このページでは2016年から5年間に亘り発売されたソフト『HITMAN』3部作を紹介しています。判定はいずれも「良作」です。



HITMAN

【ひっとまん】

ジャンル 暗殺ステルスアクション

対応機種 プレイステーション4
Xbox One
Windows,Mac OS,Linux
開発元 IO Interactive
発売元 SQUARE ENIX ⇒ IO Interactive/Feral Interactive*1
Warner Bros. Interactive Entertainment(DE版)
発売日 2017年8月10日
(THE COMPLETE FIRST SEASON日本語版)
2018年9月13日
(Definitive Edition日本語版)
定価 THE COMPLETE FIRST SEASON: 7,800円(税別)
ダウンロード版: 6,800円
Game of the Year Edition: 7,852円
Definitive Edition: 5,980円*2*3
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
配信 Epic Games Store: 2020年8月28日*4 - 2023年1月26日*5
判定 良作
ポイント 自由度の高い暗殺アクションが帰ってきた
「リブート」であると同時に「リボーン」でもある
ヒットマンシリーズ

概要(1)

2000年に発売されたステルス暗殺ゲーム『HITMAN: Codename 47』から続く『HITMAN』シリーズの6作目。
今作はシリーズのリブート作品ということでサブタイトル等がなく、海外のネット上ではシリーズ1作目との混同を避けるため『HITMAN(2016)』の名で紹介されることも多い。

本作のPC版はストーリーミッションが1つ1つ出来上がるたびに順次ダウンロード販売するという特殊な形式で販売された。
CS版はこれらバラ売りされていたミッションを全てまとめ、ボーナスミッションを追加した上で『HITMAN THE COMPLETE FIRST SEASON』として販売。
一方、現在のWin版は『THE COMPLETE FIRST SEASON』の全内容に新規DLCミッションが追加された『HITMAN Game of the Year Edition』であり、後に『HITMAN World of Assassination』へ統合された。


ストーリー(1)

裏の世界に名を轟かせる暗殺者、エージェント47。
ICA(International Contract Agency)に属する彼は今日もパートナーたるダイアナ・バーンウッドの指示のもと、新たなターゲットの元へ赴く。
パリ、サピエンツァ、マラケシュ、バンコク…世界を股にかけ依頼を遂行する47。
しかし、これら一見無関係な一連の依頼の裏にはある思惑が隠されていた。


システム(1)

  • 主人公である47を操作し、ターゲットの暗殺などの任務を達成して脱出することを目的とするミッションクリア型ステルスアクション。
  • 47の身体能力は(一部を除き)常識の範疇を超えるものではないので手がかりのない壁をよじ登るなどの無茶な侵入ルートは取れない。またマップに配置されているNPCの数はステルスゲームとしてはかなり多く、衆目や護衛の目を盗む、ごまかす、あるいは秘密裏に気絶するなどの処理が必要になってくる。
  • 大きな特徴として「変装」システムが有り、シチュエーションに合わせた服装をしていれば怪しい行動を取らない限り周囲からは警戒されない。
    • 変装用の衣装は持ち込んだりステージ内に設置されているものを利用するほか、気絶/殺害したNPCから奪う事も出来る(というよりこれがメイン)。ただし、グループの仲間全員の顔を覚えているNPCもおり、その相手には変装は通用しない。
    • ステージによっては変装していない状態の47を怪しむ勘の鋭い者もいる。この要素は続編以降にも出てくる。
  • 暗殺方法は銃殺や絞殺、爆殺、刺殺など直接的な攻撃の他にも転落死や感電死、溺死、毒殺など多岐に渡る。
    • 事故を装って殺害すれば死体が発見されても減点対象にならないというメリットも。
  • ターゲット以外の殺害、気絶した者を発見される、事故死ではない死体を発見される、47がNPCに怪しまれる、監視カメラに撮影されるなどで減点*6される。
    • これらを避けて最高評価である「サイレントアサシン」を得ることが、一流の暗殺者への目標となる。

ミッション構成(1)

  • ストーリーミッション
    • メインモード。ストーリーに沿って様々なステージでの暗殺を行う。ロケーションはチュートリアルを含めて全8種。
  • ボーナスミッション
    • ストーリーミッションに登場したステージにおいて、目的とシチュエーション、NPCとアイテムの配置を完全に変更したミッション。ストーリー付き。
  • エスカレーション
    • ストーリーミッションやボーナスミッションとほぼ同じシチュエーションと配置を使用し、ターゲットを変更したミッション。ひとつのエスカレーションに付き3~5段階の難易度が用意されており、1段ごとにクリア条件が増えていく。殺害手段や服装の指定、特定の行動の禁止などの条件が付加されたものが多く、途中セーブ不可なので高難易度。ストーリー無し。
  • コントラクト
    • プレイヤーがエスカレーションと同様の条件のミッションを作成し、配信することが出来るモード。当然、他のプレイヤーが作成したコントラクトミッションをダウンロードして遊ぶこともできる。
  • エルーシブターゲット
    • 10日程度で更新されていく時限ミッション。標的となる人物の殺害やターゲットアイテムの取得、プレイヤーの死亡などの条件を一つでも満たすと(更新により再度そのエルーシブターゲットミッションが現れるまで)再挑戦不可。インスティンクトによりターゲットを把握できない点が他のミッションとは異なる。サイレントアサシン評価でクリアすると特別なコスチュームを得られる。本編とはあまり関係のないサイドストーリー付き。
  • ペイシェント・ゼロ
    • DLCミッション。謎のウイルス兵器を追う4つの連続ミッション。ステージはストーリーミッション同様だが一部が変更されている。本編との繋がりはないパラレル設定*7
    • アプローチが無く、手探りでの攻略になる。「ブラッドマネー」以前の感覚に近い。
  • サラエボ・シックス
    • PS4版限定ミッション。ペインシェント・ゼロと同じくパラレル設定。サラエボ・シックスと呼ばれる6人の犯罪者集団を追うストーリー。ストーリーミッションのマップにNPCとオブジェクトを追加しただけで、ペインシェント・ゼロ程大きな変化はない。
    • こちらは2023年8月17日に『3』にてDLCと言う形で他機種版もプレイ出来るようになった。
  • 期間限定ミッション
    • 毎年年末のみ解禁されるクリスマスミッション。マップ内を駆け回りアイテムを盗んで回る2人の泥棒がターゲット。クリア報酬でサンタ服が貰える。内容は毎年同じ。
    • 現在はホリデーコンテンツとして、いつでもプレイ出来るようになった。

アイテム(1)

