New みんなのGOLF

【にゅー みんなのごるふ】

ジャンル スポーツ
対応機種 プレイステーション4
発売元 ソニー・インタラクティブエンタテインメント
開発元 クラップハンズ
SCEJAPANスタジオ
発売日 2017年8月31日
定価 5,900円(税別)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 賛否両論
ポイント シリーズ20周年記念作品
新しい取り組みがほぼ裏目へ
自由度は光る部分がある
みんなのGOLFシリーズ
SIEワールドワイド・スタジオ作品


概要

  • ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)(旧:ソニー・コンピュータエンタテインメント)が発売するゴルフゲーム『みんなのGOLFシリーズ』の一つ。ナンバリングはついていないが、本作は実質的には『みんなのGOLF 7』に相当する。
  • これまでのシリーズと異なる試みとして、プレイアブルキャラクターを自身でクリエイトする「キャラクタークリエイト」やクラブを自分好みに強化できる「カスタムクラブ」が存在する。
    • その他、ブレの可視化、本格ショット廃止など『6』からの変更点は様々あり、評価点ももちろんあるが、シリーズファンにとってマイナスと受け止められる一面も多い作品となってしまっている。

特徴

  • 本作では、プレイアブルキャラクターとして、特定のキャラクターは存在せず、プレイヤーが自らのキャラをクリエイトした上でプレイすることになる。
    • シリーズの顔というべき「スズキ」はNPCとして登場するほか、一定条件を満たせばスズキのパーツをクリエイトのカスタマイズパーツとして入手できる。一方で、同じくシリーズの顔というべきグロリアは未登場。
    • VSキャラとして固有のキャラクターは存在するが、こちらもキャラクタークリエイトを用いて作られたキャラであり、撃破することで当該キャラを模倣したキャラ作成ができるようになる。
    • キャラクターの作成に使うアバターアイテムはゲームをプレイすることで増やすことが出来る。コインを使って購入できるものもあるが、大抵はオフラインプレイのメインモードであるチャレンジ大会の景品やVSキャラの報酬として入手していくことになる。
      • オンラインコースにおいて、他のプレイヤーをコピーする際に所有していないアイテム(DLC品を除く)は相当金額をコインで支払うことで入手出来る。
  • 飛距離などをはじめとしたパラメータはプレイによって成長していくスタイル。また、こちらは旧作同様ギア(クラブやボール)を装備することでパラメータを強化することも可能である。
    • 本作のボールは最初から持っている何の効果も無いボールを除けば全て消耗品であり、1回ラウンドするとホール数にかかわらず1つ消費する。クラブについては一度入手すれば消耗してしまうことはないが、カスタムクラブのみ、ラウンド後に調子が悪くなってしまうことがある。
    • キャラクターのパラメータはクラブの番手ごとにパワー、コントロール、バックスピン、クルクルの4つがある。それぞれのパラメータの役割と成長の条件は下表のとおりである。
パラメータ名 効果 成長条件
パワー 当該番手の飛距離が伸びる 当該番手のクラブで95%以上のパワーでピンクゾーン内でショットし、フェアウェイかグリーンに乗せる
コントロール 当該番手のブレが減る 当該番手のクラブでオングリーンし、かつニアピンをとる
バックスピン 当該番手のバックスピン距離が伸びる 当該番手のクラブでバックスピンをかけて、フェアウェイやグリーンに乗せてラン(ボールが1回着地した後に転がった距離)が一定以下
クルクル クルクル*1が発生しやすくなる パター:ロングパットに成功する
パター以外:チップインに成功する
  • 成長はクラブの番手ごとに行われるが、これはクラブごとではなく、アカウント単位であるため、スタンダードクラブの1Wでパワーを5まで上げた場合、ビッグエアーなどのクラブでも1Wのパワーは5となる。
    • 複数のキャラクターをクリエイトすることも可能だが、成長度合いは共有されるため、別のキャラクターを作ったときに一から育て直しということもならない。
    • ただ、成長は番手ごとなので、1Wのパワーが20であっても、3Wが全く成長していなければパワー0という事態に陥ることもあり得る。
  • コースはデフォルトで5種類用意されており、有料DLCで5種類追加されるため、最大全10種類のコースが楽しめる。
