太鼓の達人 ぽ~たぶる2
【たいこのたつじん ぽーたぶるつー】
ジャンル
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和太鼓リズムアクション
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売・開発元
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バンダイナムコゲームス
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発売日
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2006年9月7日
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定価
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4,800円(税別)
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判定
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良作
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ポイント
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『ぽ~たぶる』から順当に進化 おはなしモードは低難易度で飽きやすい 豪華で無料なDLC 驚異のラスボス曲きたさいたま2000が登場
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太鼓の達人シリーズリンク
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概要
『ぽ~たぶる』の続編。演奏しながらストーリーを進めていく「おはなしモード」が収録されている他、ボリュームの大幅増量、システムの変更・改善がなされている。
ナムコとバンダイが経営統合し、オープニング前の社名表示に「バンダイナムコゲームス」が加わった初の家庭用版作品でもある。
特徴(及び評価点)
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ストーリーが展開される「おはなしモード」
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和田どん・かつの周辺で巻き起こる物語を、演奏ゲームをしながら進めていく。全部で5エピソード。
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色々な展開がなされるが、最終目的である「ピアノの発表会に出るはなちゃんを応援する」ということは共通している。一部のシナリオはただ巻き込まれているだけのもあるが…
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7日間で大田区の街を駆け巡り目標やトラブルを解決し、8日目に発表会が開かれる。
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キャラクターの意外な一面や、和田かつ悲願(?)の主役エピソードまで。後述するようにゲームシステムや難易度はいまいちな評価をつけられているが、プレイする価値はある。
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演奏ゲームとは別に出題されたクイズに太鼓を叩いて回答する「クイズでドンカツ」も挿入される。音ゲーらしい斬新なクイズ形式となっている。
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3択問題であり、各選択肢に譜面が表示されるので、流れてくる灰色の音符をタイミングよく譜面通りに叩く。間違った選択肢の譜面を叩いたり、正しくてもタイミングを外してしまうと不正解となる。
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複数問出題され、ノルマ分クイズに正解すればノルマクリア成功。
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出題される内容は一般常識、キャラクター設定であるが、一部のクイズは大人でも難しいものになっている。
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シナリオをクリアするとアルバムにラストの1シーンが収録される。シナリオ1は最大4枚あるので、色んなエンディングを見て集めよう。
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「はじめから」を選んだ後の1日目の朝はシナリオ選択にもなっているので、一度クリアしたシナリオも再挑戦できる。
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ボリュームある内容と無料DLC
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デフォルトでの収録曲は62曲であり、このうち22曲は『ぽ~たぶる』のDL曲。前作ではインターネット環境が無くダウンロードできなかったプレイヤーも遊べるようにした、という配慮だろう。
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「粉雪」、「カルマ」、「sakura」、「ワンダーモモーイ」など、当時の人気・話題曲が並んでおり、家庭用版では本作でしか遊べない版権曲が多い。
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そしてなんといっても外せないのがラスボス曲である「きたさいたま2000」。当時としては他の★×10の曲を突き放すほどの難関であり、多くのプレイヤーを驚愕させた。譜面インフレ期に発売されたとは言え、本作がボタン操作ということからも生まれた曲なのかもしれない。
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DLC曲は前作の2倍となる44曲。しかも全曲無料である。版権曲はないものの、人気のあるゲームミュージック・ナムコオリジナル曲が多く、『七代目』や『太鼓の達人14』の収録曲を先行配信したこともある。
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今回はPSP本体でもDLCを入れられるようになっているので、パソコンが使えないときでも安心。
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2007年5月に一度は中断されていたDLCの更新も、本作と前作のダウンロード数が500万回を突破したことを記念として3年後の2010年5月から本作でDLCの更新を再開した。本作を購入すれば、デフォルト曲とDLC曲合わせて106曲遊べるということになり、前作から圧倒的に増加している。
