砂のエンブレイス ~エディンの里のネーブル~
【すなのえんぶれいす えでぃんのさとのねーぶる】
ジャンル
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穴掘りRPG
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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アイディアファクトリー
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発売日
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2000年7月27日
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定価
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5,800円(税抜)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載
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廉価版
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IFコレクション 2001年9月6日/2,800円(税抜)
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配信
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ゲームアーカイブス 2007年5月31日/617円
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判定
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なし
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ポイント
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通常プレイでコンプ不可能な収集要素 申し訳程度の乙女ゲー要素 一応遊べなくはない
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ネバーランドシリーズリンク
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概要
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アイディアファクトリーから発売された『ネバーランドシリーズ』の作品。
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同シリーズとしてはプレイステーションで発売された最後のゲーム。
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穴を掘ってアイテムを発掘したり、異性のキャラと恋愛模様を繰り広げていくシステムが特徴。
ストーリー
ネバーランドのどこかにある島、エディン。乾いた大地が広がる不毛の地である。
そこに住む少女ネーブルは長く連れ添った祖母を失い悲しみの底にあったが、アイテム収集家であった祖母の遺品の中から「なんでも願いが叶う石」の記述を見つける。
もし本当にそれが存在するならもう一度祖母に会えるかもしれない。
一縷の望みをかけてネーブルはその石を探すために旅立つのであった…
メインキャラクター
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ネーブル
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主人公。エディンの民の末裔だがエディンで育った数少ない人間。掘れそうな地面があるととにかく穴を掘って発掘したがる穴掘り魔。
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後の『ジェネレーションオブカオス』ではイベントで仲間になる武将として登場。
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アンクロワイヤー
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エディン開拓の拠点作りのために派遣されたシンバ帝国の騎士。腕前はあるが性格がやや堅物。騎士階級と一般兵の身分差に悩み、それを改善したいと思っている。
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後の『ジェネレーションオブカオス』では新生シンバ帝国の君主として登場。
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ミロク
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エディンに布教のためにやってきた神父。相談者に親身になって対応する一方で、時に人の話を聞かずに周囲を困らせることもある。戦争で傷つく被災者を守るために武器を手にするようになった。
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マイケル
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女性の美しさに憧れる青年。外見や言動が女性っぽいので奇異の目で見られているが本人は特に気にしていない。楽しいことを好み、陽気なモリュラ族と暮らしている。
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イフ
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人間と魔族のハーフ。自分と母親を捨てた父に復讐するための力を求めてエディンにやってきた。
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後の『ジェネレーションオブカオス』では魔皇軍の武将として登場。
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ミュール
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戦災孤児のトレジャーハンター。口の悪さから悪人に見られがちだが、むしろ困っている相手を見過ごせないお人よしである。
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後の『ジェネレーションオブカオス』ではイベントで仲間になる武将として登場。
特徴・システム
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「水」に関連する要素
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エディンは乾燥地帯のため、水の確保が重要という設定になっている。それを反映してか今作では水は行動力であり、MPでもあり、通貨でもある。
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集落などの水の確保されている場所以外は移動していると水の量が徐々に減少していき、0になってしまうとHPが減っていってしまう。
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フィールドにいる行商人は水と引き換えにアイテムを提供してくれるシステムである。
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戦闘中はキャラクターごとに固有の特技を使用可能だが、特技を発動すると規定量の水を消費するシステムになっている。
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穴掘りシステム
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ネーブルは土が露出しているところで□ボタンを押すとその場で穴を掘る。
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何も見つからないこともあるが、場所によって様々なアイテムを発掘することができる。
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ゲームの進行に必要なアイテムの一部やレアアイテムなども主にこの穴掘りで入手することになる。
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風の噂
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フィールドにある光る玉を調べると風の精霊たちのあいだの噂を聞くことができる。
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多くはゲームを進める上でのヒントであるため、聞いていくほうがゲーム進行の手助けになる。
問題点
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迷いやすい・移動に不便なマップ
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設定上マップのほぼすべてが砂地や荒野であるため、同じような風景が連続し非常に迷いやすい。
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ゲーム中のヒントでは自力でマッピングしろと突き放される。
RPG黎明期ならともかく2000年にもなってそのような対処をプレイヤーに求めるのは時代錯誤といっても十分だろう。
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全体のマップはそれなりに広いのだが、ドラクエで言うところのルーラに該当する移動手段がないため別の拠点に移動しようと思ったらいちいち律儀に移動しなければいけない。
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わかりにくい・薄いシナリオ
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ゲーム開始直後は目的がわかりやすく示されているが、その後新たな拠点に達するころになると次に何をすればいいのかよくわからなくなる。
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一応説明らしき内容はあるのだが、あまりに抽象的なので何のヒントにもなっていないのが実情。攻略情報がなければ次に何をするのかわからず詰まる可能性が高い。
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好みのキャラとの恋愛を進めていくという意味でフリーシナリオと言えなくもないが、全体のボリューム自体も薄め。
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薄い恋愛要素
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男性キャラとの恋愛を進める方法は「特定のアイテムを持っていく」「ステータスを一定以上に上げる」「特定のボスを倒す」といったもので、恋愛をしているという印象がほぼない。
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会話の内容はそれっぽさを出しているのだが、条件があまりにRPGすぎるため恋愛をしている感じは希薄。
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コンプリートさせる気のないレアアイテム
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ゲーム中で全72種類のレアアイテムがあるのだが、このうちのいくつかはパートナーとなる男性キャラが持っている。
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入手のためにはその相手と恋愛関係になる必要があるのだが、二股などできないため通常のプレイではどうやってもコンプリートできない。
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抜け穴として「戦闘で逃げるなどを繰り返すと男性キャラの好感度が下がる」ことを利用して恋愛しては別れるという悪女プレイをやっていけばコンプリートできるが、無垢な少女の主人公にまったくふさわしくないことを強いられてしまうのはやはり問題。
おバカな点
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レアアイテムの説明欄
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入手したレアアイテムはアルバムに登録され、アイテムごとの説明を見ることができる。
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しかし、その項目が「重さ」や「特徴」に加えて「味」「匂い」というものがある。
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各アイテムとも「味.甘酸っぱい」やら「匂い.けっこう生臭い」など妙にこだわって設定されており、どことなく同社の『スペクトラルタワーII』と感覚が似ている。
評価点
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易しめのゲームバランス
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水を補給できるアイテムや他の回復アイテムは穴掘りを繰り返せばどんどん入手できる。
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シナリオ進行に必要なレアアイテムの多くは、隠し場所がゲーム中に明確な形で示されるため詰まることがない。
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レベルアップの速度も速く、強敵の撃破のために長々と経験値稼ぎする必要はない。
総評
問題点はそれなりにあるが、決して遊べないほどのクソゲーではない。
穴掘りや「水」に関するシステムなどの単なるDQ・FF模倣路線からは少し外れた新しさもあるためIFゲーとしてもそれなりの一作である。
余談
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今作のマップグラフィックは一部が前年発売の『スペクトラルブレイド』からの流用である。
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今作の「死神の洞窟」は『ブレイド』の「エヴォルタワー」のものが、「失われし聖域」は『ブレイド』の隠しダンジョン「ルミナ」のものが配色だけ変更されて使われている。
最終更新:2022年05月01日 14:10