    • デフォルトで用意されているコースは旧作同様、1人プレイを進めることで増えていく。オンラインコースについても1人プレイで解放したコースしか選べないが、対戦部屋で他のプレイヤーと遊ぶ場合ゲスト参加であれば未プレイコースもプレイ可能。
    • ティーの位置として、従来のバックティよりも更にコース距離が長くなる「チャンピオンティ」が新たに追加されている。もちろん、最高スコアは各ティーごとに別々に記録される。
    • その他の大きな特徴として、本作ではゴルフコースがオープンコースとして設計されていることが挙げられる。
      • 各コースのアウトとインの9ホールが1つのマップでレイアウトされており、隣接したホールにボールを入れたとしても問題ない。
      • そして、オンラインではプレイだけでなくゴルフコースを自由に歩き回ることが可能となっている。そのため、実際のゴルフプレイ中にはほとんど無意味である吊り橋や山の登り道などもしっかりと作り込まれている。
      • また、オンラインではコース内で釣りを行ったり、カートに乗って移動したりすることも可能。釣りはボールやコインが入手出来たり、カートは長距離を短時間で移動できたりする。
  • 本作では一定条件を満たすとカスタムクラブを入手できる。カスタムクラブの仕様としては、ゲーム内で入手できる宝石を利用することで特定のパラメータを強化することができるというもので、自分好みのクラブを作ることが出来るのがウリである。
    • カスタムクラブの強化は、パワー、コントロール、クルクルのいずれか1種類のパラメータを選ぶことで、選んだパラメータがランダムで1~3段階強化され、全部で11回まで強化できる。
      • 1回の強化で増える強化段階はランダムなので、最終結果を考えれば合計11~33段階のパラメータ強化が出来る計算となる。
    • カスタムクラブは利用していると調子が悪くなることがあり、宝石を利用すると修理することが出来る。修理する毎に調子が悪くなるまでの間隔が短くなるがクラブが消滅してしまうということはない。
      • 調子が悪くなったとしてもそのまま消失してしまうことはないが、残りのカップまでの距離を示す旗アイコンが表示されなくなるという地味ながらも厄介なデメリットを受ける。
    • 限界まで強化したカスタムクラブは強化回数、強化段階を初期化することが出来る。初期化すると調子が悪くなるまでの間隔もリセットされる。
  • オフラインではチャレンジ大会をプレイしてランクを上げるのが目標。
    • パワーショットの利用回数やコースの解放、キャラクタークリエイトのパーツなどオフラインをプレイしないと解放できない要素も多々。
  • オンラインでは9Hのスコアを競う「デイリー大会」と他のプレイヤーと対戦できる「対戦部屋」「ホール争奪戦」を楽しむことができる。
    • その他、上述の通り、コース内を自由に歩き回ることも可能であり、1Hだけ自由にプレイする「1Hプレイ」も可能。
    • なお、「対戦部屋」と「ホール争奪戦」はPS Plus加入者限定であるが、「デイリー大会」やオンラインコース探索はPS Plusの加入は不要。
      • 本日のおすすめコースとして選ばれたコースの「デイリー大会」に参加したり、たまに開催されるラッキータイムで「デイリー大会」のラウンドを終えたりすることで「今月のアイテム」として選ばれているその月限定のカスタマイズパーツを入手することができる。
    • その他、無料アップデートで「全国大会」も追加された。概ね1ヶ月くらいに1回の頻度で開催されている。
  • ショットは本格ショットが廃止され、タイミングよくボタンを3回押すいわゆる「従来ショット」に一本化されている。初心者向けのオートインパクト機能を使えばタイミングを決定する3回目のボタン押しをしなくて済むが必ずしもジャストインパクト(一番良いタイミングでショットすること)になるわけではない。
    • また、従来ショットとして見た場合でもパッティングにおいてもタイミングを決定するボタン押しが必要となっている。これは同じようなショット方式を採用する他社ゴルフゲームにおいても異例。
  • 旧作から存在するブレシステムについては可視化され、どれだけ左右にずれたかが分かるようになっている。
    • なお、本作でブレシステムが可視化されたため、ブレシステムが本作で導入されたと勘違いされることもあるが、ブレシステムそのものは旧作から存在し、あくまで本作において可視化されたため、多くのプレイヤーに認識されただけである。
    • コントロールの値によってブレの量を減らすことは出来るが、完全になくすことはできない。

