいる敵に憑依して監視役を攻撃しに行く必要があるなど、ひと手間かかる行動をしなければいけない点について特に明確な理由がない。
  • 分かりづらいQTE
    • 本作のQTEには主人公ジョディのアクションに合わせて方向を入力するというものがあるが、これが非常に分かりづらい。
    • 例えば、ジョディが右にパンチを打とうとするシーンなら右に入力、かがんで避けようとするシーンなら下に入力する。入力方向はジョディのアクションを見て判断するしかなく、画面上に矢印などの記号は表示されない。
      • しかし、敵を攻撃するなら入力は「敵がいる方向」になるのに対し、敵の攻撃を避けるなら「敵とは逆方向」になる。
      • 激しいアクションシーンを見せるためジョディの動きも「敵の攻撃を避けつつ反撃」というカウンター攻撃が多く、QTEとして求められている入力が避け方向なのか攻撃方向なのか分かりにくい。
  • 過剰気味な操作要求
    • ベッドから立ち上がるだけ、岩棚を登るだけといった何気ない動作にさえ、「L1で左足を動かしてR1で右足を動かして…」といったような手間の多い操作を要求される場合がしばしばある。
    • 戦闘シーンなどアクション重視のシーンのみでなく、平穏な日常シーンでも発生する。
      戦闘シーンであれば成否によるリアクション(攻撃をかわす/受ける等)が得られるのでまだ多少の意味はあるが、日常シーンでの入力失敗は入力前の状態まで戻される(上記の例であればベッドに座りなおす、岩棚から滑り落ちる)だけであり、また、状況的に緊迫感もないため、「なぜ立ち上がるだけでこんなに面倒な入力が必要なのか」と煩わしさを感じやすい。
      • 上記の「プレイヤーの操作がストーリーに影響を与えない」という問題点と合わせて、「意味の薄い入力ばかりやたらと要求される」という不満に繋がっている。
  • シナリオの薄さ
    • 今作は少女ジョディと彼女に取りついた霊体エイデンの物語である。プレイヤーはジョディ・エイデンの両方を操作することになるが、エイデンによってできることの多様さやジョディに降りかかるトラブルをエイデンによって解決する場面が多いため、多くのプレイヤーはエイデンに自己投影しまさにジョディの守護霊のごとく彼女を守ることになるだろう。
    • しかし、前述のとおりプレイヤーの行動がストーリーに与える影響は極小さいため没入感は得にくい。
    • また、今作最大の謎はこのプレイヤー自身とも言えるエイデンが何者であるのかで、それはストーリーのクライマックスと言える場面でついに明かされるのだが、その正体は実にありきたりなものである。
      • ジョディの悲劇的な生い立ちや、たびたび登場する大掛かりな研究施設、また何よりも美麗なグラフィックなどからさぞ衝撃的な正体が明かされるのだろうとプレイヤーは期待してしまうのだが、その期待に応えてくれるほど意外な存在ではない。
      • ある意味、それらの細かい設定の全てがエイデンの正体を悟らせないためのミスリードであったとも言える。開発のクアンテック・ドリームは前作の『HEAVY RAIN 心の軋むとき』でも強引なミスリードを展開し、プレイヤーの顰蹙を買っている。だが、『HEAVY RAIN』はミステリーであるため強引でもミスリードを必要とする物語であるのに対し、今作はエイデンの正体を知ることが(大きな謎ではあるが)物語の主軸ではないためそもそもこの肩透かしを食らわすようなミスリードの大風呂敷を広げる必要があったかは疑問である。
    • さらに、一部のエピソードはストーリー全体の流れとあまり関係ない(ナバホ編、ホームレス編など)。
      • 各エピソードは時系列がバラバラの状態で登場するため、初めてプレイした時点では「なぜジョディがナバホの家に?」「なぜジョディがホームレスに?」とそれまでの経緯が分からないため興味が湧き、先のストーリーが見たくなる。
        しかし、ストーリーが進んで経緯が分かってみればさほど意外な理由ではなく衝撃はない。また、ナバホ・ホームレスでジョディの得た経験が後のエピソードに関わるといったこともなく、仮にナバホ・ホームレスのエピソードをバッサリ削除したとしてもストーリー上の問題は全くないだろう。
      • だが、このナバホ・ホームレス編の人物がエンディング分岐に関わっていたりする。ストーリー上の重要性の薄さゆえにプレイヤーから見れば「なぜ貴方が出てくる!?」と感じざるをえない(ジョディから見れば重要な相手なのかもしれないが)。
      • これらのエピソードは時系列がバラバラというのを逆手にとってプレイヤーの興味を引くシチュエーションを持ってきているに過ぎないとも言える。そのため、時系列順に進むモードでプレイするとそのストーリーは取って付けたように散漫でなおかつ意外性もない、海外ドラマや映画で良くある内容である。
    • ストーリー終盤、ある人物が非常に分かりやすく悪役になる。
      • それまでは演じている役者の名演もあり、様々な感情を抱えた非常に魅力的な人物であるのだが、クライマックスで突如映画のテンプレ的な悪役のように変貌してしまう。
      • 一応事前に伏線は張られているので急展開という訳では無い。原因も納得がいく物になっている*2
      • ただ、本当に終盤に出てくる伏線の為取って付けた感がある。時系列順でプレイした場合違和感は少ない為、最初から出しておけば良かったのだ。
    • その人物以外にも物語のクライマックスには各登場人物が、映画やドラマで良くある展開のためにテンプレ的な役割へとはめ込まれてしまっている。
    • この種のゲームはストーリーこそ最大の魅力となるべきだが、残念ながらストーリーは平凡かつ散漫で目立った面白さがないと言える。時系列がバラバラであるがゆえにプレイ中は興味を惹かれ、そういう意味での面白さは確かにあるが、予想外の展開が起こることはほとんど無く、時間をかけてプレイしたわりには既出気味のストーリーに気付いて肩透かしを食ったような気分になるだろう。
  • エンディングについて
    + ネタバレ注意
    • 最終的にジョディは死ぬことを選ぶか、生きることを選ぶかの選択をすることになる。
    • 生きることを選んだ場合は1人でいるか、道中出会った人物達の元に戻るかを選択する。 しかしどれを選んでも近い未来では世界が滅びかけている描写が入り、それにジョディが立ち向かうシーンで物語は幕を閉じてスタッフロールとなる
    • 何故こうなるのか説明もされず、苦労してフラグキャラを助けてもいずれ世界が滅びていく事を考えると複雑な気分となる。
    • ちなみにジョディが死ぬことを選んだ場合でも、結局最後は滅びゆく世界を見せつけられてスタッフロールとなる。
  • 分岐結果が見づらい
    • 各エピソードが終了するとそのエピソード内でプレイヤーが選んだ選択肢や行動の結果が表示される。また、その際オンラインに繋げていると他のプレイヤーがどの程度の割合で自分と同じ選択肢を選んだかが分かるようになっている。
    • ただし、この表示方法が非常に簡易なものであるため、表示された結果がエピソード内のどの選択肢・行動についてのものなのか分かりづらいものが幾つかある。
      • 例えば1エピソード内で同じ人物を2度助ける機会がある場合、結果表示には「○○を助けた」という項目が2つ表示されることになる。
        そのため、1回目は助けたが、2回は助けられなかったりした場合には「○○を助けた」「○○を助けなかった」という結果が同時に並ぶことになり、一見すると矛盾にしか見えない。
      • 一応、これらの結果表示はエピソード内での時系列順に並んでいるので順番を考えればそれぞれどのイベントに関して言っているのか推測できなくはない。
        イベントを見逃したりして存在そのものに気付かなかった場合は順番から推測することも困難になるが。
  • 物悲し過ぎるBGM
    • 前作の『HEAVY RAIN』や次回作の『Detroit: Become Human』はプレイヤーを物語に引き込ませる為に盛り上がるBGMが多々使われているのに対し、本作は物悲しい感じの曲調のBGMが多い為プレイヤーは盛り上がりに欠けてしまう。はっきりBGMと言える物はエンディング曲位しかない。
      • 全体的に音量が低いのもそれに拍車を欠けている。オプションから音量を弄ることも出来ない(これはモニターの音量を上げれば済むのだが)。

