戦国BASARA2 英雄外伝

【せんごくばさらつー ひーろーず】
※以降は発売日以外の共通部分は省略します。

ジャンル スタイリッシュ英雄(HERO)アクション
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 カプコン
発売日 2007年11月29日
定価 5,480円
プレイ人数 1~2人
配信 ゲームアーカイブス:2013年7月17日/823円
判定 良作
戦国BASARAシリーズ


英雄の数だけ、戦国はある



概要

2』の約1年後に発売された拡張版ディスク。
CPUキャラのプレイアブル化、新規ステージの追加、2人プレイモードの追加などが主な変更点。
キャッチコピーは、「明かされなかった英雄たちの物語」で、無印の『2』では描かれなかった「英雄たち(HEROS)」の物語である。


特徴

  • キャラクターの追加
    • 前作でCPU専用だったキャラクターは全員使用できるようになっている。
      • うち、本作で攻撃モーションが新規に制作されたのはストーリーが用意されている「片倉小十郎」「お市」「浅井長政」「風魔小太郎」の4人。いずれも個性的な性能を引っさげての参戦になる。
      • 残りの追加キャラクターは前作CPU時と同様に通常攻撃自体は他のキャラクターのモーションを流用しているが、それぞれ固有技や移動モーションといった細かな性能で引用元のキャラクターとの差別化を図っているのが特徴的。
    • 加えて、新規のCPU武将として「松永久秀」が参戦。
  • 各キャラに「衣装其の壱(染)」が追加された。衣装其の壱のカラーリングが変更されたもの。
    • キャラクターにもよるが、第八武器もしくは第三防具にマッチするカラーリングが多いのが特徴(一例として、元就の衣装はカラーリングが第三防具のものに近い白色に変更される)である。
  • 新たに「バサラくじ」が追加された。
    • ステージクリア時の戦利品開封時、取得済のものが出た場合にランダムでくじが出現し、バサラ屋でくじ引きができるようになった。
      • くじは100枚まで所持が可能。出目にはバサラ屋商品の割引や小判などの種類があり、好きな商品を1つ無料で手に入れることができる大当たりもある。
  • 2人プレイモードの追加
    • 8種類のミニゲームがプレイできる「対戦モード」が追加され、「天下統一」と「大武闘会」も2人プレイで挑むことができるようになった。
  • 『2』のデータ引継ぎが可能。
    • 引き継げる内容はキャラクターのレベル、武器と防具のレベル・衣装 其の弐・専用アイテム・成長アイテム・称号。
  • その他
    • コンボ時に表示される「Ready?」以降の文字がアルファベット表記からカナ表記(例「BASARA ⇒ バサラ!」「FEVER! ⇒ フィーバー!」)に変更された。
      • なお、この点は『3』以降は元のアルファベット表記に戻っている。

