本ページでは『Sanctum』およびその続編の『Sanctum 2』、スピンアウトの『Super Sanctum TD』を取り扱う。



Sanctum

【さんくたむ】

ジャンル タワーディフェンスFPS
対応機種 Windows XP(SP3)/7/8
MacOS X 10.6.3以降
メディア ダウンロード専売ソフト
開発元 Coffee Stain Studios
発売元 Coffee Stain Publishing
発売日 2011年4月16日
価格 1,010円
プレイ人数 1~4人
判定 良作
ポイント タワーディフェンスとFPSの融合

概要

  • 自分で建設したタワーデフェンスを、FPSで自分でサポートするという新しいシステム。

システム

  • 1ステージは15wave以上からなり、各waveは建築フェイズとアタックフェイズで構成されている。
    • ストーリーモードでクリアしたmapは、それ以降、wave数に制限のないサバイヴァルモードが選べる。

建築フェイズ

  • 費用の許す限りタワーを建設できる。
    • 各waveごとに規定された額の資金が追加される。
  • もしくは費用を払って銃火器のアップグレードができる。
  • タワー
    • ブロック
      • 敵のパス(進路)を妨げる。
        つまり、このゲームは迷路を自分で組める部分があるタイプのタワーディフェンスである。
      • タワーにはブロックが必要なものと、ブロックが不要な床型なものとに大別される。
    • 通常タワー
      • ガトリング
         本作ではブロックの内部に構築される。次作ではブロック上に配置される。また、次作では射程が大幅に短くなっている。
         威力の低い弾を常時多数発射し、クールダウンタイムはない。一般的なガトリング砲のイメージと異なり命中率は高い。
      • 貫通大砲
         こちらもブロックの内部に構築される。空中の敵は狙わない。
         ガトリングと似ているが、発射間隔がガトリングより圧倒的に長く、その分威力は大きいものの、単体相手では与えられるダメージはガトリングに劣る。貫通という特性を生かせる場所に設置しないと活きない。
         次作には登場しないため、次作では迷路にあえて直線部分を作る意義は低くなった。
      • キャノン
         『2』から登場。本作および『Super Sanctum TD』には登場しない。
         貫通大砲の代替と考えられるが、貫通能力はない。発射間隔は貫通大砲よりは早くなっているものの、ガトリングよりは遅く、その代り威力はガトリングより大きく、攻撃範囲はガトリングよりやや広い。設置コストはガトリングよりやや高く設定されているものの、時間あたりの攻撃力に比してコストが安めなことから、序盤に重宝することとなる。
      • 電撃タワー
         攻撃間隔が長いが威力が大きい。レベルアップすると、直撃した敵に隣接した敵にもダメージを与える。本作では空中の敵は攻撃しないが、『Super Sanctum TD』では空中の敵も攻撃する。攻撃範囲はさほど広くないという欠点もある。
      • スキャッター・レーザー
         レーザー攻撃を行う。威力は低い。一度狙った敵を倒れるか射程外まで出るまで狙い続ける他のタワーに対して、こちらは撃つごとに狙う敵を射程内のランダムな敵に選びなおすという特徴がある。本作では唯一、地上と空中の敵の両方をターゲットとする。なお、後に有料DLCにて同じく両方の敵をターゲットとする、より高出力で射程が広い「全滅ガン」が追加されており、スキャッター・レーザーは産廃化した。次作にも登場するが、次作においては攻撃用タワーのうち唯一、攻撃目標の設定が出来ない。
        「全滅ガン」は原名の「バイオレーター」に名を変えて『Super Sanctum TD』および次作にも登場している。
      • モルター
         ロケット弾を射出する。地上の敵のみを攻撃する。範囲攻撃で周囲の敵も爆発に巻き込みダメージを与える。その一方で弱点攻撃を期待できない、移動速度が速い敵には当たらない*1という欠点もある。
         次作では登場せず、代わりに別デザインでその名もズバリ「ロケット」が登場する。射出間隔が著しく長く、次作ではボスなどのHPが多い敵向けに「最もHPが多い」設定で運用することとなるだろう。
      • ACP
         『Super Sanctum TD』および次作に登場、本作には登場しない。
        地面を揺らす衝撃波で敵にダメージを与える範囲攻撃のタワー。雑魚は一掃できるが、ホバラーのような空中を浮遊する敵、もしくは弱点攻撃しか有効でない敵には無効である。
      • 対空タワー