評価点

  • 臨場感の溢れるコース
    • プラットフォームがPS4になったこともあり、コースは自然豊かであり非常に美麗。PS4 Proであれば更に綺麗になる。
    • またオープンコースになったことにより、オンラインでただ歩き回るだけでも楽しめる。普段のプレイでは意識しない構造物が発見出来ることも。
  • コースはデフォルトで5種類と少ないが、旧作同様どのコースも特徴は大きく異なるので異なった感覚で楽しめる。
  • コースから外れた場所に打ち込むだけでOBになった従来作と異なり、現実と同様にOBゾーンに打ち込んだ場合のみOBとなる*2。これにより、わざと隣のホールに打ち込んで強引にショートカットするといったことも可能になり、コース攻略の自由度が増した。
  • 多彩なキャラメイク
    • キャラクターを自分で作ることが出来るようになったが、パーツはかなり多彩で自由度が高い。
      • 既存のアニメやゲームのキャラ、現実の人物を再現しようとしたものも。
      • 他のプレイヤーのキャラクターをコピーすることも可能*3であるため、気に入ったキャラクターを見かけたらコピーできる。コピーされた回数は参照されるのでコピーされた側のキャラメイクのモチベーションにも繋がる。
      • キャラクターは何度でもメイクし直せる。また、新キャラクターを作成した場合もキャラクターの成長度合いは共有されるので一から育てる必要はない。

