聖剣伝説2 SECRET of MANA

【せいけんでんせつつー しーくれっとおぶまな】

ジャンル アクションRPG

対応機種 プレイステーション4
プレイステーション・ヴィータ
Windows(Steam)
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 プログラム:キュースタジオ(Q Studios)
音響・サポート:Formosa Interactive
発売日 2018年2月15日
定価 【パッケージ版/ダウンロード版】5,184円(税込)
【コレクターズエディション】14,979円 (税込)
プレイ人数 1~3人(オフラインマルチプレイ対応、PS Vita版はアドホックプレイ対応)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定(修正前) クソゲー
劣化ゲー
黒歴史
判定(Ver1.03アプデ後) 改善
劣化ゲー
ポイント 玉石混淆が激しいアレンジ楽曲
シナリオの再現度は高い
システムの不便さまで再現、バグの多さも再現
現在ではアップデートによりバグは解消済み
聖剣伝説シリーズリンク


概要

言わずとしれたスーパーファミコンの名作『聖剣伝説2』(SFC版は以降「オリジナル」と記載)が約25年の時を経て最新機種にリメイクされた作品。
副題の「SECRET of MANA」は海外でのタイトルに由来すると共に、『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』から続く●● of MANAシリーズに紐づけたものである。

発売前の(主にビジュアルなど)クオリティから、当初はあまり話題も期待もされていなかったが、発売後、悪い意味で前評判以上の話題になってしまった。


ゲームシステム(変更点)

基本システムはオリジナルとほぼ同じだが、変更された部分について記載する。

  • フルボイス化
    • 主役の3人は当然ながら、町のモブキャラにまで声がついている。帝国の皇帝やタナトスには非常に渋い声優を採用しており、人によっては印象が変わったかもしれない。
  • 幕間エピソード
    • シナリオの進行具合により、宿屋で休憩した際に3人の会話シーンが発生する。こちらもフルボイスで、ポリゴンキャラが話の展開で様々なアクションを取る。
    • この新規シナリオは「シナリオ工房 月光」のライター2名が担当している。
  • ダッシュ機能
    • オリジナルではゲージ100%を使ってほぼ一直線に走る(道なりに沿って蛇行は可能だった)ダッシュだったが、本作ではゲージを徐々に消費しながら速度だけが上昇となった。ダッシュを止めると、ゲージが攻撃後よりも速く回復するという差別化もはかられた。
  • 敵グラフィック
    • オリジナルから、カラーが変更されたものが一部存在する。
  • イベントシーンの演出
    • 見せ場のシーンではムービー風味の演出でイベントを再現している。スキップ可能。
  • 味方の挙動
    • 聖剣伝説3』同様、味方が障害物に引っかかっても先に進めるようになった。
  • 所持アイテム個数の上限
    • オリジナルの4個に加え、8個、12個から設定可能。この機能により実質難易度の変更が可能。
  • 武器装備
    • 武器レベルを確認する画面から装備の変更が可能。レベル上げを意識する場合、むしろこちらを利用するほうが都合がいい。
  • 図鑑機能
    • ラスボスを除いた、すべての敵を網羅した図鑑機能が新規に実装。
    • 図鑑には人物・モンスター・武器の3種類が存在する。
  • フラミーの使い勝手
    • 降りられる場所の範囲内だとその地名が表示されるようになり、迷うことが減った。
    • ただし、『3』であったフラミーの移動中に現在地・目的地を確認できるサブマップは存在しない。
  • UIの変更
    • 画面右上にミニマップが追加。
      • オリジナル版のドット絵マップを流用したものだが、ドット絵と3Dを見比べながらプレイが可能。
      • オプションからON/OFFを切り替えられる。
    • 画面下のキャラステータスに現在HPと現在MPが数値とゲージで表示されるようになった。
      • ただしHP・MPの最大値は表示されない。どれだけHPが減っているかはゲージで確認することになる。
      • オリジナル版は 現在HP/最大HP を数値のみで表示していた。
    • 画面下のキャラステータスの並びが、操作キャラが常に中心に来るようになり、操作キャラのみ装備中の武器も表示されるようになった。
      • オリジナル版は左からランディ・プリム・ポポイで固定。
  • オートセーブ機能
    • マップを切り替えるたびにオートセーブが行われる。
    • ただし「オートセーブ専用」のセーブスロットに記録される。正式な手動セーブはオリジナル版と同様、宿屋で行う必要がある。
  • ショートカット機能(発売日のパッチで機能追加)
    • L1R1にて武器、魔法、アイテムの内好きなものをそれぞれ登録可能。
  • コスチューム変更(限定要素)
    • 特典によりゲーム中のコスチュームを着替えることが出来る。
    • コスチュームはゲーム内で入手できるものはない。