         飛行ユニットのみを攻撃する。『地球防衛軍2』の「スカイタートルミサイル」のように物理法則を無視した遅さであり、一部飛行ユニットには回避される。このため、単体では特定モンスター(スポール団)にしか効かないと言っても過言ではない。回避されてもなお敵を追う健気な姿はスカイタートル同様に涙を誘う。
         次作では本編には登場せず、有料DLCにのみ収録されている。なお、次作にはスポール団およびスポール団相当の敵が出ない。また、次作の対空タワーは弾がそんなに遅くなく、そして次作には素早い飛行ユニットも出ないため、次作の対空タワーはまともに活躍する。
      • カイロス
         空中のユニットのみを対象として、敵の移動を遅くする球体を発射する。対空タワーの攻撃を避けるユニットの移動をスローにして、対空タワーの攻撃を当てるために使う。こちらは次作でも登場するが、地上の敵にも有効となっている。
      • ドローン
         攻撃ドローンを排出する基地。攻撃ドローンは短寿命ではあるものの敵にまとわりつきながら敵に防御力無視のダメージを与える。圧倒的攻撃力を持つが、攻撃ドローンを一度排出すると次の排出が可能となるまで時間がかかるため迷路の入口付近に置くべきではない。
         本編にはなく有料DLCで追加。『Super Sanctum TD』および次作にも登場する。
      • アクセラレータ
         連射性能が高いガトリングのブロック上部に乗っているバージョン。射程は狭い。
         表記スペックの通り最初は連射速度が遅いものの、同じ敵を狙っていると段々加速していく。
         次作のガトリングはこちらのデザインを採用している。
         本編にはなく有料DLCで追加。
    • 床型タワー
       もちろん、飛行ユニットには影響を与えられない。
      • AMPタワー
         敷設された部分の上にいるモンスターのダメージを増幅させる。
      • スローフィールド
         敷設された部分の上にいるモンスターの移動速度を遅くする。PCおよびCO-OPのプレーヤーの移動も遅くなる。
      • 死の床
         敷設された部分の上にいるモンスターに圧倒的なダメージを与えるが、クールダウンタイムが長く、単位時間あたりの攻撃力はそこまで大きくないため、迷路の入口付近に置くべきではない。
  • 銃火器
    • Mapの開始時に3種類の銃火器を選んで持ち込める。
    • 武器にはセカンダリー攻撃(右クリックで発射)がついているものがある。
    • 費用を払ってレベルUpすると、威力向上やクールダウンタイムの短縮などの恩恵が得られる。
    • アサルトライフル
      • 発射間隔が密だが威力は低く、命中率も悪く弾がバラける。セカンダリー攻撃にグレネードランチャーがある。CO-OPの場合、グレネードランチャーの爆風で他のプレーヤーを吹き飛ばしてしまうという問題点がある。
    • REX
      • ロケットランチャー。爆発攻撃であるため、グレネードランチャー同様にCO-OPの場合には注意が必要。セカンダリーはロックオン可能かつプレーヤーに爆風の影響を与えないと良いこと尽くめだがクールダウンタイムがより長くなる。
    • スナイパーライフル
      • 1発あたりの威力は大きいものの、クールダウンタイムが長い。威力が大きいとは言うものの、アップグレード前の初期の威力では1発でスポール団1体すら仕留められない。弱点に当たった場合には通常より高いボーナスダメージが付与されるため、頭ウォーカー(後述)を倒すならこれがほぼ必須である。本作ではセカンダリーでスコープによる二段階のズームを使用できる。次作では全ての武器でズーム(狙い撃ち)が可能になり、代わりにセカンダリー攻撃で炸裂弾が打てる。
    • ショットガン
      • 理論上の威力は大きいが、敵に密着して打たなければ弾がバラけて思ったほどのダメージを与えられない上級者向けの銃。そういうわけで有効射程が短いため、holo(後述)との相性は良くない。セカンダリーはボタン押下で溜め撃ち状態となり、ボタンを押し続けている時間が長いほど威力が増す。
    • フリーズガン
      • 敵の移動を遅らせる。セカンダリー攻撃では着弾した敵の周囲を完全に凍らせて動きを止めるがクールダウンタイムが長く、wave中数回しか使えないだろう。射程が短く、空中の敵にはほぼ届かない。
    • テスラ
      • 一定距離までしか届かないが精度がよく、周囲の敵にもダメージのある、ダメージが低く連射性能の高い電撃を発射。セカンダリーは射程無制限の、命中した近くの敵に連鎖する電撃を発射する。難しいが空中の敵も攻撃可能。
         本編にはなく有料DLCにのみ収録されている。
  • プレイヤーがenterキーを押下することでアタックフェイズに突入する。

