まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!

【まじかるたるるーとくん ふぁんたすてぃっくわーるど】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 バンダイ
開発元 トーセ、D&D
発売日 1991年3月21日
定価 5,800円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント マリオ3リスペクト
まじかる☆タルるートくんシリーズ


概要

  • 当時は大人気を博していたジャンプ作品の一つである『まじかる☆タルるート』くんをゲーム化したもの。

ゲーム内容

  • タルるートを操作するアクションゲーム。ボスを倒したりして、ストーリーを進める。
  • ストーリーは全8話。誰かと敵対するのが目的ではなくボスのいない話もある。
  • バッテリーバックアップが実装されていて、最初に名前を入れてファイルを作成してスタートする。ファイルは2つまで作成可能。
    • セーブする際はフィールドマップでスタートボタンを押すのだが、あたまたーぼくんが必要で、1回1つ消費する(最初から3個持っている。ミモラの店で買えるが高い)。

フィールド

  • フィールドマップには番号の付いた看板がいくつか配置されており、それに応じて横スクロールのアクションステージ用意されている。アクションステージの前に準備画面になり色々なアイテムを使用する事も出来る。
  • フィールドマップには他にも色々な物が配置されており、それぞれイベントが起こる。
  • プレゼント箱
    • イベントアイテムが入っている。クリアに必要な物やそうでない物など色々。だが最終話では……!?
  • まじかるばっくん
    • アクションステージで使える魔法アイテムが入っている。順路から外れた所に置かれている物もあり、そういう物は取らなくてもクリアできる。
  • たこ焼き
    • 松っつぁん(浪速松五郎)のたこ焼き屋台で、松っつぁんが投げるたこ焼きをキャッチするミニゲームができる。
    • ここのたこ焼きはほとんどが10倍たこ焼きになっていてかなり数を稼げる。たこ焼きを多く取るとタルのおなかが膨らむ演出があり残機が増える。序盤の話では全部取ってやっと1UPする程度だが後の話では最大5UPしたりする。当然、その分難易度は上がる。
  • 風船
    • 残機を増やす3×3のビンゴゲームができる。
    • まず最初に全体が回りマスの配置が決まる。この時どこか1マスがフリーになり最初から空いた状態になる。その後ルーレットで4枚パネルを開き縦横斜めにいずれか1列揃ったら、揃ったキャラ*1に応じて残機が増える。ちなみに座剣邪寧代がゲームに出てくるのはここだけである。
  • キャラクター
    • チェックポイントだったり、通せんぼをしていたり、ボスだったりと様々。

アクション

  • 攻撃手段は「舌」で、敵を攻撃したりタコヤキを食べる事が可能。上下左右の4方向(空中では左右のみ)に攻撃可能で、地形貫通もあり。
  • 水中のステージもあり、ここでは海パン姿のタルを操作する。やられた時のリアクションも地上とは異なる。地上と水中は混在しない。
  • タルの大好物のたこ焼きがステージ中に配置されていて(ステージによっては見えないものもある)、食べれば個数が加算され後で通貨として使える、上限は500まで。 中には1個で個数が10個増える「10倍たこ焼き」、無敵になる「無敵たこ焼き」1UPする「1UPたこ焼き」、ステージの最後にある*2「ゴールたこ焼き」がある。
  • 上に乗ることもでき、足場としても使える(使わなければいけない所もある)。
  • ステージクリア後にミモラのアイテムショップに行く事ができ、タコヤキに応じてアイテムと交換してくれる。ショップの売り物はステージごとに異なる。
  • 使ったたこ焼きの数に応じてスクラッチカードがもらえる*3。6か所のうち3か所を削り3つとも同じアイテムが出ればそのアイテムを貰える。翼とテレポテトはこのスクラッチのみで手に入るレアアイテム。

