WireWay
【わいやーうぇい】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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DSカード
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発売元
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コナミデジタルエンタテインメント
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開発元
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ナウプロダクション
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発売日
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2009年11月5日
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定価
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3,800円(税5%込)
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プレイ人数
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1~4人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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タッチペンオンリーのお手軽システム 細かい調整不足がネック
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あらすじ
希望のエネルギー「★(Elan)」を売ってひと儲けを画策する無法者の宇宙人ワイリーと友人リフレッシュ。あるときこのエネルギーを求めて地球にやってきた彼らは、宇宙盗賊が絡んだ大騒動に巻き込まれる。
操作方法とシステム
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画面
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DSの上下画面がアクションのステージとして表示される。
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下画面の中央部には、本作の主人公となる黒くて小さな宇宙人ワイリー。ゲームではここで彼を操作してゴールに導くことになる。
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ワイヤー
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ワイリーは、マップ各所設置されているワイヤーに接触するとそこにつかまる。この状態でワイヤーを引っ張ると、ゴムパチンコの要領でワイリーがジャンプする。
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また引っ張る前であれば、ワイリーをワイヤーに沿って平行移動させることができ発射点を微調整できる。
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ワイリーがつかまっていなくとも、プレイヤーは近くにあるワイヤーを引っ張ることができる。これを応用して、地面に落ちたワイリーの回収、もう少しで届きそうなワイヤーを手繰り寄せるといったプレイングが可能。
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通常よりも太いワイヤーからは大ジャンプが可能。
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また、ワイヤージャンプしたワイリーの滞空中に、先ほどの物とは別のワイヤーを引いて、ゴムパッチンのように叩きつけても大ジャンプできる。
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敵と対処手段
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ワイヤージャンプの勢いが付いているときのワイリーは体当たりで敵を攻撃できる。
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敵が捕まっているワイヤーをプレイヤーが直接揺さぶっても退治できる。ただし上記のように、ある程度ワイリーが近くにいる必要がある。
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Elan
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ステージ各所に散らばる星型のエネルギーアイテム。
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10集めるとプレイヤーの任意タイミングでワイリーを一時強化できる。このときのジャンプは飛距離と威力が上昇する。
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またダメージを受けるとElanを周囲にこぼしてしまう。即座に回収することで消失を防げる。
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Elanを一つも持っていない状態でダメージを受けてしまうとワイリーが倒れる。その後リスタートするか否かを聞かれる。
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Elan10個分の強化が終了すると、Elanの数が0になるので注意。
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提示された個数のElanを回収しないと、ゴール前がふさがれてクリアできないステージもある。
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マップ
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上画面の隅にステージの概形、ワイリーの位置、目標地点の位置を表示する簡略マップがある。
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ただし、初期はワイリーとゴールの一以外真っ新の状態で、ワイリーが動き回った周囲が書き込まれていく仕組み。
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その他設置物
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ワイリーの動きに変化を与えるギミックがその他いくつか登場。
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星形の模様をもつ円形の「バンパー」はぶつかると特定の方向にワイリーを跳ね返す。赤のバンパーは上に、青のバンパーは下に跳ね返す。
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他にも張り付いたワイリーを回転で遠くに投げる「スピアー」、ベルトコンベアの要領で横に送り出す「ゴンドラ」がある。
モード
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ストーリーモード
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ステージ制。レベルが設定されており、お話が進むにつれて最大6までレベルが上昇。
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1つのレベルに用意されているステージ数は原則8つ。
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1~7はゴール地点にたどり着けばクリア。最後のステージはジャンプアクションを駆使してボスを退治する内容。
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1-1~8, 2-1~8といった風にステージ攻略していくことになる。
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ストーリーモードのやりこみ
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一度クリアしたステージはいつでもやり直すことができる。
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☆を集めた数、隠しアイテムの取得、クリアタイム、ステージ踏破率、達成率によるランク評価をつけなおしてもらえる。
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隠しアイテムは、ピンク色をしたパズルのピース状のアイテムである。集めるとワイリーの外見やボイスを変更できる。
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チャレンジモード
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指定された回数以内だけジャンプしてゴールにたどり着く「フリックトライアル」、プレイヤーがワイヤー、バンパーなどを配置してゴールを目指す「ストラテジー」がある。