問題点(劣化点含む)

  • 発売当初はバグが非常に多く(後述)普通にプレイするにしても支障が出るレベルであった。
    • バグ改善のパッチは3月に入ってようやく配布された。
      • この時点でキャラ消失や突然の暗転などの進行そのものが不能になるバグは抑えられたが、エラーによる強制終了は依然として頻発していた為ユーザーはストレスを抱えていた。
      • パッチ配布以降、再度のアップデートを匂わせる記述はあり、PC版では日々何らかの修正が行われていた模様*1
      • しかし長らくパッチ配信にまでは行き着いておらず、ユーザーへのアナウンスも無いため何を修正しているのかも不明だった。さらにPS4/Vita版は公式が沈黙してしまっていたためユーザーからは諦めの姿勢も見られていた。
    • その後、発売4ヶ月後の2018年6月末に突然アップデートが出された。
      • きちんと検証等を裏で行うなどアプリケーションエラー改善等に向けて動いていたのは評価できるものの、オンラインゲームのようにエンドコンテンツのあるゲームではない本作への対応としてはあまりにも遅く、もはや手遅れと言っていい。勿論放置よりは随分マシだが。
    • このアップデートによりそれまで列挙されていたバグはほぼ解消済みとなった。特に問題となってたアプリケーションエラーによる強制終了はほぼ発生しなくなり、不便なUIなども大方改善されていたりと、ひとまず商品として失格と言われるレベルではなくなった。
    • アップデートには当然インターネット接続が前提なので、オフラインのまま遊ぶには注意が必要。
+ 該当アップデート前に存在していたバグや不親切な要素
  • オリジナル以上に多かったバグ(現在はアップデートにより解消済み)
    • 本作が劣化移植と云われてしまった最大の原因 。主に発生するのは「違う魔法が発生」「クリスタルが魔法で解除されない」「進行、イベントを問わず謎の空間に飛ばされて操作不可」「突然の画面暗転」「キャラ消失」「天使の聖杯(味方を蘇生させるアイテム)が機能しない、または生き返ったキャラのHPが0のまま」「敵に攻撃されても一切反撃をしないNPC」「NPCが敵出現予定座標を認識して無の空間相手に行動してしまう」「一部の必殺技の攻撃範囲や判定がおかしい」「亜人種に対する武器の弱点効果が機能していない」「補助魔法効果の反映が数分後」「魔法の効果が反転したままになる」「特定マップで会話が終わらない」「キャラの色変化が直らない」「階層すり抜け」「敵の動作が停止する」「敵を倒したのにいつまでも消えない」等など枚挙に暇がない。
    • フリーズもバグに付随して発生するが、最も問題なのはアプリケーションエラーによる強制終了の頻度が非常に高いこと。幸いなことにマップ移動時のオートセーブ機能がデフォルトでONになっているので、セーブポイントからやり直し、という事態は避けられる。
    • オリジナルでも見られた有名な「ボス戦後に閉じ込められる」というバグは 「ボス戦後にフリーズ」としてレベルアップダウンして帰ってきた 。しかもセレクトボタンを押す必要なし。 その再現はいらないです。
    • 幾つかの内容は再現だとしても近年のゲームで起こさせる挙動ではない。数世代前のハードの作品ですら目につく次元の話である。
  • バグではなく原作再現なものもあるが、現代からすると不親切すぎる要素の数々
    • 一度リングコマンドを閉じた後、再度開くとカーソル位置が初期化されるため全く別のメニューを指定する。
      • 例えば同じ魔法を連発しようとしても、ボタン連打では行えないので毎回手間がかかる。
      • パッチで大項目*2までは記憶するようになった。
        6月のアップデートで記憶するようになったものの、あまりにも遅い。
    • 防具装備の際のリングカーソルの初期位置が現在装備しているものとは違うものを指定しているため、煩わしい。
    • 魔法やアイテムの説明が抽象的だったり、装備を買うときの守備力の数値などが明記されていない(装備画面では確認可能)。