  • ワイヤー
    • 素早く静かに、血を流さず対象を死に至らしめる絞殺具。ボディチェックでも発見されない。47の象徴的装備の一つだが、今作では時間は余分にかかるものの、素手でも首折り暗殺が可能なのでやや地味なアイテム。
    • とはいえ静音性抜群で、首絞めでは近くの人に音を聞きつけられてしまう場面でも完全ステルスで殺害できるのが高ポイント。
  • コイン
    • 投げた時の落下音でNPCの注意を引くアイテム。投擲時の音による誘導目的だけであれば他アイテムでもよいが、設置しておくだけでも気づいたNPCが拾いに来るのが利点。
  • 銃器
    • ピストル、サブマシンガン、アサルトライフル、ショットガン、スナイパーライフルのカテゴリが存在。
      • ピストルはボディチェックされない限り所持していても見咎められない(手に持っている時は別)。 また、ボディチェックをすり抜ける特性を持つものもある。
      • スナイパーライフルは超遠距離からの狙撃暗殺を可能とする。ただし、ステルスを重視するには不向き(後述)。
      • 他の3種類は戦闘において強力であるものの、基本がステルスであるこのゲームではあまり出番は多くない。
    • サイレンサー付きであれば発砲に気づかれにくい。
    • NPCへの攻撃の他にも、ドラム缶や乗り物のタンクを撃ってオイル漏れを起こしたり、オイルやガスに火花を起こして爆発させたり、物を吊っている綱・鎖を撃って落下させたり、監視カメラのシステムを破壊したりとさまざまな破壊工作に使用出来る。
    • また、銃器は投げることはできないが床に捨て置くことができる。銃器を見つけたNPCは近くの警備員や自身の護衛に拾わせ、保管庫へと運ばせるため、ターゲットから簡単に護衛を剥がす手段としても使える。
  • 爆弾
    • 近接信管爆弾とリモコン爆弾に大きく分かれる。爆弾と分かりにくいように外見が偽装されたものも。攻撃に使えるほか、音を立てて敵の注意を引いたり爆風でドアをこじあけたり出来る。加害範囲と爆発音が極めて小さいドア破壊用のものや、全く殺傷力がなく騒音を出して注意を引くだけのものも存在。
  • 毒物
    • 催吐・気絶・致死の三種類の効果の毒が存在。またそれぞれに注射か瓶薬(飲食物に混ぜる)かという形態の違う種類がある。
      • 催吐毒は対象がトイレ(便器)かゴミ箱の前に移動して一定時間嘔吐する効果がある。嘔吐中は隙だらけになるので自由に料理できるが、特に便所に移動した場合は素手による専用の殺害(溺死キル)を狙える。ただし便器とゴミ箱のどちらに移動するかは毒投与のシチュエーションによって固定されている。
      • 致死毒は文字通り対象が苦しんだのち死亡する。これによる殺害は事故死扱いになり、人前で対象が死亡しても47は警戒されないのが利点。
      • 気絶毒は対象がその場で倒れ込む。非殺傷ではあるが、瓶にしても注射にしても、毒物の特性上、やや使い道に乏しい。
    • 瓶の薬品を使う際は周囲に人がいると非常に怪しまれ、毒を入れるモーションの間にほぼ確実に発見状態となる。ただし、シェフやウェイターなど、適切な格好をしていれば全く怪しまれないことも。
    • 注射タイプは背後からこっそり打ち込むタイプ。人前で使えば当然即発見状態になるが、モーションがかなり短く静かなのが利点。ほんの一瞬の隙をついて対象に撃ち込んでしまえる。
  • 近接武器
    • ナイフや刀などの鋭利武器と警棒などの鈍器が存在。鋭利武器は近接攻撃と投擲で致死効果、鈍器は気絶効果を発揮する。
  • ロックピック
    • 鍵のかかったドアを開ける道具。47の腕前を持ってすれば鍵穴のあるドアならばものの数秒間で開錠することが可能。電子式キーのドアを開けるためのスクランブラーという亜種も存在する。どちらも不審極まりないので人前で実行するのは厳禁。
  • 工具等
    • 日用品としてステージ内にしばしば無造作に配置されている工具類などのアイテム。武器ではないので所持するだけであれば怪しまれにくいのが大きな利点(当然攻撃シーンを見られればアウト)。
    • バールはドアをこじあける、レンチは乗り物のタンクからオイル漏れを起こすなどそれぞれ特定の破壊工作に使用出来る。適切な服装をしていれば破壊工作シーンを怪しまれることもない。また鋭利・鈍器の近接武器として使用することも可能。ドライバーを投げつけるだけで確実に対象を殺害する47の腕前は必見。
    • とはいえバールでドアを開けると結構な音が発生し、近くであればドアや壁越しの敵であっても確認行動をとらせてしまううえ、こじ開けたドアは以降開きっぱなしになってしまう。
    • また、小型プロパンガスボンベや消火器は銃撃などによって爆発させ人を殺傷することが出来る*8。これらの爆発による死亡は通常の爆弾とは違い事故死として判定されるのでステルスキルの手段として極めて有用。
    • ねずみ取り用の毒(殺鼠剤)は催吐効果の毒として使用可能である。

その他のゲーム要素(1)

  • インスティンクト
    • 近くのNPCの動向や、ターゲットがいる位置、インタラクトできるオブジェクトを察知することが出来る機能。壁越しでも機能する。この機能によりNPCといきなり鉢合せしたりターゲットを見失ったりすることを避けることが出来る。
    • また、現在の変装を見破るNPCも把握できる。「アブソリューション」と異なりノーコストで幾らでも使用可能。
  • アプローチ
    • ストーリー/ボーナスミッションに存在。ターゲットを安全に殺害できる状況へとプレイヤーを導くヒントミッションで、これにより初心者でも多種多様な暗殺法を楽しめる。不要であればオフにすることが可能。
    • アプローチはひとつのミッションに複数用意されている。大抵はターゲット一人に対し複数用意されているため、当然ながら一度のプレイで択一であるものが多い。
  • チャレンジ
    • ストーリー/ボーナスミッションに存在。特定の手段で殺害する、特定の条件を達成する、サイレントアサシン評価でクリア、変装を用いずにサイレントアサシンクリアといったサブ目標。
    • 多く達成すると「マスターレベル」が上がり、新装備を得られたりミッション開始地点や服装を選べるようになる。
  • 難易度プロフェッショナル
    • 今作ではマスターレベルを上げると選択可能になる。ゲーム中にセーブが一度しか出来ず、ノーマル難易度よりもNPCの数が増え、ハンマーや消化器など非殺傷アイテムを手にしていても周囲から怪しまれるようになる*9など警戒が厳しくなっている。またアイテムの配置などが大幅に変更され同じ攻略法が通用しにくくなっている。

評価点(1)