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たいせんモード
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ワイヤージャンプでレースゲームをする。
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1位がラップを終えたときの順位を基準に得点が振り分けられていき、5周した時の合計得点を競う。
評価点
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タッチペンだけで行える操作性
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バネによるジャンプは移動・攻撃をかねており、すべてタッチペンの引っかき操作で行える。熟練すれば、ステージを颯爽と飛びまわれるだろう。
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ステージ中に散らばっているElanは体力ゲージ・必殺技ゲージの役割も一部担っている。ステージクリアのために確認すべきパラメータも実質ひとつであり、簡潔さに貢献している。
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ステージのギミックに工夫がある
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適度に飛距離を稼ぐテクニックを知らないと先に進めない例、ステージ全体に水が張っており抵抗や浮力を受ける例、湧き上がる溶岩から逃げるように上へ進まなくてはならない例もあり、必ずしもワンパターンな方法では攻略できない面ではやりごたえがある。
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ただゴールを目指すモードばかりでなく、このアクションシステムを生かして、様々なゲームモードに昇華しようとしている。
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ワイリーの背後に見える遠景は、簡素なデザインながらも森、工場、遺跡、宇宙船など変化に富んでいる。
賛否両論点
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ストーリーモードで繰り広げられる物語は良くも悪くも勢い重視。
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勢いで突っ走るシナリオは難しく考えないのであればなかなか楽しいし、裏を返せばシナリオを無視してゲームに集中できるという意味でもある。
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オークションで希望エネルギーを売りさばこうとしてきた宇宙人が、ギャングの女頭に一目ぼれ。そしてその女頭に貢いだ宝物が、彼女に憑依し正義の心に目覚めさせる…、と短めのゲームの中でめまぐるしく状況が変化していく。
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ただし、ワイリーがとある理由で正義の闘志を燃やすのだが、相変わらず相方は金儲け以外に意欲がなく、肝心の女頭も命の恩人のワイリーをすっぽかして宇宙の守護者の使命に目覚めるなど、どこか悪い意味で力が抜けるオチも用意されている。
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また本編シナリオとゲーム中に登場するアクションの状況が全くかみ合っていない。
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物語では敵の船に乗り込んでいるのに、アクションの方では無関係な町が背景、他にも物語ではさっきまで相方のリフレッシュと行動していたのに、アクションの方では離れ離れになってゴール地点で再会しなくてはならないなどが日常茶飯事。
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そもそも、ワイリーがなぜワイヤーで移動できるのか、Elanがなぜ体力ゲージもかねているのか、など気にしだすとキリがない。
問題点
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ワイヤーアクションに求められる緻密さ
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求められる操作とパラメータ管理自体は単純なのだが、アクション関連で覚えることは思いのほか多い。
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ワイリーがジャンプした着地点の調整が非常に難しい。ワイヤーを引いたときに、ワイリーがどのような軌道を描くのかの予測線が出るのだが、これが実際の軌道と若干ずれている。
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特に横ベクトルの動きが強調される傾向があり、小さめのジャンプで大雑把に上に行きたいときはいいのだが、斜め45度上などに跳びたいときや、真上に跳びたいときの調節が案外難しい。
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ワイヤーに捕まっていない時のワイリー
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着地したワイリーは、地面を素早く歩き回るため回収に若干手間取る。ワイリー自身を突いてあらぬ方向に飛ばしてしまったり、回収の為に伸ばしたワイヤーが届かない位置に移動されてしまうなど。
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ワイヤーに捕まらせてた状態のワイリーをタッチペンでホールドし、ふりまわすことで敵の弾幕をよける、というプレイングが安全牌に落ち着きがち。
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ワイヤー以外の移動ギミックの操作も煩わしい。特にスピアーでワイリーを打ち出す方法が非常に難解。
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細かいルール説明がゲーム中に存在しない
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ゲームのルール説明がゲーム中にあるにはあるのだが、その説明役はワイリーの相棒のレフレッシュがつとめているためテイストがメインシナリオと同様で勢い任せ。
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ゲーム中の固有名詞も多い中、その固有名詞が何を指すのかは口頭で説明されるだけ。実践しないとほとんど何のことを言っているのかわからない。幸い説明書はきちんと説明してくれてあるものの、中古品で買い求める際は、説明書が入っていないことがあるので注意。
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視認性の悪さ
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マップがかなり広いのに対し、一度に見渡せる範囲がかなり狭い。DSの上下画面の境目に該当する範囲も見ることができない。敵や次に掴みたいワイヤーがちょうどその位置にくると見事に隠れられてしまう。
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また方向キーで多少見渡せるものの、その範囲もワイリー中心に若干広がる程度。
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シナリオやシステム解説はすべてテキストで行われるが、そのテキストの書体がつぶれて読みにくいことがある。特に「君」という漢字が「召」と見間違いやすい。
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敵との戦闘手段が若干味気ない
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ワイリー自身の攻撃手段は、バネジャンプによる体当たりのみ。
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一部の雑魚は、ワイヤーをはじいだ振動でふるい落とす、特定のタイミングや方向からの攻撃しか受け付けないといった駆け引きはあるにはある。
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ただし、レベル2のボス以外は弱点と思しき部分に体当たりするだけ。マップも広い事が多いため、一旦こちらがピンチになっても、ボスから十分距離をとれば形成を立て直すことが容易で緊迫感がない。
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ゴールを目指すステージは変化がつけられてはいるが、結局プレイヤーがやらなくてはならないことは、ワイリーを移動させることに集約されてしまう。
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シナリオ画面から切り替わってステージを読み込むのにかかる時間が3秒ほどと若干長い。
総評
タッチペンだけでできる操作性の独自性は高く、勢いで説明される物語とシステム周りの豪快さは特長といえるだろう。一方で、ジャンプの角度や地上のワイリーの操作、調節が難しく直感で操作しにくい操作といった壁があり、ジャンプと体当たりだけに限定されるアクションの単調さは残念なところ。
最終更新:2021年06月23日 20:36