評価点

  • ストーリーの完成度が上がっている。
    • 5章からなるメインストーリーが3人分、3章からなる外伝ストーリーが5人分用意されている。数が減った分、個々のストーリーについてはよく練られている。
      • 「片倉小十郎」は、伊達政宗に仕える小十郎の忠義が描かれている。また「忠義故に主に刃を向ける」という展開もある。何故そのような経緯に至ったのかは自分の目で確認してほしい。
      • 「浅井長政」はいわゆる「正義の味方」のパロディキャラなのだが、ストーリーは意外にもふざけておらず「戦い→挫折→苦悩→復活→勝利」という王道のシナリオになっている。
        後述の「お市」もこのシナリオではきちんとしたヒロインであり、きわめて真っ当な役回り。
      • 最も人気が高いのは「真田幸村」の外伝ストーリー。とにかくバカ要素が豊富であり、「斧を振るだけで道場を建てる武田信玄」「気合を入れれば復活する武田軍兵士」「どうみてもバレバレな変装に気づかない真田幸村」「溶岩の中から平然と登場し"心頭滅却すれば火もまた涼し"で片づける武田信玄*1」と見どころ満載。
        一方で、次回作の『3』のストーリーに繋がる深い発言もあり、その意味でも注目。
  • 新規キャラ「松永久秀」は極めて人気が高い。
    • CPU専用キャラとしては初となる固有モーション持ち。悠然と闊歩しながら突如として緊急回避を繰り出し、攻撃を仕掛けてくる。
      • 「信長に城を攻められ最後は自爆した」という史実を反映して火薬を扱う技を持つ。とにかく攻撃力と防御力が極めて高く、非常に厄介な相手。
        また天下統一モードでは、突如として国土を侵してくる。この「松永軍迎撃戦」は1の防衛戦のリメイクなのだが、外伝屈指の高難易度。
        段階が進むにつれて爆弾兵、仁王車、人質などが投入されて戦局は混沌を極めることになる。
    • シナリオにおける扱いも極めて特異。
      • キャラクターとしても梟雄と呼ばれた史実に合わせて、「どこまでも欲望に忠実な極悪人」として描かれている。
        目先の利益にしか興味がないのに「欲望こそ世の真理」と語る姿に小悪党らしさを微塵も感じさせず、「魔王」織田信長を前にしてすら平然としている。
        また、松永は悪役でありながら態度は極めて紳士的であり、そういったギャップも人気の理由の1つである*2
      • 「片倉小十郎」と「前田慶次」のストーリーではラスボスとして登場。
        特に前田慶次のストーリーでは慶次と豊臣秀吉の不和の原因、ひいては秀吉が天下統一を目指す遠因となる人物であることが明かされる。
      • 更に別の意味での攻撃力も非常に高い…詳しくはこちら。
    • 担当声優は藤原啓治氏。声優ネタで「係長」「焼け野原ひろし」などと呼ばれるが、熱演で、非常に色気のあるボイスの魅力的なキャラクターになっている。
    • 松永が従える「三好三人衆」はモブ武将であるが固有のグラフィックや登場シーン、専用BGMが用意されている上、ボスとして登場するステージも存在する。
  • 前作から更に増えたやり込み要素・ボリューム
    • CPU専用キャラが使えるようになり、使用可能キャラは合計30人に。
      • 『2』のCPU専用キャラクターは通常技などのモーションがプレイヤーキャラクターの流用であったため、プレイアブル化に当たってほとんどのキャラクターが固有のモーションに差し替えられている。
      • 武器8種、防具3種類のデザインも新たに書き起こされている*3
    • 新規難易度、「神の領域」追加。
      • 他の難易度と異なり「神の領域」というアイテムを装備することで挑める。つまり5つあるアイテム欄のうち4つしか使えず、この時点でアイテムの吟味が求められる。
      • 難易度「究極」がベースだが、敵のステータスが大幅に上がる。
        全体的に低難易度な本作だが、さすがに初心者がクリアするのは厳しい難易度になってくる。
      • さらに、この「神の領域」「上杉の塩」の効果(装備すると敵全員の体力が2倍になる)と重複する。こうなると上級者ですら苦戦する程。
    • ステージに関しても、2回復活しその度に強くなる最強キャラ・本多忠勝と対決*4出来る「小牧長久手の戦い」、前述の「松永軍迎撃戦」など、やり甲斐のある難しいステージも追加されている。