    • セーブデータロード時のカーソルが最新のセーブデータではなく、必ずデータ1側に固定されている。(原作では最新データに合っていた)
  • セーブスロットの減少
    • オリジナルでは4つあったスロットがなぜか2つに減っている。それとは別にオートセーブ枠はできたが。
    • ストーリーに分岐は序盤のわずかな場面だけでほぼ無いため、元々複数用意する必要はなかったが、家族で使い回すなど元々出来たことが出来なくなるのは劣化と捉えられることが多い。
    • 関連して、宿屋に宿泊しないと手動セーブできなくなったことも細かな改悪点として挙げられる。
      • 今すぐセーブしたいと思っていても、宿泊すれば幕間エピソードが流れだすため、ストレスになる。
      • オリジナルでは宿屋に宿泊しないことを選択しても、セーブを行うかどうか改めて選択肢が出現していた。
  • リングコマンドの劣化
    • SFC版ではキャラの位置に併せてリングの位置も変わったのだが、今作では誰がどの位置にいようが常にリングが画面真ん中で展開されるため、どのキャラのリングが開いたかわかりにくい。
    • 一応カーソルが色分けされているのだが、誰がどのカラーなのか一目で判断するのは容易ではない。パッチにてキャラアイコンが出るようになり、ある程度は改善された。
      • これはNPCが画面外に出た状態で、キャラの位置でリングが開くと画面内に描画できなくなるための処置と思われる。しかし他にもっとやりようはあったはずである。
    • 元々リングコマンド自体、複数のキャラクターが縦横無尽に動き回るゲームで、誰のメニューかひと目でわかりやすくするためのものであったのにその理念が失われている。
  • オリジナルそのままに不親切な表示
    • 敵・味方にかけた魔法の効果が切れると「○○は魔法が切れた」と表示されるが、どの魔法でも文章が統一されているため何の魔法が切れたのかがわかりづらい。
    • これは一応オリジナルと同様なのだが、当時ならまだしも今どきそんな最低限の処理すら非搭載なのは非常に嘆かわしい。
  • さらなる魔法ゲー化
    • 味方の能力はオリジナルからバランス調整を特にされていないため、魔法一辺倒で戦う方が楽なバトルなのは変わらず。
      差異の少ない攻撃魔法の差別化なども相変わらずされていない。
    • それに加え、何故かオリジナルよりも敵の回避率がやたらと高くなっているため、物理攻撃が中々当たらずオリジナル以上に不利になっている。
      よりにもよって分裂or増殖or援軍呼び系のモンスターが顕著で、殲滅が不可能な状況すらある。
      ダメージ発生中の敵へさらに攻撃をヒットさせることもできない点も変化がないためとにかく当たらない。
      • これにより元々価値の低かった必殺技が完全に時間の無駄となった。せめて命中補正があれば話も違ったろうに…。
      • 「クイック」の魔法で補佐することは可能で、効果もオリジナル版より強化されている。だが効果説明では分からない*3上、それを加味しても命中率が低い。
      • このため、上記の通りオリジナル以上に魔法一強に拍車をかけている。ランディは泣いていい。
        本来なら物理と魔法のバランスを改善すべきところを、オリジナル以上に悪化させるという意図の分からない調整が行われたことになる。
    • 6月のアップデートでMISSと0ダメージの区別がされたが、単に表示が変わっただけで結果的な状況としては何も変わっていない。
  • 新要素の図鑑機能の中途半端さ
    • 収集型の図鑑機能が追加されているのだが、ポリゴンモデルを見るだけで図鑑として物足りなさは否めない。
      • 多少なりとも解説テキストのようなものがあれば楽しめたはずである。オリジナルに存在しなかった要素なので当時の思い出を壊さないように配慮したとも受け取れるが…。 せめてモンスターの行動パターンや武器の追加効果などを確認できるようにすれば利便性も高まったであろう。
      • モデルは横軸のみ回転可能で、縦方向には回転不可。拡大縮小も不可。様々な角度からじっくり鑑賞することはできない。