  • 攻略性の高さ
    • ステージはいずれも広く、作り込みも深い。様々な暗殺計画を自由に練ることができ、攻略が一本道になるステージは皆無。
    • 時には物陰に隠れ、時には変装し、時には警備を排除しながらステージを歩き回りターゲットの暗殺方法を考えていく楽しみがある。
    • ターゲットは護衛を引き連れているか、人目のある場所にいることが多く気づかれずに暗殺するのは一筋縄ではいかない。プレイヤーはアプローチに従ってイベントを起こしターゲットの行動に隙を作ってもいいし、自らの創意工夫で任務を達成してもいい。
    • ステージ内の小物や設備も任務の達成に役立てることが出来る。ガスヒーターを爆発させて爆発事故死を装う、電源コードに細工して漏電させておいたところにホースで水を撒き感電死の罠にするなど使いこなせばとても効果的。
    • 気づかれずに暗殺するのが高評価であり基本方針ではあるものの、気が向けば強力な銃火器や近接武器、爆弾で皆殺しなどのプレイも可能。
      • マスターレベルを上げ切ってしまえばマイナス評価のデメリットは一切ない。また、チャレンジを除けばサイレントアサシンを強いられる要素もないため、様々な遊び方が可能。
      • 上記のNPC皆殺しチャレンジに挑むプレイヤーもおり、動画サイトなどでもその様子を見る事が出来る。
  • 攻略ボリュームの多さ
    • マップこそ8つしかないものの、上述の通りボーナスミッションやエスカレーション、コントラクトが存在するので総ミッション数は非常に多い。
    • ストーリー・ボーナスミッションのチャレンジも数が多く、全て達成するにはかなりの試行錯誤が必要。
    • またストーリーミッションも難易度プロフェッショナルでは全く様相が変わってくる。
    • エルーシブターゲットに登場する暗殺対象のバリエーションも幅広く、言動や行動を知れば「こいつは生かしてはおけない」と思える輩も多い事だろう。
    • 高レベルなエスカレーションは条件指定が厳しいこともあり、クリアするだけでもかなり頭を捻らなければならないものも多い。パズリックなやり込みを好むプレイヤーにとっては大満足のボリュームである。
    • 最高難度で変装禁止(スーツオンリーと呼ばれる)かつ発見なしの縛りに挑戦するとどのマップもかなりの激ムズミッションに変化する。元々、ターゲットは護衛を引き連れているとはいえ屋外屋内含めよく歩き回り、47のスタート地点のすぐ近くにいることすらあるため「クリアするだけなら」非常に簡単であり、プレイスタイルによって難易度の振れ幅が異常に広がるのも魅力といえる(またこれに関連するチャレンジもある)。
  • 充実のローカライズ
    • ステルスゲームとしては相当に登場NPCの台詞が多い本作であるが、そのほぼ全てが日本語吹き替え化されている(英語音声、字幕の表示なども選択可)。複数のNPCが同時にしゃべり出すことが多い本作ではとても有り難い。翻訳、声優の演技ともにハイレベルであり作品の雰囲気を崩していない。また、NPCの会話内容も一部ブッ飛んだ内容で笑いを誘う*10
    • 47の声は『Hitman: Absolution』や2007年の実写映画版にて吹き替えを担当した、てらそままさき氏が続投*11。時に彼はユーモアのあるセリフを口にする事もあり、どれも必聴(47は台詞自体が少ないのだが)。
    • NPCの会話をよく聞いてみると、後のステージや次回作でターゲットとなる(或いはストーリーに関わる)者の名前が出たりするなど細かい部分もあるため、色々聞いてみるのも面白い。
    • ただし、パッケージ版に日本語音声は含まれておらず、オンラインで日本語化パックをダウンロードする必要がある*12
  • ハチャメチャな日本要素(誉め言葉)
    • 洋ゲーには珍しい日本を舞台にしたステージや日本人デザイナーが登場することもあり、日本人プレイヤーにも受け入れやすい。
    • その名もガマ病院と言うロケーションで、文字通り病院施設ではあるものの露天風呂の温泉や食堂・ラウンジがあったりと一部宿泊施設の要素も混じっている。もちろん病院らしく手術室や霊安室もあるが、何故か火葬施設まである*13。院長室にはバットや野球ユニフォーム*14が飾ってあったり、逆に従業員用のカプセルホテル風のベッドがあり、世界最先端の技術を持つ医者すら実質タコ部屋に住まわされている他、某ダンスゲームっぽい何か*15が置いてあるなどのカオスな部分も。
      • 調理場だけで流れている「私のハートはドッキン」という歌詞のJapaneseアイドル風の曲も必聴。この他にもガレージ内に置いてあるラジオからは日本語と中国語を混ぜたような謎言語が流れると言った、勘違いニッポン要素も。
      • さらにこのステージのみ『忍者装束』を着てミッションを開始出来るトンチキな部分も。もちろん、この衣装でのチャレンジもある。
    • 北海道を舞台している割に、一部フロアでは銃刀法のある日本で銃を所持するヤクザのようなガードマンが病院を守っていたり、風呂は混浴であったりなど、間違った日本知識が満載。自動販売機に描かれた怪しい日本語や、ラウンジに飾られている酒樽に書かれた言葉、ディスプレイに「はい」と表示され開くドアのような翻訳の危うさも含め、これはこれで面白い。ちなみに背景に出てくる富士山に似た山はおそらく北海道にある羊蹄山であるので間違いではない。
      • 麓で行われているランタン飛ばしは日本古来のものではないものの、最近では日本でも行われることがあるので微妙。
    • 北海道ステージはパロディも満載で、アプローチ「GHOST IN THE マシーン」は漫画『攻殻機動隊』の英題『GHOST IN THE SHELL』から。チャレンジ目標の「モータースタイル(フルフェイスヘルメットにツナギ)で日本刀でターゲットを殺害」は『RONIN』へのオマージュ。エージェント47の病室の隣の病室に居るアメリカ人はこれまでの『HITMAN』シリーズに登場した人物とは全く趣が異なっていて、漫画『ゴルゴ13』に出てくる外国人に似た造形となっている*16
    • シリーズ作で日本のステージが出てくるのは2作目の『HITMAN 2: Silent Assassin』以来。なお、そちらも色々とカオスな代物である*17
  • バカゲー要素
    • 一見シリアスな雰囲気ながら、ミッションによっては突拍子のない暗殺方法ができたりとバカゲー的な要素も含まれる。
      • 一例を挙げると便器を頭に落とされて事故死、フグ毒を混入した寿司で毒殺、はたまた特定条件を満たした上でプレイ出来るマインスイーパをクリアするとターゲット頭上から無数の爆弾が落ちて爆死*18、などなど…
    • 占い師や藁人形(と言うかカカシ)など完全に場違いな衣装に変装できるステージも。スーツオンリーが可能なプレイヤーなら着こなせるハズ。更にカカシの方は一定条件を満たすと…。
      • マラケシュの通常ミッションで占い師の服を奪う方法もユニーク。
    • 某所には「赤の配管工」と「緑の配管工」がいる。いうまでもなく元ネタは世界的に有名な兄弟であろう。当然変装して行うチャレンジもある。
    • イースターエッグも豊富で、出現させる事がチャレンジ条件になっている物もある。
      • 例えばマラケシュでは特定手順で現れるラジオを校舎内の全員に聞かせたり、サピエンツァで遠くの沖合に停泊しているヨットのベルを特定の順で狙撃すると何かが起きたりなど。詳細は実際に試されたし。

問題点(1)

  • セーブ&ロードが長い(CS版)
    • CS版はセーブ・ロードにかかる時間が広大なマップとモブキャラの読み込みのせいでかなり長く、試行錯誤を繰り返すこのゲームにとってはつらいところ。PC版は環境にもよるがさほどでもない。
  • ボタンが海外仕様。
    • 決定が×でキャンセルが〇。日本人ユーザーには混乱しやすい。
  • オンライン接続しないと使えない要素が多い
    • 本作は完全シングルプレーであるにもかかわらず、サーバーに接続しないとチャレンジ・ボーナスミッション・エスカレーションの要素を使用出来ない。
    • コントラクトとエルーシブミッションのようなオンライン前提の要素は仕方ないにしても、ストーリーミッションをチャレンジ無しでプレイすることしか出来ないのは不便。
    • オンライン時とオフライン時のセーブデータは個別扱い。ミッション攻略中に通信が切断されたままの状態でセーブまたはクリアしてしまうと、そのデータはオフラインセーブデータ扱いになり、せっかく達成していたチャレンジがアンロックされない。
    • 2021年9月22日にGOG.comからも本作が配信開始されたものの、オンライン接続を頻繁に強要されることがGOGのユーザーフォーラム上で不興を買い、同年10月8日に販売中止になっている。
  • クリアまでのボリュームが少ない
    • ストーリーミッションは8つしかない。強引にターゲットを射殺してダッシュで逃げる…というゴリ押しも通用するので、チャレンジや高評価を狙わずクリアするだけならすぐに終わってしまう。
    • 細部まで作りこまれているとはいえ、ステージが8個というのがシリーズ最少であり、エスカレーションやエルーシブターゲットで何度も同じマップの面をプレイする、というのは目新しさに欠け飽きやすい。
  • 理不尽な内容のエスカレーションやミッションが散見される
    • いくつかのエスカレーションでは特定のアイテムを入手することがクリアの前提になっているのだが、そのアイテムの位置はノーヒントである。広く複雑なこのゲームのマップを、特に目立つわけでもないアイテムを探して歩き回るのは時間の無駄と感じるプレイヤーが多いのではないだろうか。
      • チャレンジにも、同様に自力では達成条件を発見することが非常に困難なものがいくつかある*19
    • 難易度段数の水増しのようなクリア条件が多い。民家の庭に大量の見えない地雷が埋設される、時間ギリギリのタイムアタックなど、難易度、シチュエーション両面で不条理なエスカレーションが多数。
  • 融通の利かないフラグ管理
    • 例えば、あるターゲットの護衛を排除した後に訪問者に変装して面会に赴くと、ターゲットが護衛を人払いする場面で本来話しかけるべき護衛がいないことでフラグが折れてしまい、ターゲットがその場で硬直しイベントが進行不能になる(殺害は可)。このように、フラグの融通の利かなさから出来そうで出来ない事が意外と多い。
  • ストーリーが短い
    • 短いというよりは物語の序盤で終了という感が強い。主人公である47とそのオペレータであるダイアナ・バーンウッドが組織への敵対者の存在を認識したあたりで終わり、である。続編ありきなので仕方ないのだが、盛り上がりには欠ける。
  • シリーズ他作品に比べて、NPCの反応が異常と思えるほどの部分がある。
    • スナイパーライフルで狙撃した際に、前作までは発見されないような距離でもしっかり位置を捕捉されることがある。基本的にスナイプでターゲットを屠った際は、「未発見」ではあるが自身のいる場所も警戒区域となりやすい。
      • 警戒解除条件もやや不自然で、梯子の昇降など歩行以外の移動手段を必要とする場所で狙撃した場合、警備が集まって来るまでに移動し、歩行で移動可能な位置に移動しておかなければならない。警備からは視認不可だからと狙撃後もその場で留まってしていると「未発見」のままなのに警戒が解除されず、警備が集まったままになる。
    • とはいえ、遠くからスナイパーライフルによる射殺がなされたとして、現場にいる警備兵や護衛によって狙撃場所がバレてしまうこと自体は自然である(位置の特定がやたら早いのはおかしく感じるやもしれないが、ゲーム的な都合もあるので仕方ないと言える)。
  • 難易度プロフェッショナルにおける問題
    • NPCが理不尽な挙動を見せるときがある。
      壁越しで距離も離れてるのに、首を絞める現場を発見される、直近のNPCがコインの音に反応しないのに下の階にいるNPCが反応してくる、本来1つの物音に対し1人のNPCしか調べに来ない筈が複数人がやってくる、といった不可解な事が起こる。
    • 攻略の幅がアイテムの撤去で潰されており、特にサイレントアサシンやスーツオンリーのチャレンジを狙う際は詰将棋の如く一本道な攻略ルートになる。
      • 特に顕著なのはバンコクで、ターゲットの排除方法はまだしも脱出ポイントが実質一ヶ所に限定*20されており、しかもスーツオンリーなどの場合は脱出ポイント手前の警備員の無力化あるいは陽動が必須となるため何度もやると辟易してしまう。
  • エルーシブターゲットが期間中一度しかプレイできない。この問題は『2』以降もそのまま。
    • セーブもできないため、トライ&エラーを繰り返して攻略というプレイスタイルには向いていない。
    • 本作はEpic Games Storeで無料配布があったが、こちらでは既に期限切れと言う事もあってかエルーシブターゲットのプレイは出来なくなっている。一定周期で再プレイ出来るなどすればよかったのだが…
    • このモードも日本語ボイスが当然のように収録されており、それらの演技が聞けないと言うのは非常に惜しい。
  • 『HITMAN Definitive Edition』の商品仕様
    • いわゆる全部入り完全版のパッケージだが、拡張パックのみならず本編の一部(北海道ステージ)もプロダクトコードによるダウンロードが必須。日本では本編の個別配信が行われていないので、コード使用済みの中古を買ってしまうと本編を最後までプレイすることが出来ない