    • 「大武闘会」も敵の種類が刷新され、大きく様変わりしている。
      • 2キャラを選んで交互に切り替えながらプレイできるようになった。
      • 物足りない人のために「兵への挑戦状」という要素がある。
        様々な条件を満たすことで賞金が受け取れるというもの。全20枚あり、先に進むほど難易度は上昇するのでコンプリートは容易ではない。これを集めないと獲得できない称号もある。
        全てクリアすると挑戦中の大武闘会で獲得できる経験値の取得量が倍になる褒美も。
      • 本作での大武闘会で登場するCPU武将は全てが「衣装 その2」に変更される。前作ではプレイヤー専用だった「衣装 その2」が敵側にも適用される様は新鮮味がある。
      • 他、本作の大武闘会における最終戦では、トリを飾るのに相応しい演出が追加された。ネタバレになるので詳しくは自分の目で確かめてみよう。
    • 本作では大武闘会をクリアすると更に「極・大武闘会」も開催される。
      • 賞品が現金になり、その最高金額は100万両。ステージ構成は変わらないものの制限時間が存在するので迅速なクリアが求められる。
      • 2人プレイやタッグプレイで「天下統一」や「大武闘会」をクリアすると、2キャラ分の衣装や武具がまとめて入手できるため、「やり込み・収集要素のコンプリートは比較的だが容易になった。
  • キャラクターの性能に調整が加えられている。
    • 特に『2』において弱キャラであった武田信玄はバサラ技の隕石が自分の前にまとまって落ちるようになり、殲滅力が向上した。
      • 一方でそのあおりを受けて長曾我部元親が「最下位の鬼*5」にまで転落してしまった。
        という扱いになっているが、近年大幅に研究が進んだ結果、現在では下の上くらいの扱いである。
        それに伴い今度はお市が単独最下位扱いで元親のOランク*6を引き継ぐ結果となった。
      • 最も全く戦えないという訳ではなく、他のキャラと同様に戦法次第では神の領域でも十分通用する。
  • 敵武将にダメージについての縛りに、『2』では「一撃のダメージは相手の最大体力の半分以上になると強制的に半分になる」という制約があった。
    • 『英雄外伝』では上記の縛りがなくなり「相手の体力が最大のときにだけ、一撃で死ぬ攻撃を受けたら体力が1残る」となった。
      • この仕様の影響を最も受けたのが、島津義弘が使う、ゲーム中で最も単発攻撃力の高い固有技「示現流 断岩」である。
        『2』ではどんなに攻撃力があろうと(体力満タンから)最低二発当てる必要があったが、『英雄外伝』で跳ね返しで体力を減らす→断岩でほぼ確定で倒せるようになり(攻撃力、アイテム次第だが)、一刀必殺をそのまま表す技となり、対ボスに限り最強となった。
  • 跳ね返しが大幅強化され、『2』では少し怯むだけだったが、『英雄外伝』では忠勝以外のボスは片膝をついてかなり長い時間怯むようになった。
    • 上記の島津の調整もこの跳ね返しの仕様と合わせての結果である。
    • 更に跳ね返しを成功させる度に攻撃力が増加する「刹那の見切り」というアイテムが追加された。
      • 攻撃力アップの上限は全アイテム中最高の10000*7、ここまで上げると「」の領域も「」の領域と化す。
    • これらにより跳ね返しを狙う意義が大幅に増した。
  • 体力ゲージの表示が、BASARAゲージと同じく満タンのときは光るようになった(前作では満タンで光るのはBASARAゲージのみ)。
    • この仕様のおかげで、コントローラーの振動機能を頼りにせずともダメージを受けたかどうかがすぐに(いつでも)確認できる。ノーダメージクリアを目指す際にも地味に役に立つ。
  • カメラ外から敵が寄ってこなくなった
    • カメラ操作を徹底することで被弾を抑えられたり、拠点兵長を画面外に出すことで延々と敵を撃破し続けることが出来たりと工夫のし甲斐がある仕様になった。
  • 細かいことだが、称号が天下統一モード以外でも獲得できるようになった。
    • 天下統一モード以外で称号を獲得できる様になった事に伴い「自由合戦を利用して運による引きに左右されずに指定の称号を狙う」という芸当も可能に。