      • 一応、キャラクターや一部のモンスターのモデル自体は可愛らしい。武器は全体的に味気なく、剣や槍は形状や装飾を鑑賞できる分まだマシで、ムチに至ってはただ色を変えただけの同じモデルがずらりと並んでいる。
    • またクリア後の引継ぎなどもないため、完成した図鑑をゆっくり眺める機会はラスボス戦中のみとなる。
      • これはモンスター図鑑の最後の項目がダークリッチ、武器図鑑の最後の一本がマナの剣であるために起こる。ダークリッチ戦後はそのままラスボス戦に突入し、マナの剣も(普通にゲームを進めていれば)ここで初めて手に入る。そしてラスボス戦後はEDに突入するためメニューを開く機会はない。
    • さらに、図鑑で閲覧できるのは武器、モンスター、人物の3つ「のみ」。防具が含まれておらず、防具収集系のトロフィー(PS4/PSV)/実績(Steam)を狙う時に未入手の防具を確認できない。そして防具に関しては以下の問題点もある。
  • 図鑑埋め・トロフィー「全ての防具を入手」に時期限定品あり
    • 終盤のダンジョン「マナの聖地」はクリアすると敵が出現しなくなり、ここにしか出現しないモンスターのドロップ限定防具が存在する。
      • 宝箱を出させても防具はレアドロップなので中身は大抵通常ドロップと入手に時間がかかる。
      • 入手せずクリア後にセーブしてしまったら取り返しが付かなくなり、ニューゲームするしか無くなる。
    • オリジナルでもこの問題点は存在しているのだが、入手せずともクリア可能かつ図鑑やトロフィーが存在しない時代だったので支障は来たさなかった。
      • 本作で入手する理由が新たにできたにも関わらず「別のダンジョンにも出現させる」などの配慮が無く改善されていない。
  • ボタン配置
    • デフォルト設定ではなぜかオリジナルと異なる配置になっており、話しかける際には「×」を押すが、メッセージを送るには「○」を押す必要がある。
    • 混乱の元であり非常に鬱陶しい。設定で変更可能なため、気になる場合は自分で修正できるのが幸いか。
  • 戦闘行動設定の縮小化
    • オリジナルではかなり細かい設定が可能だったが、本作ではたった4種類の設定しかできなくなった上に、どれを選んでもあまり大差ない。
      • NPCがまともに攻撃してくれなくなるような作戦もあるため、実質機能するのはわずかである。
      • 簡略化されたと考えればそこまで大きな問題ではないが、旧作ファンからすれば出来ていたことができなくなるというのは、劣化点にも等しいだろう。
  • 再現できていない演出
    • オリジナルに忠実な部分はともかく、演出の仕方だけ真似ただけで今一つな演出が目に付く。
    • 一例として、大砲屋を利用するとき、大砲に入るまでの自動移動速度が非常に遅くなっており、テンポを損ねている。その割に大砲内への移動と着火タイミングに間がなかったり、ふっ飛ばされたときの3Dマップを飛んでいく演出がカットされたりしている。マナの神殿の浮上演出などが原作のものを再現できていない。
      • 攻略本によると、大砲演出はSFC独自の機能である「画像の拡大縮小機能」がPS4/VITA/PCで使えなかったため仕方なく再現を断念したとの事。3Dの場合、技術的に難しくロード時間も長くなってしまうため演出よりもテンポを優先した事も語っている。
        しかしユーザーが納得するかどうかは話は別である。いかに25年も前とはいえ、拡縮や回転は今も現役で使われる原始的な演出手法であり、控えめに言って開発力の技術力不足、悪く言えばただの手抜きと受け取られても仕方ない。
        「原作に忠実」をコンセプトとしているのだから端から再現を諦めたりせず、独自の技術開発による実現の努力をしてから最終的な判断を下すべきだろう。
    • 風の太鼓を鳴らすとフラミーのCGおよび飛翔音と共に移動マップに移行するのだが、フラミーに乗り移るタイミングとSEの鳴るタイミングが明らかに遅れて不自然にずれているなどの演出不具合もある。