総評(1)

箱庭マップによる自由度の高い暗殺というシリーズ本来のコンセプトに回帰し、現代的にブラッシュアップさせた作品。
アプローチシステムにより初心者でも作りこまれたステージでバリエーション豊かな暗殺を楽しめ、高評価を狙おうとするとやりこみ要素も豊富。
本作は『HITMAN』シリーズの「リブート(Reboot)」であると同時に、「リボーン(Reborn)」であるとも言えるあろう。
マップの広さや数ではなく「密度」を追求した3Dステルスアクションの傑作である。


HITMAN2

【ひっとまんつー】

ジャンル 暗殺ステルスアクション
対応機種 プレイステーション4
Xbox One
Windows,Mac OS,Linux
開発元 IO Interactive
発売元 Warner Bros. Interactive Entertainment
発売日 2018年11月15日
定価 通常版: 7,800円(税別)
ダウンロード版: 7,300円
ゴールド・エディション: 10,800円
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 良作
ポイント 『1』をベースにしたアップデート版
ヒットマンシリーズ


鮮やかに、キメろ。



概要(2)

ステルス暗殺ゲーム『HITMAN』シリーズの7作目であり、前作『HITMAN』直接の続編。
基本フォーマットはエピソード個別販売であった前作と同じだが*21、最初から全編が収録されている。

発売元の変更によりローカライズは日本語字幕のみ。
前作同様、海外ではシリーズ2作目の『Silent Assassin』と混同されることを考慮してか『HITMAN2(2018)』で紹介されている所もある。


ストーリー(2)

「影のクライアント」を突き止めるためダイアナと共に秘密組織プロヴィデンスの依頼をこなすことになった47。
プロヴィデンスの裏切り者や「影のクライアント」の協力者を排除し、遂には「影のクライアント」に接近するが、そこで思いもよらぬ事実を知ることになる。


新要素(2)

  • システム
    • ストーリーミッションは、前作と同内容のチュートリアルマップを除くと全6マップ(うち1マップは実質チュートリアルの小規模マップ)+スナイパーアサシン用マップ1。
    • 加えてDLCで新規マップ2、スナイパーアサシン用マップ2、既存マップを使用したミッションパック(2本入り)が2編配信されている。
    • 人込み、茂みへのステルスの復活
      • 『Absolution』からの復活要素。人込みに紛れて変装を見破るNPCをやり過ごしたり、丈の長い草に身を隠すことが可能になった。
      • ただし人込みはNPCが何かを怪しんでる状態になると機能しなくなる。無条件で周囲に怪しまれる「不法侵入」状態でも当然不可能。
      • 茂みは死体や物を隠すこともできるものの、『Absolution』より見破られやすくなっており過信は禁物。
    • インスティンクト時に監視カメラの視野が緑の線で可視化されるようになった。
    • 走りながらインスティンクトが可能になった。
    • 難易度が3段階になり、いずれも最初から選択可能になった。
      • 「カジュアル」は入門用の低難易度。「プロフェッショナル」は標準的な難易度で前作のノーマルに相当。「マスター」は前作のプロフェッショナルに相当する高難易度モード。
    • 「アプローチ」の名称が「ミッションストーリー」に変わった。
  • モード
    • スナイパーアサシン
      • スナイパーライフルを使用したガンシューティング風のモード。『Absolution』のキャンペーンで配布された『スナイパーチャレンジ』の発展型。
      • 基本的にマルチプレイ向けだがシングルプレイも一応可能。
    • ゴーストモード
      • 2人のプレイヤーによる暗殺競争モード。ランダムに指定される5人のターゲットを早く仕留めた方が勝ち。
      • 対戦中に入手できる武器の中には対戦相手本人または対戦相手側の世界のNPCに作用するものが数種類あり、スコアで多少リードされてしまってもそれらを使用して逆転を狙うことが可能となっている。(対戦相手の変装をランダムに書き換える武器や、対戦相手の世界のNPCを振り向かせるコインなど)
  • アイテム
    • HITMAN: BLOOD MONEY』からブリーフケースが復活し、スナイパーライフル、ショットガンなどを怪しまれずに持ち歩けるようになった。
      • 代わりにスナイパーライフルはどんな服装で持っていても怪しまれるようになった。
      • ライフルに限らずどんなアイテムでも出し入れでき、リモコン爆弾を入れて鞄型爆弾にしたり、ケース自体を投擲武器として使用できる*22
      • ただしボディチェックを潜り抜ける機能は無く、地面に落ちていると武器判定で警備員が持って行ってしまうので、チェック地点を通過するには一工夫必要。
    • EMPチャージというリモコン式で電磁波で近くの電子機器を停止させる工具が登場。壁越しに警備システムを破壊するといった用途のほか、使用時に電気を発するためガスやガソリンと絡めて発火装置としても使用可能。
    • バッテリーが登場。水たまりなどに投げることで感電を引き起こせるが、投げる行為自体が警戒されやすい。持ち込みは不可能で、マップ内の設置品のみ。
    • その他のアイテムも大量に追加されたがその中でもバナナは投げ付ける他、床に置けばNPCに踏ませて転ばせる事も出来るなど、バカゲー要素の強化も抜かりない。
  • 前作マップもプレイ可能(DLC)
    • 前作を所持していると前作のミッションを本作のシステムに合わせて改良されたDLC「レガシー・パック」及び「GOTY レガシー・パック」を無料で入手できる。
    • 前者は前作を所持していれば、後者は更にDLCも購入していれば無料で入手可能。ただし前作のゲーム内ストアから購入するため前作のインストールが必要。
      • 前作未所持プレイヤーも有料で購入可。ただし前作本編と同額。
    • ブリーフケース追加に伴うスナイパーライフルの仕様変更により一部の攻略手段が変化している。
    • ただの背景でしかなかった人込みに隠れられるようになり、幾つかのマップには茂みが追加されている。
    • 難易度マスターでは前作定番の攻略ルートの悉くに対策されており、攻略法の再考を求められる。
    • PS4版オリジナルミッション「サラエボ・シックス」は対象外。
    • 日本語吹き替えは無し。
    • 前作とのセーブデータの互換は無い。
    • 前作で入手可能だったアイテムもそのまま入手可能。
      • 毒薬などの基本的なアイテムは『2』のチャレンジでも同性能のものが別アイテム扱いで入手可能なため、2つ入手して2つともミッションに持ち込むことができる*23

評価点(2)