問題点

  • 2人プレイが追加されるも、全体に調整不足。
    • 2人プレイで遊べるのが大武闘会、天下統一、対戦しかない。
      • ストーリーが遊べないのはともかくとして、自由合戦ができないのが痛い。
        天下統一モードは仕様上狙いのステージを連続して遊ぶのがキツイため、やりたいステージをプレイしにくい。
        確かに2人プレイ向きでないステージもあるが、それなら遊べるステージだけでも選べるようにしてほしかった。
    • 「片方が倒れてももう片方が救援に行けば復活」「コンボが2人で共有なので稼ぎやすい」といった問題もあり、難易度が大幅に下がっている。
    • 対戦モードは「誰得」に近い。
      • 前述したとおりキャラクターバランスはほぼ崩壊している作品である。
        1人プレイならばそれでもさほど問題はないのだが、調整なしでこれらのキャラクターがガチでぶつかり合うとなると…。
      • ルール自体は豊富に用意されている上、どれもなかなか凝っており面白い。
        しかし、多くのルールで足の速いスピード型が有利で、パワー型が不利なのはどうにかならなかったのか。
  • ヒット数が大幅に稼ぎにくくなっている。
    • ヒット数+系のアイテム/武器はことごとく削除、もしくは効果変更。上記の敵が寄ってこない仕様と合わせて『2』のように簡単にはヒット数が伸びない。
      • 代わりに戦極ドライブ弐、戦極ドライブ参を発動するとHit数がそれぞれ+1、+2上がるようになった。
    • 500Hitを達成するごとに発動する「バサラフィーバー」状態の仕様が変更されている。
      • 『2』では一定時間はHit数3倍、敵に攻撃しただけで小判を落とすようになり、フィーバー中はHit数が途切れない。ただし、敵の攻撃で怯むとコンボは途切れリセットされる。
        『英雄外伝』ではHit数3倍が削除されてしまっている。代わりにフィーバー状態のときに戦極ドライブ壱*8が発動するようになり、敵の攻撃を受けてもHit数が途切れなくなっている。
      • ヒット数稼ぎはともかく、ボス戦においてこのフィーバードライブは非常に有用である為、それを考慮したバランス調整と言えなくもない。
    • 代わりに「刻印」攻撃という技が追加された。
      • 「刻印」属性のついた攻撃を当てると敵が刻印状態になり、その間に「刻印」属性以外の攻撃を当てるとヒット数が増える、というもの。
      • ただし、刻印状態の持続時間は短く(時間延長アイテムを装備してもなお短い)、キャラや技によっては全く活用できない事もある。
      • 刻印状態中に攻撃を当てるとボスの怯み方が変わるという仕様があり、同じ技でも『2』と異なる挙動を取るようになった。中にはこれを利用したハメ技や連携も存在する。
      • ここまで来るとヒット数+アイテムとは似て非なるものであり、比較する事自体ナンセンスかもしれない。
  • 『2』のストーリーがプレイできない。
    • このため、今回ストーリーモードが与えられていないキャラ(外伝ストーリーがあっても)の固有アイテムはショップで購入することになる。
    • また、『2』のストーリーがプレイできなくなったことに伴い、前作における「本能寺乱入戦」や「蒼紅一騎討ち」といった特定キャラクターのストーリー限定だった合戦の出番が消滅してしまい、自由合戦のみでプレー可能になってしまったのは否めない。
  • 新たにグラフィックがアニメ調の絵に変更されており、ストーリーのオープニングとエンディングのムービーも従来のCGモデルではなくアニメーションに変更されている…のだがこれが不評。
    • 固定のイラストについては(絵柄の好みはあるにしても)それほど問題ないのだが、アニメの出来が極めて悪い。
      • 武田信玄の色遣いが妙に鮮やかだったり、真田幸村のあごが長すぎたりといったのはまだかわいい方。
        美人キャラのお市の髪がまとまって動くのでまるで海苔のように見えたり、細面のはずの小十郎の骨格がどうみても四角いのはもはや失笑もの。
        ちなみに小十郎ストーリーのオープニングで一番まともなデザインなのは一言台詞があるだけのモブ武将である。参考動画
      • 「政宗の刀の数を間違えている」「仰向けに倒れたはずの信長がムービーではうつ伏せに倒れている(しかもかなり変な感じなのでゴキブリ、ゲンゴロウなどと言われる始末)」などの細かいミスもある。
    • ちなみに『戦国BASARA』は初代と本作、『X』やテレビ版とアニメ化されているが、全て制作会社が異なるという不思議な経緯を持っている。
      しかし、その中でもぶっちぎりで評価が低いのが本作である。
  • 最恐の鬱シナリオ、「眠れ緋の華(お市ストーリー)」
    • ライバル作品にあたる真・三國無双4でも、孫尚香のストーリーが鬱すぎる結末だった。ところが、このシナリオはそれさえも凌駕するほど鬱展開だらけである。
+ 以下ストーリーの詳細。ネタバレと鬱要素注意