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前作に引き続きやたら充実しているクラシック曲は、本作では「メヌエット」や「夜想曲Op.8-2」など大胆なアレンジがなされているものもある。
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ちなみに、デフォルトとDLCを合わせるとこれまでの家庭用ナンバリングタイトル作品のラスボスにあたる曲がほぼ遊べる。経験者には嬉しい作品である。
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本作ではDLC曲だけではなく新規タイトル画面も配信されている。勿論こちらも無料。
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ミニゲームも4種類に増加。通信対戦ができる「とべ!ドングライダー」や「スイーツパニック」、画面を縦にして遊ぶ「積み上げどんどん」、アナログパッドを使う「どきどきバルーンアート」とPSPの仕様を活かしたゲームは本作でも健在。
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なおミニゲームのリザルト画面は『ぽ~たぶる』と同様のレイアウトになっているため、『六代目』にあった成績に応じた称号の要素はない。
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その他新要素と改善点
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「和太鼓道場」が登場。チュートリアルである「初心者道場」のほか、複合パターンなどを覚えられる「お題でドンカツ」、曲を好きなように練習できる「きままにドンカツ」を選択できる。
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「お題でドンカツ」は現在で言う「毎日チャレンジ道場」、「きままにドンカツ」は『超ごうか版』などにある「つまみ食い演奏モード」の原型になっている。「きままにドンカツ」はDLC曲も対応している。
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据置版と同じように難易度「おに」の配点が初項・公差式に変更。これに伴い加点表示もなされるようになった。
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譜面分岐も『六代目』と同様の仕様に。
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なお風船音符だけは5000点固定のままとなっている。これ自体は問題ないのだが…(詳細は後述)。
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『六代目』から追加された「ばいそく」「かんぺき」等のオプションも使える。
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すずどん音符の仕様が変更された。入力時間が終了するまでに「良」と表示されていれば高いボーナス点がもらえる。
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回すごとに加点されるので、つまり「とにかくアナログパッドを回す」ことが求められる音符になったということだろう。
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「どん子モード」が登場。ドンとカツの区別がなくなるため、どのボタンを押しても反応するようになる。風船音符はカツのボタンでも叩き割れる。
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ただし配点は1/3に、ノルマクリアやフルコンボしても銅の王冠しかつかない。とりあえず王冠をつけておきたい方、譜面のリズムをつかみたい方向け。
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曲選択画面では隠し曲、またはDLC曲は「新」と、業務版用の新曲につけられるアイコンと同じものが右上につけられている。
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EDのお遊び要素は演奏ゲーム。音符の一つ一つにスタッフの名前の文字が書かれており、まさに『太鼓の達人』らしいEDとなっている。
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「かんたん」から「むずかしい」まで違う譜面と芸が細かい。なおフルコンボすると和田どんが「フルコンボ!」とちゃんと言う。
問題点
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おはなしモードについて
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難易度は低めであり単調。
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本作では「甘口」や「辛口」などの難易度選択は出来ず、終盤でも普通コースの譜面までしか出て来ない。とは言っても、一回のミスでだいぶクリアに影響するなど意外とシビアな面もあり、あくまでも難易度が低いのは演奏パートである。
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経験者からすれば「クイズでドンカツ」の一部の問題の方が難しいかもしれない。『太鼓の達人』でそれはどうなのか?
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そのため、行動が終わるたびにセーブをして、ミスをしたらロードしなおすプレイスタイルが推奨される。当然オートセーブ機能は無いので面倒な方法である。ただ、1エピソードの長さはそれほどでもないので諦めて最後までやるのもありか。
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ストーリーの攻略難易度としては1回でもミスするとトゥルーエンドに到達しづらくなる最初のシナリオ「はなちゃんの発表会」が一番難しい。シナリオ1なのに。
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それ以外のステージは一本道な展開であり、シナリオ分岐の展開もシナリオ1より少ない。ただしシナリオ1も順番通りにキャラに会わないと全員を仲間に出来ないのでやっぱり一本道。
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納得のいかないエンディングになると「おしまい…なのカッ!?」とやり直しとなるのでそのエピソードはトゥルーエンドを達成するまで延々とやらされることになる。