総評

『HEAVY RAIN』のシステムや作風を受け継ぎつつ、シナリオの矛盾点やUIのクセなど前作の問題点を改善し、完成度が高くなった一作。
「ゲームオーバーがない物語」の惹句の通り、プレイヤーの選択や行動によって変化していく物語がリアルでハイクオリティなグラフィックで描かれるため、まるで映画の主人公になったような気分で作品に入り込むことができる作品である。

ストーリーは各エピソードがバラバラの時系列で登場するため、まるでパズルのピースを組み立てるように、徐々に明らかになっていくジョディの人生、そしてエイデンとの関係を楽しむことができる。 とりあえずストーリーの全容がわかる1周は興味深くプレイすることができるはずだ。

ただし、ゲームオーバーがない=プレイヤーが何をしてもミスにならない、時系列がバラバラ=何をしても未来は変わらない、という理由から2周以上プレイする意義が薄い。 特に選んでいない選択肢の回収やエンディング分岐の回収などまでやるには、「ムービー・イベントを飛ばせない」「ミスにならないわりには面倒くさい戦闘パート」など厄介な点もある。

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最終更新:2023年12月05日 16:24

*1 2020年12月に自身がトランスジェンダー(体は女性で心は男性)であると公表し、現在は「エリオット・ペイジ」と改名している。

*2 性格自体もそれまでと大きく逸脱している訳ではない