  • 広くなったマップとさらに増加したギミック
    • 前作が1つの大きな建物を舞台としたステージが多かったのに対し、本作では中小規模な複数の建物を含む広い屋外マップが多い。あちこちを見て回る楽しみも増えた。
      • レース会場と近隣のビル、集落と農園と屋敷といったような広大なマップに複数のロケーションが詰め込まれたマップが多く、ギミックの数も増加している。
    • 前作にあった電気コード、プロパンガス等のギミックは全て健在。今作では水面に投げると感電を促すバッテリーが登場し、それに伴い床を水浸しにするギミックが増えている。
    • もちろんイースターエッグも豊富。条件を満たせば使える隠し脱出はどれも笑いを誘う内容*24。中には『トゥームレイダー』ネタに関連したイースターエッグも*25
  • 今作で追加されたスナイパーアサシンモードはなかなか中毒性が高く、本編並にやり込める。
    • 拡張パックを入れる事でステージが二つ追加され、その内の片方であるシベリアはマスターレベル20にすると本編に強力なスナイパーライフルを持ち込める特典がある*26
    • シングルプレイでは47が狙撃を行うがマルチプレイではフリーランスのスナイパー、ナイトとストーンの二人を操る事になる。それに伴いミッションブリーフィングの内容もシングルの時と若干異なる細かい部分も。
    • シリーズでお馴染みのカールトン・スミスは『2』においてはこのモードにのみ登場し、ステージ内のどこかに潜んでいるので探してみるのも一興*27
  • 今作のエルーシブターゲットには知る人ぞ知るハリウッド俳優、ショーン・ビーンをモデルにしたターゲットが登場する。もちろん演じるのは本人。
    • その名はマーク・ファバ*28、「不名誉な元MI5捜査官で、殺したはずなのに何度も蘇ってくるフリーランスの暗殺者*29」と言う設定で『映画で死にまくる俳優』として定評のあるショーン・ビーンをリスペクトした役。
    • ステージタイトルもそのまま「不死身」であり、後に配信された二回目の登場は「帰ってきた不死身男*30」と、まさに死にまくる俳優の面目躍如と言った所だろう。
    • 実在の俳優を起用している事もあって様々な権利関係の都合上、ファバの暗殺が出来るのは本作のみで『3』での再登場はないと開発が明言している*31

賛否両論点(2)

  • ゴーストモードの敷居の高さ
    • (対戦モードである以上仕方のないことではあるが、)ランダムに指定されるターゲットを倒す速さを競う都合上、ステージ構造とNPC配置を熟知して初めて対戦のスタートラインに立てるモードである為、ライトユーザーからの支持を得ることが出来なかった。
      • 対戦の駆け引きを増やす為のアップデートが多少行われたが、最終的には、当時未発売だった次回作『HITMAN3』に開発リソースを集中する為にサービス終了となった。

問題点(2)

  • ローカライズの質の低下
    • 日本語吹き替えが無くなったため、字幕化されていないNPCのセリフに含まれている情報を理解するのが難しくなっている。
      • 重要な情報は割と字幕に載ってはくれるのだが、地味に辛いのが門番系キャラの台詞が字幕に出てこないこと。このせいで英語のヒアリングができない限り、現在の服装で立ち入り可能かどうかをモーションで判断する他なく、慎重に行動しないとうっかり不法侵入になることが多い。
    • 翻訳の質自体も低下。全体的に柔軟性のない文体になり、アップデートで修正されたものの当初は誤訳もあった。
    • DLCでは文法すら怪しくなっており、名詞そのまますぎ、台詞直訳すぎで意味が分からないことになっている。
  • 『1』よりは多少短縮されたが、それでも相変わらずセーブ&ロードは長い。
    • 難易度マスターの攻略時はセーブ制限も相まって前作以上のリプレイ地獄となる。
  • 一部アイテムの万能っぷり
    • それはズバリ「ICA感電電話」と言うアイテム。
      相手に拾わせ任意のタイミングで起動する事で感電死させられると言う物だが、このアイテムで死亡した相手は「事故死扱い」となり怪しまれる事もない。
      これがあるだけでスーツオンリー・サイレントアサシン獲得がグッと楽になるほどの高性能アイテム。
    • 拡張パックで追加されたニューヨークのクリアで手に入るため、すぐに使えると言う訳ではないのだが…。
      • だが、さすがに万能すぎたのか『3』では削除された。
    • この他にもトランキライザーガン(麻酔銃)がある。
      こちらは命中した相手を眠らせる物で、眠った状態を第三者から発見されても発見扱いにならないと言う便利武器*32
      この武器はダーツガンなので、真っ直ぐ飛ばない上に二発しか撃てないと言う難点はあるが、使いこなせれば非常に心強い。
    • この武器を生かした「麻酔銃がヒットし、倒れるまでの間にターゲットを銃殺しても死体発見扱いにならない」と言うテクが存在する。こちらはこの仕様もろとも『3』でもそのまま続投している。
  • オンライン接続の仕様も相変わらず
    • 今回もまたオンライン接続しなければ大部分の要素をプレイできない。オンライン関連のみならずチャレンジも達成できないため、プレイスタイルが大幅に制限される。
  • マップが広くなった弊害
    • 元々このシリーズは特定の場所にターゲットが訪れて特定の行動をとるのをじっと待つなど、「待ち」の時間が多かったが、マップが広くなったことでターゲットの行動ルーチンも冗長化。「待ち」が更に長くなった。
    • スナイパーアサシンモードでも、特定のチャレンジを狙う場合は一部ターゲットやオブジェを撃たないまま10分ほど待機する必要があるなど、マップの広さ故に待ちが長くなると言う弊害はこちらでも発生している。
  • 完全新規の新要素が無い
    • ブリーフケースなど過去作で好評だった要素が改良され復活したものの、本作初出のシステムはない。
  • ストーリー
    • 物語が前作の完全な続き物なうえに未完。
    • 本作で初出の設定について過去作と整合性が取れない点が見られる。
      • 前作からしてリブートなのか地続きの続編なのか曖昧であり、旧シリーズファンを混乱させている。そのうえで過去作の基本設定(47の出生)について知っている前提でほぼ説明なしに話が進んでいく。
      • スタッフは旧作の続編と発言しているが、実際の内容はシンプルなタイトルが示す通り5作目『Absolution』までの流れをバッサリ断ち切ったリブートであり、大量の矛盾点が存在している。
+ 前作、旧作を含むネタバレ
  • 旧シリーズにおいて主人公である47をはじめとするクローン暗殺者たちは生誕から急速に成長し成体として製造される設定で、ゆえに大量生産も可能な設定であった。
    • 実際1作目『Codename 47』では後継種である48が量産されて登場し、4作目『BLOOD MONEY』の黒幕の動機は47が自身のクローンを兵器として売りさばこうとしてるのではという疑念であった。
      • ところが本作では47たちに幼少時代があったことが発覚し、過去の記憶を薬物で消されていたことになっている。
    • 実はこの辺の設定は『Absolution』の時点で既に破綻している。同作には47が幼少期の過酷な実験をフラッシュバックする描写があり、それ以前と以降のどちらのシリーズとも設定が合わなくなっている。
  • 旧シリーズの任務についての言及があったり、過去に殺害したターゲットの親戚が登場したりするが、時期的に辻褄の合わない部分がある。
  • 旧シリーズで潜入先で捕まっては47に助けられる定番キャラ、エージェント・スミスが『1』『2』にも登場しているが、少し会ったことがあるだけの他人といった素振りで会話の内容も旧シリーズと合致しない*33
  • いずれも全て「リブートだから」の一言で片付くものだが、開発者の発言が紛らわしいため落としどころが無くなっている。
  • ムービーの紙芝居化
    • 前作ではマップの合間のストーリーは高品質なプリレンダムービーで語られていたが、今作では止め絵による紙芝居動画に簡略化されてしまった。
    • DLCの追加マップのミッションではゲーム中と同じモデリングのムービーになっている。潜入と脱出のシーンという扱いのためストーリーメニューからは視聴できない。
    • これは開発元のIO Intaractiveがスクエニから切り離された影響だと思われる。『トゥームレイダー』や『デウスエクス』等の系列会社の作品もプリレンダムービー部分はスクエニのビジュアルワークス部が担当していたが、切り離されたことによりそれができなくなっている。
      • 『2』のDLC、『3』ではプリレンダムービーに戻っている。恐らく自前での制作に移行したと思われる。
      • とは言え1作目よりも演出不足感は否めず、ムービーを作る事の難しさ・ノウハウの差が現れている。
  • DLCマップの完成度
    • 本編マップと比べると見劣りする。特に顕著なのがニューヨークステージで、暗殺ギミックの多くがターゲットの部屋に併設されており、そこに至るまでのルートも限られるため、ほとんどの攻略ルートでやることが変わらない。
  • エスカレーションやエルーシブターゲットの問題点はそのまま。
    • 前作の反省からか新規マップのエスカレーションは難易度段数が5段階から3段階に緩和されマシになっているが、レガシーパックの前作マップは変化無し。
  • 「レガシーパック」における問題
    • 一部音声の削除
      • 前作では一部の特殊な殺し方に対しダイアナに専用の台詞が用意されていたが、なぜか削除され汎用のもののみになっている。
    • 理不尽なチャレンジが全て健在
      • コインを壁に反射させて狙った場所に当てる、スナイパーライフルで遠方に見える鐘を決められた順番に撃つ、コントラクトモードで専用のステージを作るしかないチャレンジなど全て残っている。コイントスについてはアップデートで条件が変更され緩和されているものの、そのことの説明が無いうえに必要な成功回数は逆に増加、前作よりコインが反射しにくくなっているため結局理不尽である。
  • インストール容量の肥大化
    • 拡張版も含めると実に150G近くのHDD容量が必須と、かなりのデータを食う事になる。
    • この問題点は『3』で解消された。

