シバ・カーリーの伝説

【しばかーりーのでんせつ】

ジャンル タイムアタックアクションゲーム
対応機種 ニンテンドー3DS
(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
発売・開発元 ライブレイジ
発売日 2015年5月13日
定価 300円(税8%込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント まさかの草刈りアクションゲーム
※『某伝説』とは無関係です


概要

ライブレイジ初のパブリッシングタイトル。
通常のゲームでは脇道でしかない「草刈り」をフィーチャーした、世にも珍しいアクションゲームである。

ストーリー

遠い遠い昔、サザンクロスという国でのおはなし。

魔王の出現と共にたくさんの魔物が現れ、国中が戦火に見舞われました。
そんな中、庭師のシバ・カーリーは鎌を剣に持ち替えず、ひたすらを草を刈り続けていました。
彼は、兵士の皆さんが足場に気を取られて負けることが無いようにと毎日毎日せめて自分の出来ることを行っていたのです!
このおはなしはそんな庭師、シバ・カーリーの物語です。
(ゲーム内のあらすじを基に改変)

特徴

ゲームモードは大きく二つ。システム自体はどちらも共通。

  • ミッション
    • 本作のメインモードで、フィールド上に生えた雑草を全て刈るとそのステージはクリアとなるモード。
    • ステージは全50面+α存在する。最初から全て解禁されてはおらず、1面クリアすると次の面が解禁され、10面ごとにささやかながらストーリーが進む…という構造になっている。
      • クリアタイムに応じてC~Sランクの評価がつき、Sランクを取ったステージには選択画面で金の鎌マークがつく。
      • Sランクを取ったステージ数が一定値を越えると、上級者向けの隠しステージが解禁される。
    • ステージごとに一定条件を満たすと実績要素である「面白い草」を入手できる。入手した草は図鑑で解説を確認可能。
  • エンドレス
    • 命尽きるまでひたすら草を刈り続けるモード。一定数を刈るたびに後述の青い草が生えて回復することが可能。
    • このモードのスコアはオンラインランキングで全国のプレイヤーと競うこともできる。
  • 主人公であるシバ・カーリーはスライドパッド・十字キーで移動し、Bボタンを押すと目の前の草を刈れる。
    • 草を刈っていると鎌のレベルが上昇する。レベルが上昇するとAボタンで発動できる 回転刈り の範囲・威力が増大する。
    • 通常刈りでは2マス分しか刈れない*1ので一気に周辺の草を刈れる回転刈りは強力なのだが、使うたびにレベルがダウンしてしまうので乱発はできない。
  • シバ・カーリーはあくまで庭師であって戦えないので、フィールドの魔物を倒す術はなく、常に接触しないよう避けながら進むこととなる。
    • 魔物と戦っている兵士もいるが、何故か彼らに接触してもダメージを受けてしまう。このため魔物共々完全におジャマキャラである。
  • 体力は全ステージでハート5個分からスタートする。
    • 本作はライフが制限時間を兼ねており、敵と接触しなくても一定時間を経過するごとにハートが削られる。また、砂上地帯では歩くと疲れるので体力が一気に減少する。
    • 体力はステージに生えている青い草を刈ると回復できる。ただし青い草はその辺の雑草と違い刈らなくてもステージクリア扱いとなる。
      • Sランククリアや一部の面白い草入手を狙う場合は青い草を無視したルートを取る必要がある。