賛否両論点

  • キャラクターの成長システム
    • キャラクターを使えば使うほど成長していくシステムであるが、クラブの番手ごとに成長していくというシステムであるため、何も考えずにキャラを使っていくと使い勝手が悪くなりやすい。
      • パワーについては、ティーショットで使うことが多い1Wは成長させやすいが、それ以外のクラブは成長させづらい。特に、3Wや5Wをフルパワーで使う場面が限られてくるため、1Wばかり使っていると、1Wだと飛びすぎるが、3Wだと飛距離が足りないという状況に陥ることも。
      • コントロールはグリーンオンが成長条件であるため、3Iを除くアイアンは成長させやすいが、ウッドや3Iはやはり成長させづらい。ブレの軽減はウッドや3Iでも当然重要になるため、おろそかにすると、後半のコースで苦労させられる。
      • バックスピンはそもそもの仕様上、ランが長くなりやすいウッドでは成長させづらい。とはいえ、ウッドはバックスピンを活かす場面がそもそも少ないのでコントロールよりはマシ。
      • クルクルのパラメータはパター以外は実用性があまりないものの、上げられるならば上げたいのが通常の心理であろう。しかしながら、チップインに成功しなければ成長しないため、その成長は修羅の道。ウッドともなればもはや苦行である。
      • トルネードカップであればチップインも比較的狙いやすい……が、もらえる経験値が減るという面倒くさいペナルティが用意されている。とはいえ、それでも通常カップでチップインを狙うよりも早く成長できるだろう。
    • なお、成長についてはレベルアップできる総回数に制限があるわけではないため、最終的には全てのパラメータを上限まで強化することが出来るため、どのプレイヤーも同じパラメータとなる。
      • つまり、どのプレイヤーであっても、完全にパラメータ強化を行いさえすれば平等な条件で遊ぶことができる。とはいえ、多くのゴルフゲームで採用されているような「パワーが高いキャラはコントロールが低く上級者向け」といったキャラクターの個性は一切存在しないため、没個性的という意見もある。
      • パラメータ強化に伴うデメリットは基本的にないため、一番不慣れな初心者の時期が一番遊びづらいという事態にもなっている。
      • ストロークモードでは成長が一切考慮されないガチモードも選べるが、結局のところ同じ条件でプレイすることになるため、没個性は解消できていない。
      • また、全国大会は基本的にガチモードであるため、全てのプレイヤーが平等な条件で遊べるようになっている。
  • 対戦部屋の仕様
    • 対戦部屋はオフラインモードの「みんなでGOLF」モードと同様に他のプレイヤーと対戦出来るモードであるが次のような特徴がある。
      • 設定が公式ルールであったとしてもクラブの成長はなく、戦績も一切残らない。その割にスタンダード以外のボールを使えば消費され、カスタムクラブを利用した場合、調子が悪くなることもある。
      • 戦績が残らない仕様は、いわゆるネタプレイをしても戦績が悪くならないという意味で言えば必ずしも問題点とはいえないが、クラブの成長がなかったり、アイテムが消費する仕様はかなり厄介。
    • 本作では国外のプレイヤーと一緒に遊ぶことも出来るが、部屋の設定で国外のプレイヤーをブロックすることは出来ない。
      • チャットはゲーム内で用意されている定型句であれば国外のプレイヤーとも意思疎通可能(自動で相手側の言語に変換されて表示される)だが、定型句以外はどうしようもない。もし、入室するプレイヤーを制限したければパスワードをつけるか、フレンド限定にするしかない。
    • 切断ペナルティも存在しないため、OBになったり、負けそうになったりすると切断するプレイヤーが少なからず存在する。
      • ちなみに、本作の仕様上、最終結果の段階でアイテムの消費などがされるため、最終結果の直前に切断するプレイヤーもいる。切断については気分が良くないのも事実だが、本作の対戦部屋の仕様を考えると最終結果直前に切断するのが一番損が無い仕様であることを考えると一概に否定しづらいところ。
    • 対戦部屋の検索においてフレンド部屋を除く、という条件での検索ができない。
  • ショット方式の一本化
    • 先述の通り、本格ショットは廃止され従来ショットに一本化。
    • 廃止された理由は不明だが、原点回帰の一環だと推察される。 また、本作はロード時間中にショット練習をする機能があるが、ロード中画面にはtipsが表示されるというレイアウトの都合上、従来ショット以外では表示するスペースが足りないため従来ショットのみしか採用できなかったという可能性もある。
    • この点については、「ジャストインパクトしやすい方式は人によって好みが分かれるので残してほしかった」という声がある一方で、「『6』においてチャレンジモードやスロットモードで普段使わないショット方式を強制されなくなったのは改善点」という声も見られる。
  • また、前作『6』に搭載されていた「ゲージ」「サークル」「矢印」の3種類のショット方式も廃止された。
    • 「ゲージ」はパワーゲージが曲がっている従来ショットの亜種、「サークル」は本格ショットを簡易化したショット形式である。 これらのショット方式は使用率が高めだったため、削除されたことには否寄りの意見が多勢である。
    • 一方で、「矢印」は非常に癖が強く使用率が極端に低かったショット方式だったため、この方式の廃止は妥当という意見が多い。