総評(2)

評価の高かった前作をベースに過去作で好評のシステムが追加。
マップも広大になり、さらなる『HITMAN』の世界を楽しむことができる。
日本語でプレイする場合は、吹き替えが無くなったことだけが痛い。


HITMAN3

【ひっとまんすりー】

ジャンル 暗殺ステルスアクション

対応機種 プレイステーション5
プレイステーション4
Xbox Series X/S
Xbox One
Windows,Mac OS,Linux
対応VRヘッドセット*34 HTC Vive
Oculus Rift/Quest *35
Valve Index
PlayStationVR
開発元 IO Interactive
発売元 Warner Bros. Interactive Entertainment
発売日 2021年1月20日
【PS4/PS5日本版】2021年8月26日
定価 通常版: 7,480円(税別)
ダウンロード版: 7,590円
デラックス・エディション: 11,664円
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 良作
ポイント リブート版3部作最終章
過去2作をベースにしたアップデート版
ヒットマンシリーズ

概要(3)

ステルス暗殺ゲーム『HITMAN』シリーズの8作目であり、前2作から展開された「ヒットマントリロジー」の最終作。
基本フォーマットはエピソード個別販売であった前作と同じだが*36、最初から全編が収録されている。

『2』同様、ローカライズは日本語字幕のみ。
なお現在は『HITMAN World of Assassination』に改題されているが、便宜上『3』として表記する。


ストーリー(3)

47と影のクライアントであるルーカス・グレーは、秘密組織プロヴィデンスの壊滅のため、創設者たちの暗殺を実行に移す。
その最中ルーカスはダイアナの行動に疑いを向けていた。


新要素(3)

  • システム
    • ストーリーミッションは、前作と同内容のチュートリアルマップを除くと全6マップ。
    • 最終ステージのみ小規模で、過去作の「Silent Assassin」や「Blood Money」の最終ステージのような道中の敵を殺害することが前提の設計になっている*37
    • 3のステージでショートカットが追加された。ハシゴや閉ざされた扉を解放する事で、次回プレイ時にはそこを通って移動出来るようになる周回プレイ向けの要素。
      • この他にもキーパッド*38やクリア時の評価称号*39が大量追加されるなどと言った物も。
  • モード
    • エルーシブターゲットアーケード
      • 前2作から実装されていた、期間限定ミッション「エルーシブターゲット」の発展形となるバージョン。「HITMAN3 Year2」で追加された。
      • 全3ステージで構成されており、いくつかのミッション*40を連続でプレイしていく。
        このモードではエスカレーションのように、特定条件も満たした上で*41クリアしなければならないなど難易度も上がっている。
        一度失敗すると再挑戦に12時間待たなければならない。クリアすると様々な報酬が得られる。
    • フリーランサーモード
      • 2023年1月26日に実装された新モード。自動生成されるミッションを連続してこなしていくモードであり、プレイヤーは出撃準備を行う本拠地であるセーフハウスと任務地を往復しながらミッション制覇を目指す。
      • 3つを除く全てのステージ(除かれるのはICA訓練施設、ホークスベイ、カルパチア山脈)が登場ステージ候補であり、本編ターゲット以外の全てのNPCとフリーランサー用に追加されているNPCがターゲット候補である為、ミッションのバリエーションは果てしなく多い。一部DLCを導入していない場合ストーリー本編では行けないステージがあるが、このモードではDLCがない場合でも攻略対象に選ばれる。
      • ミッションクリア報酬やステージ内で盗むなどの方法によりゲーム内通貨「Merces」を獲得することができ、武器の購入に使用できる。プレイヤーの所持武器はフリーランサーモード開始時点では安物の拳銃一つだが、ステージ攻略中に入手した武器をセーフハウスに持ち帰ることで持ち込み武器の選択肢を増やすことが出来る。持ち込み武器の量を制限する為のコストが各武器に設定されており高価な武器ほど高性能かつ低コストだが、ミッション中に47が負傷*42するとミッションに持ち込んだ武器全てをロストしてしまう為、武器の持ち込みに本編とは違ったリスクとリターンの駆け引きがある。
      • 規定数のステージでミッションを行うと「ショーダウンミッション」というボスステージ的なミッションが発生する。このミッションはステージ内に複数いる容疑者のうち誰がターゲットなのかが判らない状態からスタートする為、容疑者の外見や行動を事前情報と照らし合わせることで誰が本当のターゲットなのかを探り当てて排除する必要がある。またステージ内には47をほぼ一撃で殺せる攻撃力を持った「アサシン」と、47の変装を見抜く能力に長けておりターゲットに避難指示*43を出す「見張り」が一般人のフリをして多数徘徊しており、通常ステージとは違った緊張感を味わえる。
      • キャンペーン一周目をクリアする事でハードコアモードが解禁される。このモードはNPCの知覚能力が強化される他、ターゲットを仕留めても特定の条件を満たさないとミッション失敗扱いとなるなど全体的に難易度が底上げされる。
      • セーフハウスは出撃準備を行う場所であると同時に、フリーランサーモードにおけるプレイヤーの頑張りを視覚化する場所でもある。初めは引越し直後らしく大きな別荘の中に段ボールが多数転がっているだけだが、ミッションを繰り返すことで模様替えが可能となり、段々と優雅で贅沢な別荘になっていくなどのやり込み要素の一つとなっている*44
      • アップデートで追加された物として、コンプリートした武器やツールやMercesをリセットして全て失う代わりに、ミッションクリア時の獲得XPと名声目標達成時の報酬Mercesが増加する名声目標レベルアップ機能もある。
      • このモードは失敗しそうだからと言って、リセットしようとゲーム中にメニューに戻ると失敗扱いとなるため、実質一発勝負となる。そう言った意味でも緊張感のあるゲームモードと言えよう。
  • アイテム
    • カメラが実装。特定の出入り口や窓に向ける事で協力者のハッカーがハッキングを行い、ロックを解除できる。対象は当然ながら『3』のステージのみ。
    • もちろん、撮影目的での使用も可能。『3』で実装されたマップの一部にはQRコードが貼られており、ステージ内のコードをすべてスキャンすると解除される実績もある。
  • DLCやローカライズは前作と同様。
    • 今回のレガシーパックはIOアカウントを通じて『2』のオンライン・レベル、所持アイテム、プロフィールを引き継ぎ可能。
      • 事前に準備が必要。手順が少々ややこしいうえに日本語非対応なので注意。
      • プロフィールは引き継ぐが、クリア状況は引き継がれない。たとえプロフィールに全ステージフルコンプの記録があっても、全て未クリアの状態から始まる。
      • 既にクリア報酬を獲得したチャレンジやエスカレーションを改めてクリアしても何も貰えない。
      • 『1』からのデータ引き継ぎは不可。
    • 前作レガシーパックのような新システムに対応した変更は無い。

評価点(3)

  • イベントシーンが再度プリレンダリング化。
    • 前作がプリレンダリングから紙芝居に劣化してしまっていたが、フィードバックを受けて『1』の仕様に戻った。
      • ただし、プリレンダリングシーンは2021年基準でそこまで品質が高いわけではない。
  • システムが最適化されている。
    • ロード時間が短縮されており、遊びやすい。
    • ゲーム容量もかなり削減されている。DLCも含め全てインストールすると約150GBものサイズがあった『2』に比べ半分ほどの約60GBになった。これは『1』『2』のコンテンツを遊べる状態でも同様である。
    • 自動で開始時のアイテム選択がセーブされるようになった。『1』『2』では手動セーブのみだったものが改善され、若干楽になった。
  • VRモード対応(PS5/PS4/Win版のみ)
    • プレイする環境を整えるハードルは高いが、見慣れたステージを一人称視点で楽しめると言う点は独自の緊張感がある。一部の挙動は通常版といくつか異なる*45が、それほど気にはならないだろう。
      • ちなみに、PSVR版とSteamVR版でグラフィックとコントローラーの違いからの操作性の違いまで生じている。

賛否両論点(3)