評価点

  • シュールでゆるーい世界観
    • とにかくにも、3DSでは唯一の草刈り専門ゲーという個性が光る。
    • 世界観に合わせてお邪魔キャラである兵士・魔物もキュートなデザインになっている。
      • だが、フィールドには戦ってる兵士・魔物に加えて 逃げ回るおっさんと追っかける妻らしき人物 がいる事もある。もちろん触れるとふっ飛ばされダメージ。
      • しかも魔王の城が近いという設定の終盤のステージにもいる。自宅から逃げて来る間にはるばるそんなところまで来てしまったのだろうか?疑問は尽きない。
    • ステージを条件で満たすと入手できる「面白い草」はどれもダジャレめいたネーミングの草となっており、ちょっぴり笑える一発ギャグとなっている。
      • 全ステージに存在するので、やり込み要素としても悪くない。
  • しっかりとしたレベルデザイン・UI
    • 極めて単純なゲームではあるのだが、最初のステージは簡単で徐々に要素を増やしていき、後半のステージほど難易度が高いという難易度曲線がきちんと作れている。
      • 序盤のステージや新たな要素が出るたびに、ステージ開始時に解説コメントが入るので説明書抜きでも分かりやすい。
    • ジャンプは出来ないが高所から飛び降りることはできる、というシステムになっているため、これを生かしたショートカットや逆に戦いに巻き込まれて高所から落下しやすい地形も存在し、単に草を刈ればいいだけでなくプレーヤーが攻略法を自ら考えて攻略できるようになっている。
    • ライフ≒制限時間となっているのも程よくプレーヤーの出来ることに制限をかけており、ダメージを受けつつも無理矢理クリアと言った強硬策一辺倒でクリアできないよう対策されている。
    • 下画面には常時マップが表示され、まだ刈っていない草も分かる。いやらしい配置の草がいくつかあるゲームで、このような救済策も存在するのはありがたい。
  • 驚きの低価格
    • 携帯機向けのインディーゲームと言っても大体500~700円程度の作品が多い中、本作はなんと 300円
    • 同価格・本作未満の価格のソフトもあるにはあるが、ツールソフトや遊ぶ要素のない映像作品などが多い。一方本作はゲーム性はシンプルながらも50以上のステージが存在し、エンドレスモードはオンラインランキングにまで対応しているので特筆に値するポイントだろう。
  • パロディ要素
    • 御察しの通り、随所に『ゼルダの伝説』シリーズのパロディ要素が見受けられる。
      • ロゴデザインが『時オカ』~『3銃士』の物とほぼ完全に一致している(グラデーションもそれっぽい)のでゲーマーならばチラっと見ただけでニヤリとしてしまうだろう。
      • ロゴ内の英字の題名も「THE LEGEND OF KUSAKARI」。
    • しかもこれを天下の3DSで出すのだから大したチャレンジ精神である。もちろん任天堂も気づかないわけがなく…(余談参照)
    • なのだが、回復アイテムである青い草の名称は「エリ草」である。

賛否両論点

  • メインのBGMの主旋律やステージ開始・終了のジングルがわざと外した音程になっている。
    • 意図的な物であり、世界観自体には合っているのだが、余りにもスカしてるので人によっては不快感すら感じるかもしれない。
    • 一応、ソフト側の設定でBGMをOFFには出来るが、それはそれで寂しいことになる。
  • ストーリー・キャラ付けは激薄。
    • テキストもごくわずかなのだが、その数少ない文章の日本語がやや怪しい。
    • あらすじで説明されたこと以上のことは作中述べられず、EDで唐突にそれまで一切語られていなかった設定が複数登場する。
    • せっかく草刈りという着眼点が面白かっただけに、この辺りを投げやりにせずよりいい意味でふざけた形にしていればバカゲーとしてより一層の評価を得られたのではないか。
  • 上述の通り部分的にゼルダパロは行っているのだが、「多種多様な武器」「謎解きアクション」「アーティスティックなグラフィック」「フェティッシュな人外キャラ」等ゼルダと言えば挙がる魅力点がないため本格的なパロゲーを期待すると少々がっかりすると思われる。
    • また、『ゼルダ無双』のスタッフが草刈りだけのモードを導入しようとしたが結局やめたように、単純で底が浅いため必ずしも万人に合うゲームとは言い切れない。
    • とはいえ合う人には合う妙な中毒性があるのも事実で、一気に数十ステージクリアしてしまったという人もいる。

問題点

  • 要は箱庭マップで草刈りするだけゲーなので、遊びの幅が狭い。ストーリーも薄く、収集・成長・カスタマイズといった要素は皆無である。

ただし、結局のところ(BGM以外は)賛否両論点含めて 300円なので仕方ない といえる範疇ではある。


総評

ほぼ一発ネタゲーに見えるが、案外作りも悪くない。
あまり値段以上の物を想像すると期待外れかもしれないが、「たったの300円で買える低価格ゲー」としては佳作と言ってもいい。
ニンテンドーポイントが余ってるなら手を伸ばしてみてもいいだろう。

よりストーリーやアクション性が高いゲームが欲しいのであれば、もう300円出せば『夢島DX』、もう600円出せば『神トラ』のVC版が買えるのでそちらを買うのも選択肢ではある。


余談

  • 任天堂のWeb広報動画である「ネコマリオタイム」でも紹介されているのだが、MCのネコピーチには「 どこかで見たことある 」と言われ、紹介映像の締めには まさかの本家リンクが登場する というサプライズ的な一幕もあった。
    • そういう意味では半公認パロゲーと言えるかもしれない。

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最終更新:2021年06月04日 10:23

*1 LRボタンのダッシュを組み合わせればもっと刈れるが、かなり難しい