アタックフェイズ

  • ひとたびアタックフェイズに突入すると、そのwave終了までタワーの建設やレベルアップはできない。
  • 敵がコアに向かって突撃してくる。
    • モンスターがコアを攻撃してコアのヘルスがなくなればゲームオーバーである。
    • ヘルスが0にならずに規定のモンスターを全滅させればwave終了となる。

評価点

  • 変わった機能のタワーがある
     (本項では次作でなくなったもののみを取り上げる)
    • テレベーター
      • PCは自力ではブロックの上に登れない*2ため、ブロックの上に登るためのエレベーター。
      • Tabキー押下で表示される俯瞰画面からテレベーターをマウスクリックすると、そのテレベーターの上にテレポーテーションできる。
      • テレポート機能はアタックフェイズ攻略の肝だが、次作ではなくなっている。
    • Holo(ホロ)
      • 透明なタワー。PCもモンスターも通過できないが、弾やレーザーは通し、しかも、なぜか通過した弾やレーザーの威力を向上させる。
      • PCの攻撃拠点の構築に利用できるなど戦術的に面白みのあるタワーだが、次作ではなくなっている。
  • 敵のキャラが練られている
    • ラッシャー
       直線部分では超加速するが、曲がり角では異様にもたつく。曲がりくねった迷路を作ることが対策となり、そのため、集団で列を成して進撃してくる他のモンスターを直線部分で通貫砲で一網打尽にしたいという戦術を立てにくくする。
       次作では登場せず、似たような特性を持ち、よりHPが増した「Rhino」が登場する。
    • ホバラー
       全面からの攻撃を全く受け付けず、背後の弱点を狙う必要がある。
    • マシュルーム
       弱点がむき出しだが、非常に高いHPを持っている。攻撃を受けるたびに防御力が下がるという性質があり、威力よりも攻撃回数が肝となってくるため、攻撃回数の多いガトリングが必須となっている。
       次作では原名の「ソワーカー」として登場する。次作ではソワーカーが出現するwaveにてガトリングの攻撃目標を「最もHPが低い」以外に変更するなどの対応が必要になるだろう。同じwaveでランナーやSnokerなどの雑魚が大量に出現する場合は、それ相応の数のガトリングを揃えるか、プレーヤーがREXなどの爆発物を装備して出撃するなどの対応が必要。逆に、Walker Warriorなどの大型が同時に出る場合は、ロケットやバイオレーターの攻撃目標を「最もHPが高い」からそれ以外に変更したほうが良いだろう。
    • タンク
       バリアを張った状態で進撃してくる。目の部分が弱点であり、目に攻撃が当たると一定時間バリアが解除される。弱点である目の位置を狙えるタワーは通常では電撃タワーのみであるが、最初のmapなど坂道があるmapにて、坂道を登りきった所にガトリングを設置しておくと段差の関係で当たることがある。PCの銃撃で倒す場合、弱点が小さくて狙いにくい敵である。次作には登場しない。次の頭ウォーカーとキャラが被っているという判断だろうか。
    • 頭ウォーカー
        頭に風船上のものがついており、そこのみが弱点で、他の部分は無敵である。弱点部分は歩行と共にブラブラと揺れて、PCの銃火器で狙いにくい。本作では頭ウォーカーに安定してダメージを与えられるタワーはない*3
       次作では原名の「ボブルヘッド」として登場する。
    • グライダー
       飛行ユニット。他の飛行ユニットと異なり、対空タワーの弾を回避できる。スピードはあるもののコアに対して真っ直ぐには飛んで来ず、無駄にクルクル回ってくれる。その代り、移動方向が予測しにくくプレーヤーの銃で狙いにくい。次作では登場しない。
  • 広い戦術性
    • 通常のタワーディフェンスとしても、プレーヤーがブロックで迷路を構築できるタイプであることと、上記の通りモンスターの特性が練られており、タワーもバリエーションが有るため十分な戦術性がある。
    • その上で、タワーの欠点をFPSにより補えることから、より広い戦術性がある。