問題点

カスタムクラブ関連

  • カスタムクラブは自分好みの強化が出来るクラブであるが、強化に関しては問題点が多い。
    • 既に述べたとおり、カスタムクラブは最大で11回強化できるが、1回の強化段階がランダムであるため、運次第で強化できる段階が大きく変わる。
      • 一応、1回の強化で強化できる段階は1段階であることが多く、3段階強化できるケースは少ないため、最終的な強化段階は20に満たないことが多い。
      • ちなみに、クラブを強化するたびにオートセーブが挿入されるため、不正はできないようになっているが、そもそもカスタムクラブを入手(初期化)した時点で各強化で何段階強化できるかは決められているため、オートセーブがあろうとなかろうとあまり意味はない*4
      • クラブの強化に必要な宝石はランク7のチャレンジ大会の景品として入手できるほか、オンラインのオープンコースで拾うことが出来る。大会の景品としては1回あたり2~5個ほど、オープンコースだと1つのコースにつき1日あたり最低2個入手でき、1回の強化に必要なのは10個。DLCを除くオープンコースが全部で10個(5コース×インアウト2種類)なので全てのマップを回れば1日20個は入手できる。
    • 自分好みの強化ができる触れ込みであるが、実際のところ、パワー以外を強化するメリットが皆無*5*6*7(パワー優位のバランスは、ほとんどのプレイヤーがカスタムクラブ以外のクラブとしてビッグエアーを使っていることからも明白)なので必然的にパワーを強化することになる。パワーは25段階まで強化できるため、カスタムクラブの強化については詰まるところ、25段階強化できるかどうかに全て掛かっている。
      • ちなみに、パワーは1段階強化するごとに4y飛距離が伸びる。ビッグエアー1級はパワー8なので、飛距離は+32yだが、もし、25段階パワーを強化したカスタムクラブが完成すれば飛距離はなんと+100yとなる。
      • キャラクターの飛距離は成長によって最大280yまで増やせるため、パワー特化カスタムクラブを持てば380yまで飛距離を伸ばせる。こうなってくると、パー4のホールはレギュラーティーであれば大抵のケースで1オンが狙えるレベルであり、パワー特化のカスタムクラブを持っていなければそもそも同じ土俵に立つことが出来ない。
      • 確かに、デイリー大会、対戦部屋などのオンラインコンテンツにおいて勝敗によるメリットはなく、戦績も一切残らないため実害は皆無だが、ギア制限をかけずに真剣勝負したければパワー特化カスタムクラブがなければそもそも話が始まらない。
      • 多くのプレイヤーは普段使いとしてビッグエアーを利用していると思われるため、スタンダードギア限定にしてしまうと、ビッグエアーも使えなくなってしまう。一方、カスタムクラブだけ除外する設定がないため、ビッグエアーを利用しようとするとカスタムクラブを持ち込まれてしまうこともある。
      • 結果的にスタンダードギア限定にはせず、カスタムクラブは禁止というプレイヤー同士の了解の元で部屋が立てられることが多かった。もちろん、守るかどうかはプレイヤー次第な上、後述のとおり、フレンド限定でない限り海外プレイヤーが入ってくる可能性もあるため意図が伝わらない可能性もある。
    • 強化段階が足りなかった場合は、カスタムクラブを初期化した上で作り直すことになるが、当然、そのたびに再度宝石が必要になる。運次第では何十回と初期化を繰り返してやっとパワー特化のカスタムクラブが完成することになるだろう。
    • ちなみに、クラブ強化に使う宝石の代わりにSチケットと呼ばれる1枚あたり100円(税別)の課金アイテムを使うこともできる。
      • Sチケットを使ったとしても強化段階が有利になることはなく、あくまで宝石の代替手段に過ぎないが、ランク7の大会の難易度が高い上、オンラインコースで宝石を集めようとすると地味な作業となってしまう。
    • ちなみに、カスタムクラブは使いたくない、というプレイヤーについても、本作には「コンドル*8を達成する」必要があり、本作のコースレイアウトを考えるとコンドルを出すためにはパワーをある程度高めたカスタムクラブが必須。
      • トロフィーコンプリートを狙う上ではコンドルをなんと3回出さなければならない。公式ルールでなければならないという条件付きであるため、狙えるコースが限られていることを差し引いてもかなり鬼畜な内容と言える。
  • 強化以外
    • 上述の通りカスタムクラブをパワー特化で作成すれば飛距離最大380yのパワークラブとなる。この飛距離になるとレギュラーティーの場合、多くのPar4ホールで1オンが狙えるレベルとなる。
      • パワーを上げることのデメリットがない本作においてはパワーの差が純粋にスコアの差に直結しやすい。よって、実力以上に、どれだけパワーを高めたカスタムクラブを所有しているかが勝敗を大きく左右する。
    • デイリー大会ではギアの制約が一切存在しないため、上位はことごとくカスタムクラブ持ち(と思われる)のプレイヤーに占拠されることになり、パワー特化のカスタムクラブが出来なければそもそも同じ土台に立てない。
      • もっともデイリー大会で上位ランクに入る事によるメリットはないので自己満足であるが。
    • 対戦部屋やホール争奪戦においては勝敗に直結する問題であるが根本的な対策はない。対戦部屋であれば「スタンダードギア限定」の色物ルールを付けることでカスタムクラブを除外することが出来るが、それ以外のクラブも使えなくなる。ホール争奪戦においてはルール設定が出来ないのでどうしようもない。
      • スタンダードギア限定にしないなら、プレイヤー同士の了解の元でカスタムクラブを排除することしかできない。
      • 一応、対戦部屋はホール争奪戦も勝敗によるメリットはないのがせめてもの救いといえる。
    • 本作にはコンドル*9を出す、というトロフィーが存在するが本作のコースレイアウトを考えるとコンドルを出すためにはパワーをある程度高めたカスタムクラブが必須である。