第六天魔王、織田信長の妹、お市。絶世の美貌を持つ彼女が浅井家に嫁いだのは理由があった。
信長の天下統一の障害になりそうな浅井長政を籠絡、それができないならば抹殺せよ―その命を密かに隠し、彼女は浅井家での生活を送っていく。
しかし共に過ごしていくうちに彼女は長政のぶっきらぼうながらも実直な態度に少しずつ惹かれていく。どこまでも自虐的な彼女の心に一筋の温かみが宿っていた。
だが、事態は最悪の方向に向かっていく。ついに覇道に向けて動き出した織田軍、信長の予想通り義兄のそんな動きに反発する長政。両者の決裂は決定的となり姉川にて決戦が行われる。
戦局は浅井軍の圧倒的な不利。しかしお市はなんとか織田軍本陣の兄の元にたどり着くことに成功する。
信長は自らに歯向かうものは肉親といえど容赦しなかった。信長に銃を向けられ、死を覚悟したお市。しかし、そこに長政が割って入る。
銃弾は自らの身体を盾とした長政を貫いた。己のために崩れ落ちる長政、「興が覚めた」とその死すら無視する信長―姉川にお市の絶叫が響き渡る。
数か月後、そこには戦場に立つお市の姿があった。長政を失い空っぽとなったお市は織田家に連れ戻され、ただ織田軍のために戦っていた。
武田、上杉の軍と戦っていく中で自らの中に宿る長政の声に気づいていくお市。そしてその声は次第に強くなっていき、最北端にて一揆の首謀者の少女、いつきを殺したその時―発狂。
目付け役として付いて来た濃姫と森蘭丸をその刃で惨殺し、なにを考えているのかもわからぬまま本能寺へと向かう。
本能寺にてついに対峙した魔王兄妹。余人には決して理解できない理由で互いに高笑いを挙げながら殺しあう。
―そして、地に倒れたのは兄であった。倒れ伏す彼はお市を「第五天化楽魔王」と呼ぶ。
なにを目的としたのかもわからない殺し合いの後、お市は燃え上がる本能寺の中で笑い続ける。しかし、残酷にもまさにその時、彼女は正気を取り戻すのであった。
自らの手で最後の肉親を殺し、もはやなにも残っていないことに気づいたお市は泣き叫びながら本能寺の炎の中に消えていく…。

最終的には主要人物全員死亡。主人公すら生死不明というとんでもない結末を迎えることになる。
そしてエンディングは…なんと固有のもの。他のどのキャラもこんな優遇は受けていない。そして曲の方も鬱。なまじ良曲だけに余計に印象に残ることになる。

  • 一応救済措置として、長政ストーリーではちゃんと救われる結末を迎えることになる。
    • 公式でも「絶対にお市→長政の順番でプレイしてください」という発言がなされている。