問題点

  • 日本語訳が奇天烈
    • もはや文章の体を成していないレベルの表記が多々ある。
  • 部分的コントローラーサポートの問題
    • オプション設定のコントローラー設定でカメラ移動の「バーチカル」を「リバース」に設定した場合、コントローラーは「リバース」になるが、マウスは「ノーマル」のままとなる。
    • Macにおいて、左スティックを上に倒すとPCが後退する。
      • Windowsでは左スティックを上に倒すとPCは前進する。
      • この操作はオプション設定では変更できない。

総評

単なるタワーディフェンスではなく、自らも出陣してディフェンスするという新発想のゲーム。
複数の種類の敵に対して、一方をタワーに任せて他方を自分で片付けるなどの戦術が採れる。
最大4人までのCO-OPが可能だが、次作発売後はプレイヤーらが次作に移住したため、人が集まりにくくなっている。

後の展開

  • 2つのFreeDLCが配布され、それぞれ1つづつ、計2面のMapが追加された。
  • 上記とは別に有料DLCのMap packが2種リリースされている。
    • 新規タワーも追加されており、Map Pack 1 に収録されている「全滅ガン」はバランスブレイカーと言うほど万能ではないが、あると便利である。

Sanctum 2

【さんくたむ つー】

ジャンル タワーディフェンスFPS
対応機種 Windows XP(SP3)/7/8
MacOS X 10.7以降
Ubuntu 12.04以降
メディア ダウンロード専売ソフト
開発元 Coffee Stain Studios
発売元 Coffee Stain Publishing
発売日 2013年5月16日
価格 1,520円
プレイ人数 1~4人
判定 なし
ポイント タワー建設の制限がキツくなりFPS寄りになった

概要(2)

  • 前作の主人公が引き続き出演し、モンスターも同じものが多数出ている。
    • ただし、少々変更があり、それらの点が賛否を分けている。

変更点(2)

  • PCを選べる
    • 前作の主人公のほか計4種+有料DLCで1種の中から選べる。
    • 各キャラクターの機動性に差はないが、メイン武器が固定となっている。
      • 各キャラはメイン武器に合わせた特性を持っており、スナイパーメインのキャラは他のキャラより命中精度が高いなどとなっている。
    • 経験値は使用したキャラクター毎に貯まるのではなく、プレイヤーのものに一括して管理される。
  • 経験値
    • waveをクリアすることで経験値が貯まる。
      • 1度クリアしたwaveを同条件で再クリアしても経験値は得られないが、1度クリアしたwaveでも、サヴァイバルモードにて「敵から攻撃を受けない」「タワーの攻撃だけでクリア」などの条件を満たすと微々たる経験値がボーナスとしてもらえる。
    • 前作ではタワーや武器を最初から無制限に使用できたが、本作では経験値を貯めることで、タワーや武器が順次解禁されてゆく。
  • 床型タワーの廃止
    • ブロックを使用しない床型タワーは廃止されたか、似た機能を持つブロックが必要なタワーに置き換えられた。
      • AMPフィールドはAmp Spireという周囲のタワーの威力を向上させるタワーに置き換えられた。
      • スローフィールドはプレイヤーが「スローフィールドを製造するタワー」からスローフィールドを調達して床に置く必要がある。なお、スローフィールドを製造するタワーをレベルUpすると、設置したスローフィールドの効果も向上し、一つのタワーで置ける数も増える。
         なお、「スローフィールドを製造するタワー」は本編には含まれず、有料DLCで追加される。DLCを追加していない状態では、前作から継続して登場しているカイロスが前作では空中の敵しか狙わなかったのに対して地上の敵を狙うようになり、弾が当たった範囲内の敵の動きを一定時間スローにするようになったため代替として利用できるが、ケイロスがどこを狙うかは不定であり効果が不安定である。
      • 死の床は廃止されたが、代わりに設置できる使いきりの地雷をwaveごとに生成するタワーが登場。かならずwaveごとに取りに行かないと破棄されるが、爆発しなかった分は次のwaveに持ち越されるため、早めにこちらに資金を割く決断をして、ボスや緊急事態に備えるといった戦略性がある。
  • 銃火器のアップグレードがなくなった
    • 銃火器かタワーのどちらに費用をかけるかは前作では重要な判断ポイントの一つだったのだが。
    • 貴重なポイントを注ぎ込まなくて済むという点ではタワーディフェンス派側としてもストレスが減ったため、特に不満の声は聞かれない。
  • Game in game
    • ゲーム内にブロック崩しなどのゲームが隠されていて、プレイ可能である。