カスタムクラブ関連以外

  • ブレ要素
    • 本シリーズではインパクトの成否に拘わらずボールが飛ぶ方向が左右にずれるブレの要素がある。ブレの方向はランダムであり、ジャストインパクトであってもブレることもあれば、インパクトミスをしてもブレが発生しないことはある(当然、インパクトミスをしたことによる左右へのずれは発生するが)。
      • 一応、ジャストインパクトだとぶれにくい、ミスショットほどぶれやすい、トップスピンだとぶれにくい、バックスピンだとぶれやすい(ゲーム内ではバックスピンだとコントロールの値そのものが無効となる旨語られている)、といった違いがある。
    • ブレによる影響はミスインパクトと比べれば微小なものである。しかしながら高難易度のコースになると、ちょっとしたブレでラフやバンカーに落ちたり、厳しいパッティングを要求されたりすることもある。上述の通り高難易度のコースで多用するであろうバックスピンだとブレが発生しやすくなるので尚更。
      • バックスピンだとブレが発生しやすいという仕様からバックスピンのパラメータを高めるメリットが薄くなっている。
    • このように全く同じショットを打ってもブレ一つで大きく状況が変わることもあり、運の要素が結果を左右することも度々である。せめてジャストインパクトであればブレが発生しないようにしてくれれば、と思われる。
    • ガチで対戦したい場合、このブレ要素は邪魔以外の何者でもないので、オン、オフを切り替えられるようにして欲しかったという意見も。
      • もっとも、トップスピンをジャストインパクトで打てばブレはほぼ発生しないため、グリーンを狙う際にトップスピンを使うようにすればチップインも狙いやすくはなるが、常にピンに命中させられるような腕前でもなければグリーンの形状次第ではグリーンに乗せることもままならない場面も出てくる。
  • バックスピンのデメリットが大きい
    • スピンショットについてはバックスピンのデメリットが大きくなっている。
    • まず、上述の通りバックスピンはブレが発生しやすい。ジャストインパクトならばある程度抑えられるが、ジャストインパクトを外した場合にはかなり左右にぶれることも。
    • バックスピンのスペシャルショットをピンにぶつけた場合ホーミングという特殊ショットが発生する。ホーミングはピンの方向に向かってボールが強烈にスピンするといったものであり、発生するとそのままカップインすることが多い。しかしながら、グリーンの形状やバウンド加減によってはカップインせず、強烈なスピンが掛かった結果、ホーミングが発生しなければグリーンオンできたのに、グリーン外まで転がってしまうという笑えない事態に陥ってしまうことも。
      • トップスピンのスペシャルショット(ライジング)やサイドスピンのスペシャルショット(スパイラル)については発動すればほぼ確実にカップイン、万が一外れてもほとんどカップから離れないことを考えると不遇である。
  • パッティングの仕様変更
    • 本シリーズのショットは普通はパワーを決定してインパクトを決定するという2段階のボタン押しが必要であったが、パッティングはこれまでパワーを決定するだけでよかった。しかしながら本作ではパッティングにおいてもインパクトを決定する必要がありボタンを押す手間が1つ増えている。
      • 通常のショットのようなドクロマーク*10は発生しないが、当然インパクトゾーンを外すと左右にずれることになる。
      • ゲーム内のtipsでは「ショットの決定後に方向を変えたいと思ったときにわざとインパクトを外すことで方向を調整出来る」と書かれてはいるが、よほど切羽詰まった状況でなければ起こりにくい話であり、ただただ面倒になったという意見が多い。
  • アバターの収集が面倒
    • 本作は豊富なアバターやパーツが存在するが、パーツの色違いも全て別のパーツとして扱われている。
      • 髪型によっては30色以上にも分かれているものがあるが、これらは全て別パーツという扱いであるため、個々に集める必要がある。
      • パーツによっては一部のカラーだけが今月のアイテムに指定されていたり、全国大会の参加賞になっていたりするため、気に入ったパーツの好みの色がいつまで経っても手に入らないという事態も起こりやすい。
  • ロードが長い
    • 本作ではプレイ開始時などに結構30秒~1分ほどのロード時間が発生する。恐らくはオープンコースとなった影響であると思われる。
    • ロードが発生するのはゲーム開始時や終了後、9H終了後(9ホール単位なので10ホール~18ホールのデータを読み込むためと思われる)のみであるため、ラウンド中にロードが発生することはないので気にならないという人もいれば、後述する宝石集め等をすると頻繁にロードが発生するので気になるという人もいる。