  • バカゲー要素の減少
    • 3部作の最後ということもあり、全体的にシリアスな展開に終始している。
    • シリアスな雰囲気がベースにありながら、それでいてバカゲー要素が強いのが歴代『HITMAN』シリーズであり、この点は歴代ファンだと若干気になるかもしれない。
      • 一応、シリーズ恒例のイースターエッグではバカゲー要素全開な物もいくつか存在しているのだが、それだけでは物足りないと言う声もある。
  • マップが若干小規模化している。
    • フィールドの大きさが過去作と比較して少し狭く設定されている。
      • 特に最終ステージは本当の意味で一本道であり攻略パターンが少ない。
    • 前作のマイアミのようにCPUの導線が長くなることを防ぐための措置ともとれる。
      • だが、エルーシブターゲットなどで再利用された際にプレイヤーの行動範囲があまり変化しないという欠点がある。
    • マップの狭さが前述のミッションストーリーの少なさに影響を与えているとも考えられる。前作のマップがやたら広かったと言う声を受けてなのだろうが、この辺りは一長一短か。
  • 過去2作と比べ変化に乏しい。
    • ある程度やれることをやり尽くしたからか、新要素は少ない。こればかりは仕方ない事かもしれないが…。
    • 新要素が『3』のマップ限定のギミックばかりで、過去2作のマップではデジカメでの撮影ができるようになっただけ。新アイテムも既存品のバリエーションしか無いため、有り体に言えば『2』内で遊ぶのと全く変わらないに等しい。
    • 新要素の「カメラ」は撮影だけでなく特定のギミックの開錠に使えるが、いちいちインベントリから選択→少し注視して開錠という手間があり面倒である。
    • 同じく新要素の「パスワード式の錠」は番号さえ分かればすぐに開けられるものの、ステージや場所ごとに別々のものを覚える必要があったり、バールやロックピックでの開錠ができないことは賛否が分かれる。
  • いちおう終結したストーリー
    • 『1』『2』ではどちらも次回作ありきの引きを作っていたが、今作では完結編の名に偽りなくストーリーが終結する。
    • しかし、ルーカス・グレーやダイアナの両親との関係、コンスタントとプロヴィデンスとの戦いなど、終わってみればあっさりしたもので、あまり印象に残るものではない。
+ ネタバレ注意

最終ミッションのチャレンジでちょっとしたマルチエンドとなっている。コンスタントを終わらせる以外に、47自身の記憶を消去してプロヴィデンスに仕えるという展開を選ぶと、『HITMAN:Codename 47』のプロローグのオマージュシーンが見られる。

  • ほぼ同じアイテムの存在。
    • 『1』『2』のステージの報酬を含めると、見た目の違いに意味のないものが多数存在する。ただし、爆薬と毒は『2』よりもさらに多く持ち込むことができるようになったとも言える。
  • 難易度の存在理由が薄くなった
    • 『1』『2』では難易度ごとにサイレントアサシンやスナイパーアサシンのチャレンジが存在したのだが、今作は難易度ごとのチャレンジが存在しない。そのため、カジュアルとマスターは本当に難易度を変えるだけになってしまった。
      • ただし、そもそもトロフィーコンプリートに興味がない人にとっては特に問題はない。
  • 一部モードなどの削除
    • 対人戦が楽しめたゴーストモードが廃止された。ただし『2』の時点で人気を得られなかったモードである為、廃止して他の部分の開発に注力したのは妥当ではある。
    • この他にもスナイパーアサシンモードはシングルプレイのみとなり、マルチプレイが撤廃されている。
    • 一部のイースターエッグとそれにまつわるチャレンジも何故か『3』で削除された物がある。どのような理由で消されたのかは不明だが、バカゲー要素の一つでもあったため削除を惜しむ声も一部で上がった。

問題点(3)

  • ミッションストーリーの減少
    • 過去作はチュートリアルマップを除けばいずれも5個以上のミッションストーリーが用意されていたが、
      本作は最終マップにミッションストーリーはなく、その他5マップでも3個に固定されている。
      記事執筆時点で2年目の展開に突入しているが、現時点で追加された新ミッション用のミッションストーリーはない。
      • ミッションストーリーは単に攻略手順の明確化だけでなく、サイドストーリーの要素も兼ねていた。
        暗殺対象やその周辺のキャラクターの掘り下げにもつながっていただけに、残念な部分である。
      • 本作のアップデートで追加されたアンブローズ島に至ってはミッションストーリーが無く、この辺りも残念な部分の一つとなっている。
  • DLCの販売方法
    • DLCのうち「七つの大罪」シリーズはゲーム外ストアでは単品購入のみで、全部入りパックはゲーム内ストアでしか販売されていない。その仕様上、各種ストアのセールの対象にならず、定価で買うしかない。
      • Win版では『七つの大罪コレクション』として販売され、セールも行われている。
  • 誤訳の存在
    • ゲーム性に影響を与えるようなものではないが、明らかな誤訳や誤字が字幕内に未だ存在しており、現在も修正されていない。
  • フリーランサーモードの一部調整不足な部分
    • ランダム要素が強く運に左右される場面があり、状況次第では攻略が困難になるケースがある。また、2023年8月時点でフリーランサー特有のプレイヤーに不利なバグがいくつか確認されている*46*47

総評(3)

スクウェア・エニックスからの独立・コロナ禍での開発といった事情からか、過去作と比較して単体で見るとボリューム面が少し気になる。
だが、高い自由度から様々なアプローチでミッションを攻略していく楽しさは本作でも健在。
今からプレイしたいと思ったのならば、3部作セットが統合された『HITMAN World of Assassination』で遊ぶことを強く推奨する。
これは3部作全て揃った状態でボリュームもかなりの物であるため、長く遊べる事だろう。


余談

  • 『1』の発売後、2017年5月に親会社であるスクウェア・エニックスから2017年3月期の連結決算報告においてIO Interactiveの完全子会社としての運営事業から撤退することが発表された。
    • その後、2017年6月にIO Interactiveがスクウェア・エニックス・ホールディングスから正式に独立した声明を発表し、同時に『HITMAN』シリーズの全版権はIO Interactiveに移管されたことも発表された*48
    • これに伴い、2018年4月30日を以てスクウェア・エニックスにおけるパッケージ版の販売が終了。DL版については独立声明発表後程なくして過去のシリーズ作から順次IO Interactive自身がパブリッシャーとして販売する形に変わり、2018年5月1日に本作と5作目である『Absolution』のDL販売がIO Interactiveに引き継がれたことで移行がほぼ完了した。
  • スクウェア・エニックスから独立はしたものの、欧州や中東では再び販売元になっている他、『Hitman GO』を作ったスクウェア・エニックスモントリオールスタジオがスマートフォン用ゲーム『Hitman Sniper: The Shadows*49』を開発しているなど、IO Interactiveとの関係は続いている模様。
    • その後、ワーナーブラザーズから本作の完全版『Definitive Edition』が2018年9月13日に発売される事と同時に本作の続編『2』が 2018年11月13日に発売されることが発表された。 パッケージ版・One/Steam版のパブリッシャーはワーナーブラザースが、PS4ダウンロード版のパブリッシャーはIO Interactive自身が担当する事となった。
      • 当然でもあるが残念ながらローカライズ担当も変わっており、『2』からは日本語吹き替えが無くなった。翻訳の質も無印と比べるとかなり怪しい。
        Steam版はストアページの記載では日本語完全非対応だが実際に起動すると音声以外普通に対応している。

その後の展開

  • 2020年10月28日に『HITMAN3 Cloud Version』としてSwitch版がクラウドゲームとして配信されることが発表された。
    • こちらは日本でも海外と同様の1月20日に配信された。ただし、日本語には非対応となっている。
  • 2022年1月20日、『3』の発売から1年後に『HITMAN TRILOGY』が発売された。『1』~『3』の全てが入った新3部作コンプリートセットで、Win版がEpic Games Storeでの時限独占販売だったこともあり、ようやく『3』がSteamでもプレイ出来るようになった*50
    • リリースから1年経過した「HITMAN3 Year2」の新フィーチャーとして、Win版はPS版のみ楽しめたヒットマンVRがプレイ出来るようになる他、グラフィック周りの強化、2023年1月26日にはフリーランサーモードが追加された。
    • この他にもPS版限定であったサラエボ・シックスが同年8月に有料DLCとして他機種版でもプレイ出来るようになる*51など、細かいアップデートはまだまだ続いている。
  • 2023年1月26日に『HITMAN 3』が『HITMAN World of Assassination』に置き換わった。前述のフリーランサーモード実装に際しての措置と思われる。
    • 『HITMAN World of Assassination』はタイトル通り"World of Assassination"シリーズ3部作を遊べ*52、そういう意味では『HITMAN TRILOGY』と同内容となる。
      しかし、『TRILOGY』の名称変更ではなく『3』の代替ということで、『3』の所有者には『HITMAN World of Assassination』への無料アップグレード*53が行われた。
    • これに伴い全てのプラットフォームで『1』『2』『TRILOGY』が販売終了となった。
  • 開発元のIO Interactiveは現在『007』シリーズの新作と新規IPのオンラインRPGを開発しており、残念ながら『HITMAN』シリーズの新作はしばらく出ないことが公式に明かされている(参照)。
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最終更新:2024年01月01日 05:35
添付ファイル