総評

『2』と比べてヒット数や撃破数が伸びにくくなっており、手軽に爽快感を得たいというのであれば改悪と言える仕様である。
一方で数々の仕様変更により、『2』では味わえなかったボス戦や制限プレイの新たな魅力が生まれた。
拡張ディスクではあるものの、『2』のやり込み要素ではなく、やり込み層向けに調整された『2』として見るのが正しいのかもしれない。
単純なシステムであっても単調なバランスではないこの作品は『2』以前にも『3』以降にもない独自の魅力を持っていると言える。
しかし、今からプレイするならばPS2版より後述するWii版、もしくはPS3で発売されたHDコレクション*9の方がおすすめである。


戦国BASARA2 英雄外伝 ダブルパック

【せんごくばさらつー ひーろーず だぶるぱっく】

対応機種 Wii
発売日 2007年11月29日
定価 7,340円
判定 良作

概要(ダブルパック)

『2』と『英雄外伝』がセットになったダブルパック版。
互いにデータを共有できるのが最大の特徴(PS2版はゲーム開始時しか引き継ぎができない)。
このため『英雄外伝』で育てたキャラで『2』のストーリーをプレイすることも可能。また単純にマシンスペックが上がったのでロード時間が短くなっている。
ただし、共有の際には互いのバージョン専用のアイテムがあることに注意が必要。また前述の武田信玄が顕著だが使い勝手が大きく異なるキャラもいる。
またリモコン + ヌンチャクの操作は慣れるまでが割と大変。こちらの場合ボタン数の関係で視点変更ができないことにも注意。クラシックコントローラーがあれば問題ないが。
なお、版権の関係上『2』のオープニングムービーのテーマが『英雄外伝』のものに差し替えられている(ムービーは同じ)。そのせいか曲とムービーが少し合っていない。


戦国BASARA HDコレクション

【せんごくばさら えいちでぃーこれくしょん】

対応機種 プレイステーション3
発売日 2012年8月30日
定価 4,990円(税込)
判定 良作

概要(HDコレクション)

『2』『英雄外伝』のHDリマスター版。『1』も同時収録されている。
なお『2』と『英雄外伝』のデータ共有は自動で行われる。
『2』のOPの主題歌は『HDコレクション』自体のOP曲が流用され差し替えられている。

『DMC』のHDリマスター版のようにゲームの進行に直接影響するバグはない。
が、ごく稀に「取得条件を満たしてもトロフィーが取得されない*10というバグが発生することが判明している。
このバグが起きた状態でトロフィーを取得せずにセーブしてしまうと、トロフィーコンプリートのためには一旦セーブデータを消去しなければならなくなる。

+ タグ編集
  • タグ:
  • 2007年
  • PS2
  • ACT
  • カプコン
  • 戦国BASARA

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最終更新:2023年12月10日 23:32

*1 ちなみに溶岩の温度はだいたい700~1200℃。この言葉がよく使われる火渡りの儀式では木炭の温度がこれに匹敵することもあるが、修験者は燃え上がる木炭に全身突っ込んだりはしない。

*2 なお、後に『BASARA』シリーズのライバルである『戦国無双』にも松永久秀が登場しているのだが、そちらは本作の紳士的な松永に似せつつもどこか変人を匂わせるキャラクターとなっている。

*3 CPU専用キャラには一種類しか武器のデザインが用意されていなかった。

*4 通常の攻略では逃亡、撃破はやり込み。

*5 元親が「西海の鬼」と呼ばれることにひっかけたダジャレ。

*6 元々は上記の鬼→ONI→Oランクだったが、現在はお市(OICHI)の頭文字になっている。

*7 PS2版のみ怨念の再利用の効果に上限がないのでこれを上回る可能性はある。

*8 実際には通常の戦極ドライブ壱とは微妙に異なる性能。

*9 リマスター版『1』『2』『英雄外伝』3作のセット。

*10 もしくは「トロフィーの取得が完了するまでに異様に時間がかかり、トロフィーを取得したことが反映される前にセーブが可能」になってしまう。