評価点(2)

  • コントローラーフルサポートとなった
  • タワーに攻撃目標を設定できるようになった。
    • 「最も近い」「HPが最も多い」「HPが最も少ない」「デフォルト」から、Wave毎に変更が可能。
    • ガトリングなどの威力の低いタワーが装甲の高い敵を狙わないように「HPが最も少ない」を設定したりできるなど、戦術の幅が広がった。
    • ただし、一部、目標を設定できないタワーが存在する。
  • 前作に比してMapが増えている。
  • 広い戦術性
    • 通常のタワーディフェンスとしても、プレーヤーがブロックで迷路を構築できるタイプであることと、モンスターの特性が練られており、タワーもバリエーションが有るため十分な戦術性がある。
    • その上で、タワーの欠点をFPSにより補えることから、より広い戦術性がある。

賛否両論点(2)

  • グラフィックが微細になった
    • この事により、前作を余裕でプレイできていた環境でも処理が追いつかずにラグが出るようになった。
      • 前作のグラフィックについて、特にプレイヤーからの不満の声はなかったようなのだが。
  • PCがジャンプでブロックに登れるようになった。
    • これでタワー構築時にアタックフェイズ時の機動性をあまり考慮する必要がなくなった。
      • 逆に言えば、戦術性が1つ失われているとも言える。
    • テレベーターの廃止
      • PCがタワーのベースにジャンプで登れるようになったため、要らなくなったと判断されたのであろう。
      • しかし、テレポート機能の代替がなく、モンスターの出現位置が複数あるMapでは不便になった。

タワーディフェンスよりもFPSに重きが置かれた

  • タワー建設の縛りがキツくなった
    • Mapごとに建設可能なタワーの総数が定められており、いくら建設ポイントが有ってもそれ以上はタワーを増やせない。
    • 前作では各タワーをLv.6までアップグレードできたのだが、今作ではLv.3までとなっている。
      • このため、ある程度のWaveを超えるとFPSの腕前だけが頼りとなり、タワーディフェンスのゲーム性が失われる。
      • なお、Lv.3に達したタワーでもオーバーチャージにより、つぎ込んだ建設ポイントに線形に比例して1部のパラメーター(主に威力)を向上させることはできる。
    • 同様に、Map上に置けるブロックの数も制限されている。このため、頭の中で考えた最強の迷路をブロックの数が足らずに実現出来ないということが起きるため、フラストレーションが溜まる。
  • ボスがタワーを破壊する
    • タワーディフェンスとして、それは禁じ手なんじゃないかと言う人も。
    • 破壊されたタワー類は次の建設フェイズで無料で直すことができる。

問題点(2)

  • 意味不明の場面でボイスチャット入力画面が開く
    • mapをセレクトした後の、mapへ持ち込むアイテムを選ぶ画面で、アイテム選択のためにコントローラーの十字キーを下向きに押すと、カーソルが下へ動かず、代わりにボイスチャット入力画面が開く。
      • フルコントローラーサポートのハズなのだが、この仕様のせいで、この画面はマウスで操作する必要がある。
      • そもそもそんなセットアップ画面でどうしてボイスチャット入力画面が開くのか、意味が分からない。