    • オープンコース上でオンライン対戦部屋に参加しようとして自分が入る前に枠が全て埋まってしまい参加できなかった場合、何故かコースの読み込み直しが行われるという異常に不親切なシステムである。
      • なお、ホームエリアで対戦部屋から弾かれた場合は読み込み直しは起こらない。幸い、対戦部屋に入るときは通常ホームエリアを利用する(オープンコースから対戦部屋に入る意味はあまりない)ため、この仕様の実害は小さい。
  • オフラインモードが地味
    • オフラインモードはランク毎に分かれた大会をクリアしてVSキャラを倒していく、という展開であるが、ひたすら地味である。
      • オフラインモードの大会は旧作と異なりレギュレーションの幅が狭い。色物ルールが設定された大会はランク7にならないと出てこない。
      • また、ランク1は全ての大会がコース1のアウト(1~9ホール)、ランク2はコース1のアウト、イン(10~18ホール)、または18ホールとなっており、ランク2が終わるまでひたすら同じコースをプレイさせられることになる。
    • パワーショットが使える回数はオフラインモードでランクが上がる毎にマップに落ちているアイテムを拾うことで増えていく。正直、探すのが面倒という意見が多い。
    • ストロークプレイは記録こそ残り、クラブの成長もあるが、それ以外の特典(お金の入手、アイテムの入手など)が一切ない。
      • ストロークプレイでは風量(弱風、強風など)の設定ができない。チャレンジ大会などでは弱風であっても風量が普通である場合と区別されずに記録が残ることから、良いスコアを出すために弱風を設定できるようにして欲しいという意見も。
  • コンピュータの強さにムラがある
    • 本作のコンピュータ(特にクリア後のリベンジVSキャラ)は強さにムラがあり、チップインイーグル(ホールインワン)を頻発することもあれば急にミスショットをすることもある。
      • ショートホールで1打目OBからの3打目チップインパーはよく見られる現象である。
      • これはみんなのGOLFシリーズで受け継がれている要素であるが、従来作よりは極端ではなくなっている。
    • ただ、最初から最後までチップインを連発して蹂躙されるという展開はまず起きない。おそらく、予めこの程度のスコアで上がるという設定がされているものとみられる。
  • その他の問題点
    • ロード中に表示されるtipsが文章のみの形式になった。これは『5』以前と同様の形式であるが、前作『6』では図を併用した分かりやすい説明がなされていたので、その形式に戻してほしいという声がある。
    • プレイヤーのステータスであるジャストインパクト率についてはショットの上手さを示しているように見えるが、1Hプレイでトリプルジャスト(ジャストインパクトの範囲が増えるボール)を使っているとかなり高い値になることもあるためほとんど参考にならない。
    • オンラインコースではレギュレーションが日替わりでランダムに決定されるが、上記のコンドルを狙いたい場合などにはレギュレーションのせいで挑戦出来ないことも起きがち。
    • 時折フリーズが発生することがある。
    • オンラインコースの移動によっては空中で木に引っかかって移動不能になったり、地形にはまったりすることがある(メニュー画面から別のコースに移動することは可能)。
    • 初登場映像の中に、釣りの他に「パラグライダー」を遊ぶ事が出来る事を示すシーンが映っており、長らく公式サイトにもマイキャラがパラグライダーを行っている場面が表示されていたが、開発の過程で没となってしまい、ゴルフ以外の遊びは上記のようなアイテム探しと釣りのみが残った。映像を見て楽しみにしていたユーザーにとっては身も蓋も無い物となっている。
    • 発売前のデモ版では、ボールをカップに入れた際、前作同様マイキャラがそのボールを拾うという動作が有った。これについても製品版では削除され喜ぶリアクションのみとなった。前作に比べこの点は臨場感に欠ける。但しこのような悪くなった部分だけではなく、デモ版ではオープンコースでは「ホールは順番にプレイしないと次のホールがプレイ不可能」という仕様だったらしいが、製品版ではこの点も没になり最初からそのコースの全ホールを遊べるようになるなど、良くなった部分も存在する。
    • 長時間起動させ続けてると文字化けが発生することがある。直すには再起動する必要がある。
    • キャディの初期位置はランダムで固定のため、わざわざ毎回キャディを選ばないといけない。
      • 後にアップデートで改善した。
    • オンラインのオープンコースでのコインや宝石集めが面倒臭い。人によっては酔うこともある。
    • ベストスコアがカスタムクラブやトリプルジャストボール有りの記録とスタンダードクラブ&ボール固定の記録の2種類しか残せない。