賛否両論点

  • 全面3D化されたグラフィック
    • 見た目としては最新機種にそぐわない、せいぜいPS2晩期レベルのグラフィック。フルボイスだというのに口パクすらしない。
      イベントシーンではキャラクターを間近で見る機会も多く、しかもポポイは終始口が開きっぱなしなので尚更違和感が酷い。
    • キャラのモデルはサービスが終了したスマホアプリ/PS Vita用ソフト『聖剣伝説 RISE of MANA』からの流用であると思われる。
      • ただし、オリジナルのドット絵と比較してみるとそれなりに再現度は高い。また、ゲームのシステム等には影響がないため慣れれば気にならない。
    • プリムの露出度の高いデザインはドット絵上では特段気にならなかったが、ポリゴン化してからはそこそこ色気が感じとれる。
  • 質にばらつきのあるアレンジ楽曲
    • タイトルの「天使の怖れ」はフルオーケストラなので非常に豪華だが、それ以外の曲の音質が全体的にかなり安っぽい。
      • 「オリジナルに寄せる」という意味合いがあったのかもしれないが、オリジナルコンポーザーの菊田氏がそれに近いアレンジアルバム*4を数年前に発売しているのでありがたみは薄い。
      • 勿論、安っぽいとは言ってもアレンジ自体が残念化してしまっているわけではなく、安っぽいなりに良アレンジとも呼べる楽曲*5も存在はする。とはいえ、曲調が変わり過ぎて不評なアレンジ*6も存在してしまっているのも事実。
    • 今作に参加したアレンジャーの総数はなんと10人以上に上り、その中には作曲者である菊田氏の他、「古代祐三」「成田勤」「上倉紀行」などのビッグネームもいるのだが、中には無名の作家や有名ではあっても聖剣シリーズの曲とは本来なら畑違いとも言うべき作風の作曲家も多数参加しており、そうした様々な色合いのアレンジャーを1作品にまとめた結果が、クオリティのばらつきという形で現れてしまったと言える。
    • アレンジ曲が気に入らない場合でも、メニューからいつでもオリジナル曲に変更できる。
  • あまりにオリジナルと変わらなすぎるシナリオ
    • リメイクでシナリオに色々と変更を加えたがるスクエニにしては珍しく、オリジナルに(忠実すぎるくらい)忠実なものになっている。ベタ移植と称しても過言ではない。
    • 新約 聖剣伝説』の散々な改悪で酷い目にあったファンからは歓迎されているが、追加シナリオや追加要素に物足りなさを感じるファンも少なくはない。
      • 原作で特にイベントが用意されていなかった灯台島とピカールについてのテコ入れ等もなく、本作でも図鑑埋め・トロフィー関連以外に意味が無い。
      • 出番の少なかったキャラは引き続き少ないまま。ボイスのおかげで幾らか存在感は増したが。
      • さらに言えば立ったまま死んでいる皇帝もそのまま。死亡用に倒れたモデルを用意していないという視覚的表現に関わるところまでSFCに忠実である。
    • オリジナルに非常に忠実なシナリオという点ではスマホアプリ/PS Vita用ソフト『聖剣伝説』も同様であり、そちらの流れを汲んでのこととも考えられる。
      • しかし、そちらは原典を踏襲しながらも遊びやすく改善しているのに対し、本作は上述のような様々な粗が目立つことで逆に劣化版としか言えない出来になっている。
  • 新規追加の遊び要素がほとんどない
    • 『ミンサガ』のような移植に伴い追加されたイベントは前述の幕間エピソードを除いて無く、追加レアモンス、ボス、ダンジョン、周回要素などといったものは一切無い。
      オリジナルに忠実といえば聞こえはいいが、ゲーム自体が何度も移植されているだけに今となっては物足りなさが上回る。
    • オリジナルでも未実装だったため、無いこと自体は問題ではない。一応歴代シリーズの隠しネタならいくつか存在するので、探し回るのも一興。
  • ミニマップ関連
    • マップが3D化したことで情報量が増え少し迷いやすくなったため、ドット絵のミニマップが搭載されていること自体はありがたい。
      • ドット絵の当時の雰囲気を懐かしむことができ、当時の感動を思い出しながら遊べる嬉しい要素でもある。 オリジナル版BGMと3Dマップのギャップを埋めることにも一役買っている。
    • 一方でミニマップの機能そのものは利便性が低い。
      • 3Dマップで表示されている範囲しか表示されず全体マップが確認できない、進行方向などの指示がない、敵味方や宝箱の位置などが表示されない、……など本来表示されるべき情報は山ほどある。
    • 利便性が低い分、常にミニマップを注視する必要が無く目が疲れないのはある意味で利点ではあるが、それは本末転倒というものである。
  • コスチューム切り替え機能が特典限定要素
    • 本作ではコスチュームを着替えてキャラクターの見た目を変化させることができる。本作ならではの追加要素であり、単に外見が変わるだけとはいえ雰囲気も変わり新鮮にプレイできるため、この機能そのものは好評である。
      • のだが、コスチュームはいずれも特定ストアの早期購入特典や書籍特典など全てゲーム外で入手するもののみであり、ゲーム単体では入手できない。
    • 「モーグリのぬいぐるみ」はPS Store早期購入特典もしくはSteam早期購入特典となっていた。
    • 「タイガービキニ&トラのぬいぐるみ」はスクウェア・エニックス e-STORE予約・早期購入特典もしくはSteam早期購入特典となっていた。
      • つまり、PS4・PS Vita版では本作を両方のストアで2本買わない限り2つのコスチュームのどちらかしか手に入らなかった。Steam版ならば両方とも手に入れられた……のだが、以下の罠が存在する。
    • ゲームと同日に「公式設定資料&完全攻略ガイド」が同時発売されており、限定コスチューム「パンクスーツ&チャイナドレス」のプロダクトコードが特典付録となっていた。このコスチュームは攻略本以外では入手不可。
      • しかし、コードが使えるのはPS4・PS Vita版限定となっているため、Steam版ではこのコスチュームの入手手段が存在しないという状況になっている。
    • 以上により、PS4・PS Vita版で強引に揃えない限りは全てのコスチュームを揃えるのは不可能であった。なお、早期購入特典はいずれも終了済のため今からの入手は不可。
      • あくまでもオマケ的な要素であるとはいえ、せっかくの追加要素を限定にしてしまったがために堪能できないのは実に勿体無い。
    • さらにコスチュームの切り替え機能はイベントCGでも反映されるが、メニュー画面では反映されず、やはりジックリと鑑賞する機会はない。