評価点

  • 原作要素
    • 原作でおなじみのキャラ達が数多く登場。
    • 無理矢理ねじ込んだ感があるが、魔法アイテムを使ってステージを進めていくのは楽しい。ファンにはたまらない。
  • タルずかん
    • ゲームスタート時にタルずかんを選ぶとキャラクターやアイテムの情報が見られるのだが内容が豊富で楽しい。
      • 本作には登場しないキャラやアイテムの情報まで載っているという充実ぶりである。
  • 敵キャラクター
    • 大ネズミ・流星群・海中からのタコなど原作には登場しないものばかりだが雰囲気は壊していない。
    • 倒した時の効果音も倒した敵に応じて使い分けられている、例えばネズミならチューとやられる。
  • 豊富なアイテム
    • 原作にも登場した多くのアイテムが登場しており、大きなアイコンで見やすい。
    • ステージ開始時にアイテムを使う事ができアイテムを選ぶと解説も出る。一度に使用できるのは4つまで。また、ボス戦では使用できない。
    • アイテムの使用個数や種類に応じてステージ開始時のセリフが変わる。
+ ステージ開始時に使えるアイテム
  • 玉みえ
    • ステージの特徴や注意点を教えてくれる。ステージによっては役に立たない事も……。
  • みエッチん
    • ステージに隠れている見えないたこ焼きが見えるようになる、というよりも実体化する。一部のステージでは敵を閉じ込めてくれていたり、穴が塞がれたり橋になっていたりとプレイヤーに有利な配置ばかりである。
  • 韋駄天足ん
    • 水中ステージ以外でタルの移動速度が速くなり、ジャンプ力も上がる。
  • くろーるけーきくん
    • 水中ステージ用。タルの移動速度が速くなる。
  • パワーアップルジュース
    • スタート時から一定時間無敵になる。
  • イキフキカエル
    • 敵に接触してミスした時1回だけ無敵になって復活できる。落とし穴では無効。
    • タルが空を飛べるようになる。韋駄天足ん・くろーるけーきくんと併用不可。上下への攻撃も不可となる。非売品。
  • テレポテト
    • ゴールまで一気にワープできる。他のアイテムと併用不可。非売品。
  • アクションステージで使えるアイテムもあり、一定時間で効果は切れるがクリアの助けになる。
    • アイテム使用1回につきまじかるばっくん(フィールドに落ちている物とは別で、最初から3個持っている。ミモラの店でも手に入る)を1つ消費する。
+ アクションステージで使えるアイテム
  • 引力ん
    • 画面内のたこ焼きを引き寄せる事ができる。ただし使い方を誤ると、足場に使うはずのたこ焼きまで引き寄せたり、敵キャラのおじゃ丸*4も引き寄せてしまったりする、この時はタルは身動きが取れないのでやられ易くなる。
  • 斥力ん
    • 敵の弾を無効化する事ができる、引力んと対になるアイテム。
  • 雨雲太郎
    • 通常の舌攻撃では倒せない炎の敵や道に配置されている炎の柱を消す事ができる。
  • きくんだあ
    • タルよりも一回り大きい「わ」の字を飛ばす遠距離攻撃。一定時間内なら無制限に使える。
  • かぜかぜうちわくん
    • 風で敵を吹き飛ばす遠距離攻撃。判定の幅が広く、一瞬で画面端まで出るためきくんだぁより強力だが、効かない敵もいる。
  • 分身ライト
    • 自分の前に攻撃判定を持った分身を作る。
  • ソードペンまじっくん
    • 敵を止める事ができる(敵の当たり判定は残る)、一番有名な道具。
  • 多彩なステージ
    • 海水浴、絵本の中、スキー、肝試し、原子邸などが舞台になっており、アクションステージも豊富に用意。フィールドでは色々なキャラによるイベントも多い。
  • 粒ぞろいのBGM
    • 個性的なタイトルの曲*5から、軽快な地上ステージの曲、ゆったりした水中ステージの曲、おどろおどろしい洞くつステージの曲などいい曲が揃っている。特に夜ステージの曲は評価が高い。
  • 各話クリア時に達成感のある? 一枚絵が表示される。
    • 裏技扱いだが、海の話では伊代菜の水着姿*6の一枚絵もある。
  • 意表を突くエンディング
    • 詳細は伏せるがある意味驚く内容ではある。

賛否両論点

  • 高めの難易度
    • 何に当たっても落ちても一撃死なのはアクションに不慣れな人には辛い。アスレチック面も滑る足場からギリギリのジャンプを要求されるなど難易度の高いステージもあり、コースは短めではあるが中間スタート等もない。3話ボスのどわっは大王戦や4話の各種アスレチックなどが顕著。
    • イキフキカエルの復活や、アスレチックステージではみエッチんの視覚化たこ焼き等の救済措置はあるが、それでもミスするとアイテムを失ってしまう。買い直しはステージクリア時のみで売っているアイテムもステージによって品揃えが二種類あるため、補充できずに使い果たして詰んでしまうこともあり得る。
  • 一度ステージに入ると、クリアするまでフィールドに戻れない
    • セーブし直したり他のステージに挑戦するといったことができず、アクションが苦手な初心者にはやや辛い仕様。
  • テレポテトや翼を使うと攻略が非常に楽になるのはいいが、入手がスクラッチのみで確保が安定しないため何個も手に入るプレーヤーもいれば1個も手に入れられないプレーヤーもいた。
    • 折角使って楽にゴールまで行ったと思えば、待ち構えていた敵にやられる事もある。

問題点

  • 活躍するのはタルのみ。他のキャラは選べない。
    • 本丸はスキーでケガしたり、肝試しで満身創痍などロクな扱いをされていない。もう全部タル一人でいいんじゃないかな
  • セーブの不親切さ
    • セーブにはミモラの店で購入できる「あたまたーぼくん」が必要だが、たこやき70個とやや高額で、気軽にセーブできない。
      • クリアした話しは勿論、ステージも再挑戦は出来ない仕様なのでタコヤキを稼ぐのは難しい。
  • 同じ話の中でもステージの難易度にかなり差があり、一部のステージがかなり難しい。
  • ボス戦ではアイテムが使えない
    • こちらは近距離の舌攻撃のみでHPもないので苦戦を強いられる。
  • 最初の方の話では行かなくてもいいステージがあったりするのだが、6話や7話などはショートカットできそうに見えてそのルートがことごとく潰されていくため結局すべてのステージを回る必要があるため面倒くさい。

総評

原作愛が伝わってくる良質なキャラゲーと言える。
魔法アイテムを活用してあらゆるシチュエーションを進んでいくのは楽しい、また上級者はアイテム縛りなどで歯ごたえがある難易度に。
ファミコンの性能を最大限に活かしてアクションゲームとしても優れているので、原作ファンはもちろん、そうでない人にも手に取って欲しい作品の一つである。
キャラゲーとしては成功を収め、後にあらゆるゲーム機でタルるートのゲーム化が展開されることになる。

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最終更新:2023年07月05日 02:51

*1 原子やじゃば夫、フリーはあまり増えず伊代菜やミモラだと多く増える。

*2 ステージの最後にはたこ焼きが3つ並んでおり、中身は10倍、1UP、ゴールのいずれかでどこに何があるかはランダム。

*3 運が良ければバーゲン中となりもらえるカードの枚数が通常の2倍になる事もある

*4 たこ焼きの中に紛れ込んでいたり、一緒に並んでいたりする紛らわしい敵

*5 7話ではこの曲がアクションステージに使われている

*6 原作で母親から押し付けられた物。伊代菜曰く「紐」