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シナリオをクリアしてもおはなしモードを全クリしたとしても、何一つゲーム中で使えるごほうびも貰えないし「太鼓の通信簿」にも反映されない。コアなユーザーほど、このモードが蛇足に感じ「他のところに回せ」と言いたくなる出来である。作りこみがもっとしっかりしていれば評価は上がっただろう。
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DLCの不備
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ダウンロードしてもプレイできなかったり、仕様に問題があったりと不具合があった。スタッフが迅速に修正したので対応自体は好評。
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しかしながら、DLC再開後の「風船音符の仕様の違いによるスコアの考慮」はなされていない。
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前述したように、本作ではどれだけ叩き割っても5000点一律になっており、デフォルト曲、あるいは前期DLC曲ではそれを考慮した配点になっている。ところが後期DLC曲ではそれがされていないため、「No Way Back」や「友情ぽっぷ」、「「軽騎兵」序曲から」などの風船連打が多い曲の天井スコアが低くなっている。
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「季曲 ~Seasons of Asia~」は★×8なのに天井スコアが★×7の基準であり、そもそも当時の基準でも★×8所か★×7でも逆詐称扱いされていたため単純に設定ミスかと思われる。
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その他の不満点
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先述の通りデフォルト曲は前作のDLC曲も含まれているので、前作ですでにダウンロードしているプレイヤーにとっては実質2曲(DLC曲を除くと全40曲)しか収録曲が増えていないと、水増しされたような気分になる。
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本作のDLC曲は豊富ではあるが、だからこそデフォルト収録曲のみでしか遊べない版権の方をもっと増やしても良かっただろう。
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また、ゲームミュージックとナムコオリジナルは前作DLCを除いたデフォルト曲でも再録が目立つ。再録しかなかった前作よりは進歩(?)しているが。
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『六代目』同様、演奏オプションでセーブデータ数が圧迫される。次作の『ぽ~たぶるDX』では演奏オプションがセーブデータと切り離され、重ねがけも可能となった。
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DLC曲が増えたので当然ながら前作よりもメモリースティックの容量を喰うことに。なるべく容量の大きいものを購入しよう。
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『六代目』で無くなった不揃いな音符間隔や(流石に『五代目』ほど酷くはないが)、ゴーゴーバグなどがこの作品でも起きている。
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曲選択画面で曲を選択したり、メニュー画面に戻ろうとしても画面が変化せず(一応エフェクトが動いているが)、操作を受け付けなくなるバグがたまに起こる。こうなったらPSボタンを押してゲームを終了し再起動するしかなくなる。
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前作のDLC曲の難易度がそのままとなっている。『ぽ~たぶる』発売当時(2005年)では妥当でも流石に2006年になると逆詐称と呼べるものが多い。
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1年で表記が変わってしまうほど難易度が変わってしまった、というのも難易度インフレを表しているとも言えるが…
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収録曲の1つ「大打音」は『太鼓の達人8』との仕様の違いが考慮されずそのまま移植したので、達人譜面の大音符の判定が厳しくフルコンボはおろかノルマクリアも難しい。
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『七代目』にも収録されているが同様の仕様であるためこちらも難しい。横持ちでフルコンボを狙うなら、L・Rボタンがカツであるタイプ1を推奨する。
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前作ではあった「連続演奏ゲーム」が削除。連続演奏は『ぽ~たぶるDX』でも「メドレーモード」として入れられているので、この作品だけそうした要素が無いのは寂しい。
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「きままにドンカツ」のジャンルがすべてJ-POPで統一されてしまっている。別に大した問題ではないにせよ気になる。
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DLC配信が予定されていた「エリンギのエクボ」が配信されなかった。公式ページの収録曲一覧に誤って未配信楽曲も表示してしまった曲の1つであり、何故これだけ配信されなかったのか。
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残念ながら『ぽ~たぶるDX』でも配信されなかったので、『春祭り』か『超ごうか版』をプレイするしかない。後者はおには新譜面となり旧譜面はそのまま難しい譜面になっている。
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PSPの仕様に関する不満点は『ぽ~たぶる』の項を参照。
総評
前作から様々な要素が順当に進化している作品。蛇足のような「おはなしモード」など、歯がゆさの残る面もあるが『太鼓の達人』としてプレイするならそれを差し引いても楽しめる。
その後の展開
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「ぽ~たぶる」「ぽ~たぶる2」共に、
2018年1月31日をもって楽曲のダウンロードサービスは終了した。
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ダウンロードサービスの利用開始には認証が必要で、さらにダウンロードリンクのウェブページも閉鎖してしまったため、再ダウンロードも不可能となった。
最終更新:2022年10月26日 11:19