評価点

  • フルボイス化
    • フルボイス化だけでもかなりキャラクター性を掘り下げられたと思われる。声優ファンには広く名の知れた豪華キャストも多く起用している。
    • モブキャラのセリフでも同じセリフで同じ声を使いまわさず、別録りしている。
      • 「スパイはどこだ」「奥で皇帝陛下がお待ちです」などに顕著。
    • 一方で精霊やサブキャラクターの大半が、映画の吹き替えのようにエンディングで声優名だけ表示されるのは少々惜しいところである。
  • 幕間エピソードの内容とノリ
    • ランディたち主人公の心情が語られる機会が大きく増えた。その内容についてうまく落とし込んである。オリジナルと比較しての違和感もあまりない。
      • 物語の時系列に即した話題になっており、プレイヤーの心地を代弁するようなセリフもあったりと、キャラへの没入感も増す工夫もある。
      • オリジナルでは主人公サイドのセリフ自体が少なく、どういう心境で旅をしているかは想像に委ねられていたため、本作にしては大きく脚色された部分になる。
    • ルサ・ルカ、ニキータ、精霊などのサブキャラクターが幕間エピソードに登場することがあり、純粋に登場機会が増えた。
      • オリジナルでは出番の少なかった精霊たちも、幕間の会話に参加することで「一緒に旅をしている」という実感が得られるようになった。
  • オープニング
    • オリジナルから変化したが、世界観に合った演出であり、ナレーターの演技も雰囲気によく合っている。
  • BGM変更機能
    • 最初からDLCなしで全曲をオリジナルの楽曲に差し替えることが可能。アレンジ版の評価が微妙なので、この点は称賛しているプレイヤーも多い。
  • ラスボスの演出面
    • 3Dになったので、ラストバトルの臨場感を出す*7ことには成功している。オリジナルのラスボスの降下が遅く、攻撃が可能になるまでイライラさせられるという問題点があったが、本作ではそれも改善されている。
  • ED
    • スタッフロールで あの曲 が再度流れる。