*1 Mac/Linux版のパブリッシングのみ担当。それ以外のプラットフォームはIO Interactive自身がパブリッシャーとして販売を担当している

*2 日本ではパッケージ版専売、PS4版のみだが海外ではOne版も発売。本体の言語を日本語にしていればOne版でもフル日本語ローカライズで遊ぶ事が可能。

*3 PSストアではインドネシアストアでのみダウンロード版販売、日本語フルローカライズあり。

*4 発売日から1週間無料配布された。

*5 販売終了

*6 ただし撮影されてもステージ内のレコーダーを破壊すればノーカウント。

*7 …の、はずであったが『3』の重慶にあるICAデータセンターのデモでペイシェント・ゼロのターゲットも一瞬写るため、繋がりがあるのかないのかハッキリしなくなっている。

*8 ただし消火器爆破キルは1で強力な手段だったためか、2以降では気絶止まりになり、事故死が成立しなくなった。

*9 さすがに厳しすぎたのか『2』以降でこの要素は削除された模様。

*10 例えばガマ病院にいるジェイソン・ポートマンなど。診察後の彼の独り言は必聴。この他にもサピエンツァの墓地で故人を罵倒する女性やマラケシュで47にやたらと付きまとってくる商人などバリエーションも豊富。

*11 ちなみに、2015年に制作されたリブート版の47の声は間宮康弘氏に変わっているが、こちらはマラケシュのターゲットであるレーザ・ゼイダンの声を担当していたりと、思わぬ繋がりを感じられる。

*12 何故かEpicGamesストア版は日本語ボイスファイルが用意されていない。

*13 日本の法律では医療法人には火葬施設の営業許可は絶対に降りない

*14 ユニフォームとバットを装備してガードマンを殴り倒せと言うチャレンジもある。

*15 47も遊ぶ事が出来、着ている衣装で何故かスコアが変わるという仕様。また、ゲーム機(どちらかと言うとプレイマットだが)に細工をすればその後プレイした者を感電死させることも可能。

*16 彼はカウボーイハットに浴衣のような病院着と言うユニークな服装をしている。

*17 なおフグで毒殺が出来たのもHITMAN2:SAであったが、このステージでもフグの毒を混入した寿司でターゲットを毒殺出来る。

*18 しかもその暗殺方法のチャレンジ名は「ヒットマイン」である。

*19 特にイースターエッグに類するものはミッションと何の関係もない行動を多くとる必要がある。

*20 実際には他の脱出ポイントをアンロックするのに必要なキーはステージ内にあるのだが、見つけるのが手間だったりする。

*21 ミッション選択画面のUIの他、チュートリアル以外のステージがDLC扱いでトロフィーが個別なのも同様。

*22 なおブリーフケースには恐ろしいホーミング効果があり、投擲すると高速回転しつつ対象に飛んでいき、相手が逃げても当たるまで追尾し続けると言うシュールな絵面になり、動画サイトでは代名詞ネタの一つとなっている。余りにも不自然な挙動だったためかアップデートで修正されたが、後にこのホーミング効果を更に強調したブリーフケースが入手できるようになった

*23 前作では1つ入手できないため、2人以上のターゲットを毒殺したい場合は毒殺方法を変えるか、もう1つを現地調達するしかなかった。

*24 一部はかなり面倒な手順や条件をクリアしなければならないが。

*25 執事を冷蔵庫に閉じ込める、と言えば分かる人もいるかもしれない。この条件を満たすとスワンダイブで脱出する47を見られる。このステージのターゲットがトレジャーハンターである事からの繋がりと思われる。

*26 ただしマスターレベルを上げるにはハイスコアを何度も出す必要があり、そのためには数多のチャレンジをクリアしてスコア倍率を上げねばならず、やり込みがほぼ必須となる。

*27 彼を発見するのはチャレンジ内容にもなっている。

*28 名前の由来はマークがショーン・ビーンのミドルネームから、ファバはラテン語で豆を意味し、豆=ビーンとなるため実質ショーン・ビーンを細かくもじった物になるとも言える。

*29 設定からして、モチーフは007ゴールデンアイでビーンが演じたアレック・トレヴェルヤンと思われる。このエルーシブターゲットをプレイすると投擲武器の爆発する『ペン型爆弾』が手に入ったが、そちらも元ネタはゴールデンアイのボールペン型爆弾を意識しているのではないかとも。

*30 この時の彼は初回で暗殺された際に右目を失ったのか、包帯をしている状態で再登場した。

*31 もっとも当のエルーシブターゲットは既にプレイ出来なくなっていおり、現状はPC版『3』にMODを導入しない限りプレイはできない

*32 この武器でダウンした相手は鍵などの重要アイテムも落とすので、非ターゲットを傷付ける事無く奪えると言う利点もある。

*33 旧作では『CONTRACTS』のリメイクミッションを除き通算4回目助けられており、直接会って仕事を依頼するぐらいには顔なじみであった。

*34 PC(SteamVR)、PS4版のみ

*35 PCとのOculus Link接続などが必要。

*36 ミッション選択画面のUIの他、チュートリアル以外のステージがDLC扱いでトロフィーが個別なのも同様。

*37 殺害せずに攻略することも可能。

*38 4ケタの数字を入力し、金庫や扉を開けると言った物。番号は固定。また、この要素を生かしたイースターエッグもある。

*39 最高評価はサイレントアサシンだが、取れなかった場合はプレイ内容に応じて称号の内容が変わると言う過去作にあった要素。例えば、スナイパーライフルだけでターゲットを始末した時は「スナイパー」、爆発物ならば「ニトロ狂」と言った具合に。

*40 これまでの三部作エルーシブターゲットに登場したターゲットが全てが対象となっている。また、ターゲットの一部は二つが一つに統合された物もある。

*41 例えば死体や気絶した人を隠すまで脱出出来ない、変装は一度まで、などと言った物。

*42 いわゆる「死亡」のことだが、フリーランサーモードではミッション中に警備員に倒されたりしても47はセーフハウスに生還するため「負傷」と表現されている。

*43 ターゲットが逃げるとミッション失敗となる。

*44 単なる飾り付けだけではなく、ミッションに役立つ武器を拾えるようになるなど攻略上のメリットも増えていく。

*45 監視カメラのデータを消去する、後ろから締め落とす、死体・気絶した人を箱の中に隠すなどと言った動作。

*46 フリーランサーモード実装後の初のアップデート予定はまだ先である為、今後どうなるかは不明。

*47 「セーフハウス内の一部アイテムは拾ったら捨てることができず、間違えて拾った場合に持ち込み武器コストを圧迫する」など。

*48 なお、IO Interactive開発作品のうち『Kane&Lynch』シリーズと『Mini Ninjas』はスクウェア・エニックスが引続き版権を所有しており、EAから発売された『Freedom Fighters』の版権は独立声明発表よりも前にIO Interactiveへ移管済みであることが同社CEOのハカン・アブラク氏より語られている。

*49 2022年3月3日にリリース。内容はスナイパーアサシンモードをスマホゲーに落とし込んだ物で、2015年に出た『Hitman Sniper』の続編的な立ち位置。今作では47が不在の代わりに『2』のスナイパーアサシンモードに出たナイトとストーンを含めた5人のICA狙撃チームの活躍を描いた作品となっている。

*50 同日にMicrosoftのサブスクリプションサービスであるXbox Game Pass/PC Game Passでの配信も開始された。

*51 ただし吹き替えボイスのファイルはなく、そちらを楽しめるのはPS版のみとなっている。

*52 『1』のGOTY版と『2』の通常版へのアクセスパスが無料で同梱される。

*53 『3』所有者のアカウントへ『1』 GOTY版と『2』のアクセスパスDLCが追加された。ライブラリー上では『3』とそれらのDLCを所有しているように表示される。