R-15 ぽーたぶる

【あーるじゅうご ぽーたぶる】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 プレイステーション・ポータブル
開発・発売元 角川ゲームス
発売日 2011年10月27日
定価 5,800円(税別)
レーティング CERO:D 17歳以上対象
判定 なし
ポイント 「反応ワード」で分岐する高難易度ADV
R-15なのにCEROはD


概要

  • ライトノベルの『R-15』の設定を使った、CGだけがエロくて内容はそう過激でもない、ちょいエロなADVである。
    • ストーリーは原作をなぞるものではなく、舞台や各キャラクターの説明も十分あるため、原作を知らなくてもプレイ可能となっている。
  • 原作と同様に レーティングがR-15(CEROで言えばC)の作品を目指して制作されたが、CEROから下されたレーティングはR-17(正式にはDだが本記事においては突っ込むのは野暮)だった。

ストーリー

主人公の芥川丈途は閃(ひらめき)学園の1年生ではあるが、週刊誌に連載を持つ天才エロ小説家である。
連載の〆切を落とさないため、7日後までに原稿を書き上げなければならない。

システム

  • 反応ワード
    • 本作はビジュアルノベルのような一本道ではない*1にもかかわらず、普通のADVのような選択肢は昼食を取る場所を決める場面にしか存在しない。
      他の登場人物のセリフ内にある「反応ワード」に反応することで会話が広がるシステムである。
    • 「反応ワード」に反応することで会話の展開が変わるが、発言者に作用するとは限らず、別の登場人物の行動を変化させることもある。
      • 「反応ワード」に反応したことによって新たに引き起こされるイベントはその直後に起こるとは限らず、2日後に起きることもある。
    • 1つの発言中に2つ以上の反応ワードが出現することもあるが、同時には1つしか選べず、また、まるまるスルーすることも出来る。
  • イチャイチャイベント
    • 女性キャラの一枚絵CGのポイントを指定して、ワードを投げかける。
    • ワードと投げかける場所の組み合わせが適切であると、妄想エネルギーが溜まる。
      • さらに、コンボが決まると女の子の服も脱げていく。
  • 執筆パート
    • 2日目の夜から可能なミニゲーム
      • 画面上を移動する感応ワードを捕まえて原稿用紙に吸収することで執筆が進んでゆく。1ワード当たり 約1%である。
      • イチャイチャイベントで溜めた妄想エネルギーを消費して、感応ワードのスピードを落とすことが出来る。
    • ストーリー攻略が完璧でも、6日目夜に執筆率 100%に至らなかった場合はバッドエンド(円周率*2エンド)ルートに突入する。

評価点

  • 原作のノリは損なわれていない。
    • ただし、ストーリーは原作をなぞるものではなく、舞台や各キャラクターに関する説明も十分あるため、原作を知らなくてもプレイ可能となっている。
    • キャラクターボイスの声優はアニメ版と同じキャストとなっている。
  • イチャイチャイベントは攻略が易しく、これによりGood ENDに至らなくてもお手軽にチョイエロCGが拝める。
    • イチャイチャイベントは2日目以降、執筆パートがある日の日中に必ず1回あるはずなのだが、狙ったキャラのイチャイチャイベントを出現させるためにはストーリー攻略が必要ではある。

賛否両論点

  • 「反応ワード」システムだけに絞ったこと
    • 「反応ワード」のような、相手の発言中の単語に突っ込んで会話を変化させるシステムはADVにおいては『玻璃ノ薔薇』のようにフリーワード指定のものまであり目新しいとはいえないものの、基本的にはTipsどまりの物が多く、本作のように選択肢がほとんど無いまでに特化した例は類を見ないのではないか。
    • ただし、本作はルート分岐が非常にわかり難くなってしまっており、内容やボリュームに比して難易度が無駄に高くなっている。
      • 会話イベント中に「反応ワード」をスルーしても、その場に居なかった別の登場人物が現れて、その人物の好感度が上がることがある。このように、特定のENDに至るための最適な選択肢の予測が難しく、プレイしはじめた頃はキャラ攻略は諦めて総当りのつもりで臨む必要がある。

問題点

  • 執筆パートのミニゲームが100%に至らなければバッドエンド確定なので避けて通れないのだが、このミニゲームがやや難しく厄介である。
    • 流れてくるワードのどれが正解か分からない。
      • 大量のワードが流れてくるのだが、どれが正解のワードなのかは見分けがつかず、大きめの文字のものを手当たり次第クリックすることになる。
    • ワードが長くても短くても評価は同じ
      • 流れてきた感応ワードを捕まえる際、捕まえようとするワードを押さえつけ続けると1文字ずつピンクに色づく。長いワードほど押さえつけ続けなければならない時間が長くなるのにも拘らず、どのワードでも1%扱いとなっている。
      • また、ワードの長さに関係なく流れてくるため、長いワードが続けて出てきて、両方を捕まえるのは絶対に無理という場面もある。
  • システム的なサポートが薄い
    • フローチャートはない
    • ジャンプ機能もない
    • ただし、本作内の各イベントはストーリー進行上必要不可欠な会話程度しかなく、Skip機能だけで十分といえば十分かもしれない。
      • ストーリー内のイベントは本当に淡白で、各エンド専用CG以外のイベントCGが無いというのは、ある意味異常かもしれない。

総評

「反応ワード」選択時にその場に居なかったキャラの好感度が上がったり、「反応ワード」の選択によって引き起こされたイベントが数日後に発現したりするなど、ストーリーの分岐条件が予測しにくく、攻略本もないため、不安定に近い難易度となっている。
20以上のものエンディングがあるにも拘らず、フローチャートやジャンプがシステム的にサポートされていないこともあり、内容の薄さにも拘らず総プレイ時間はやや長めとなる。
原作のファン、あるいは高難易度ADVマニアのどちらかのみにおすすめする。

余談

本作のレーティングはR-17である。
『R-15 ぽーたぶる』と題していながら、実際はR-17規制であるのは、混乱によるまちがいを引き起こす可能性があるが、原作が『R-15』という題名である以上、レーティングがR-17になったからといってタイトルから『R-15』という文字列を外すわけにもいかないだろう。*3
なお、とあるキャラのイチャイチャイベントで4コンボを出すと、服を着ていないCGが出現するのだが、CEROは果たしてそこまで検証したのだろうか?

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最終更新:2021年04月30日 08:17

*1 角川ゲームスによると20以上のENDがあるとされている。

*2 = 円修律

*3 もっとも、正確に言えばCERO-Dは「17歳以上『対象(推奨)』」なだけなので、17歳未満の人が買っても全く問題なかったりするのだが。