総評

残念ながら、 往年の名作に泥を塗った劣化作品 というのが本作の一般的な評価である。
良い変更点もあることはあるが、発売当初はオリジナル版をはるかに上回るバグの多さで大きく評価を落としてしまった。
その後パッチにて改善を図られ安定した動作保証は得られたものの、発売から4ヶ月半が過ぎていたことや、根本的に依然残っているシステム周りの不親切な箇所や不可解な仕様もあり、評価を挽回するには至ってない。

リメイクの中身にしても、オリジナルを忠実に再現する姿勢そのものは評価できるが、再現が中途半端だったり、逆にオリジナルを再現しきれておらず劣化した部分も目立っている。さらに、現代のゲーム環境では当たり前となったユーザビリティの基本を無視してまで不便なところを再現するなど、疑問符の付く点も多い。
見ようによっては「原作再現を手抜きの免罪符にしているだけでは?」と言われても仕方の無い状態である。
結果として、オリジナル版の内容を著しく損ねたことで批判された『新約 聖剣伝説』とは真逆の方向の駄目リメイクになってしまったと言える。
オリジナルを忠実に再現しつつユーザビリティを向上させた前作『聖剣伝説』の3Dリメイク版が既に発売されていたこともあり、その対比で同様のコンセプトであったはずの本作の劣化具合が余計に目立ってしまうことも、批判に輪をかけてしまった。

そもそもの話、聖剣2は元から移植が充実しており、バーチャルコンソールや携帯電話版、スマホ版など遊べるプラットフォームは多岐にわたる。
さらに本作のリリースはSwitch版『聖剣伝説コレクション』の発売から1年も経っていない時期であり、数ヶ月前には『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』にも収録されている
原作ファンにとっては食傷気味と言っていい状況であったため、追加要素込みの原作尊重リメイクとして作成された本作の立ち位置の微妙さが尚のこと際立つことになってしまった。

幕間エピソード追加や3D化・フルボイス化などリメイクならではの追加要素があるため、上述の問題点に目をつぶれる人であれば遊ぶ価値はあると言えるが、そうでなければ、忠実な原作そのままの移植版を手に取るのが無難だろう。


余談

  • 前作に『聖剣伝説コレクション』(Nintendo Switch)、余興という意味で『聖剣伝説 25th Anniversary Orchestra Concert CD』が発売され、本作が聖剣シリーズ再興の最重要な一手になる流れであった。
    • YouTubeにて、菊田氏を招いての音楽祭(本作の楽曲をランキング形式で視聴)も開催されるなど、期待の薄かった前評判をなんとか払拭せんとスクエニの努力が垣間見れた。
    • 肝心のゲームで台無しにした というのがなんともいえない皮肉(自業自得ともいう)であるが。
  • 「『聖剣伝説3』のリメイクも視野に入れている」とのことだが、この有様では全く期待できないのは火を見るより明らかだろう。
    • シナリオの劣化が無かったためそちら重視の層からは期待の声もあるが、「 本作のような改悪をするくらいなら弄くらないでくれ 」という意見の方が大勢を占めているのが現状である。
  • スタッフロールによると本作は海外の開発スタジオを複数起用しており、プログラム以外の3Dモデル関係もモーション共々海外産となっている。
    • スクウェア・エニックス社の関連スタッフの関与は専ら、監修面と、ローカライズ・広報・販売業務に留まっている。