総評(2)

タワー建設の制限がキツくなったことや、モンスターがPCを狙って攻撃してくる事、ボスがタワーを破壊するためボスを自分で攻撃しないといけない点*4、およびPCがタワーをジャンプで越えられるなどのFPSが快適にプレイできるように改良された点などから、本作は前作に比べて確実にFPS寄りにシフトしている。
この点に関しては、タワーディフェンスのほうに重きをおいて欲しかった層からは逆にコレジャナイ感を訴える声がある。


Super Sanctum TD

【すーぱー さんくたむ てぃーでぃー】

ジャンル タワーディフェンス
対応機種 Windows XP(SP3)/7/8
MacOS X 10.8以降
メディア ダウンロード専売ソフト
開発元 Coffee Stain Studios
発売元 Coffee Stain Publishing
発売日 2013年5月10日
価格 520円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント 純粋なタワーディフェンスで、『Sanctum』をプレイできる

概要(TD)

  • FPS要素のない、2D描画のクォータービューの純粋なタワーディフェンス。
  • 『2』の予約購入特典として手に入った。
  • モンスターは『Sanctum』に出てきたものがそのまま出現する。
  • タワーもほぼそのままである。
    • 『1』では登場したものの『2』では後のDLCにしか収録されなかった「Anti-air(対空タワー)」や、本作のみの「Flamer」、『1』のDLCから登場した「ドローン」および「バイオレーター」、『2』から登場の「ACP」などがあり、原作よりもバリエーションに富んでいる。
    • タワーはプレーヤーの経験値に応じて解禁される。
  • Mapも原作のMapに似せたものがいくつか収録されている。

評価点(TD)

  • 広い戦術性
    • プレーヤーがブロックで迷路を構築できるタイプであるため、好きなように迷路を組める。
    • 原作通りモンスターの特性が練られており、タワーもバリエーションが有るため十分な戦術性がある。
    • PERK
      • クリアステージの数(昔は経験値)に応じて得られるポイントで「PERK」が獲得でき、タワーに付与することでタワーの性能を改良できる。
      • PERKはポイントの振り直しが可能で、Mapごとに変更できる。
    • タワーに攻撃目標を設定できる。
      • 威力の低いタワーが装甲の高い敵を狙わないように「HPが最も少ない」を設定したりできる。
  • 実績があり、やり込み甲斐がある
    • Steam対応のゲームではほぼある機能なのだが、ステージのクリアから、果ては「ステージの最後までブロックを置かない」「対空タワーで地上の敵を倒す*5」などという難しい実績まである。

問題点(TD)

  • 説明不足
    • モンスターやタワーは元の『Sanctum』のものとほぼ同じ挙動をするのだが、それらについてヒントが少なく、原作プレイ経験者はこれまでの経験からサクサクとタワーを構築可能だが、未経験者はタワーとモンスターの相性が分からないものがある可能性がある。
    • 原作同様にストーリーはなく、舞台背景などが分からないため感情移入できない。
  • 日本語版はない。

総評(TD)

低価格で本格的なタワーディフェンスがプレイできる。
ただし、原作ファン向けな作品なのか、原作未プレイ者にはやや説明不足な感がある。

後の展開(TD)

  • iPadに移植されている。

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最終更新:2022年07月11日 16:56

*1 敵が列を成している状態では、狙った敵ではなくともその後ろの敵に当たるから、それはそれで別に構わないという場面も無いわけではないが。

*2 自弾の爆風で飛ばされて登るという技はあるが。

*3 ただし、有料DLCで追加され、『Super Sanctum TD』にも登場するドローンは防御力無視でダメージを与えるため、無敵のはずの部分に攻撃を当ててダメージを与えられる。

*4 ネタバレとなるが、PCがMap到着と同時にボスが襲ってくるMapもある。

*5 対空タワーは範囲攻撃なので、地上の敵を巻き込むことは理論上有り得るが、運任せである。現在では範囲攻撃ではなくなったが地上の敵を持ち上げて空中扱いにするスキルが存在する。