総評

『6』から5年半ぶりに発売された「原点回帰」を謳った本作であるが、課金要素ありのカスタムクラブを筆頭として、シリーズファンが首を傾げる「本格ショット廃止」や「ブレ要素」といった改変の数々が本作の評価を落としてしまっている。
グラフィックは確かに美しくなっており、ゴルフコースを回っている感覚はしっかりと味わえる。だが、それで肝心のゲームシステムの評価を落としてしまっては本末転倒であろう。
もっとも、キャラメイクで自由なキャラを作り、オープンコースになったことで奥深い遊び方をしているプレイヤーも一定数は存在し、評価は否定寄りの賛否両論となっている。

余談

  • 課金によってカスタムクラブの強化が出来るという情報が若干改変されて広まった結果、カスタムクラブの強化には課金が必須な課金ゲームという印象がつきまとう作品となってしまった。実際には既に述べた通り課金は必須ではない。
  • 本作のナンバリングがつけられていない理由として、本作が原点回帰を目指した作品であり、コアなシリーズファンだけでなく色んな人にプレイしてほしいという思いがあることが制作者によって語られている*11
  • リディー&スールのアトリエ』、『ファイナルファンタジーシリーズ』、レベルファイブ作品とのコラボがあり、コラボアイテムが登場している。
  • 長らく続いた本作だが、2022年9月30日にオンラインサービスが終了した。
    • オンライン関係のサービスが一切使えなくなったため、本作のオープンコースの醍醐味もほとんど味わえなくなってしまっているため、今からプレイする人は注意されたい。
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最終更新:2024年04月13日 19:55

*1 ボールがカップの端に当たったり、勢いが強かったりした場合にボールがカップの周りをクルクルと回る演出が発生する演出。なお、クルクルが発生したとしても入らないケースももちろんある

*2 さすがにウォーターハザードは変わらない。

*3 相手がコピーを許可している場合に限る

*4 初期化前のセーブデータをバックアップしておけば、意味はあるが

*5 コントロールはブレを減らせるが、完全になくすことはできない。風などの要素を完全に読み切ったとしてもブレが少しでもあればチップインできないため、完全になくせないのであれば上げるメリットは少ない。もっとも、バックスピンやクルクルと比べればコントロールが高いことによる恩恵は受けやすい。それでもパワーの優位は揺るがないが。

*6 バックスピンはバックスピンが掛かりやすくなるメリットこそあれど、劇的な変化は見受けられない上、バックスピンが強すぎることのデメリットももちろんある。

*7 クルクルについてはもはやネタといっていい。最大値まで上げればクルクルで弾かれない、クルクルがすごく発生しやすいといったメリットがあればいいが、それほど劇的な差は無い。

*8 規定打数より4打少ないスコアでホールアウトすること。本作では、パー6以上のコースは存在しないので、パー5をホールインワンすることが必要

*9 規定打数より4打少ないスコアでホールアウトすること。つまりパー5のホールを1打でカップイン(ホールインワン)すること。

*10 インパクトを大きく外すと発生し、ミスショットとなる

*11 外部リンク:https://www.famitsu.com/news/201509/24088506.html